←前へ 次へ→ 『今此三界合文』
(★253n)
主
儒家 世尊 三皇・五帝・三王
竜逢・比干は主の恩を報ずる者なり
唯我一人能為救護
儒家 四聖等
師
外道 三仙・六師
釈迦菩薩・常啼菩薩は師の恩を報ずる者なり
其中衆生悉是吾子
儒家 父母六親 父方の伯父・伯母・母方の伯父・伯母・兄姉
親
外道 一切衆生の父母たる大梵天・毘紐天
重華・西伯・丁蘭は孝養の者
なり、三皇已前は父母を知らず人皆禽獣に同ず
経に云はく「唯我一人のみ能く救護を為す」と。何ぞ二人救護すと云はざるや。二人なれば必ず成弁するなり。二人同心の利、金を断つ。鳥の二羽・車の両輪・日月・父母・福智・止観・日雨・両の目・仏弟子の二人・阿闍世の月光・耆婆・妙荘厳王の二子・二法更互に相依る。転次に左右の仏二人与力して救はざらんや。然りと雖も釈尊は敵対無きなり。十方三世の諸仏の神通利生・慈悲済度を合して対論すとも、釈迦一仏に及ぶべからず。例せば等荷擔の如き者、諸蓋の中の無明、中に於て荷ふ所偏に重しと云ふが如くなるべしと云云。宝積経十五に云はく「生死険難の悪道に往来し、愚癡無智にして常に盲にして目無し。誰か能く示導し、誰か能く救護せん。
平成新編御書 ―253n―