第3話 父ちゃんと母ちゃんの出撃だゾ
○国際警察機構本部中条「ようこそ、国際警察機構本部へ。私が所長の中条です」
ひろし「あ、ど、どうも…ところで、しんのすけは?」
中条「急な出撃で疲れたのでしょう。お友達やひまわりちゃんと一緒に眠ってしまいました」
みさえ「良かった…それより、どうして私達がここへ?」
中条

「実は、あなたの息子…しんのすけ君が当てたカンタムロボについて、我々も調査をしていまして…
 その事で少し報告しなければならない事があるのです」
みさえ「カンタムを?」
ひろし「おいおい、あれってそんなにヤバい物だったのかよ…」
中条

「一企業があれだけのレベルの特機を作るのは不可能です…
 しかし、我々の情報網をもってしても、あの機体がどこで作られているのか解明する事はできませんでした」
ひろし「で、でもよ…日本にはいろんな研究所があるだろ?その中のどれかが作ったって事は…」
中条


「確かに日本には光子力研究所や早乙女研究所、
 南原コネクションやムトロポリスなど様々な超エネルギーを扱う研究所があります…
 ですが、カンタムはどの超エネルギーとも一致しない」
みさえ「じょ、冗談じゃないわ!そんな危ない機体に、あの子達を乗せるだなんて…」
ひろし「カンタムを止める事はできないのかよ!?」
中条

「あの機体は既に、しんのすけ君たちの声紋を記憶しています。
 カンタムを破壊しない限り、あの機体を止める事は出来ません」
ひろし「だったら、あの機体をなんとかぶっ壊して…」
呉学人「…それは不可能です。しんのすけ君達の命に関わります」
みさえ「あなたは…?」
呉学人「これは失礼しました。私は呉学人、北京支部のエキスパートです」
ひろし「不可能って…どういう事だよ?」
呉学人

「…あの機体が音声を認識した瞬間、何らかの作用によりしんのすけ君達の脳波とカンタムが
 同調するシステムになっているようです」
みさえ「そんな…なんとかならないの?」
呉学人「申し訳ありません、私達の手では調査するのが精一杯で…」
ひろし「じゃ、じゃあ…カンタムをこのまま保管しておいて、ずっと戦わせないっていうのは?」
みさえ「そうよ!それならしんちゃん達も無事に…」
戴宗「やれやれ…帰って早々ずいぶんにぎやかなこったな」
ひろし「あ、あんたは…?」
戴宗

「俺の名前は戴宗。こいつは鉄牛ってんだ。ところで、今の話聞かせてもらったんだがよ…
 悪いが、もうそんな事を言ってる場合じゃねえんだ」
ひろし「ど、どういう事だよ?」
戴宗





「今は世界中が…いや、コロニーまでもが大変な事になってる。
 アメリカ大陸はグラドス軍の手に落ちちまったし、
 星間連合がオメガミサイルなんて厄介なものを作っちまったおかげで
 地上の奴らは宇宙にだって行けやしねえ。
 それをいい事にコロニーや木星では反地球の機運が高まり、
 地球がいつ滅ぼされてもおかしくねえ所まで来ちまった…」
みさえ「で、でも連邦軍がきっと何とか…」
戴宗

「残念だが、戦力を分散したままの連邦軍に勝ち目があるとは思えねえ…
 だからこそ、一人でも多くの力が必要なんだ」
みさえ「…」
戴宗

「ま、確かに5歳の子どもを戦場に出すなんざ、まともな考えとは言えないかもしれねえな。
 今の言葉は忘れてくれ…おい鉄牛、そろそろ行くぞ」
鉄牛「へ、へい兄貴…」
みさえ「何よあいつ、初対面なのに何様のつもり?」
ひろし「でもよ…確かにあいつの言うとおりだ。今は一人でも戦力が必要なんだろうな…」
みさえ

「あなたまで!あの子達を戦場に送るだなんて、私は認めないわ!
 子供たちを戦わせて、大人達が見てるだけなんて…」
ひろし「待てよ、誰もあいつらだけ戦わせるなんて言ってねえって」
みさえ「えっ…?」
ひろし「中条長官、俺達にも乗れる機体をくれ」
みさえ「あなた…」
呉学人「し、しかしあなた達は民間人で…」
ひろし「そんなの関係ねえ!子供が戦ってるのに、大人が見てるだけなんて出来るか!」
中条「ふむ…確かに、一理あるな…」
呉学人「長官…」
中条「格納庫に量産機がある。それを使えばいい」
ひろし「あ…ありがとうございます!」
中条「ただし…一つだけ条件があります」
みさえ「条件…?」
中条「必ず、生きて帰って下さい…あの子達を悲しませてはならない」
ひろし「当たり前だ!中間管理職をなめんなよ!」
みさえ「あなた、素敵!」
ひろし「よーし、みさえ…ついて来い!」
みさえ「ええ!」
・走り去るSE。呉学人「これで、良かったのでしょうか…」
中条「決めたのは彼等だ。私は背中を押しただけに過ぎん。あとは、あの二人に任せるだけだ…」
○国際警察機構・廊下

ひろし

「とは言ったものの…
 格納庫の場所なんて聞いてこなかったから、どこに行けばいいかなんてわかんねえよ…」
みさえ「ちょ、ちょっと…あの人、さっきの…」
ひろし「ああ…確か、戴宗と…鉄牛だったな」
鉄牛「兄貴…素人の奴らにあそこまで言う事はねえんじゃないですかい?」
戴宗「…」
鉄牛「確かに、戦力が足りねえのは事実でさぁ…だけど、その穴を埋めるために俺達エキスパートが…」
戴宗「鉄牛よ…お前、ここに初めて来た時のこと、覚えているか?」
鉄牛「あ、ああ…跳ねっ返りのヒヨっ子だった俺は、自分の事ばかり大事にしてて…ムチャばっかりしてたな…」
戴宗

