現代の経済講義 レジュメ第3回 日本の2003年の国富は2724兆円 GDP比較の困難性 ・1.第2回の時に配布した各国・地域のGDP比較は、対アメリカドルの比率によってなされた。しかし、為替レートによって通貨の間の真の力関係が表されるだろうか? →1.対外取引の対象となる財貨・サービスの範囲は限られている・  2.外国為替の取引は、貿易外の要因に左右されることが多い。 ・2.それぞれの国の生産境界が統一されているだろうか? 購買力平価(purchasing power Parity:PPP) →ある2カ国において、適当に選ばれた「共通の1組の財貨・サービス」をそれぞれの国で購入するときの費用の比 ※P2[4]表参照 この時、4種類の財貨・サービスを全部買おうとすると 東京では@20503円ニューヨークではA183.46 ドルになる @÷Aをやってみると1ドル=111円76銭(購買力平価)となる 米10kgとビール1缶の組み合わせでは1ドル=230円73銭になるし 鶏卵1kgと宿泊量1泊の組み合わせは1ドル=98円77銭となる →できるだけ多くの品目(今回は4品目でだいたい正確な値がでた)で計算すると、より正確な値がでる!! 途上国と先進国の生産境界の違い →途上国と先進国と経済発展段階が違えば流通している商品も異なり、購買力平価の組み合わせを作るのが困難 (ex)一つしか扉がない冷蔵庫(発展途上)と冷凍室その他もろもろついている冷蔵庫(先進国)が果たして同じ冷蔵庫と言えるのだろうか? →先進国では多くのものが有料化されている。 公衆トイレ、駐車場、また、昆虫や草花、庭石に至るまで値段がついて取り引きされる このような経済取引は付加価値を発生するならGDPに含まれてくる すなわち先進国のGDPは途上国と比べて過大に推計されている可能性がある!! P2 Q1.→1円=8.33ウォン  実際の為替相場は9.6ウォン程度 総支出(GDE):Gross Domestic Expenditure 総生産(GDP)=Y=総支出(GDE)     ※要暗記 総支出(GDE) =消費+投資+政府購入+純輸出   @消費(Consumption):C A投資(Investment):I B政府購入(Goverment Purchases):G C純輸出(Net Export):NX =輸出(Export):E 輸入(Import):M →Y=C+I+G+NXという式になる 1消費(C) 家計が購入する財・サービスの総計(住宅以外) 非耐久消費:食べ物・服 耐久消費:車・パソコン サービス消費:遊び 2投資(I) 将来使用するために購入する財 固定投資:設備投資+住宅消費 在庫投資:(製品・仕掛け品)在庫量の変動分 在庫投資は・・・ @売るつもりだったけど売れない Aわざと余分に作る Q2→1万円 Q3→−5000円 5月12日 3政府購入(G) 政府支出と公的投資 政府消費:公務、学校、病院の消費 公的投資:道路、橋などの建設 4純輸出(NX)=輸出(E)ー輸入(M) 輸出は外国部門による日本国内で生産された財に対する支出。 国内で生産された財に対する支出という点が重要! 国内総支出で言う場合の国内とは、そのものが「生産された場所」のことで「支出された場所」ではない! ※なぜ輸入を引くか? →輸入品が生産された場所は外国であるからである ちなみに我々が海外に旅行して、海外で宿泊したり、お土産を買う場合 海外の物を購入することになるため、(日本の)輸入の扱いとなります。 逆に、海外から日本へ外国の方が旅行できて、日本でお金を使う場合は(日本の)輸出です。 輸出(訪日外客の支出)1.4兆円から輸入(日本人の海外旅行での支出)4.2兆円をひくと、収支は2.8兆円の赤字です。 結果 国内総支出=C+I+G+NXという式になる 分配面 総所得 総所得 =雇用者所得(支払い賃金総額)+営業余剰(企業利益)+固定資本減耗+(間接税ー補助金) である 何で直接税がないか? 雇用者所得と営業余剰に含まれているから (間接税ー補助金):政府部門への付加価値の分配