deSPIRIA とは

対応機種:ドリームキャスト
発売日:2000年9月21日
公式サイト:deSPIRIA

イカれた作風でおなじみ(?)電脳映像製作所製作の異色 RPG。
RPG と銘打ってはいるものの、むしろアドベンチャーに近い作品。

舞台は、過去の大戦によって荒廃した日本(大阪?)。
地上では「教会」と呼ばれる組織が人々を取りまとめており、
主人公であるアルーアはその一員。暗殺者を務めている。

このゲームで特徴的なものといえば、何といっても異質な雰囲気。
戦闘が精神戦なため、武器は精神を増強する撃針と呼ばれる針。
そして防具は、何と脳に寄生させ精神障壁を強化する寄生虫!
(ちなみに、撃針は首の後ろ、寄生虫は鼻からそれぞれ装備(?)する)

さらに、このゲームの根本を司っている「マインド」の存在。
詳しくはネタバレになるため控えるが、あのグロくもどこか愛らしい存在の
真実、ひいてはこの世界の真実を知った時、あなたは何を思うだろう…

戦闘バランスはかなりいいかげん。序盤だけものすごくキツいものの、
その山さえ越えれば、あとは力押しだけでもどうにかやっていけるほど。
物足りないといえば物足りないが、ストーリー重視のゲームなため、
むしろ戦闘で詰まることがないというのは嬉しいところではある。

LV もイベントをこなすことで自然と上がっていくので、ザコ狩りに
煩わしい手間を取らされる心配もなし(マインドを極めたいなら別)。

少なくとも、買って損をするといった類のゲームではない事は確か。
興味があり、なおかつグロに耐性がある(重要)なら買うべきだろう。

とりあえずレビュー:各10点満点

ストーリー:9
鬱風味の展開とグロい描写のおかげで分かりづらいが、
いたってオーソドックスで王道なお話。完成度が高い分、
一部キャラの言動に脈絡がないことが気になる…

サウンド:9
フィールドは環境音楽のような静けさ。
かと思えば、戦闘は雰囲気に似合わず熱い曲が多い。
特に、ボス戦の盛り上がりは異常。一聴の価値あり。
ただし、専用の曲がないのは少し物足りないかも。

グラフィック:8
マネキンのようなキャラ造型が雰囲気にマッチして
更なる不気味さを醸し出す。正直、泣ける……
特に、後半の敵キャラなんかはもう見てらんない。

操作性:8
普段は画面をクリックするというアドベンチャー形式。
移動スピードアップやクイックターンもありかなり快適。
戦闘時のカーソル記憶は、ピンポイントで良かったかと。
いちいちアイテムを選択させられるのは、地味に手間。

システム:7
マインド作成は自由度がかなり高く、細かい調整が可能。
組換えも自在なので、敵によって使い分けるなんて芸当も。
ただ、もう少し数がいてくれた方がよかったかもしれない。

総合:8
破滅的なシナリオ、イカれた登場人物、グロい描写。
はっきり言って最悪の印象だが、内容はかなり煮詰まっている。
ありきたりな言い方だが、世界観にハマれば面白いゲーム。
ただ、鬱ゲーを期待してやると肩透かしを喰らうかも?

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