放課後、俺は誰もいない家庭科室にいた。  その手には果物ナイフが握られている。  そして、それをズボンのポケットにしまう。  家庭科室を後にした俺は次に因縁の場所、プールへと向かった。  プールは事件の影響のため、入口が完全に封鎖されていたが、運良く誰も見張りの人間等はおらず、無人だった。  俺はフェンスに手を掛け、プールへと入り込んだ。  今夜、俺はミズキと此処で会う。  恐らくは、それが最後の逢瀬となるだろう。 続く