アート・ペッパーの超名盤!ジャケットも素敵な、まさにアートの<芸術>です!! まず、お聴きください! 最初と最後の対をなす2曲、<ブルース・イン>と<ブルース・アウト>、 これをお聴きになって、ペッパーのなんとも言いようのない艶やかなブルース感覚と、その独特なタイム・センスが醸し出す哀愁感に心を動かされない方は、恐らくいらっしゃらないと思います。 ラス・フリーマンのピアノ、ベン・タッカーのベース、チャック・フロレスのドラムス、最高のリズム・セクションに恵まれた最高のペッパーが楽しめます。信じられないほどのアドリブの美しさは、コール・ポーターの名曲、What is This Thing Called Love で堪能できます。これほど素敵なCDが、たった999円、信じられません。アート・ペッパーの最高傑作とも言われLPのオリジナル盤が30年ほど前ですら20万円近くで取引されたそうです。
1950年代、ウェストコーストのアルトサクソフォーン演奏者としてボップ音楽の複雑なハーモニーを演奏し、世間に知られるようになったアート・ペッパーは、チャーリー・パーカーの単なる物まねではなかった。ペッパーの知的に構成されたソロはカリフォルニアクールの縮図。このアルバムは1956年と57年のセッションを録音したこのアルバム、ドラッグでつかまって服役後のことだ。ピアノにロス・フリーマンかカール・パーキンス、バスにベン・タッカー、ドラムスはチャック・フロアーズが担当している。セッションはペッパーのソロスタイルの好例「Blues In」で始まり、スイングのクラシック、「Stompin' at the Savoy」は手放しで賞賛できる。 その他の聞き所は「Cool Bunny」、2種類ある「Diane's Dilemma」、互い違いに入っている「Fascinating Rhythm」「Begin the Beguine」など。
アート・ペッパーの代表作は「ミーツ・ザ・リズムセクション」やベサメ・ムーチョでおなじみの「アート・ペッパー・カルテット」などがあげられるが、
本作モダン・アートもそれらに引けをとらない傑作である。このアルバムの特徴はペッパーのブルース・フィーリングがダイレクトに伝わってくることであろう。全体から受ける印象はややハードで妥協のないインプロバイザーとしての面目躍如である。もちろんこの時期のペッパーは万全な体調には程遠く、入退院を繰り返すという状態が続いていた。
それでも気合の入れ方が尋常ではなく、後世に残る名演奏である。
モダン・アートとはまさに自己批判をとおして、新しい価値を獲得するモダニズムの精神を地で行くアルバム・タイトルであり、最もかっこよかった時代のペッパーが存在している。
もう1つの超有名盤はアップテンポのナンバーで始まるが、これはベースとのデュエットによるブルースでさりげに始まり、それがアルバムの印象を決定している。ここでのブルースの解釈は正に「モダン・ジャズ」で、ハード・バップの典型的なブルースの黒さは無く、ブルースのフォームを借りて、アルトで自由に綴った歌という感じ。この印象は尾を引いて、「サボイでストンプ」でさえ何故か静かな感じだ。ここでのArtの演奏はジャズマン同志のインタープレイよりも、自分自身の内面とのアルトによる会話という色合いが強く、それがこの伝説的なプレーヤーのスタイルに合っている。
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