「そうだ。それはお前もあの夫婦も変わらねえ。だがよ、あいつらは一つ昔のお前とは決定的に違う物がある…
 何だか分かるか?」
鉄牛「…家族か…」
戴宗

「ああ。少なくともあいつらは昔のお前や俺のような大馬鹿野郎じゃねえ。
 たとえ力がなくても、大事な息子達を守るために戦ってくれるはずだ」
鉄牛「…」
ひろし「…」
みさえ「…」
戴宗「そうだろ、お二人さん?」
ひろし「げっ!バレてたのかよ!」
戴宗

「まあ、こう見えて俺達もエージェントだからな。
 大方、量産機を探しに格納庫を探しに来た…まあ、そんな所だろう」
みさえ「ま、まあね…えっと、格納庫の場所は…」
戴宗「ここから少し先だ…鉄牛、案内してやれ」
鉄牛「わかりやした」
・警報音SE。ひろし「な、なんだおい!敵襲か?」
戴宗「ああ…俺は大作達を呼んで来る!鉄牛、そいつらの案内は頼んだぜ」
鉄牛「へい!」
○MAP出撃ユニットデスアーミー、デスビースト、ジャイアント・ロボ、銀鈴ロボTYPE-1。
中条「敵の数は?」
呉学人

「デスアーミータイプとデスビーストタイプ、それにゾンビ兵です。
 しかし、妙ですね…ここしばらくは姿を見せなかったのですが…」
鉄牛「ゾンビ兵は俺達が何とかする!デスアーミーはお前達に任せたぜ!」
大作「了解です!行きますよ、銀鈴さん!」
銀鈴「ええ!」
ひろし「ちょっと待ったぁ!」
出撃ユニットドラグーン×2。
銀鈴「ドラグーン…誰が乗ってるの!?」
みさえ「お願い…私達にも手伝わせて!」
ひろし「足手まといにはならねえから…頼むよ!」
大作「で、でも…」
戴宗「行かせてやれ!そいつらの腕なら俺達が保証するぜ!」
大作「戴宗さん…わかりました!ひろしさん、みさえさん、ロボについてきて下さい!」
ひろし「がってんだ!」
<特殊セリフ>【ドラグーン・ひろし機、一度目の攻撃時】
ひろし「とは言ったものの、やっぱり車とは勝手が違うな…ええい、なるようになれってんだ!」
【ドラグーン・みさえ機、一度目の攻撃時】
みさえ「な、なによこんな機体…ママチャリみたいな物じゃない!こっちは送り迎えで鍛えてんだからね!」
・敵撃破大作「こちら大作!敵の全滅を確認しました!」
中条「うむ。すぐに帰還してくれ」
○国際警察機構しんのすけ「おー、父ちゃん母ちゃんただいまー」
みさえ「それを言うならお帰り、でしょ。まったく…」
マサオくん「しんちゃんのお父さんとお母さん、あの機体に乗って戦ったんでしょ?すごいや!」
ボーちゃん「かっこ、よかった…」
ひまわり「あたいやいあい、たい!」
ひろし「へへっ、まあな…ぐおっ!」
みさえ「ど、どうしたのよ…」
ひろし「い、いや…今の戦いでぎっくり腰に…」
みさえ「ええっ!?どうすんのよ、これから戦いがあるのに…」
呉学人「ふむ…長官、一度大作君と共に彼らを日本に戻してはいかがでしょう?」
中条「そうだな…」
大作「で、でもまたデスアーミーが来たら…」
戴宗「そん時は俺達に任せてもらおうか。あれぐらいの戦力なら二人で十分だぜ。そうだろ、鉄牛?」
鉄牛「おう!大作、日本は頼んだぜ?」
大作「はい…!よろしくお願いします!」
中条「銀鈴君、君も行きたまえ」
銀鈴「了解しました。行きましょ、大作くん?」
大作「は、はい…」
しんのすけ「あー、ずるーい!オラも行くー!」
あいちゃん「あ、しん様、お待ちになって…」
風間くん「こらっ!先に行くなよしんのすけ!」
ひろし「そうだ!俺だって銀鈴ちゃんと手繋ぎたいんだぞ!」
ネネちゃん「やれやれ…どうして男ってみんなこうなのかしら…」
・足音SE。鉄牛「ふう…急に静かになったな…」
呉学人「そうですね…少し寂しい気もしますが…」
戴宗「なあに、そのうちまた会えるさ。それより長官、デスアーミーが現れたという事は…」
中条「ああ。アルティメットガンダム…いや、デビルガンダムも復活したという事だろう」
呉学人「迂闊でした…まさか奴らの動きを察知できなかったとは…」
鉄牛「後悔したって始まらねえ。俺達だけでもできる限りの事をしましょうや」
中条「うむ…(大作君、銀鈴…日本は任せたぞ…)」
<声の出演>
しんのすけ:矢島晶子
みさえ:ならはしみき
ひろし:藤原啓治
ひまわり:こおろぎさとみ
風間くん:真柴摩利
ネネちゃん:林玉緒
マサオくん:一龍斎貞友
ボーちゃん:佐藤智恵
あいちゃん:川澄綾子

草間大作:山口勝平
銀鈴:島本須美
静かなる中条:家弓家正
戴宗:若本規夫
鉄牛:飯塚昭三
呉学人:江原正士