←前へ 次へ→ 『三種教相事』
(★77n)
四双 凡そ一句を聞くにも咸く記を与へ授く、
経名を守護するに功量るべからず。
疏記 四本五十 の十双 五双 品を聞き受持するに永く女質を辞し、若し聞 いて読誦するは老いず死なず。
六双 五種法師は現に相似を獲、四安楽行は夢に銅 輪に入る。
七双 若し悩乱する者は頭七分に破れ、供養するこ と有らん者は福十号に過ぎたり。
八双 況んや已今当は一代に絶えたる所、其の教法 を歎ずるに十喩をもって称揚す。
九双 地より涌出せるを阿逸多一人をも識らず、東 方の蓮華は竜尊王未だ相本を知らず。
十双 迹化には三千の塵点を挙げ、本成をば五百の 微塵に喩ふ。
記の四に云はく「今義に依り文に附するに略して十双有り、以て異相を弁ず。二乗に近記を与へ、如来の遠本を開く。随喜は第五十の人を歎じ、聞益は一生補処に至る。釈迦は三逆の調達を指して本師と為し、文珠は八歳の竜女を以て所化と為す。凡そ一句を聞くにも咸く授記を与ふ。経名を守護するに功量るべからず。品を聞いて受持するは永く女質を辞し、若し聞いて読誦するは老いず死なず。五種法師は現に相似を獲、四安楽行は夢に銅輪に入る。若し悩乱する者は頭七分に破れ、供養すること有らん者は福十号に過ぎたり。況んや已今当は一代に絶えたる所、其の教法を歎ずるに十喩をもって称揚す。地より涌出せるをば、阿逸多一人をも識らず、東方の蓮華は竜尊王未だ相本を知らず。況んや迹化には三千の塵点を挙げ、本成をば五百の微塵に喩へたり。本迹の事の希なる諸経に説かず」文。
秀句の中 下十九 に云はく「能化所化倶に歴劫無く、妙法経力即身成仏す」 竜女即身成仏文。 同じく上 本初 に云はく「未顕已顕肩を比べ実を諍ひ、三乗一乗権を訴へて是非す。現在の麁食者偽章数巻を造りて法を謗り人を謗る」と。
平成新編御書 ―77n―