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  Rojo

鮮やかでレイジーなジャケットにまず引かれる。こんなしゃれたデザインはブルーノートならではのセンスだろう。中身も外側に劣らずよくできている。60年代の新主流派ジャズのエッセンスが凝縮された演奏。ボビー・ハッチャーソン(vib) 、 ハービー・ハンコック(p)、 ボブ・クランショウ(b)、ジョー・チェンバース(ds)とくれば役者も揃っている。特にハンコックの参加がこのアルバムのベクトルを大きく定めているように感じる。4の処女航海だけがハンコックのオリジナルで、後の6曲はハッチャーソンのオリジナルだが、いずれもモーダルな曲想の中にドライブ感が感じられ、過度な前衛にもコマーシャルにも傾かない、60年ジャズの王道をいくようなスタンスが見事。ハッチャーソンのヴァイブは透明感があり、ミルト・ジャクソンに代表されるソウルフルなインスピレーションと一味違ったシステマチックな新時代の奏法が新鮮である。

1. Aquarian Moon
2. Bouquet
3. Rojo
4. Maiden Voyage
5. Head Start
6. When You Are Near
7. The Omen

Bobby Hutcherson (vib)
Herbie Hancock (p)
Bob Cranshaw (b)
Joe Chambers (ds)

 

Recorded 1966.02

巨匠ミルト・ジャクソンに席巻されたようなジャズ・ヴァイブ界ですが、60年代のジャズ・シーンを忠実に吸収していったのは、ボビー・ハッチャーソンでした。闇の中で震えて輝くようなヴァイブのロングトーンは、クールに抑えられた情熱を秘めています。ハービー・ハンコックの『処女航海』がアルバムの中に含められているのは、静謐な音とは対照的に、熱く来たるべき波をとらえたその現われではないでしょうか。夜、独りで、冷たくて熱い緊張感を楽しんでください。そして、美しい音とはどんなものかと考えてみてください。新しいヴァイブ演奏の世界が、きっと広がるはずです。

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