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 Stccato Swing

メッセンジャーズ後のゴルソンとメッセンジャーズ加入前のカーティス・フラーの2管による1959年の傑作。曲調に応じた緩急あるソロとテーマ部分で聴かれる“ゴルソン・ハーモニー”が絶品。
一連の”ゴルソン~フラー・ハーモニー”作品のなかでも、本作の「スタッカート・スウィング」の出来はピカイチ。最初の数小節で引き込まれてしまう。ジャズ・メッセンジャーズの「モーニン」でやったように、ピアニストの作ったモチーフをゴルソン流にアレンジ。これが見事にキマってる!作者のレイ・ブライアントも水を得た魚のようだ。文字通り「スタッカート」し、「スウィング」するブライアントのピアノ。ガーンと鳴るブロックコードのバッキングがイカしてる。
Benny Golsonの初期の名盤で、通称「傘のゴルソン」で通っています。「空に向かって傘をかざす意匠は何なんだ。」と友人と話したことがありますが、まぁ、6曲目くらいがどうやら関連がありそうに思えます。しかし、この曲は元盤には無い、CD追加トラックなんで、見当ハズレでした。制作のEsmond Edwards自ら取った写真との表記がありますが、デザインの意図が判りません。Benny Golsonという人は、演奏は兎も角、作編曲の才能が愛されていますが、この盤もそれを如実に物語るアレンジが素敵です。2の「枯葉」は、この曲のジャズでの解釈の一典型で、何とも柔らかいtenor saxophone とtromboneの2管の調和が優美です。ブライアント兄弟も元気です。こういう名盤を、「古くて新しい」というのでしょう。

1 Stccato Swing
2 Autumn Leaves
3 Soul Me
4 Blues after Dark
5 Jam for Bobbie
6 A Bit of Heaven

 

Benny Golson ts
Curtis Fuller tb
Ray Bryant p
Tommy Bryant b
Al Harewood ds

 

Recorded in Hackensack, NJ; June 20, 1959.

雨けぶる森の広場の中で、傘を広げたgolsonのポートレイトが大変印象深い。色調をダーク・カラーのモスグリーンで整えたesmond edwardsのジャケットデザインのセンスも実に良く、雨の日の午後に感じる気怠さと情緒の感覚がうまく演出されていると思う。冒頭“staccato swing”はこの盤の(というより“ゴルソン・ハーモニィ”の)決定打であり、golson独特の、ブルースの泥臭さをそのまま洗練に精華させた管アレンジが滑り出す途端にぱっと上記のような感覚が刺激される。作曲はray bryantという事だが、ここにgolsonは粋な編曲を施していて、curtis fullerが下降音形を、golsonが上行音形を同時に吹奏する事で繊細な音色の万華鏡のようなサウンドスケープが生まれている。fullerがこれ程溌剌としたソロを取るのも珍しい。golsonの粋な手腕は“枯葉”のテーマでも(fullerのオブリガート風パッセージをスコアリングしている)、続くやはりアーシーさと洗練の同居する“soul me”でも極めつけといっていいほど輝いている。なお、編曲の腕と裏腹にあまり評価されてないgolsonのテナーのアドリブですが、独特な厚みのある甘いトーンは随所で非常に美しく鳴っていて、やはりfullerとの音色上の対照と調和には溜め息が出るばかりです。

 

 

 

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