/* ;プロローグ ;全体的に改行位置変更したりテンポの悪さを解消しようと模索中 ;てか水増しの段階で変に水膨れしたというのが正直な所か。要精進。 */ ;背景白でウィンドウなしに黒字・フォントは明朝辺りで中央ぐらいに表示? ――寒さは唐突にやってくる。[pcm] 暦の上での変化というものは不思議と正確で、 朝、玄関のドアを開けると、肌を刺す空気に 季節の変化を鮮やかに感じる。[pcm] そんな頃……[lr] 俺は、人生の転機を迎えた。[pcm] ;以下通常ウィンドウスタイル ………………[lr] …………[lr] ……[pcm] ;背景:自宅室内(夜) ささやかな夕飯を終えて、その余韻に浸りつつ 後片づけをしている時だった。[pcm] ;SE:着信音 携帯のディスプレイに表示される見覚えのある番号。[lr] それは疫病神の啓示。[pcm] 俺はうんざりしながら通話ボタンを押した。[pcm] ;SE:携帯のボタンを押す ピッ [?]「もしもし、公太郎君?」[pcm] 今北 公太郎(いまきた こうたろう)。 ……それが俺の名前だった。[pcm] 某ハムスターアニメが放送を開始したときはよく 名前をネタにされ、沈静化までひと悶着するのが 一学期の定番だった。[pcm] [公太郎] 「……久しぶり、母さん。 めずらしいね。電話なんて」[pcm] 軽い現実逃避から帰還して、嫌々ながら返事をする。[pcm] この時点でもうだいたいの用件は読めていた。 あとは覚悟するだけだ。[pcm] ;「覚悟完了」は「覚悟のススメ」って漫画のネタ ;結構真面目なシーンのはずなので削除 [母] 「うん……それがねぇ、悪いお知らせなの。 お父さん、大変なのよぉ」[pcm] [公太郎] 「……そう。 俺は母さんから良いお知らせを聞いた覚えがあまり ないんだけど」[pcm] [母] 「ごめんねぇ、公太郎君。 でも、今夜はハンバーグよ! って言うといっつも 喜んでくれたじゃない」[pcm] [公太郎] 「……あれはがんもどきって言うんだ」[pcm] ああまた嫌なことを思い出した。 てかなんで騙されてたんだ俺。[pcm] [母] 「アハハ。そうだったかしら?」[pcm] [母] 「……それでね、話なんだけど……お父さんの会社、 ……また……つぶれちゃった!」[pcm] 親は俺が小学生の頃から会社を立ち上げては潰して 夜逃げを繰り返すという生活をしていて、それは 『また』というほどよくあることだった。[pcm] /* 両親メモ 父:切れ者だがスットコドッコイ 悪びれず、しかし悪党。でもどこか抜けてる。 母:いい歳こいたスイーツ(笑) 単純に夫のことをカッコイイと思っている。 台詞に整合性や知性が無いのは仕様。多分。 */ [公太郎] 「ちょっと待てよ。 少し前に立ち上げたばっかじゃなかったか? いくらなんでも早すぎるだろ」[pcm] [母] 「うん……でもお父さん不器用だからね。 『父さんだけにまた倒産か』って言ってて」[pcm] つっこまないぞ。[lr] ……つっこまないからな![pcm] [公太郎] 「いや、不器用で済む話じゃねえって! もう会社なんか興さないで真面目にこつこつ働いて くれよ!」[pcm] [母] 「それは私からも言ってるんだけどねぇ…… お父さんは夢がないと生きていけないから」[pcm] [公太郎] 「そんな歳でもねえだろ!」[pcm] [母] 「それでね……公太郎君の預金あったじゃない? お父さんも協力した」[pcm] [公太郎] 「……親父の金は一割もないけどな」[pcm] そして度々金を抜かれていたのも知っていた。 結果一割どころかマイナスだろうとも分かっている。[pcm] [母] 「でね、結構たくさん残ってたから、お父さんの 借金返済に全部使っちゃった!」[pcm] [公太郎] 「そんな風に使えるほどの大金は入ってないはず[lr] ……だ、けど」[pcm] ……嫌な予感がする。[lr] 冷や汗が頬を伝う。