|
モーニンの大ヒットを飛ばした頃のジャズメッセンジャースのミュージカルディレクターで、リー・モーガンで有名な"I Remember Clifford"の作者として知られるのが、ベニー・ゴルソンだ。管楽器が奏でる独特のユニゾンが彼の作る曲の特徴で、そのメロディはゴルソンハーモニーと呼ばれる。プレーヤーとしては、コールマン・ホーキンスやベン・ウェブスター直系のビブラートを利かせたテナーを吹く。本作はそんな世間様ではファンキージャズの開祖としてありがたれているゴルソンがブルージーな曲に挑んだ快作だ。
Benny Golson(ts),Curtis Fuller(tb),Ray Bryant(p),Paul Chambers(b),Art Blakey(ds)のセッションメンバーとなっている。ブレイキーの叩くビッグビートとブライアントの繊細かつブルージーなピアノが曲の雰囲気によくマッチしている。チェンバースの歌うベースラインもリズムのスペースを上手く埋めている。ゴルソンの長年のパートナーであるフラーの小粋で余裕のあるプレイも際だっている。主役ゴルソンは、例の少ししつこいビブラートを抑え気味のブローで、結構気に入っている。ギンギラギンにファンキーな作品ではないが、ゆったりとしたブルージーな演奏が心地良く、最近のヘビーローテーションとなっている。 |