真夜中、両親が寝静まったのを確認した俺は台所にいた。  手には果物ナイフが握られている。  それをズボンのポケットにしまい、以前と同様、両親にバレないように自室の窓からコッソリ脱出し、学校へ向かった。  学校に向かい、目標地点のプールへ直行した。夜の学校は不気味な程静まりかえっていた。  プールが見えてくる。  そこには、やはりミズキの姿があった。  ミズキは既に服を着ていなかった。  まだ、ミズキはこっちに気付いていない様子だ。プールサイドに腰掛け、足だけを水に浸している。  俺は息を潜めて忍び寄り、出来るだけ音を立てずにフェンスを登った。    そして、フェンスから飛び降りるとポケットから果物ナイフを取り出し、一気にミズキへと詰め寄った。  一突きで決める……つもりだった。  ミズキに手が届く距離まで接近するも、プールから飛び出した触手に手足を縛られ身動きできなくなる。手に持っていた果物ナイフも触手に絡め取られてしまった。  ミズキは視線をこちらへ向け、笑みを浮かべた。    俺の行動は全てミズキにはお見通しだったのだ。  「お馬鹿ね。どんな策を用意してるかと思えば……ただ、突っ込んでくるだけなんて芸が無いわね」  ミズキの言葉には嘲りの色が含まれていた。  「くそっ……!」  俺はただ、悔しそうに顔を歪める事しか出来なかった。  「さて、あなたはもう身動き出来ない。さぁ、楽しみましょう。今宵の宴を」  その言葉が合図だったのか、触手達は俺をプールへと移動させる。  体を斜めに固定され、下半身がプールの水に浸かる。  ミズキはプールへと入り、俺の側ににじり寄って来た。  彼女の手が俺の頬を撫で、着ている服を一枚一枚剥いでいく。  やがて、俺は全ての服を剥ぎ取られ、全裸となった。 「さぁ、私を楽しませて……ボーヤ」  ミズキは妖艶な笑みを浮かべた。 続く