平和と戦争は同時に生まれた。戦争が起こるまで、平和などという概念は存在しなかった。平凡な毎日に、名を付ける必要はないのだ。この物語は戦争を知らない、平和も知らない、平和に生まれ平和の中で育った一人の青年が戦争に巻き込まれ、何を感じ、考えたのかを綴った話である。 Rebellion Isitool 2 (これより本編です。以後のカッコ内は状況を説明しています。) (クルトが本を読んでいる。そして本の内容がメッセージウィンドウに出ている) 神は死んだ。 神が存在していたころ、神が唯一の価値だった。神はただ存在する。神という名の生物ではない。神は神であり、他に例えようがない。全知全能でもなく存在そのものである。神が世界を創った。  神は死んだ。人間によって殺された。生物でないから消えたとしたほうがよいのかもしれぬ。いや、正確には消えてもいない。しかし神はもういない。神は四散した。そしてそれらは天使となり魔族となった。なぜ四散したのか。それは人間が価値を創造したからだとされている。善と悪。天使が善、魔族が悪の化身である。 天使と魔族の全面戦争は幾度も起きているが、その理由を知るものは少ない。天使と悪魔は元はひとつだった。彼らは元に戻ろうとしているのだ、元の神に。相手を倒せば元に戻れると信じている。事実、彼らは不死ではない。しかし死んだ瞬間に新しいものが生まれる。 いつか、彼らは気付くだろう。倒すべきは価値を創造した人間だと。私は予言する、天使と魔族対人間の戦争を。そして新たなる神が現れることを! クルト「イーク兄さん。この新たなる神って前にレイヴンに言ってたけど、何であんな戦闘バカがそうなの?」 イークレムン「わたしはそうだと思っていたんだがな。でも、どうやら違うようだ。」 クルト「どうして?」 イークレムン「いや、おまえのレイヴン王子の調査の中で、彼がラドルという若者に対してこう言っていただろう。お前には戦乱と殺してきた人間全てに対する責任がある、と。」 クルト「うん。・・・?」 イクームレン「それが、彼が神になれない証拠なんだ。」 クルト「どうして?どうしてこれが証拠になるの?何がまずいの?」 イクームレン「まずいとは、少し違うんだ。彼はまともなことを言っている。」 クルト「よく、わからないよ。」 イクームレン「そうだろうな。おまえはまだ若いんだ。でもいつか、分かるときがくる。」 クルト「ふーん。じゃあ、兄さんがレイヴンを新たなる神だと思ったのはどうしてなの?」 イクームレン「新たなる神は、新たなる価値を持つ者でなければならないとされている。それには並外れた強さが必要なんだ。彼は強い、しかし違う強さが必要なんだ。」 クルト「ふーん。」