〇宰相府について ○歴史と伝統の意義 底流としての歴史と伝統  歴史と伝統は国の底流であり、今を生きる人々は、直接間接にその影響を受け、それらを無視して生きる事は出来ない。 ○宰相府の歴史・伝統 元々の宰相府  宰相府とは元々わんわん帝國宰相の職場を意味した。宰相本人の語るところによると、普通の役所だった。という。少々の謙遜もあったかも知れない。宰相府は帝國最大の権力者の職場なのだ。 寝泊まり  昔の宰相は日々仕事に精勤していた。先々帝の頃の話である。早朝から深夜まで仕事していた関係で皇帝から特別な許可が出た。職場である宰相府に寝泊まりして良いという勅許である。 第一次改築  勅許には工事費も含まれていた。帝國皇帝は太っ腹であった。宰相は通勤時間を仕事にあてられると喜び、かくて改築案が作られた。 第一次改築案の概要  改築では住居化に伴い、キッチンや食堂などが作られ、来客用の迎賓館が作られた。またこの頃から宰相の趣味である庭が造られている。 権力の拡大と宰相府の拡大  宰相が長年仕事をするに従い、権力が集まり始めた。宰相は自身の身を守るためもあって、仕事を限定しはじめ、秘書官という職務を新たにつくってその上についた。 庭の拡大  宰相府の庭は秘書官が働き宰相が暇になるにつれ際限なく拡大した。元々の私領を娘に譲ってからは宰相府とその一帯だけが宰相個人の領土となり、そこは単に庭として広がり続けた。 拡大の裏側、初期の役目は公共事業  マイル、というものがある。アイドレスの基幹となる労働経済制の仮想通貨である。宰相府はこのマイル経済を成立させるために、マイルをばらまくことを目的に作られた。供給無ければ消費もないという考えである。このため宰相府は当時として破格な規模の大変リッチな構造になった。 ○軍事的な側面 宰相府の勃興 クリア不可能な95,96  宰相府が軍事的に強化されることになったのはシーズン1の最後半、宇宙からの敵が脅威になり、既存の藩国ではクリア不可能だったからである。言い添えるとこれはプレイヤーのミスではない。 最初は裏マーケットから  宰相府の軍事産業はブラックマーケットを通じた航空機供給からはじまった。この時宰相府に初めて工場ができる。 それでもダメだった  裏マーケット経由の戦力供給は抜本的解決にならず、ついに表に出た格好で宰相府がでることになった。この時代からの影響で宰相府は航空宇宙軍が極端に強い。むしろ、地上戦で宰相府が活躍したケースは、ない。 貴族の保養地として  宰相府の庭が見事になっていくと、そのうち貴族や皇帝が保養のためにやってくるようになった。宰相は庭の邪魔にならない条件をつけて滞在を許し、貴族は自費で建物を無秩序に建てて行った。高級保養地としての宰相府の誕生である。 不法な客人たち  宰相府の庭は際限なく広がったが、ここに沢山の難民が勝手に住むようになってしまった。所謂爆発なのだが宰相は庭は守っても難民を排除せず、このため帝國最悪の無法地帯として犯罪の温床となった。他国の爆発の原因にも何度もなっているが、宰相はそのたびに軍事力で他国を黙らせた。 最大国家へ  宰相府の不法移民、難民に一切の援助は与えられなかったが、税金もまた取られることはなかった。このため節税狙いで土場の藩民がどんどん企業を作り、他国もこれに習って宰相府は経済的に成長していった。租税回避地として成長したのである。 緋璃の怒り  宰相は庭の維持さえ出来ていればこれといって何の問題もないという態度だったが、実際生活ゲームで現地を視察した秘書官長緋璃はこれではダメだを通り越して、ここはまるで地獄じゃないですかやーだーと大暴れをはじめた。 怒りの報酬  宰相は仕方なく住民を追放虐殺しようとしてそれも止められ、かくて秘書官が宰相府を藩国として運営することになった。宰相府の中に宰相府というか秘書官府ができたようなものである。ちなみに全て給与外で、これは今もそうである。 秘書官による国家建設  とりあえず租税が敷かれ、警察が置かれた。凶悪犯罪が多いので人間は警官になりたがらず、無人機械でこれは行われた。消防署が作られ、貴族や秘書官の私費で学校が作られた。  宰相府のうまみが減ってしまって他国の規模で言えば戦争が3回くらい起きたくらいの人間が減ったが帝國全体どころか共和国の経済を押し上げることになった。 普通の国へ若干近づく  秘書官による事実上の建国、あるいはクーデターとも言える事態によって宰相府は普通の国に近づいた。しかし普通の国として見ると、貧富の差は絶望的な差として存在し、危険な宗教や犯罪結社が多数ある。ないのはクロス・アクシャだけという状況、法的整備もまだ進んでいない。 機械産業の発展  宰相府には観光業以外これと行って産業がなかったが、秘書官長緋璃は趣味と失業率対策で軍需工場(特にロボット工場)を建てまくった。もとより他国を黙らせるために兵器を大量に作っていたこともあり、宰相府は一躍帝國の軍事兵器工場となっていった。自国兵器だけでなく他国の兵器も量産し、戦争の時代に向かっていった。 相次ぐ無人化の嵐  ロボット工場が発展すると、人間の仕事が驚異的に減って行った。秘書官たちはなんども対策を立てたが住民に危害を与えないレベルにとどまり、無人化の流れそのものを変えることは出来なかった。アイドレスあるあるである。 無人化の弊害  無人化は一般国民を貧しい経済水準に留める原因だったが、反面このおかげで新生児出生率は帝國一般の中でも高い水準であった。貧乏子だくさんの実例である。この国では機械に勝って仕事にありつくか、機械化できない観光業か、機械が見向きもしない漁師をやるか、さもなければ貧乏になるしかなかった。 全ては砂漠に戻った  そして、ターン20である。ダンジョンを抜けたら全てが砂漠になっていて、どう再建し、どこ変えていくか宰相も秘書官達も考え直すことになった。 新しい宰相府  System4下での宰相府は諸事情であぶれたプレイヤーの収容や、アイドレスではありがちなプレイヤーの責ではない問題が起きたときの救済を行う受け皿として再整備されることになった。  性質上、強い国を目指すのは目指すのだが、極端に強い訳でもない。そういう国である。 〇今に見る歴史の影響 風俗  風俗とは風習、風采のこと。しきたり、習慣、身なり格好、喋り方を含むものである。風俗は誰にでもついて回るがその大部分は他者から受け継いだものである。歴史は風俗を作り、風俗は歴史を作る。 生活習慣  毎日の生活習慣は藩国によって明確な傾向がある。時代の変遷、テクノロジーによって変化していくが、それ以外の影響、即ち昔からこうだったからこうという前時代の惰性、歴史的な経緯を引っ張っているものも多い。 気質  人の性格は幼少期の家庭内教育で大体きまり、学校教育の中で方向性を形成して、社会人になるまでにはほとんどが決まる。そして家庭内教育は歴史の影響を色濃く受ける。 職業  職業とは需要によって創出されるがその需要をつくるのは歴史的な経緯であり、なりゆきである。歴史とは職業の変遷と言っても良い。 産物  産物とは、その藩国で生まれた物を言う。いうまでもなくその国の職業、気質、生活習慣、風俗に合わせてあるものであり、歴史を無視しては存在しえない。 ○宰相府の地形 四つの園、二つの居住区、一つの役所  宰相府は四季の名前を冠した四つの庭園、貴族街と平民街の二つの居住区、一つの役所(宰相府)からなる地形で構成されている。 人工都市宰相府  宰相府は全てが砂漠の上に作られた人工物から成っていて、水なども基本的には地下に埋められた古い藩国船から生成、供給されている。藩国船を埋めているのはかつては単に生活空間を拡大する過程で埋まっていったのだが、今では安全上の都合で意図的に埋められている。  更地というか砂漠にされたT20でも藩国船だけは無事に機能していたからである。 春の園 春の園は宰相府でも一番大きいドームであり、人気が最も高い。桃、蓮華、桜と言った花々が常に咲き、クローバー畑もある。 桃の宴 春の園には小さな物見台があって、そこから桃の木畑を見ることができる。残念ながらここの桃は花桃で実はならない。ただ香り良く、これを楽しむ事ができる。 夏の園 夏の園は宰相府で最大の面積を誇る地域。半分は貴族街と一体化している。ドームなどはなく、砂漠の気温などをそのまま利用している。海に面しておりハイビスカスなどの花はもちろん、土産屋にビーチと一大リゾート地となっている。 夏の園のビーチ 宰相府のビーチは大小一〇〇ほどもあり私有もあれば公営もある。公営はほとんどが無料だが安全装備は整っており、水中ロボットたちが溺れた人間を運んでいる姿を頻繁に目にすることができる。土産物屋が多すぎるのが玉に傷だが、料理はうまいと評判だ。 秋の園 秋の園は宰相府で二番目に大きなドームで、滝などが作られている。また水の塔という風変わりな施設がある。たくさんの紅葉種で人工山は飾られており、さほど大きくはないが川も流れている。竜が良く姿を見せるともいう。 水の塔  宰相府の魔術関連が凝縮されている場所で一般人はおろか貴族、ロボットも入ることが出来ない。星見司だけがここに登ることが出来る。太古からの魔術書の過半が集められていて、研究を行うことができる。 冬の園  冬の園は宰相府でも一番小さいドームである。雪を知らない子供達のために子供料金だけは無料である。  冬薔薇園があってここでは一〇万以上の薔薇が栽培されている。肌を寄せ合ういい口実のデートスポットだ。 冬薔薇園  宰相の東屋がある場所で一〇万本以上の薔薇が栽培されている。色々な薔薇が作られており、また作出されている。歴代の秘書官の名前を冠した薔薇の品種がある。皇帝の戴冠式はここで行われる。 貴族街 貴族街は貴族と上に超がつく金持ちが住まう場所である。多くが別荘であるが一部商業地区として高層ビルが立ち並ぶ。治安は最高レベルでロボットや自動カメラによる極端な監視社会となっている。 ビジネス街 貴族街の一角は高層ビル立ち並ぶビジネス街である。会食用にレストランなども多い。ビジネスセンターとして力を入れて整備されており、宰相府の軍事力を背景にした安全の傘を最大の利点として多くの貴族が集まるこの場所で商談が進められるようになっている。 