
「僕が跪く神はやはり偉大なる黒い太陽に照らされたジャズだけだ」-菊地成孔-
菊地成孔・名義での初のジャズ・リーダー・アルバム!
DCPRG、Spank Happy、東京ザヴィヌルバッハといったプロジェクトのオーガナイズやカヒミカリィのプロデュース、UAのレコーディングへの参加など多岐にわたる活躍で現在の音楽シーンの象徴的な存在となった彼。そんな彼の衝撃作は、スペイン料理のスタイルにヒントを得たコンセプトアルバムで平均90秒の全41曲収録したコンセプトアルバム!『デギュスタシオン』とは「試食」の意味、スペイン人天才シェフが考案した一皿が一口ずつという「グルメ界初の完全なポストモダニズムである料理形態」にヒントを得ている。参加ミュージシャンも約50名(!)ともはや「菊地組」とも言える凄腕ミュージシャン達が集結!UAやカヒミカリィをはじめ、岩澤瞳(Spank happy)、芳垣安洋、大友良英など超豪華!さらに初回限定3000枚はライブDVD付き!菊地成孔クインテット・ライブ・ダブのデビューステージ(『ウラン』にも収録されていた六本木スイートベイジルでの映像)から2曲(「パルラ」「エリザベス・テーラー」)を収録。
.....最近、アートとデザインが急接近している。少し前までデザインはアートよりワンランク下の扱いだったはずだ。アーティストに成り損なった美大生の就職場であったはずのデザイン業界。今までいくら美的に優れていても、大量生産されたデザイン製品は「アート」ではなかった。逆にどんなに精密に作られて実生活的な機能を持とうと、数限定のアートは「デザイン」ではなかった。そこにはマーケットの暗黙の了解があり、コレクターと芸術家のあいだの破っては行けない基本ルールのひとつであった。
が、コンテンポラリー・アートのネタ切れが深刻化した今、アーティストたちは(というよりはキュレターたちは)またひとつタブーを破ろうとしている。高等芸術がポップ・カルチャーを取り込んだ時のように、今度はアートの指針が隣接のデザイン業界に振れようとしている。20世紀に理論で窮屈になりすぎた「アート」はそもそも絶滅し、もっと安易で気軽な他業界に飲み込まれていくのかもしれない。誰がそれを止められるのかー誰がそれを止める必要があるのか?