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王昭君 白楽天 其の一
面(おもて)に満(み)つる胡沙(こさ) 鬢(びん)に満(み)つる風(かぜ)  
眉(まゆ)は残黛(ざんたい)銷(き)え 臉(かお)は紅(べに)銷(き)ゆ
愁苦(しゅうく)辛勤(しんきん)して??(しょうすい)し尽(つ)くし
如今(じょこん) 却(かえ)って画図(がと)の中(うち)に似(に)たり
























































王昭君 其の二
漢使(かんし) 却回(きゃくかい) 憑(よ)りて語(ご)を寄(よ)す
黄金(おうごん) 何(いず)れの日(ひ)か蛾眉(がび)を贖(あがな)わん
君王(くんおう) 若(も)し妾(しょう)が顔色(がんしょく)を問(と)わば
道(い)う莫(なか)れ 宮裏(きゅうり)の時(とき)に如(し)かずと














王昭君 二首 白楽天


白楽天 王昭君を詠う 二首
 ● 白楽天 王昭君を詠う 二首



 紀元前1世紀、前漢の元帝の後宮にはたくさんの宮女がいた。どの女を寵愛しようかと一計を案じた。画家に宮女の肖像画を描かせた。
 元帝は匈奴へ贈る女性として後宮の中の一番醜い女性を選ぶため、宮女の似顔絵帳の中の一番醜い女性を選ぶことにした。似顔絵師であった毛延寿に賄賂を贈らなかった王昭君は一番醜く描かれていたため、王昭君が匈奴への嫁として選ばれた。皇帝の娘ということで、嫁ぎますから、皇帝に別れを告げるための式で王昭君を初めて見た元帝は王昭君の美しさに目を奪われたが、匈奴との関係悪化を恐れ、この段階になって撤回することも出来ないため渋々送り出した。その後、画工の不正に気付いて激怒した元帝は毛延寿の首を刎ねた。その後、呼韓邪単于が亡くなり、匈奴の習慣に習い息子の復株累若?単于の妻になった。そのとき、王昭君は、反発したが漢王朝から命令されしぶしぶ妻になったと記述がある。


03 王昭君 白楽天

王昭君 其一


滿面胡沙滿鬢風、眉銷殘黛臉銷紅。


愁苦辛勤憔悴、如今卻似畫圖中。




顔一面に吹きかける砂漠の砂、ほつれた髪に吹きすさぶ異国の風
美しかった眉薫も、頬の紅もいつしか色あせた。
悲しみ苦しみのためにすっかり窶れはて、今やあの醜い肖像画にそっくりになった

白楽天17歳の時の作品といわれています。かなり、早熟な若者だったようです。面白いのは、もともと絶世の美女であったものが醜く書かれたわけです。結果、匈奴に嫁いだのです。来てみると、匈奴は過酷な自然条件ですから風雨砂が舞いとうとう醜くなってしまった。絶世の美女があの絵に描かれた通りとなってしまった。


滿面胡沙滿鬢風
顔一面に吹きかける砂漠の砂、ほつれた髪に吹きすさぶ異国の風
胡沙 … モンゴル地方の砂漠。
鬢 … 左右側面の耳ぎわの毛。『全唐詩』には「一作面」との注がある。

眉銷殘黛臉銷紅
美しかった眉薫も、頬の紅もいつしか色あせた
銷 … 消える。
残黛 … 色褪(あ)せたまゆずみ。
臉 … 顔。

愁苦辛勤??盡
悲しみ苦しみのためにすっかり窶れはて
愁苦 … 思い悩んで苦しむ。
辛勤 … 苦労してつとめる。
憔悴 … 疲れてやつれ果てること。

如今卻似畫圖中
今やあの醜い肖像画にそっくりになった 
如今 … いま。
却 … 逆に。
似 … 『全唐詩』には「一作是」との注がある。
画図 … 画家に醜く描かれた肖像画のこと。

面(おもて)に満(み)つる胡沙(こさ) 鬢(びん)に満(み)つる風(かぜ)  
眉(まゆ)は残黛(ざんたい)銷(き)え 臉(かお)は紅(べに)銷(き)ゆ
愁苦(しゅうく)辛勤(しんきん)して??(しょうすい)し尽(つ)くし
如今(じょこん) 却(かえ)って画図(がと)の中(うち)に似(に)たり



 「漢書」によると、王昭君は匈奴の地で単于の皇后となり、寧胡閼氏(ねいこあっし)と呼ばれた。匈奴の民に大変大切にされたとある。王昭君は単于との間に、男子を設けたが、嫁いでから三年目、単于が亡くなると、匈奴の慣習にしたがって、今度は新王の妻となり、さらに女子二人を生んだのである。彼女は匈奴の異境の地でたくましく生きたのである。
 確かに、自分の意思に反して、辺境の地に住む異民族に送られるという運命は、女性にとって悲嘆にくれる事実だったかもしれない。しかし、その悲劇性を強調するあまり、後世の人々が想像力をめぐらした結果、誰もが無条件に感動する内容に脚色され物語性も豊かな伝説となっていったものだ。


王昭君其二


漢使卻回憑寄語、黄金何日贖蛾眉。


君王若問妾顏色、莫道不如宮裏時。



漢の使者は伝言を頼んでひきかえす。黄金でもって、いつの日かあの美女を取り戻す。
王昭君は自分の容姿を問われれば、後宮の方々もう昔の容姿を言わないでください。

 彼女の墓は、「青塚」と呼ばれる。それは、匈奴の地では、白い草しか生えず、それも秋になると草木はみんな枯れてしまうのに、王昭君の墓の周辺だけはいつも枯れることもなく、ずっと濃い緑の草木が満ちているからである。
青い草は、中国の地にのみ生えるものらしい。彼女の故郷を想う哀愁が、変じて草木に宿ったのだとすれとされるところからでもあろう



王昭君 其二 … 二首連作の二番目。『全唐詩』には「時年十七」との注がある。王昭君は前漢の元帝に仕えた女官。昭君は字(あざな)。楽府題の一つ。
漢使卻回憑寄語
漢使(かんし) 却回(きゃくかい) 憑(よ)りて語(ご)を寄(よ)す
漢使 … 漢の使者。
却回 … ひき返す。
憑 … 頼んで。
寄語 … 伝言する。
黄金何日贖蛾眉
黄金(おうごん) 何(いず)れの日(ひ)か蛾眉(がび)を贖(あがな)わん
贖 … 買い戻す。
蛾眉 … 美人のこと。王昭君をさす。
君王若問妾顏色
君王(くんおう) 若(も)し妾(しょう)が顔色(がんしょく)を問(と)わば
妾 … 女性が自分を謙遜していう言葉。わらわ。
顔色 … かおいろ。容姿。
莫道不如宮裏時
道(い)う莫(なか)れ 宮裏(きゅうり)の時(とき)に如(し)かずと
莫道 … 言わないでください。
不如 … 及ばない。
宮裏 … 宮殿の中。

七言絶句。眉・時(平声支韻)。
漢使 卻回 憑寄語、 黄金 何日 贖蛾
君王 若問 妾顏色、 莫道 不如 宮裏

漢使(かんし) 却回(きゃくかい) 憑(よ)りて語(ご)を寄(よ)す
黄金(おうごん) 何(いず)れの日(ひ)か蛾眉(がび)を贖(あがな)わん
君王(くんおう) 若(も)し妾(しょう)が顔色(がんしょく)を問(と)わば
道(い)う莫(なか)れ 宮裏(きゅうり)の時(とき)に如(し)かずと


 

  

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