平民街  平民街は貴族街と比べて随分と雑然としており都市計画も適当である。上下水道が揃っている場所は少なく、電気が通っている所もまばらである。一方で活気に溢れ、税金がないことからここで再起を図る者も多い。貴族が建てた無料学校が大量にあり、これらを卒業すると出世の道が開かれるようになっていた。 暗黒神殿  クーリンガンが経営する暗黒神殿は余り人気がないがその力は本物である。もっとも拝金主義がはびこる宰相府では神力があるだけでは中々伸びない。ついでにいえば暗黒神より拝金主義の方が悪いとクーリンガンは力説している。嫌な目にあったことがあるに違いない。 法の神の教会  かつてキノウツンという国があり、そこの遺民の一人が立てたのがこの教会である。ちなみにこちらの神も本物なのだが宰相府では暗黒神殿と同程度の残念な扱われ方をしている。 役所(と言う名前の宰相府)  宰相府には政庁城がない。あるのは屋敷のような役所であり、これを宰相府と呼ぶ。城になってないのは歴史的な経緯による。今でも軍事的防御力はないに等しいが、戦闘用には地下に施設がある。 地下中央司令部  宰相府の地下にあるCIC。中央情報センターである。宰相の席は用意されていないが、これは実務を秘書官が取るためである。宰相府が拾得するあらゆる情報が中央スクリーンに投影される。半ば要塞になっており、三ヶ月の間生活出来る物資も持つ。 地下工場  宰相府の工場群は地下に作られている。砂塵や昼夜の温度差などの対応コストより地下工場の方が安いためこうなった。完全無人化されており、生き物が入る前提になっておらず、生物は基本的に殺される。 ○宰相府駅 宰相府駅 帝國一のマンモス駅  帝國最大の輸送人員数を誇る帝國環状線宰相府駅は、捌く人の数の割りに殺風景でデザインセンスらしいものがまったくない。これは利用者があまりに多く、急拡張を重ねた結果である。安全性は犠牲に出来なかったがデザインは犠牲に出来たわけだ。観光国なんだからと問題になることも多いが、利用者が多いせいでその意見も封じられてしまっている。 高い天井、骨組みはそのまま  宰相府駅は暑さ対策で高い天井としており、金属の骨組みをそのままデザインにする形で見せている。これは日夜の温度差による金属収縮でセメントなどが剥離してあぶないため、最初から使用していない構造のためである。 人が多すぎて階段がたわむ  集客が多いと構造物も通常とは違うものが求められる。例えば横幅50mの大階段は、1年ほどで1cm以上もへこむし、ラッシュ時は歩いていて階段がたわむのを感じるほどである。強化に強化を繰り返して今ではそういうこともなくなったが、この件は教訓として関係者の心に刻まれた。 宰相府最大の売り上げの土産物屋  駅の中にある土産物屋は宰相府最大の売り上げを誇る土産物屋である。売り場面積もかなり広く、宰相府を離れる人々が土産を買い求める姿が見受けられる。 A線、B線  宰相府を通る帝國環状線はABの二線からなり、それぞれが内回り外回りで合計四線ある。A線のルート決定においては砂に埋もれないことが重視され、このため割と変則的な大きく南に迂回するルートになっている。B線はチューブ敷設型のために直進ルートである。ただ外が見えないので観光客の多くはA線を利用して宰相府にやって来る。 異常な監視カメラ、警察ロボットの多さ  宰相府駅は監視カメラだけで四万台以上が常時稼動し、警察ロボットも三〇〇台が常に動き回っている。対テロを意識しての話だが、息苦しさを感じる者も多いため、カメラはカモフラージュされている。 乗り継ぎ  宰相府駅から各季節の園へは地下鉄が通っている。 また地上にはバスターミナル、タクシーステーションがあり、平民街やビジネス街へ移動できる。 ファーストレストラン  宰相府駅内には大小一二カ所のレストランがあるが、中でも一番価格が高いレストラン、マーチラビットは宰相砂漠の夕焼けを見るために大きな半ドーム形状を持つ。段差のあるゆとりある席で、夕焼けと夜をお楽しみください。  ちなみに一番安いのはホームの立ち食いそば屋である。ただ、ここのそばはうまい。 改札の完全自動化  宰相府駅は人が多すぎるので改札が完全自動化されており、非接触型カードから電子決済を行っている。昔1mほどの距離から決済出来たのだが不正利用が多くて今は3cmまで近づかないと決済できない仕組みになっている。元の理想が歪められた感はある。 出勤する物乞い  宰相府駅では始発で出勤してくる物乞いが多く、警察ロボットは常にこの物乞い達を排除するために戦っている。物乞いも賢いもので毎日変装して警察ロボットの監視や顔認証をすり抜けようと努力している。これだけ集客が多いとかなり儲かり、平民街を出てビジネス街に居を構える者もいる。 宰相砂漠 宰相砂漠は宰相府を取り巻く巨大な砂漠である。宰相府藩国の二〇〇倍以上の面積があり、この砂漠のせいで宰相府は孤立気味である。 ○宰相砂漠の砂 宰相砂漠の砂 宰相砂漠の砂は鉄を多く含む場所やケイ素ばかりの場所、希少元素を含む場所など沢山ある。これは古代文明の名残であってこれらの砂はそのまま資源として再活用されている。 ○資源砂 資源砂とは 宰相砂漠で取れた砂を選り分けて均一化したもの。3Dプリンターの出力材料に使われる。無尽蔵の原材料と喜ぶ部分もあるにはあるが、原材料費が安い関係で商売としてはあまりうまくいっていない。過去に乱高下や需要予測の失敗による倒産などがあって、不安定供給が続いた。とはいえないと困るので今では国営工場で大量生産して安価に、しかし儲けが出るように売って専売化している。 ○生活空間のもたらす影響 人体への影響 人は生活空間の影響を受ける。暑い地域の人々は汗腺が良く発達するし、高度の高い地域の人々は心臓が強くなる。病気のリスクも変わってくる。 思考への影響 生活空間への影響は思考にも影響を与える。海に近い人と山の中に居る人、田園に居る人と都市生活者では生活習慣や価値観が自ずと変わり、思考も変化する。 良い影響をうまく利用する 影響を受けるのは仕方ないが、それをうまく利用することで機会や、能力面で人生をよりよく過ごすことは出来る。悪い面を自覚して対応もできる。 宰相府の種族:自由民 ○自由民 宰相府は観光地であり膨大な数の貧民、難民を受け入れてきた経緯がある。このため混血がいち早く進み、どこの民とも言えぬ者が国の大多数を占めるに至った。 無頓着な性格、粗野な言動 宰相府の民は全般として言葉が崩れており、一々オーバーリアクションである。これは多種多様な方言のどれが正しいとかないための結果である。また人が過密気味な関係でプライバシーを守るのが難しく、無頓着な者が多い。よく言えば開放的で物怖じしない。 平民なまり 平民街でよく見られるのが早口である。およそ都市や人口密集地は全般言葉が速くなるが、宰相府もこれは同じでかなりの早口である。良いことはあってオペレーターなどには向いている特徴である。他方、品がいいとはとても言えない。 浅黒い肌 混血が多いと肌の色は大体浅黒いあたりで定着する。宰相府の民も同様で、浅黒い肌の者が多い。さらに日焼けで色を濃くするものが多い。 多彩な髪色 単一な肌の色と違って髪色は実に多彩である。色を染めるのも自由なら、遺伝的なルーツを示すときもある。半分近くは黒髪、三分の一は銀髪だが金髪も珍しくなく、赤毛、栗毛も良く見かける。 多彩な瞳 宰相府の民の瞳は多彩な種類があって、これというものがない。青いのもいれば紅いのもあり、茶色もあれば黒もある。薄い瞳の者はカラーコンタクトを付けていることも多い。日差し対策である。混血が進んでいるせいで幼少と大人では瞳の色が変わることが多い。 体格は普通 宰相府の民はロボットが発展しているせいで力の強い個体が人気、ということがなかった。結果として体格は婚姻でも重視されず、中肉中背が大多数を占める結果になった。この国では筋肉はあまり自慢にならない。趣味の一つと思われる。 機械に勝つために 宰相府では仕事がとにかくない。なぜか。ロボットが庶民のどうでも良い仕事を全部やっているからである。平民が万年不景気な理由である。このため宰相府の民の多くは機械に勝つために話術などの対人技術に磨きをかけて、ロボットに勝つ分野を常に探して仕事にありつこうとしている。 敏捷と反応速度は良い 宰相府ではすばしっこく、反応速度が速くないと生きるのが大変だ。配給もそうだが仕事にありつくにも素早くないといけない。ロボットと付き合うにも人並み外れた速度がいる。結果宰相府の民はいずれも平均値を大きく離れた素早さや反応速度を持つに至った。ただまあ、何事にも例外はある。 頭の回転は速くないとだめ 宰相府ではロボットに対抗するため機転が重要になる。単純な計算能力や知識量ではロボットに勝てないためである。 金にうるさい 平民街出身者は全般として金にうるさい。命の次に金を大事にする傾向がある。これは年金制度などが発達していないせいである。つまり、ケチ。であり貯蓄好きであり、無駄遣いなどを嫌う。 平民街ではケチは褒め言葉である。 手作り好き 貧乏で失業者が多い関係で宰相府ではなんでも自分で自分でつくって売るマイクロビジネスが大人気である。余り細かい商売だと税務署も動かないのでこぞってこの手の小さなビジネスに興じるのが普通である。詐欺まがいの品も多いが良く出来たものもある。 〇日常用万能成功要素群 日常の営みをやる身体能力  日々の生活。それは生きている以上はやらないといけないことである。身体を動かし、散歩して犬を撫でて求職活動して、家族と話をして傾いている家を直して寝る。そんな能力は誰でも持っている。 小さい器用さ  日々の生活の中ではちっさい作業も割とある。老眼や近視でもどうにかがんばらないといけないのである。そのほか震える手先を上手く止めたりと、毎日をいきるだけでもたくさんのコツがいる 若干の体力  機械が発達してもなお、若干の体力は日常でも必要である。遠くのスーパーに買いに行ったり、その帰りに特売品の山をもって意地で帰る時などにいる。たまに急病人運ぶ時も使う。 毎日を生きる精神  毎日生きれば嫌なこともあるがまあ、それでも頑張らなきゃ飯も食えないものである。