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鸛雀樓に 登る

白日 山に依りて盡き,
黄河 海に入りて流る。
千里の目を窮めんと 欲して,
更に上(のぼ)る 一層の樓。



































長安(上左ポイント) 洛陽(上右ポイント)、左右の中間点がこの詩の設定地点です。

登鸛雀樓 210王之渙



山西省永済市(前・蒲州府永済県)北から流れてきた黄河の流れが大きく東に大きく流れを変えるこの地。天下に知れ渡った鸛雀樓がある。翫雀とはコウノトリのことで、昔ここにコウノトリが巣をかけたことが有名です。建設は6世紀といわれ、当時は城壁の上に築かれた三層の楼閣でした。



登鸛雀樓 王之渙

白日依山盡,黄河入海流。

欲窮千里目,更上一層樓。


輝く太陽が西の山々に沈んでゆく。眼下の黄河は海に向かって奔流する。
この雄大な眺めを千里のかなたまで見極めようとして、さらに一階、楼を上る。

1300年たった今でも、時を超え、多くの人を楼上に誘う王之渙の名作です。鸛雀樓は黄河の氾濫によって、流されましたが、立派な楼閣として、再建されました。それは、この王之渙の詩によって中国の人々の心に深く刻み込まれた名前になっていたからです。
 冒頭の句のとは白日とは昼間の太陽のことで、次の句の黄河と白と黄色、山と海、とそれぞれ対象となって、鮮明な感を描きます。後半も千と一、窮と上も明確な対になっています。このような形式を偶体絶句といいますが、この詩の特徴は、そういった技巧的なことを凌駕する雄大感に詩の勢いを感じさせるのです。
 海まで1000里以上もある山の中、眺望が開けているとはいえ、千里彼方を見渡すというのは勢いを示す効果は絶大なのです。


鸛雀樓に 登る

白日 山に依りて盡き,
黄河 海に入りて流る。
千里の目を窮めんと 欲して,
更に上(のぼ)る 一層の樓。
       

王之渙:盛唐の詩人。并州の人。若い頃地方の小官に任じられた。王昌齢、高適ら著名な詩人たちと親交があった。嗣聖五年(688年)〜天寶元年(742年)。杜甫李白との接点は見当たらない。

鸛雀樓:〔かんじゃくろう〕高殿の名称。唐 河東道 現・山西省永済市(前・蒲州府永済県)の西南城上にある。楼は三階建てで、前方には中條山があり、下の方を黄河が流れている。この辺りの黄河は北から南へ流れていたのが、大きく東流する曲がり角に当たる。(右図参照)そこは、陝西省との省境でもあり、そのような大陸の奥地から「白日依山盡」と西方の山をを望み、また、南流する黄河を眺めて、詩人の瞳には、黄河の滔々とした流れ詠うのである。鸛雀楼は、当時の名勝であるが、後に水没した。2002年9月、再建され、唐代の壮麗な姿を現した。
 この作品は全て対句によって構成されている偶体絶句である。

白日依山盡:太陽は(西の)山の際に寄っていって、尽きようとして。 ・白日:太陽。昼間の太陽。ここでは「黄河」との対句表現の関係で色が出されている。 ・依山盡:夕陽が山の後ろに沈んでいく。「白日(將)依山盡」。

黄河入海流:黄河の流れは、(勢いよく)海に流れ込んでいる。 ・入海流:河の流れが強く、海の中に流れ込んでも、その黄色い流れは続いているさまをいう。黄河の力強い水豊かな滔々の流れに詩的表現としている。「入海流」は、「河の流れが海の中に流れ込んでいく」という黄河の流れの力強さを詠い、その勢いの表現の外に、「依山盡」との対偶表現のためからでもある。

欲窮千里目:遙か彼方まで見極めようと思い。 ・欲窮:見極めようと思い。・千里目:遙か彼方まで、見極めること。

更上一層樓:更にもうひとつ上の階へあがった。 ・更:さらに。もう(ひとつ)。 ・上:のぼる。あがる。 ・一層樓:一階。


白日依山盡,黄河入海流。


欲窮千里目,更上一層樓。



     輝く太陽が西の山々に沈んでゆく。 眼下の黄河は
     海に向かって奔流する。
     この雄大な眺めを千里のかなたまで見極めようとして、
     さらに一階、楼を上る。




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