[pcm] [母] 「そうだったの? 百万円以上あったんだけど……」[pcm] [公太郎] 「…………は?」[pcm] 一瞬意識が遠のく。[pcm] ;画面上でも表現してほしいな ちょっと待て。[lr] 今、なんと?[pcm] 心当たりは一つしかない。[pcm] もしかしなくても……親父に秘密で作ってた口座の、 高校からずっと、こつこつ働いて、それでようやく 貯まった数百万を、全部、使い切ったと。[pcm] ……そう言うのか?[pcm] 全部。[lr]  ぜ ん ぶ[pcm] ……。[pcm] …………。[pcm] ショックは大きかった。[pcm] [母] 「私もね……あんまりそれはよくないよって言った んだけどねぇ」[pcm] [母] 「『息子のものは家族のもの。公太郎もわかって くれる』って」[pcm] 音は耳を素通りする。[pcm] [母] 「一応ね、お母さんも止めたのよ? 公太郎の生活はどうするのって」[pcm] [母] 「そうしたらお父さん、 『男子たるもの、裸一貫から成し遂げてこそ』 なんて言ってね」[pcm] [母] 「……うふふ、歳甲斐もなくかっこつけちゃって」[pcm] [母] 「そんなわけでぇ、こっちも大変だから、公太郎君 は公太郎君でがんばってね? それじゃ。……本当に、ごめんね?」 プッ。ツー、ツー、ツー…………[pcm] ;SE:そのまんま。 [公太郎] 「な……[l]な……[lr] 何考えてんだよッ!!!」[pcm] 声はむなしく響いた。[pcm] ………………[lr] …………[lr] ……[pcm] ;背景:大学構内 [長岡] 「……で、一縷の望みをかけて残高を調べてみたら 当然のごとくスカンピンだったわけだ」[pcm] 「公太郎」 「……オチを取るなよ」[pcm] [長岡] 「この話を聞くの何度目だと思ってんだ。 いい加減暗記できるぞ」[pcm] [公太郎] 「…………[l]悪い」[pcm] [長岡] 「……しかし聞いてるだけなら笑い話だがシャレに なってないな」[pcm] [公太郎] 「実際シャレになってないんだよ」[pcm] [公太郎] 「……はあ。 もう大学やめて働いた方がいいのかな……」[pcm] [長岡] 「おいおい、二年のこの時期になって何言ってんだ。 俺の秘蔵おっぱい本、『萩野雪歩T純白』貸して やっから元気だせ」[pcm] [公太郎] 「……そんなもの見て解決するような問題じゃない」[pcm] こいつの名前は長岡貞治(ながおか さだはる)。[pcm] 稀代のおっぱい星人で、自称はジョルジュ長岡。 もっとも、定着しているのを見たことがない。[pcm] しかも女性そのものにはあまり関心がないらしく、 あくまで『おっぱいがあればいい』そうだ。[lr] ……正直、意味が分からない。[pcm] 大学に入ってすぐ、同じ授業を取っていたこいつに 声をかけられて以来の付き合いだが、とらえどころ のない言動に未だ翻弄されることが多い。[pcm] [長岡] 「一発抜けば賢者になれるって言うだろ?」[pcm] [公太郎] 「往来でンなこと言ってんじゃねえよ。 てかそんな賢者嫌すぎるだろ常識的に考えて」 [長岡] 「細かいことを気にするやつだな」[pcm] 今日はこんな感じで朝から愚痴を垂れ流し続けて いる俺のそばについてくれている。[pcm] 親友、かどうかは分からないが得がたい友人である のは確かだった。[pcm] [公太郎] 「まぁ学費は奨学金でなんとかなるから、 問題は当面の生活費だな」[pcm] [長岡] 「叔父さんには連絡とってみたのか?」[pcm] [公太郎] 「一応な。[lr] あっちも巻き添え食ったみたいだし、妹のことも あるから俺は俺で何とかするって言っといた」[pcm] [長岡] 「相変わらずもののふだな」[pcm] [公太郎] 「うっせ」[pcm] 俺と妹の菫(すみれ)は6年前から親元を離れ叔父 の世話になっている。