気力とは別に精神のありようというかやるしかないかという境地も時には必要だ。それ以上に元気にふるまう精神力もいる。 どうでもいいことをやる気力  朝のごみ捨ては大変なのではないだろうか。そうだ。やれば簡単なのに、やるまでが大変な日常所作にはあふれている。気力を動員してどうにかがんばろう。 自炊のための愛情  食事は楽しみだが外食ばかりでは自分の好きな味付けにはたどり着かないときがある。人は時にカレーを自分で作る権利を持っているのだ。料理を作るために必要な包丁使いに野菜の目利きに時間を計って食器を洗うというもろもろの中には他のすべてに通じる大事なものがある。 プレイヤーの職業 3 ○スターズオペレーター 機外管制官とは 機外管制官とは、その名の通り、機体の外、地上から、艦上から、パイロットたちを管制し、良い仕事をさせるのを目的とする。 指揮官補佐として 機外管制官は指揮官の言う事をかみ砕き、機体を適切に運用することで各機を連携させ、集団戦時に総合戦闘能力を高める。 第四(もしくは五)のパイロットとして 優秀な機外管制官は各機の様子に心をくばり、まるでパイロットが一人増えたかのように助言し、手伝うことを行う。 お耳の恋人として パイロットや猫士、犬士たちの心のケアは管制官が行う重要な任務の一つだ。やる気を引き出し、落ち込んでいたら励まし、警告を与え、ショックから立ち直らせる。まさに、お耳の恋人である。。 無人機の運用も行う 機外管制官は有人機だけでなく無人機にも指示を与え、戦闘力向上を行う任務を持つ。機械的判断に加え人間的な判断をくわえることでより複雑な事態に対応する。 管制官の適正と選抜 機外管制官には軍内に専用の学校があり、そこを卒業して初めて管制官の資格を与えられる。数のいる職業ではないため、私見は厳しく、生半可な成績では卒業できない。7割ほどが選抜から落ちる狭き門である。 いい声でないと駄目 機外管制官はいい声でないと仕事にならない。たとえ無人機相手でも滑舌が悪くては誤命令のもとになる。そのため最初から声が良いものが選ばれる。 ボイストレーニング いい声を維持したり、より良い声になるために、学校ではボイストレーニングの授業があり、発声練習の他、原稿を読み上げたりなどの練習を繰り返す。 長丁場でも声は枯らせない 管制官は長丁場でも声をからすことが許されない。学校の最終試験では一日一〇時間喋り続けてなお普通に聞き取れる声を求められる。 喉を潤すために 管制官は軍にしては珍しく、仕事中でもお茶を飲んだり喉飴をなめたり喉スプレーを使ったりすることが許されている。これも全てはいい声のためである。 全軍で一番冷え性が多い職場 管制官は職務上椅子に座りっぱなしで身体を動かすことがほとんど無い。このため腰痛や冷え性が多く、対策として毛布やクッションの持ち込みが黙認された。ただ情報漏洩の問題があるためにチェックだけは厳しく行う。 機体知識を叩き込め 管制官は機体の特性をパイロットと同じ程度に知っていることが求められる。このため教育課程の一部はパイロットと同じになっている。 戦術知識も必要だ 管制官は戦術知識にも詳しくなければならず、士官学校の戦術課程も必須で学ばないといけない。教育課程を見れば分かるとおりエリートもエリートという仕事である。 指揮官が何を言っているのか 指揮官が何を言わんとしているのかを理解しなければ管制官は仕事にならない。このため指揮官の口調だの癖だのを見分ける必要がある。指揮官へのお茶くみや雑談は、規律が緩んでいるのではなく重要な日常のワークなのである。 スイッチのオンオフ 管制官は管制モニターの他手元に並ぶいくつもあるスイッチを切り替えて喋る。全機と各機では言う内容が変わるし、聞かせたくない話だってあるからだ。酷使されるスイッチは規格外の耐久力が求められており、塗装の方が先に消えている。 即座の把握力 管制官は即座の把握力を持っていないと仕事にならない。すぐにでもその機体に乗っていてパイロットがどんな気持ちで何を欲しているかを把握する必要がある。このため管制官は気遣いのできる者が優先的に選ばれ、さらにそれを伸ばすように訓練される。 全体状況の把握と連携 管制官は各機のみならず全体状況を把握して各機を誘導し、連携を取らせないといけない。言うほど簡単でもないが出来ないとパイロットや機体の損耗率があがるために、管制官は任官後も勉強会を何度も開いて訓練を行う。 連携をとるために 連携を取るコツは日常会話である。管制官は激務だが日常の雑談を鍛えられ、学校では専用の授業まである。こうしてコミュニケーションモンスターができあがっていくのだ。 残弾把握が命 管制官のつく席で一番目立つ位置にあるのが管制する全機体の残弾表示モニターである。ここに眼を走らせながら指示を出していく。弾の減りが早すぎればパイロットは焦り、あるいは防戦になっているし、弾が減っていないということは敵から遠いのだ。 被害状況を確認せよ 管制官は各機の被害状況をモニターと交信で把握する。被害が大きければすぐにも脱出を指示しなければならないので、真剣である。昔は声だけが頼みだったが今は被害レポートがモニターに一覧表示され、危ないものはアラートが出るので多少はマシになっている。 パニックをおさめる 管制官は対パニック訓練を繰り返し受ける。パイロットのパニックが伝染してしまうと、部隊全部が浮き足立つからだ。緊急時にはパニックを収めるための薬品を投与される。 死ねと伝えるメンタリティ 戦争はどんなにがんばっても駄目な時はある。死守命令を出さねば全軍が崩壊する局面もある。全体を把握していないパイロットに突然死ねと命令するのは管制官でも難しく、心が痛む。しかしそれに耐えないといけないのだ。普段から訓練していても、伝えた後は放心状態になる者もいるのでこの時は副管制官が変わるようになっている。 後ろに下げる決断 機体の数が減る、というのは想像以上に痛手だ。8対9が7対9に動くだけで勝負がついてしまうことも珍しくはない。このため後退の決断は指揮官や現場のパイロットリーダーでも難しい。管制官はその難しいところのい情報や対応策を携えて切り込むことになる。 指さし帳 指揮官と秘密会話するために管制官はカラーコード帳や指さし蝶を持つ。パイロットが死にそうとか、そういうそういう事態で使用する。 交代と予備 管制官は通常正副の二名で運用され、長期作戦では正副予備の三人で運用を行う。こうしないと管制に穴、すなわと空き時間ができてしまう。 〇ファイターパイロット ファイターパイロットとは ファイターパイロットとは戦闘任務を遂行する訓練を受けたパイロットである。性格上軍に所属し、厳しい管理を受ける。 厳しい選抜 ファイターパイロットは誰でもなれるわけではない。厳しい受験とさらに厳しい訓練を経て卒業試験を行ってようやくなる事が出来る。 要求される基礎能力 ファイターパイロットになるための第一関門としてファイターパイロット教育課程に進めるかのテストが行われる。以下のテストが行われる。 数学 ファイターパイロットは数学的知識が必須である。飛行や宇宙航行は物理学の世界であり、ある程度そこを理解していないとまともな運用ができないためだ。 肉体能力 ファイターパイロットは体力仕事である。Gや衝撃に振り回され減圧に血流異常に負傷まであり得るからだ。体力のない者はなる事ができない。 視力 多くの国ではパイロットの視力要求を緩和しているが、一部の国では未だ視力を重要視している。センサーを信用していないわけではないが、回避には影響すると信じられている。 判断力 ファイターパイロットは桁違いに高速な世界に生きている。一瞬の判断で生死が分かれるために判断力は人間の限界に近い域を求められる。 語学 ファイターパイロットは無線通信を行わないと行けない。ここで聞き逃したり、発音がしっかりしてないと間違った情報を発信してしまう。このため正しい発音と意図の把握をする力が求められる。 方向感覚 ファイターパイロットは急激な機動で方向を見失う時が度々ある。もちろん致命的な事態でそうならないように高い方向感覚を持つものが選抜される。 猫、犬の耐性 勤務上どうしても犬士、猫士との付き合いが必要にる。このため動物に対して嫌わない、敬意を持つ、長時間付き合っても大丈夫、むやみに触らない、お利口などが要求される。もちろん犬や猫の場合でもこれらは求められる。 犬士や猫士もファイターパイロットになれる 受験資格に規制がないために、これらでも普通に受験できる。役に立てば何でも良いのだ。実際、毎年たくさんの犬士や猫士が試験を受ける。 ◯基礎訓練過程 基礎訓練過程とは 軍人として基礎的な訓練を行うことを言う。この段階では専門的な教育ではなく、軍事関係各職業一緒に訓練を行う。 対G訓練 およそ現代の軍人でGとは無関係なのは事務職だけである。このため程度はあるものの、誰もが耐G訓練を受ける。遠心力で振り回され、航空機上でひっくり返され、ひどい目にあう。 体力作り とかく体力がないとやって行けないのが軍人である。走り込みし、懸垂し、背嚢に石を詰めて長時間歩かされ、徹夜で作業させられて鍛えられる。 独楽訓練 耐G訓練と一緒に目を回さないように独楽のようにスピンされる訓練がある。酔いやすい場合は転属を余儀なくされるが手術で改善することもできる。乗り物で輸送される関係で歩兵もやらされる。 歩兵練習 すべての軍は歩兵でもあれと歩兵の訓練も受ける。と言っても専門機材などは使わずアスレチックとライフル銃の訓練くらいである。 行進 実戦上の意味をとうになくしたとはいえ、行進は国民受けするので今でも訓練を行う。納税者対応というところだが立派だと自分たちの士気も上がるので意外にどこも頑張っている。 生活態度 自分の体調を整えるもの軍人の仕事だが、同時に他人に合わせる事も仕事である。好き勝手にやれる仕事ではないのだ。このため軍隊式に生活態度は修正される。 思想教育 裏切りられたらたまったものではないし、自分の思想信条を盾に規律を乱されても困る。そこで思想教育である。自由は軍隊にないのだ。たとえ自由を守るための軍であろうとも。 ------ここまで ◯パイロット、コパイロットの座学 座学 座学はパイロット、コパイロット両方に共通である。