この録音の後に、テナーのウエイン・ショーターはマイルス・デイヴィス・グループへ引き抜かれていくのですが、そのせいか「Free For All」でのショーターのブロウは物凄い。冒頭、シダー・ウォルトンのピアノによるイントロも文句なしにカッコよく、ヒタヒタ迫るハードドライビングな曲調に、フレディ・ハバードやカーティス・フラーも好調ですが、やはりショーターの目を剥くような壮絶なソロが圧巻です。もちろん、親分ブレイキーのドラムもジャケット同様に鬼のよう、ドラムソロはまるで迫撃砲のような激烈さ。ソプラノをユラユラ吹いている後年のショーターしか知らない方は、ぜひこのアルバムで彼の「鬼」っぷりを堪能して頂きたいです。 |