[pcm] 菫は二つ年下の高三で、明言したわけじゃないけど 俺の貯金は菫の進学に当てるつもりだった。[lr] ……それも露と消えてしまったが。[pcm] 引き取られたときに叔父は俺たちの窮状を見かねた と言っていたけど、それ以上に深い愛情を注いで くれたと思う。[pcm] これじゃ誰が本当の親か分かったものじゃない。[pcm] だからこそ、出来る限り迷惑はかけたくないと 頑張ってきたんだけど……。[pcm] ;SE:携帯バイブ音 長岡の携帯のようだ。 不思議と優雅な動きで折りたたみ式のそれを開く。[pcm] [長岡] 「……よし」[pcm] [公太郎] 「どした?」[pcm] [長岡] 「ん、次の授業休講だってさ。 ……ほら、行くぞ」[pcm] ;長岡の台詞は分かるんだか分からないんだかな感じなのを優先 ;バックログ読んでやっと意図が分かるとかそういう感じで [公太郎] 「行くってどこに」[pcm] [長岡] 「ここで腐ってても仕方ないだろ? 気分転換にいいところへ連れてってやる」[pcm] ;↑真顔 [長岡] 「そんでお前は俺に感謝することになる」[pcm] ;↑笑顔 [長岡] 「むしろ常日ごろからうやまってへつらえ」[pcm] ;↑邪笑 [公太郎] 「最後のは断る。 ……話の流れからするといかがわしいところじゃ ねえだろうな?」[pcm] [長岡] 「面白い冗談だ。 採用してやってもいいぞ?」[pcm] [公太郎] 「……勘弁してくれ」[pcm] こいつがやるといったら本気でやる。 それを俺は身にしみて経験していた。[pcm] [長岡] 「ま、かわいい女の子が待ってるって意味じゃ 間違ってねえよ」[pcm] [公太郎] 「…………もうどうにでもしてくれ」[pcm] こういうとこ、助かるけど疲れる。[pcm] ………………[lr] …………[lr] ……[pcm] ;背景:喫茶店外(昼) [公太郎] 「……? ここは?」[pcm] 長岡に連れられて大学にほど近い店の前に立つ。[pcm] 看板は……『開店☆準備中(仮)』? 『(仮)』ってマ○ルさんかよ。[pcm] [長岡] 「さ、入った入った」[pcm] ;背景:店内(玄関) ;SE:ドアベル 看板を見て一瞬本当にいかがわしい店かと疑ったが、 扉をくぐればそこはごく普通の喫茶店だった。[pcm] 内装は地味だがそれぞれの調和がとれていてとても 居心地がいい。[pcm] それに、紅茶の甘くていい匂いが店内に満ちていた。[pcm] [ひなた] 「いらっしゃいませ、公太郎。[lr] ……久しぶりだね」[pcm] 案内に現れた店員に俺は見覚えがあった。[pcm] [公太郎] 「……ひなたじゃないか。 こんなところでバイトしてたのか」[pcm] [ひなた] 「あれ、長岡君から聞いてないんだ」[pcm] 鬼塚(おにつか)ひなた。 俺たちの関係は一口には説明しづらいけど、しいて 言うなら中学からの腐れ縁といったところか。[pcm] 性格は明るく社交的で、長岡もそうだけど俺なんか とつるむようなタイプではないはずなのに何かと 気にかけてくれている。[pcm] もっとも、最近はそれほど会わなかったんだけど。 ……腐れ縁も潮時ということか。[pcm] 改めて彼女のことを見て臙脂色の制服がよく似合 っていると思ったが、俺はすぐにその考えを頭から 追い出した。[pcm] [公太郎] 「ああ。なんか急に――」[pcm] [長岡] 「――まま、とりあえず座って。 ……ひなたサン、カモミール、ポットで」[pcm] と、久々に旧友との交流を深めようとすると長岡に 遮られてしまった。[pcm] [ひなた] 「え? あ、うん。分かった。 あとで店長呼んでくるね」[pcm] [長岡] 「よろしく〜」[pcm] 話が読めない。店長? 疑問ばかりが膨らんでいく中、一つだけ口をついて 出た言葉があった。[pcm] [公太郎] 「かわいい女の子って、まさかひなたのことか?」[pcm] 『長岡はひなたのことを名前で呼ぶんだな』 という言葉はなんとか飲み込んだ。