←前へ  次へ→    『後五百歳合文』
(★257n)
 未合の一辺を指す。余部の随他意に同じからざるなり。代を語れば則ち像の終はり末の初め、地を尋ぬれば唐の東、羯の西、人を原ぬれば則ち五濁の生闘諍の時なり。経に云はく、猶多怨嫉況滅度後と。此の言良に以有るなり」文。一乗要決の中に云はく 慧心僧都の記上中下三巻 「日本一州円機純一。朝野遠近同じく一乗に帰し、緇素・貴賤悉く成仏を期す。唯一師等ありて独り信受せず、我未だ之を識らず、権とや為ん実とや為ん。若し是実ならば、以て哀傷すべし。世尊の言の如くんば当来世の悪人は仏説の一乗を聞きて迷惑して信受せず、法を破して悪道に堕せんと。若し是権ならば以て随喜すべし。浄名に言ふが如くんば衆の魔事を覚知して而して其の行を示現す。善き方便智を以て意に随ひて皆能く現ず」文。広釈に云はく 安然作 「粤に弥勒菩薩説きて言はく、東方に小国有り、其の中に唯大乗の種姓のみ有りと。我が日本国僉成仏を知る、豈其の事に非ずや」文。
 
   一 無目 一闡提   諸経に之を説く
  二 一目 二乗          今経に之を説く
 涅槃経に三亀有り
          三 両目 菩薩 一 邪眼    今経に之を説く
                   二 眇目余経に之を説く
 
 亀の 背の冷えること腹の熱きこと 衆生の 八寒地獄の如し。八熱地獄の如し。   生死の大海の底に在り
    
      一  凡木  一切木
 浮木に二
      二  聖木  赤栴檀
 
平成新編御書 ―257n―