ウォルトン作の一曲目がタイトルトラック。彼のバッキングは大部分が印象に刻まれるぐらい奇跡的なものだが、ここでの演奏は本当にほれぼれ。イカスなあ。思うにパズルなんだよ、フィーリングのパズル。空間への嵌めこみ方では右に出る者がいない。一段も二段もセンスのいい空間に持っていける稀有すぎる才能がいいよなあ。さてそんな超脇役もいいけど、3管フロントは強烈だよ。ここではやっぱハバード。新人にして玄人。別次元の離れ業。でも全然汗臭くない。つまりそれが次の時代の新しさだった。一瞬を自分色に染める攻撃的な美意識。これを突き詰めると表面が滑らかで綺麗、精神こそが汗臭くて濃いという音楽の出来上がりなんだ。モノ言わず寡黙だが名誉に与する潔癖なリーダー像。上り調子の時代。。あとはそうだ。ショーターの三曲目。希望と絶望が綯い交ぜになって蠢動するようなテーマ部が醜くて美しい不思議な構成。自身のソロも生きもののように生動する。以上、新しいセンス・質感と語る必要もない楽しいファンキーさが共存した贅沢な一枚に仕上がってるんだな。
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