「ユビキタス社会が経済に与える影響とIT革命」 <問題意識、論文の焦点> “IT化”という言葉が飛び交ったことは記憶に新しいが、それと同じように昨今“ユビキタス(・ネットワーク、コンピューティング)※”という単語が囁かれている。これは「コンピューター※(ここで言うコンピューターとはいわゆる“パーソナルコンピューター”のことではなくIC回路や演算装置等を搭載した情報端末全般のことであり、現在そういった形態をしていない物も将来的には含まれる)、またそれらを繋ぐネットワークが人々の生活と密接に関わり、最終的には生活の中に溶け込むこと」を意味する。このユビキタス化は2010年頃を目途に官民合同の大規模な計画が持ち上がっているが、実際にそういった社会が実現した場合経済にはどのような影響が考えられるのだろうか。この点を考察するにあたり、ユビキタス化の先駆けともなったIT革命を比較対象として取り上げながら具体的に見て行く。またIT革命についても、“ユビキタス・ネットワークの前振り”という認識でその効果を検証する。 <検証方法> 理論・現実のケースの両方を用いて説明を行う。(どういった理論を使うかについてはまだ検討中)問題意識の項で揚げた内容の他に、日本国内だけではなく視点を海外に向け、日本よりも早く情報ネットワーク社会の構築に着手した国々(主にアメリカ)の例をあげて共通・相違点をふまえ日本の将来を検証したい。 <現時点で考えられる結果> ユビキタス社会が完成することにより、あらゆる産業のポテンシャルが大きく上昇すると思われる(財やサービスの売買が即時的・たやすく行えるようになる、需要サイド供給サイドの双方向通信が容易になりそれまで生じていた調整にかかるタイムラグ等が解消される、等)。またIT革命によってパーソナルコンピューターの普及と、生活に関わる様々な情報・サービスをネットワークで提供するシステムは一応整ったと思われる。しかしながらその進行と共に、個人情報流出・システムダウンによる大規模なパニックといったそれまで起こりえなかった問題が顕在化してきたのも事実である。今後更に情報ネットワーク社会化を推進する上で、「迅速かつ容易な情報のやり取り」だけではなくこういった問題を解決し「安定かつ安全な情報のやり取り」に到達する必要がある。 1.ユビキタスネットワークとは 2.IT革命の経済的効果(理論・検証方法) 3. <参考文献> 情報通信白書(平成13〜16年版) ユビキタス・ネットワークと市場創造 / 野村総合研究所著. -- 野村総合研究所広報部, 2002.1. 松下の次世代eネット戦略 : ユビキタス・コミュニケーション / 野口恒, 門脇仁共著. -- 日経BP企画. ITエコノミー : 情報技術革新はアメリカ経済をどう変えたか / 熊坂有三, 峰滝和典著. -- 日本評論社, 2001.7. IT経済学入門 : IT革命とは経済システム革命である / 吉田和男著. -- 有斐閣, 2002.12. -- (有斐閣コンパクト). IT時代と国際経済システム : 日本国際経済学会の成果を踏まえて / 日本国際経済学会編. -- 有斐閣, 2002.12. ITとビジネスをつなぐエンタープライズ・アーキテクチャ : ビジネスと情報システムを結びつける最新手法 / みずほ情報総研株式会社編. -- 中央経済社, 2004.11. ITイノベーションの実証分析 : 日本経済のパフォーマンスはどう変化したか / 元橋一之著. -- 東洋経済新報社, 2005.3. -- (経済政策分析シリーズ ; 11). IT革命とモバイルの経済学 : 空間克服と経済発展のメカニズム / 山崎朗, 玉田洋編著. -- 東洋経済新報社, 2000.12. (特にユビキタス・ネットワークについてはインターネット等の情報系媒体からも情報を取り入れる) http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/ubiquitous.html http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/opinion/yamazaki/yama_2002_12.html http://www.nri.co.jp/opinion/chitekishisan/2001/pdf/cs20010601.pdf http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/it/rensai/index.cfm?i=i_shimbo14 http://plusd.itmedia.co.jp/broadband/0202/12/nakatani.html