コパイロットの方が数を要する関係で性格上動物の方が多い。猫、猫、俺、猫、犬、とかで座席が並ぶ事もよくある。 航空法規 航空宇宙、あるいは道路などの交通法規を教わる。退屈で眠くて仕方のない不人気授業なのだが、社会との繋がりという意味でこれを履修していない軍人を飛ばすわけにはいかない。 国際法 交戦などに関する国際法を教わる。条約を結んだ敵と戦うなど歴史上稀なのだが、技術力が高ければ理性もあるかもと、捕虜の人道的扱いなども含めて叩きこまれる。 機体構造知識 機械と付き合う関係で原理から仕組みまで理解させられる。故障時はもちろん、使いこなしで差が出るのできちんと教える。動作原理を知っていれば回避できる問題は多い。 戦闘理論 搭乗する機体に合わせた戦闘理論を教えられる。戦闘機なら旋回するほどエネルギーを失う。だからエネルギーを失わないように一撃離脱を行うなど、各カテゴリーの基礎を教わる。 戦術学 各機体の戦う理論は分かっても一歩進んで集団戦になるとまた色々と変わってくることが多い。戦術学では集団戦のセオリーと集団の中の自分の位置付け、求められる役割を教わる。 操作座学 各機体の機上操作を座学で教わる。主たる操縦系は直感的なものであまり困るようなことはないが軍用装備はとかく補機類が面倒臭い。 実戦記録から学ぶ 座学も後期になると実戦記録を元に戦闘を統合的に分析し、ノウハウを教わる授業が増える。EV85やEV102の戦いなどから戦術戦闘術を学ぶ。 老人の語り 座学では戦闘経験者の語りが聞かされる。多くのパイロットはこの授業を真剣に聞く。明日は我が身というわけだ。長命であるプレイヤーが呼ばれることもある。 見学ツアー 座学では基地見学ツアーがある。知識と経験を融合するための儀式のようなもので実際に基地の装備を見てスイッチ類に触れる。気分が盛り上がる学生が多い。 ◯実技訓練 実技訓練とは 実技訓練とは名前の通り実際に機体を動かすことである。コストの関係で練習機を用いる。操作に失敗すれば最悪殉職もあるので教官は気を使う。 機材暗記 操作座学で学んだことを実際乗る前にテストされる。機上で覚えていませんでしたはまったく許されない。学生は必死に暗記する。自分の机前に印刷した紙のコクピットを作るものもいる。 シミュレーション訓練 実際に機体に乗せる前にコンピューターシミュレーションで機体操縦を模擬経験させる。操縦席周りの機材類は本物を使用した本格的なものである。 練習機での訓練 シミュレーション過程が終了するといよいよ実際の機上訓練である。教官と乗り込んで訓練を行う。安全のため教官席にも操縦装置が備わっている。 初等訓練 おっかなびっくり 初等訓練では基本的な操作を教わる。機上訓練時間は20時間である。初等練習機を運用する。パイロット候補生は頻繁にミスをやらかして教官からどやされる。 中等訓練 慣れたあたりでやらかす 中等訓練は機上訓練時間20から100時間に相当する。毎日二時間乗っても50日掛かるという長い時間をかけた訓練だ。アクロバットや戦闘装備の操作をやらされる。少し慣れたあたりで失敗するものが多いので教官はいつも目を光らせている。 高等訓練 いよいよ使い物に 高等訓練では教官が乗っておらず、自身の判断で操縦を行う。実機を用いて訓練するのでほぼこの時点で実戦に耐えうる能力を獲得する。六十時間程度がカリキュラムによって定められる。 模擬戦 高等訓練の終わりになると模擬戦が頻繁に行われる。熱くなって事故、殉職もかなり出る。それでも訓練効果は高く、死者が出ても平然と続行される。 ◯いよいよ教育過程終了、実戦配備 テスト 模擬戦を重ねたら、いよいよ教育課程卒業試験だ。実戦形式で教官と戦う。大抵教官になぶられて終わるが勝つのが目的ではなく善戦が目的である。負けても卒業は出来るのだ。内容次第である。 部隊配備後の訓練 テストを合格したファイターパイロットは実戦配備されて部隊に着任する。部隊では割と問題になるのがこの新人で、教官より厳しい目で評価され、足りない部分は部隊の訓練で補正される。今度は新人からベテランへの長い道があるのだ。 機種転換訓練 機材の関係で配備部隊と教育課程の装備が異なる時がよくある。こういう時は部隊着任後に機種転換訓練が行われる。部隊としてははやく使い物になってほしいのでかなりハードな訓練になる。 〇整備士 整備とは 整備とは、すぐ運用できるように機材を準備したり整えたりすることをいう。職業として整備を突ける場合は機械整備を意味する。 整備士とは それは機械のおっかさん 機体を整備する者を整備士という。今も昔も重要な支援職業で彼らが働かないと機材が十全に動かせないだけでなく、事故などの確率が増えてしまう。 自然損耗と整備の関係 機材は何もしていなくても壊れる。普通に運用していても壊れる。軍事で運用を行えば、もっと、そして激しく壊れる。軍事においては戦闘で破壊されたり傷ついて廃用になったものを戦闘損耗というが、これは戦闘外の自然損耗の5%以下である。つまり、95%は自然損耗しているわけだ。 整備はこの損耗を減らし、修復して再度運用できるようにする作業を言う。 壊れて修理もするけれど 整備は壊れたからという理由で整備をすることもあるけれど、それはもう例外的な話で基本的には故障前に故障しないようにするのが基本である。戦闘中に故障したら命にかかわるのだから当然だ。 運用許容時間(サービスライフ) 機械の構成部品には統計的に半数が壊れるであろう時間が統計的に決まっている。これを運用許容時間という。自然損耗を予防する基礎的な考えはこの運用許容時間内の部品交換にある。 ショップ ショップとは前線において部品交換を行う整備場を言う。ここに勤務する整備士は部品修理を行わず、ただ部品交換を行う。そして壊れた部品はデポに送り返す。修理が難しい機体もデポに送る。 整備の基本は記録作り 整備の基本は各機各部品の運用許容時間を計測し、記録することである。この台帳を整備記録という。整備記録を取るのは整備の基本である。 部品交換 整備記録をもとに運用許容時間前に交換を行う。交換部品がない時はだましだまし使うしかないのだが、こうなると機体につきっきりになり整備効率は落ちる。 部品検査 確率の話として運用許容時間前でも故障するケースはある。こうなると部品を検査してどれが壊れているかを特定していかないといけない。パイロットの証言を参考にテスターや診断装置を使用して調べる。見つかったら部品交換である。 洗浄 機体が汚れていると故障の原因になる。また汚れで気付かないひび割れ(クラック)もあるので機体洗浄は整備における重要な仕事である。 塗装 塗装が剥げたりしているとき、元通りにするのも整備の務めである。絵心が問われ、残念な整備士にかかると残念な塗装になる。 ノーズアート 機体への落書きは基本禁止されているが、前線では広く行われる。士気をあげるためというが、ささやかな娯楽、お守りみたいなものである。この落書きをするのも整備士の仕事だ。ただし、残業にはならない。 標識類の書き込み 国際標識や整備時の注意書き、部隊のテイルレター番号、機体の識別コードなどを書き込むのも整備士の仕事である。重要な仕事で適当な仕事は許されない。塗装やノーズアートがひどい機体はあれど国際標識はしっかりしているのが普通だ。 パイロットの話を聞く 整備において重要なのはパイロットやコパイロットの話を聞き、そこから整備上の情報を聞き出すことである。機体の左腕の反応が遅いとか言われたら一応調べてみるのがいい整備だ。 遊びの調整 パイロットやコパイロットによって固有の癖はあり、それに応じた調整を行うのも整備の仕事である。フットペダルを軽くしたり、左レバーだけ少し軽くしたり、小指ボタンのボタンを軽くするなどパイロットの趣味に応じて対応する。 デポ デポはショップで対応できない整備を行う整備場である。前線からは少し離れ、通常はいくつかのショップにつき一つのデポが設置される。 専門知識 デポで仕事する整備士には専門知識に腕が要求される。ショップでは行わない壊れた部品の修復などを行うためである。 精密分解 壊れた部品を分解するのがデポでの整備員の仕事である。さらに壊れたりしないように慎重に行い、綺麗に並べていく。 精密交換 分解部品のうち交換が必要なものを探して交換していく。あやしいものはテスターを使用して調べていく。多くの部品にはバーコードがあり、そこをスキャンすると部品番号が分かって注文や在庫検索がしやすいようになっている。 再組み立て 精密交換後、今度は部品を組み立てていく。組み上げには知識も器用さも必要で下手な組み方をすると仮に動いても性能が発揮されないときがある。このため慎重に行う。 報告書 今後の整備、あるいは機体のために報告書を作るのも整備の仕事である。整備記録をまとめて部品の運用許容時間を割り出すのも仕事なのだ。 (流用)〇基礎訓練課程 整備道具 整備には整備道具が必要である。整備道具も常に整備され、いつでも使えるようになっていなければならない。いずれも民生品で民間工場で作成されたものである。 タブレットPC 整備は事務と半ば一体化している。事務面で使用するのがタブレットPCで、手袋をしていても使えるし風雨や低温高温でも使用できるタフなものが使われる。 ARグラス 整備マニュアルを見ながら整備するために片目型のARサングラスを使用する。暗闇でも使えるように赤い色一色でモニター表示される。 レンチ 残念ながらも一般人がイメージするモンキーレンチなどは使用しない。大きくて使いにくい上に狭いところに持ち込めないのだ。多種多様の薄いレンチやトルクレンチなどを使用する。 電動ドライバー 日常的にドライバーを使うと手を痛める。ので、電動ドライバーを使うことが義務付けられている。対角線上に少しずつ締めていく。 ツナギ 上下が一体になった作業服の事。厚手になっており、空調服の機能もある。袖口は絞られていて引っ掛け事故が起きないようになっている。各所にポケットがある。 テスター 通電しているかどうかを調べる装置。電流量も調べられる。電子回路が壊れているときや結線不良を調べるときに使われる。