J.M(ジャズ・メッセンジャーズ)やキャノンボール・アダレー・クインテットでの活躍で、ファンキー・ジャズ・シーンの立役者として有名なボビー・ティモンズ。ファンキーなタッチと名曲モーニンによって、そのイメージは固定化され、ファンキーとともに時代に埋没した観がある。しかし、このトリオによるティモンズは、同時に表現力豊かな優れたピアニストであることを改めて認識させる。昔ジャズ喫茶で時々このアルバムがかかった時にはなぜか安心した記憶がある。それはJMといった5管のバッキングだけでなく、ティモンズが一人のピアニストとして静かで力強いメッセージを送っているように思えたからであった。This HereやMoanin'に加え、Lush Life、Prelude to a Kiss、My Funny Valentine、Come Rain or Comeといったバラードやスタンダードが聴けるのがうれしい。ソニー・クラークやウイントン・ケリーの影に隠れがちだがもっと評価すべきピアニストの一人であろう。
1. This Here
2. Moanin'
3. Lush Life ( Come Rain Or Come Shine )
4. The Party's Over
5. Prelude To A Kiss
6. Dat Dere
7. My Funny Valentine
8. Come Rain Or Come Shine
9. Joy Ride