[pcm] ひなたは鬼塚といういかめしい苗字を嫌っていて、 ある程度親しくなった人には名前で呼んでくれと 頼むことがある。[pcm] 俺もその一人だが基本的には女性に限った話だし、 さらに俺の知る限り長岡とひなたはそれほど親しく なかったはずだ。[pcm] [長岡] 「半分正解。 いいから君は黙って座ってなさい」[pcm] もう何を言っていいのか分からなくなった。[pcm] …………[pcm] ;背景:テーブル席 [?] 「ティーセット、カモミールをお持ちしました」[pcm] [長岡] 「よ、純(じゅん)」[pcm] [公太郎] 「……かわいい女の子どころかかわいい男の子が 来たじゃねーか」[pcm] 思わず思ったことが口に出た。[pcm] 紅茶を運んできたのはどう見ても、いやかわいい ことは否定しないが、一瞬中学生かと思うほど華奢 で背の低い少年だった。[pcm] [純] 「や、ジョルジュ。 ……何コレ、ジョルジュのカレシ?」[pcm] ;↑笑顔→笑顔+怒 ……なんかトゲがあるな。 てか初めてジョルジュって呼ぶやつ見たぞ。[pcm] [公太郎] 「初対面で喧嘩売られるのは新鮮だな」[pcm] [純] 「ジョーダンだろ、あったまカタいな!」[pcm] [公太郎] 「……左様か」[pcm] もうこんなんばっかかよ。疲れる。[pcm] [長岡] 「マスターは?」[pcm] [純] 「ひなたさんと話してる。呼ぶ?」[pcm] [長岡] 「いや、待つよ」[pcm] [純] 「そ。じゃね」[pcm] ……こいつも名前で呼ぶんだな。[pcm] [公太郎] 「今のは?」[pcm] [長岡] 「鮫島(さめじま)純。 まぁ、見たまんまだな。面白いだろ?」[pcm] [公太郎] 「……ふーん」[pcm] [長岡] 「……」[pcm] そんな俺の態度に長岡は少し不服そうだ。[pcm] しばらくして砂時計の砂が落ちると、長岡は 楽しそうに紅茶を注ぎ始めた。 なんだか手馴れているようにも見える。[pcm] [長岡] 「ここのは結構いいの使ってるからな。 ……ま、飲みねぇ」[pcm] [公太郎] 「日本酒みたいに勧めるなよ」[pcm] 二人とひなたとの関係が気にならないといえば 嘘になるが、ひとまず今は気にしないでいよう。 そう思いつつ、紅茶をひとくち。[pcm] [公太郎] 「あっ……」[pcm] [長岡] 「……どうだ」[pcm] 芳醇、と表現すればいいのだろうか。 不思議な香りがゆったりと広がり、 口の中を満たしていく。[pcm] お茶を美味しいと言うのは違和感があったが、 なるほど、これなら……[pcm] [公太郎] 「……分かるわ」[pcm] [長岡] 「だろ?」[pcm] お前が得意げでどうする。 ……とは言わないでおこう。[pcm] [公太郎] 「……」[pcm] もうひとくち飲んで、一息ついて。 そうしてやっと、自分が思っていた以上に余裕を なくしていることに気が付いた。[pcm] 気分を改めて顔を上げる。[pcm] テーブルの隅にひっそりと置かれた可憐な花。 そこから生けた人の静かな優しさが感じられる。[pcm] ;多分生けたのはかもさん そして目の前には珍しく真面目な表情をした、 黙っていれば端整な友人の顔。[pcm] ……心配かけたんだろうな。[pcm] [長岡] 「……」[pcm] [公太郎] 「……」[pcm] 不思議と気持ちのいい沈黙だった。[pcm] …………[pcm] やがて紅茶を飲み終わったころ、なにやらダンディ なおじさんが柔和な微笑みをたたえてやってきた。[pcm] [店長] 「やあ! 君が公太郎君だね。 話はひなた君から聞いているよ」[pcm] [公太郎] 「はあ……どうもはじめまして」[pcm] [ひなた] 「こちらがこのお店の店長」[pcm] [店長] 「菅井 慶一(すがい けいいち)といいます。 どうぞよろしく」[pcm] やっぱり話が読めない。 