故障個所を特定するのだ。 診断装置 多くの機体は自己診断装置を持っており、モニターを接続すると故障個所を自己チェックして申告する。絶対に信用なるわけでもないが、単純な動作不良などはこれで調べられる。 ◯宰相府歩兵 宰相府歩兵とは 文字通り宰相府で採用する歩兵である。宰相府は航空宇宙軍と比較して陸軍の規模が極小さく、日陰者の扱いであった。軍の規模も3万人にしか過ぎなかった。槍の穂先(軍の実戦部隊)が全体の5%という話を考えると1500人しかいない。 体格の良くない歩兵 宰相府歩兵は総じて体格が良くなく、体も丈夫ではない。一方で反射神経や敏捷性は高く、機械いじりが得意な傾向があった。この傾向を利用して宰相府歩兵は最新機材を扱う軽歩兵として運用された。 正面戦闘をやらない陸軍 宰相府陸軍は秘書官長やら秘書官やらがロボットが治安維持するなんてディストピアですよ、いやですーと言ったことで泣く泣く編成された経緯がある。人間の方が悪いことすると思うけどなあという宰相の意見はさておき、整備された。ことの最初から主兵としては運用を想定されていない。 (流用)〇基礎訓練課程 〇歩兵訓練課程 歩兵訓練課程とは 軽歩兵を育てる訓練課程を歩兵訓練課程という。高度な機材を使うようなものは訓練課程には入っていない。あくまで基本、基礎である。13週間でこの過程を終わらせ実戦に投入できる。 〇移動関連訓練 徒歩踏破訓練 徒歩での移動は歩兵の基本である。移動速度は遅いが、他のどんな移動手段より安全性が高いのも確かではある。山や砂漠を延々歩かせられる。走ることもやる。 運転訓練 乗り物に乗っての移動も現代の歩兵では当然である。自動車、装甲車での移動のためすべての歩兵は運転訓練をさせられ免許を取らされる。これは歩兵引退後の再就職で役立つ側面もある。平民は普通運転免許を持たないのだ。 〇整備訓練 整備訓練 宰相府の歩兵は全員が簡単な整備を行えるように訓練を受ける。あくまで専門の整備道具を使用しない範囲ではあるが、銃を分解清掃して組み上げたり自動車のバッテリーやオーバーヒートを直したりする程度には訓練を受ける。 〇防御訓練 隠蔽訓練 防御力の低い歩兵にとって最大の防御は隠蔽である。偽装と隠蔽を学び、偽陣地を作ることを学ぶ。こうして生存率をあげていくのである。 塹壕構築訓練 暇があれば塹壕を作れ。これは今でも通じる歩兵の基本である。時間とともに配置歩兵は防御力を向上させ、四十八時間で戦車部隊の突撃に耐えうる防御力を持つ。このための塹壕を掘り土嚢を芸術的に並べるテクニックを学ぶ。ついでに土砂災害などにも役立つ。 〇戦闘関連訓練 射撃訓練 射撃訓練はすべての基本である。アサルトライフルやライトサイクルガンの扱いを叩きこまれる。長距離近距離なんでも教わる。 近接戦闘訓練 室内、塹壕、市街地、入り組んだ地形での交戦距離100m以下での戦いが激増する現代において、歩兵は近接戦闘を無視できなくなっている。100m以下、20m以下、5m以下での射撃や格闘、戦闘術を学ぶ。 後退戦闘訓練 宰相府の歩兵は戦闘損耗を避けるために後退戦闘訓練を重点的に行う。勇敢に戦うことを要求されない珍しい軍隊である。統制を保って最後まで理性的に戦いつつ逃げることを目的に訓練を行う。 集団戦闘訓練 機関銃で制圧しつつ側面に回り込み、陣地は榴弾で攻撃する。こういう基礎的なファイアアンドムーブメントを学ぶ。 〇宰相府歩兵の運用と実態 軽歩兵として 宰相府歩兵は軽歩兵として基本国内防衛、治安維持に使われた。国外での活動実績はない。これは能力がないというより、他国で間に合っているからである。規模的には小さく、国内必須の活動をしているわけでもないのでいつでも全数を国外派遣できる。 警察訓練を受ける 全歩兵がそのまま警察訓練を受けて警察任務を行えるように訓練を行う。宰相府ではこうでもしないと単なる給料泥棒になってしまう。実質の軍警察だ。 〇歩兵装備セット 〇民生品 迷彩服 迷彩服は迷彩を施した服で戦場によってデザインが変わる。装甲防御を望みえない歩兵にとっては発見率を下げるのが生存率を上げる主たる方策である。長時間移動してもほつれたりしないように丈夫な生地を使用している。 編み上げ靴 歩兵の友、編み上げ靴は踵をしっかり固めるものでこれによって足首をひねることがない。靴底は丈夫で靴が劣化する前にくたびれるのは間違いない。 偽装用具 移動でも重要になる偽装用具は顔をペインティングしたり、赤外線を消したり、植物に隠れたりするのに使用する。 スコップ 折り畳み装備で野外では必須である。重量節減のためサバイバルナイフの役目も持たせている。そのため切れ味鋭い。とはいえこれで戦う気には中々なれない。 〇軍用品 〇A-12アサルトライフル A-12アサルトライフルとは 6mmケースレス弾薬を使用するアサルトライフルで、アーミーインファントリィオプションを装備する。40発入りのロングバナナマガジンを装着する。ごく普通の形をしたアサルトライフルである。 信頼性だけはやたら高いアサルトライフル A-12アサルトライフルは設計がターン12と古く、3Dプリンターの使用をまだ想定していなかった。金属削り出し加工、それも砂が入っても熱膨張しても動作するように部品全部が大きく作られている。ばね類はすべて金属で二重になっており、片方が破断しても使えた。重くて使いにくいが信頼性はやたら高く、伝説にも事欠かなかった。三年土に埋めたけど掃除したら使えたとか、そういうのばっかりである。 反動軽減装置すらつけてない。 A-12は反動軽減装置をつけていない。このため部品点数が少なく、分解清掃も楽だった。工具なしに完全にバラバラにできる。ボルトやナットが大きいので手で回せるのである。 命中率は高くない A-12アサルトライフルは反動が強く、命中率は決して高くなかったが、反面威力は強く、同じ弾薬を使用する武器と比較しても射程、貫通力が高かった。まあ、だいたい敵の方を飛んでればいいよねという銃である。敵から見るとどこから飛んでくるかわからない怖い銃であった。裏をかいてよけたのに当たるとかざらである。 命中率の低さは弾でどうにかする 百発百中の銃一丁と百発一中の銃百が勝負するとどうなるか。百発一中の銃の圧勝である。この理論でA-12は作られている。数をそろえろ、敵より多くの弾を投射せよである。そしてコストは安く、である。この銃の弾倉がやたら大きいのはこの思想の具現であった。 連続射撃は強い 丈夫なせいで加熱しても普通に使え、蛮用によく耐えた。この銃は単発、連発のセレクターレバーがなく連射しかできない。 総評 総じて狩りをするには使えなかったが、簡易機関銃としても使え、歩兵装備としては優秀だった。調達価格は安く長年使えた。とはいえ、積極的につかいたくなるような銃でもなかった。民間への流出がさっぱりなく犯罪にも使われなかったのは試射して命を預けるにはなあと思ったからに違いない。この銃は皆が持って皆が使うから強かったのである。 (再利用)ケースレス弾薬 (再利用)アーミーインファントリィオプション 〇警察訓練 警察訓練とは 警察活動を行うための訓練である。素人が行ってもよいし歩兵が行ってもよい。治安維持に一役買うほか、歩兵による略奪を減らす効果がある。 思想教育 良いお巡りさんになろう かつても無名騎士藩の惨劇や蒼梧藩国や暁の円卓に見られるような占領地での蛮行を防ぐために、警察訓練の基礎として道徳や思想教育が重点的に行われた。 法規の勉強 なにはともあれ法律を学ばないといけない。座学で100時間も法律を学ぶ。厳しいテストもある。覚え間違いが許されないからである。 運用規則の勉強 法律を学んだだけでは実は警察活動ができない微罪や慣習である程度お目こぼしがある法規がかなりあるためである。法の条項ではなく運用まで理解して初めて警察活動が行える。法を厳密に守るだけでは住民の不満は高まるばかりなのである。 交通整理の訓練 交通整理は警察活動でも一番重要である。これができないと避難もできない経済活動もできないと、日常生活がマヒする結果を生んでしまうからである。電気がなくても手旗信号で交通整理できるよう訓練を受ける。 逮捕、捕縛の訓練 警察活動は軍の活動と比較して殺せばいいものでもない。このため、逮捕、捕縛の訓練を受ける。激しい抵抗を受けた場合はさておき、ただ逃げるだけの犯人を殺さないように心がける。 尋問の訓練 拷問による尋問はどこの国でも禁止なのだが、これほど破られやすい禁止事項もない。避けるために複数で人数での尋問が義務付けられている。 地図を覚える 地域に密着した警察活動は地理の把握を基礎とする。このため地図を短時間で覚えて活動できるように地図の読み方やパターンを覚える訓練を受ける。 パトロール 地域をこまめにパトロールするのが治安維持で一番重要なことである。警察がうろちょろしているところで悪いことをやりたがる犯罪者はいない。パトロールの頻度やパターンを変える訓練をして実際に備える。 語学の勉強 地域住民と接触する際に言葉が通じないと誤解から摩擦が起きる。これを避けるために語学を勉強し、なまりをなくす訓練を受ける。 (再利用)ライトサイクルガン (再利用)アーミーインファントリィオプション ○軍警察歩兵装備 警察制服 警察制服は目立つように作られており、宰相府の場合は黒と白に塗られている。これは催涙弾使用下でも認識できるようにするためである。 逮捕テープ歩兵用 高い粘着と切りにくい強度のテープで犯人や暴徒をぐるぐる巻きにして無害化する。歩兵携行用は銃の形をしており、目標をすまきにできる。 拡声器 拡声器は警告や指示を出すために使われる。電動式で車載も可能である。車載では出力を大きくして届く声の範囲が二倍に広げてある。 フラッグ 手旗 フラッグは旗で交通整理用の装備である。旗が見えると止まれ、見えてないなら進め。を示す。信号などが使えないとき、交通整理は非常に重要になる。避難誘導にも有用な他、緊急車両の優先通行にも使用する。 ホイッスル 遠くに注意を与えるための道具で、強い警告効果がある。むやみに使うと住民の不満を高めるが、銃で制圧するよりはずっといい。 ◯宰相府エリート歩兵 宰相府エリート歩兵とは 宰相府のエリート歩兵である。宰相府歩兵から選抜されたエリートが専用訓練を受けてエリート歩兵になった。どの辺がエリートかというと、ひどい目にあっても生き残れるあたりである。貧乏くじともいう。ただ給料は良かった。 〇エリート訓練 エリート訓練とは エリート歩兵を育てるために行われる特別な訓練課程である。この過程に進んで卒業できるとと自動的に出世する。それくらい厳しい。 〇移動系エリート訓練 高度な偽装訓練 通常の歩兵が行うよりも入念で手の込んだ偽装を学ぶ。これによって潜入ミッションを可能にする。使う道具も増える。 高度な踏破訓練 通常では考えられないルートで踏破、侵入することを学ぶ。これによって発見率を低くし、奇襲を可能にする。生存率も上がる。 〇戦闘系エリート訓練 高度な射撃訓練 少ない弾数で確実に敵を無力化できるように徹底した実地訓練を行う。前提として命中率の高い武器を使わないといけない。 格闘訓練 室内戦闘のほか格闘訓練も行う。通常歩兵一対三を難なく切り抜けられる程度の格闘技術を学ぶ必要がある。相手の弱点を的確に突く。 〇特殊作戦用訓練 臨時の武器の作成訓練 潜入先で爆弾を製造したり車で人をひき殺す、敵の武器を入手する、椅子の脚を使用するなど、身近なものを武器化する手段を学ぶ。 高度な耐久訓練 チャンスをうかがい、待つために耐久、耐乏訓練を行う。対拷問訓練も行う。薬物が効果ないように肝臓機能の置き換え手術も受ける。 サバイバル訓練 チャンスをうかがうために生き延びる必要がある。生き延びるために過酷な環境でも生きられるようにサバイバル訓練を受ける。敵都市でのサバイバル訓練も受ける。 〇降下歩兵 降下歩兵とは 甲殻型ウォードレスを着用して高速降下作戦を行う歩兵である。エリート歩兵からさらに選抜された特殊歩兵であった。練度は最高である。 ◯甲殻型ウォードレス訓練 甲殻型ウォードレス訓練とは 文字通り甲殻型ウォードレスというユニークな兵器を使いこなす訓練である。 降下訓練 高速降下を行う際の訓練はもっとも重要視される訓練であり、もっとも事故が多い訓練である。このため念入りに安全対策しながら訓練を行った。ジャンプ訓練の一部を兼ねる。 ジャンプ訓練 ジャンプロケットを使用した低空飛行、跳躍訓練を行い甲殻型ウォードレス独特の機動を学ぶ。時間的には最も長い訓練時間を費やす。 ターン訓練 甲殻型ウォードレスは胴がわずかしか動けず、背後に大きな隙がある。これに対応してターンを早く、あるいは振り向かずにそのままジャンプして離れるように訓練を行う。 空中射撃訓練 空中での射撃を訓練して命中率向上に励む。抑制的な戦闘、ともなると弾をばらまけばいい、というわけでもないのだ。 重火器運用 一人で機関銃やグレネードランチャーを使えるように訓練を行う。これが割と大変で、特に弾薬交換は自分の手を使うように甲殻型ウォードレスのロボットアームを動かせずにかなりの訓練を必要とした。 強襲訓練 装甲を頼みに敵陣に突撃する強襲は、普通の歩兵やウォードレス兵では絶対にやらない自殺行為である。ところが装甲に自信がある甲殻型ウォードレスでは場合によってこれを行うよう訓練を受けた。敵がまごつくことも期待されている。 脱出訓練 甲殻型ウォードレスを捨ててただの歩兵として戦う訓練も行う。高速降下は甲殻型ウォードレスの膝を破壊する可能性が若干あるためである。 ◯立体機動戦術訓練 立体機動戦術訓練とは 甲殻ウォードレスのジャンプロケットによって三次元化した歩兵戦闘のための戦術訓練である。この訓練を行わないと性能を発揮しえない。 立体把握 ジャンプロケットを有効活用するには地形の立体把握が必要である。この建物の何階なら攻撃できると判断しないと立体機動戦術は成立しない。 建物に突入する ジャンプロケットで建物に突入、侵入するのは基本戦術である。手すりや窓を破るための技術を学ぶ。機体をコントロールして狭い場所にも突入する訓練も行う。 トップアタック 上から攻撃することをトップアタックという。装甲目標はトップアタックに弱い。そのため上から確実に射撃をあてる訓練を繰り返す。 対空潰し 立体機動における最大の敵は対空射撃、中でもミサイルである。優先してそれらをつぶすための訓練を行う。目標を見つけて葬りさってはじめて立体機動戦術は成立する。 位置変更 高い位置から攻撃するのを基礎とするが、高所はいい的になるのもしばしばである。このため位置変更の決断やだまし移動は訓練で繰り返し行われた。 空中姿勢変化 空中で姿勢変化し、例えば逆噴射して軌道予測を狂わせて回避したり、微調整して突入先を変えたりを行う。防御と攻撃を兼ねた訓練である。 低空爆撃 低空をジャンプしながら下をグレネードランチャーで焼き払い蹂躙する戦術を学ぶ。甚大で広範な被害を与えうる戦術である。 設定国民の職業 ○失業者 失業者とは 仕事がない者を失業者という。当然収入もない。生活のあてもない、困る。という、職業というか状況である。当然色々なケースがあって高学歴もあれば負傷、病気による失業者などもいる。 失業者の肯定的意味 失業者は良くないという向きもあるが、多くの場合失業者を経ないと他の職業に簡単にはつけない。失業者とは次の仕事への中間地点でもあり、同時に労働市場の対応力を決めるものでもあるのだ。 失業者の多さは景気のバロメータ 失業率は古くから重要な景気指標になっており、これはアイドレスでも同じである。失業率が高いと不景気で、低いと好景気である。 失業と右傾化 かつてはそうでもなかったが、近年の失業者は多かれ少なかれ右傾化することが増える。他罰的になる一方で、移民などに厳しい目を向ける。政府を熱狂的に支持するなどの傾向がある。 失業からの脱出 一般には失業者は失業者でいるのを嫌って就職活動をする。この時、なるべく早く、失業から脱するために手持ちのスキルで出来る仕事を選ぶ場合と、職業訓練を受けてこれまで出来なかった職業につくパターンがある。重要なのは後者で、ここを政府が後押しすると労働者はそれまでよりよい仕事にありつける可能性が増える。 ○町工場職人 ○町工場 町工場とは 一〇名以下の事業所でかつ製造業を営む場合、これを町工場と呼ぶ。開業が簡単なために町のあちこちで見られるが、経営状況が良いことはほとんど無い。 町工場の傾向 町工場は一般に製品ではなく部品を作る。規模が小さいので小さい仕事しか出来ないのである。経営状態が良くないために競争が激しく、それが部品精度などの品質保持に繋がっている。 町工場のセキュリティ 町工場はセキュリティが低い傾向があるが、そもそも小さな部品の図面しか受け取らないので、仮に情報を抜いたとしても全容を掴むのはかなり難しい。そもそも重要な部品は大きな工場で作るのが常である。 町工場の細かな法規則 町工場は住宅地でも簡単に作れるので、住民トラブルも起きやすい。そこでどの国も細やかな法規則で対応する。騒音や振動、煙に火事、巻き込み事故についてはどこの国でも規制がある。 町工場の推計 町工場は数千の規模で集まって製品の50%程度を作る。部品の一個あたりは僅かな利幅しかないが、言い方を変えれば安くていい品質の部品を手に入れやすい。全てが民間であり、仮に人口の3%が町工場で働くとすれば100万人の街で3万人がこの仕事に重視し、平均的規模5人としても6000社が存在することになる。 柔軟な町工場 町工場の強さは柔軟さになる。仕事を小規模な単位で取ってくるので大きな需要変動にも比較的対応しやすい。これは多くの試作品が町工場で作られていることの裏返しでもある。 反面上に超がつく部品精度は到底望めない。また望むべきでもないのである。 ○3Dプリンター 3Dプリンターとは 物作りの大発明の一つ。粒子や紐状の材料を入れて積層させて形を作っていく。昔は強度面の不安があったが今はそういうこともなく、物作りの主力になりつつある。 かつては樹脂、今は金属 3Dプリンターの多くはかつて樹脂であり、自ずと用途が限られていたが金属3Dプリンターが発明されるとさらに使い道が広がり、物作りの現場が変わっていった。 今ではエンジンすらプリント可能に 今では航空機エンジンの80%以上を3Dプリンターで生産することが出来るようになった。超高熱にさらされる部分や、耐久性を特に必要とする部分以外は3Dプリンターでまかなえる。 3Dプリンターのメリット 削り出し加工や金型加工と比較して3Dプリンターによる加工はより精細で複雑な加工が可能である。複雑な加工品はそのまま小型化や堅牢化を意味する。 保守部品のプリント 製造、保存が大変な保守部品も3Dプリンターであればデータだけの保持で必要な時必要なものを作って交換できる。これによるコストダウンは膨大である。 ○職人労働者 町工場の職人 町工場で働く者を町工場職人という。伝統工芸の職人などとは区別される。給与はあまり高くないものの仕事が厳しい関係で腕は良い。人と話さないで良いので口下手にも良い職場だ。 職人は感覚が大事 町工場職人が大事にするのは感覚である。町工場では最新の工作機械など望めないので今でも手作業がものをいうのである。 職人の神様もいるぞ 希にだが、勤続50年を越える神様みたいな職人がおり、良い仕事をする。こういう神様だけを集めて凄いものを作るときもあるが、当然エース級を集めるわけで人件費はかなり高くなる。それでも超小規模生産品だと儲けが成立するときがある。 商売は下手 町工場職人は商売が下手である。そもそも商売がうまいなら、別の仕事をやっている。腕は良いけど商売は下手。こういう人がいるから世の中成り立つ側面もある。多くの政府はこういう人を支援しようと制度を拡充している。 仕事のあとの息抜き 張り詰める仕事の後は弛緩がないと生きるのがつらい。仕事のあとの酒がうまいのは当然である。職人達は傾向として息抜きに沢山金を使い、それが飲食店を支えている側面がある。 またこの息抜きが社会や家庭への不平不満を減らす側面があるのだ。 ○サーファー 波乗り サーファーとは職業とは言いがたいもので、サーフボードを使用した波乗りをする人々を言う。プロもいるし、サーフボードを作ったり売ったりするショップや工場もあるのだが、いかんせん、趣味の域を出ないところがある。 