何で店長を紹介されてるんだ?[pcm] [店長] 「それで早速だけど、この店で働きたいってこと だったね?」[pcm] [公太郎] 「……へ?」[pcm] [ひなた] 「……ってなによ。 まさか長岡君、この話してないの?」[pcm] [長岡] 「ああ。話したら絶対に『頼ると悪い』だのなんだ の言ってごねるからな。何も言わずに連れてきた」[pcm] ……ようやくここまでの流れが腑に落ちた。[pcm] というか長岡、性格読むのはともかくその言い方は ないだろ。[pcm] [ひなた] 「……はあ。 ……まあいいわ」[pcm] [ひなた] 「生活費がなくなって大変なんだって?」[pcm] [公太郎] 「え、と、なんでそれを?」「pcm] [ひなた] 「全部長岡君から聞いたの。 ……だからさ、このお店で働いてみない?」[pcm] ……正直、ありがたいの一言に尽きる。[lr] これからアルバイトを探すにも少し時間が掛かると 踏んでいたからだ。[pcm] しかしこうやって頼るのは好きじゃない…… というのは読まれていたな。どうしたものか。[pcm] とにかくこの店長と話をしてみるべきだな。[pcm] [公太郎] 「えっと……いいんですか?」[pcm] [店長] 「今ちょうど人手不足でね。 飲食店での勤務経験があると聞いているし、 ひなた君たちの紹介なら大歓迎だ」[pcm] [店長] 「しかし……ふむ。 察するに何の説明も無く急に連れてこられた、 ということかな?」[pcm] [公太郎] 「まぁ、そうですね」[pcm] それなら、と待遇について細かい説明を受けた。 ありがたいことにまかないはタダで、普通に食事 する分にも割引してくれるらしい。[pcm] 時給も標準的だし週払いの約束もしてくれて、 当面の生活費という目的を抜きにしても十分すぎる 待遇だった。[pcm] /* この辺は登場人物が把握していればいい範囲で プレイヤーにとってはどうでもいいかなと 考えてみた */ [公太郎] 「……じゃあせっかくのご厚意ですし、 甘えさせてもらいます」[pcm] [店長] 「いえいえ、こちらこそ」[pcm] [店長] 「とりあえず明日からでいいので来てくれないかな。 特にランチタイムにいてくれると助かる」[pcm] [公太郎] 「分かりました」[pcm] [純] 「てんちょー、注文!」[pcm] [店長] 「……では、私はキッチンに戻るよ」[pcm] どうやら人手不足は切実らしい。[lr] 念を押されてしまった。[pcm] [長岡] 「……な? とっとと連れて来たほうが簡単だっただろ?」[pcm] [ひなた] 「そうね、うん。やっぱ長岡君は頼りになるわ」[pcm] [公太郎] 「……というか長岡。 散々愚痴垂れといてなんだけど他人のプライバシー を何だと思ってるんだ」[pcm] [公太郎] 「……助かったのは否定しないけどよ」[pcm] [長岡] 「ツンデレとはおぬし、できるな」[pcm] [公太郎] 「は? なんだそりゃ」[pcm] [長岡] 「……修行が足りないねぇ」[pcm] [公太郎] 「ますますわけわからん」[pcm] [ひなた] 「ふふふっ、……あんたらのコントも久々に見るわ」[pcm] [公太郎] 「何がコントか」[pcm] 感謝はする。が、素直になりたくないのは俺のせい ではないはずだ。[pcm] …………[pcm] こうして俺はこの店、『開店☆準備中(仮)』 で働くことになった。[pcm] 考えてみればこの店は俺の住んでいるアパートから そう遠くない。 今まで気付かなかったのが不思議なぐらいだ。[pcm] ……これを機にちょっとは近所を散策してみるかな。 何か発見があるかもしれない。[pcm] さて、これからどうなるのだろう。[pcm] 将来に対する一抹の不安、そして思いがけない旧友 との再会に、俺は複雑な気持ちになった。[pcm] ………………[lr] …………[lr] ……[pcm] ;END