兼業が大部分 自力収入では生活が難しいために、ほとんどが兼業、もしくは趣味となっている。収入面は期待できないが生活を豊かにするし、他の職業と組み合わせられる。 波乗りで鍛えられる感覚 波乗りはバランス感覚や短期予知を鍛えるのに向いている。運動量もそれなりで、老若男女楽しめるスポーツである。 当然泳げる サーファーは泳げないと話にならないので、当然が全員泳げる。遠泳もそれなり。ボディボードといって自身をサーフボードに波に乗る遊びだってある。 天候とつきあう サーファーは自然を相手にするために、天候チェックに余念がなく、天候についての知識も相当ある。そうして大きな波を待つ。 サーフボード サーファーのアイテム。短い物もあれば長いものもあり、比較的航洋性のあるものや帆を持つものもある。ニューワールドでは風に乗るものや推進力を持つものもある。いずれにしても実用的なものではない。楽しむ物だ。 ○土産物売り ○土産物ショップ 土産物屋とは 土産物を売るショップの事を土産物屋と言う。地元の名産品に地図、レジャーに使う道具類、飲料や食品の他、どうでもいい上に微妙な土産グッズが置いてある。レストランに併設される事も多い。 過ごしやすい気温 土産物屋は暑いところなら涼しく、涼しいところなら暖かく作られている。暑さ寒さにやられた客が足を運んで買い物をすることを狙っているのだ。 土産物屋のカラクリ 土産物屋は食品類以外では陳腐化しにくい在庫を長く持てる商品ばかりを置く関係で、商品をそれなりにそろえても余り売れなくても問題ない。実際、地域住民が家を改装してやっているケースが大部分である。商売としてはあまり儲かってないが単に自宅に住んでいるよりは儲かるというニッチなカラクリで運営されている。店員も平均3.5名である。 土産物ネットワーク 土産物の商品を作るに当たっては地元の小規模工場や職人、地元農家や漁業者がこれに当たっていて、ささやかな地域経済を形成している。しかし、開業しやすいので数も多く、経済効果は無視できない程度を持つ。 土産物屋の推計、その海岸に何軒あるの? 観光地の観光客数から土産物屋の数はだいたい推定できる。ハイシーズンの観光客1000人あたりに一店舗くらいがニューワールドの常識である。一日10万人が遊ぶ海岸なら100軒もの土産物屋がひしめくのである。 地域行政との連携 地域に根付いたマイクロビジネスの多くは地元に密着している関係で地域行政との相性がいい。案内やお知らせの他見守りや子供の保護などの治安維持にも一役買っている。 ○ショップ店員 売り子 店で売り子をする者をショップ店員という。多くは清潔で人あたりが良く商品知識豊富で、客が迷えばアドバイスをしてくれる。 商品知識 商品を扱う以上は商品に詳しくなるものである。これは売り上げにも影響するものであるし、実際自分が使う上でも役に立つ。 成績を決める人あたり 人あたりの良さは売り子にとって一番重要である。感じのいい接客ができればそれだけで成績はあがる。成績があがれば収入もあがる。笑顔は0マイルではない。 ○低技能労働者 やりやすい職業 高度な技能がなくてもできる職業は、様々な事情で技術や学歴を得られなかった人々、チャンスを得られなかった人々の受け皿になる。収入は高いとは言えないが、社会を形成する上では大事な受け皿なのだ。 非正規雇用 非正規雇用とはフルタイムで労働する者以外の労働契約を結んだものを言う。非正規雇用は賃金を抑えられる一方でフルタイムで働くのが難しい人が労働力として社会参画できるメリットがある。 ○観光客 ツーリストとは ツーリスト、観光客は観光を目的で訪れてきた者をいう。一人の時もあれば友人、カップルの時もあり、家族連れや会社単位の時もある。 観光客の行動 観光客は余暇を楽しむものであり、思い思いの観光スポットに移動しては観光し、あるいは体験を行って旅程の終わるまで観光を楽しむ。 お金はちょっぴりもっている 観光客は通常より少し、財布の紐が緩んでおり、多めにお金を支出する傾向がある。店やホテルもそれらを見越した値段設定をするのが普通だ。 観光客の経済効果 観光客は集客力に応じて動員される。年間百万人を集める音楽ドームなどは年で百万人の観光客を集めるわけだ。それらが一杯の珈琲を飲み、サンドイッチを一組食べるとすれば、そこには大きな経済効果が生まれる。 観光の効果と人生への影響 観光は人生の良き思い出であり、日常からのリフレッシュ効果がある。自分の意思で出来る貴重な経験が観光であり、人は観光の記憶を持って生きていく。かりそめの短い期間でもその体験は鮮烈で人生に影響を与える。 ○一時的な職業 職業とは たずきの道である アイドレスにおいての職業とは他と異なり、その日の過ごし方を示している。また職業に就くことを就労というが、アイドレスでは着用と言う。 一時的な職業とは 短い間だけ着用する職業を言う。着替えて本業に戻るのは簡単である。趣味や目的に応じて一時的な職業を変更したり、脱ぐ事ができる。 独自アイテム/兵器 3 ○警察、軽軍事ロボット チキンレッグ ○宰相府の番鶏 チキンレッグとは チキンレッグは逆関節を持つ軽快、軽易な自律型ロボットで、地域警戒、治安維持などを行う軽武装機である。有事では簡単に装備パックを変更して別任務に当てられる。 チキンレッグのアウトライン チキンレッグは2mほどの機体で重量は武装を除いて200kg。高さの大部分を逆関節の脚で占める。電動で動き、歩兵用の装備を左右の武装ステーションに2個づつ、4個まで装備出来る。武装は合計220kgまで運べる。高速機動では80kgまで制限される。 足が速いぞチキンレッグ チキンレッグは最高時速時速50kmで走る事が出来る。エアバイクなどと比べると遅いのだが、歩兵としてみると十分に速く、また不整地でも安定して走れる。 人混みの中でもスイスイだ チキンレッグの脚は人混みの中を歩けるよう、爪部分が広げたり狭くしたりできるようになっており、まただいたいの人の頭の上を通れる高さになっている。走って逃げる犯罪者も、チキンレッグにはかなわない。 隠れる事も出来ちゃうぞ チキンレッグは脚を畳んでしゃがむことが出来、この時高さは四〇cmほどになる。隠蔽、待ち伏せの他整備しやすくなっている。 比較的優秀なセンサー チキンレッグの大部分はさほど高価ではない部品で出来ているが、センサーだけは光学カメラだけで三つ、赤外線センサー、低出力レーダー、パッシブレーダーセンサーを備えている。 高度な頭脳 チキンレッグは自律AIを持っており、ネットワークが遮断しても自分の考えで行動が出来る。また基本的な行動規範(人間を無差別に攻撃しないとか)を無視しない前提で学習機能を持っており、個性化するようになっている。これは固有の癖をもつことで全体の行動パターンを読まれないためである。 ネットワークチキン チキンレッグはセキュリティの高いネットワークでデータリンクされて、各機連携が出来る。セキュリティプログラムやミッションプログラムをインストールすることもできる。 ○暴徒鎮圧武装パック ○A-19コンバットショットガン A-19コンバットショットガンとは 20mmケースレス弾を使うコンバットショットガンでアサルトライフルが間延びしたようなデザインをしている。装備弾数は通常で18。車載化もされており、その場合は箱形弾倉で一〇〇発を装備する。アーミーインファントリィオプションを装備する。 ○ショットガンの弾薬 散弾 ショットガンが通常使用する散弾は射程距離一〇〇mほどだが弾が拡散し、多数の敵を撃てる。また近接時は威力が跳ね上がる。一対多数の暴徒鎮圧の他、敵突撃時の近接防御に優れる。 スラッグ 大きな一粒種の弾をスラッグという。ショットガンで使用するもので射程は二〇〇mない。威力は高く壁を抜いたり装甲車の装甲を抜くことが出来る。軍用では炸薬を入れてさらに威力を高める。 ゴム弾 ショットガンは非殺傷用のゴム弾も撃てる。ゴムと言っても直撃すればただで済むことはなく、最悪死ぬこともある。 催涙弾 催涙弾は暴徒や敵歩兵集団を散らすために使う。ニューワールドでは化学兵器を制限する条約がないために気軽に使われる。 ○警察装備 警察塗装 警察塗装は目立つように作られており、宰相府の場合は黒と白に塗られている。これは催涙弾使用下でも認識できるようにするためである。 パトランプ パトランプは紅いランプで警察ロボットと警察車輌にのみ、使用が認められている。遠くからも全周視認できるように機体上面に装備されている。 逮捕テープ 高い粘着と切りにくい強度のテープで犯人や暴徒をぐるぐる巻きにして無害化する。武装ステーション左側一番に装備している。三〇人まで逮捕できる。 拡声器 拡声器は警告や指示を出すために使われる。電動式で車載も可能である。車載では出力を大きくして届く声の範囲が二倍に広げてある フラッグ フラッグは旗で交通生理用の装備である。旗が見えると止まれ、見えてないなら進め。を示す。信号などが使えないとき、交通整理は非常に重要になる。避難誘導にも有用な他、緊急車両の優先通行にも使用する。 ○暴徒鎮圧装備 ポリスシールド ポリスシールドは透明で1m50cmの幅と2mの高さがある大きな盾である。チキンレッグ専用装備で前面の防弾能力を高め、機関銃やアサルトライフル程度の弾を貫通はさせるが威力を大きく減衰させて本体装甲に当てる効果を持つ。 スタンロッド スタンロッドは非殺傷兵器で高い電圧の接点を当てて相手を感電させ、無力化するために使われる。チキンレッグ専用装備で長い槍のようになっている。武装ステーション右側一番に取り付ける規定になっている。 ○暴徒鎮圧ミッションプログラム 横列前進 デモ隊や暴徒を鎮圧するために道幅一杯に並んで前進する。邪魔する物があればスタンロッドで倒し、ポリスシールドで身を守る。 中央射撃 暴徒やデモ隊の中央に催涙弾を撃ち込んで集団を疎にする。密では制圧前進しにくいが、疎では簡単に処理できる。 武器使用者の優先排除 武器を手にする者をゴム弾で優先的に狙い撃つ。威力を鑑みて150m以下の距離から攻撃を開始する。ネットワーク接続時は同じ目標を連打しないようにする。 エアバイク対策 エアバイクやビルの上などにいる暴徒に対してはショットガンのスラッグ弾で対抗する。墜落物で自分たちに被害が出ないように動く。回避はネットワークで繋がっている場合は連携して回避する。 バリケード排除 バリケードに対してはグレネードランチャーで破砕する。少々の周辺被害は許容する。あくまで迅速に暴徒鎮圧するのが目的である。 捕縛 道に大の字で寝て妨害するものは捕縛テープで捕縛して道に転がしておく。捕縛テープに絡まれるとコンパクトになり制圧前進の邪魔にならない。 遊撃手 横列の他数機の遊撃手を配置し、偵察や本隊から離れた場所からの射程外攻撃に対抗し、排除するために使用する。 近接防御 ゴム弾、催涙弾、スタンロッド、捕縛で対応出来ない場合、射程100mからショットガンの散弾による実力行使で戦う。サイボーグ、ウォードレス、装甲車両、カマキリ相手ではスラッグを使用する。 ○一般警察装備パック ○B-2 ライトサイクルガン B-2 ライトサイクルガンは8mmケースレス拳銃弾を使用するライフルとサブマシンガンを兼ねたような珍妙な武器で、宰相府では広く使われた経緯がある。 微妙、絶妙な立ち位置 B-2 ライトサイクルガンはそもそも警察用に開発された。というのも軍用銃では威力が強すぎ、またものものしくて市民に不安を与えうるものだったのである。 強く見えない、威力も余り強くない銃という配慮のもと作られた。 飛ぶ弾を止める技術 銃は威力が強ければいいというものでもない。目標を貫通してその後ろの人まで当たってしまうからである。また、貫通した後の飛翔した弾の運動エネルギーは無駄になる。そこで目標の体内で止まって運動エネルギーを最大に利用する事ができる弾が求められた。 ライトサイクルガンの取った方法は 体内に入った後に広がるソフトポント弾が採用された。広がる距離は直径20cmほどである。仮に防弾装備で受けても運動エネルギー自体は伝わって人体に甚大な被害を与える。 ライトサイクルガンの主要性能、使い心地 ライトサイクルガンの射程は200mほど、連射性能は毎秒200発。50発入り弾倉は箱形、銃の上面に付ける。 アーミーインファントリィオプションを装備する。右利きでも左利きでも問題なく使える。 車載も可能。チキンレッグ警察仕様に一門が取り付けられていた。 音による抑止効果 ライトサイクルガンは弾の運動エネルギーを適度に落とすのと音による抑止効果を期待して同時代の銃と比較して大きな発砲音がするようになっている。このためイヤーパッドの着用義務があった。もちろん機械には必要ない。 (再利用)○警察装備 警察塗装 警察塗装は目立つように作られており、宰相府の場合は黒と白に塗られている。これは催涙弾使用下でも認識できるようにするためである。 パトランプ パトランプは紅いランプで警察ロボットと警察車輌にのみ、使用が認められている。遠くからも全周視認できるように機体上面に装備されている。 逮捕テープ 高い粘着と切りにくい強度のテープで犯人や暴徒をぐるぐる巻きにして無害化する。武装ステーション左側一番に装備している。三〇人まで逮捕できる。 拡声器 拡声器は警告や指示を出すために使われる。電動式で車載も可能である。車載では出力を大きくして届く声の範囲が二倍に広げてある。 フラッグ フラッグは旗で交通整理用の装備である。旗が見えると止まれ、見えてないなら進め。を示す。信号などが使えないとき、交通整理は非常に重要になる。避難誘導にも有用な他、緊急車両の優先通行にも使用する。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――再利用ここまで ○市警ロボット用プログラム 受け持ちエリア 受け持ちエリアを持っていてその範囲から動かない。ただし追跡の時は周辺機含めて二倍の範囲を持つ。これにより複数機で連携可能になる。 逮捕 拘禁テープでぐるぐる巻きにして逮捕、その後法の司に逮捕前の状況から引き渡される。法の司と回収車が来るまでは放置される。年に100名以上が放置中に死ぬが宰相府では問題にならない。 尋問 蓄積されたビッグデータから、いわゆる怪しい行動を取るものから犯罪行動を予測できる。300メートルからの精度は99.8パーセント。発見次第尋問しようと行動する。逃げたら追跡に入る。 道案内 道案内程度の人語は理解し、実際に連れて行ったり拡声器による連絡ができる。道案内は通信なしに行えるが混雑状況は把握できてないので割と大変な指示を出される事もある。 警告 一応射撃前には拡声器を使用して警告する。交通を乱す場合でも同様である。無視を続ける、敵対するなと行うと攻撃を開始する。 発砲 発砲は警告射撃なしである。これは過去の交戦記録からほとんど意味がないことが判明しているためである。3発ずつ射撃し、無力化より殺害を優先する。 追跡 犯人、容疑者、尋問対象者が逃げ出した場合、追跡を行う。パトランプを起動させて最大速度で移動を開始する。陽動に引っかからないために掛け持ちエリアの変更と応援の派遣も行う。 監視 割り当てられた受け持ちエリアて、じっとして各種センサーを用いて犯罪者を探す。隠れたりはせずに目立つ動きを行う。 交通整理 交通が混雑したところに出くわしたら交通整理を行う。ただし、犯人追跡中は行わらない。拡声器を使用する他フラッグを使用する。 ○歩兵様武装パック ○A-17機関銃 A-17機関銃とは 宰相府で長年使用されている汎用軽機関銃である。車載、歩兵装備双方で広く使われている。性能は突出したものを持ってないが信頼性が高い。口径は8mmである。アーミーインファントリィオプションを装備する。 性能の凄くない傑作軽機関銃 A-17はターン17から長年使われているもので小さな改良をしつつも四〇年に渡って使われ続けている。製造が開始された当時から優れた機関銃ではなかったが、それでもここまで長寿で広く使われているなら傑作と呼んで差し支えないだろう。 製造、保守の容易さ A-17は保守的な構造で3Dプリンターで八割の部品が製造されている。これによって整備性能を高めている。 ケースレス弾薬の使用による装備位置の自由化 A-17はケースレス弾薬を使用するために排莢を考えずに車載位置を決める事が出来た。これは大きなメリットであり、A-17があちこちで採用される理由となった。 ○ケースレス弾 ケースレス弾は薬莢を持たないケースレスの弾薬で、薬莢を持たない分軽量化され、弾薬コストを低減している。 火器の単純化を可能にした ケースレス弾薬はどれもそうだが薬莢を排出しなくてもすむため火器の単純化と信頼性の担保に成功している。 高速弾 ケースレス弾は炸薬が多い高速運動弾である。フルメタルジャケットで軍用規格に基づいている。対人殺傷力は貫通力が高すぎて低いが対ウォードレス、対軽装甲車両には十分な攻撃力を持つ。 曳光弾 ケースレス弾には曳光弾もあり、自分がどこに向かって撃っているのかの確認の他、夜間戦闘などにも使いやすくなっている。残弾確認にも使われる。 ○A-18 40mm擲弾銃 車載専用のグレネードランチャー。人装備も考えられたが歩兵には20mm擲弾の装備が決まったために試作のみで終わった。最大2100mまでの目標に擲弾を投射出来る。100発装備の箱形弾倉を持つ。 火器管制と繋ぐ 車載専用にすることで車内の火器管制とデータハーネスを介して繋がる事が出来、センサーデータやデータリンク、予測データなどを利用して高い命中率を得られるようになった。直撃しないでもいい武器ではあるのだが、命中率は高い方がいい。また一門で複数弾を同時着弾させて制圧力を高める射撃も可能になっている。 重機関銃と軽迫撃砲を兼ねる存在 自動連射される40mm擲弾銃の威力はすさまじく、この武器は従来の重機関銃と軽迫撃砲を置き換える存在になった。もっとも対空戦闘力はないので重機関銃を完全に置き換えられる存在ではない。 ○グレネード弾 擲弾 炸裂弾の一種で銃弾などと比較すると大きく、薄い殻の弾を利用して炸薬量を大きく増やして結果破壊力を跳ね上げている。 強烈な炸薬、破片 擲弾は強烈な炸薬の他、飛び散る高速の破片でもって被害を増やすことを期待されている。このため飛散用の破片が最初からセットされている。 装甲目標には余り意味が無いが…… 装甲目標にはあまり意味の無い擲弾だが、爆風で軽い機体などは吹き飛ばしてダメージを与えられるし、破片で履帯やタイヤを切断することもある。センサーや機銃を破壊することもある。もちろん非装甲目標には破滅的な被害を与えうる。 ロケット擲弾 データリンク前提ではあるが、射程を大きく伸ばすロケットグレネードが開発されている。射程は2000mも延伸される。ただ、弾薬が高価で使う局面が少ないために中々配備されない。 ○戦闘チキンレッグ増加装備 増加長距離無線 通常の内蔵無線よりも遥かに出力の強い発信器と全周を包むループアンテナからなる装備。暗号解読は内蔵部品に頼る。オートチャンネルチェンジやトリプル回線を持っておりジャミングに強い。 センサーガード センサーをガードする透明な覆い。本来は緑色だったのだが光学センサーに問題が出るために透明なものになった。防弾ガラス製で防御力の強化他、フードにもなっていて逆光をある程度遮る機能がある。 迷彩塗装と偽装ネット 都市迷彩、ウッドランド迷彩、砂漠迷彩の三種類があり、必要に応じて施す。下地は対赤外線、対レーダー塗料を用いる。気休めだがないよりはずっといい。偽装ネットは森林地帯などで使用する。 増加装甲 限られた予算、重量で最大の防御力を施すために主として前面を強化する装甲キットが開発され、接続される。20mm複合装甲板によるもので8mm機関銃弾に抗靱する。脚にもカバーがかぶせられ、関節部分を特に防護する。 ベルゲチキンレッグ 破壊、故障したチキンレッグを回収するチキンレッグ。一台で一台のチキンレッグを回収して付近の整備部隊に引き渡す。修復不可能に見えるような機体でも修理に成功する時がある。 ○軽歩兵ロボットミッションプログラム 輸送 戦場までは輸送車両や輸送機によって充電しながら輸送する。整備もこの段階で受ける。基本的に自己診断プログラムを走らせて不良部品をブロック交換する要領である。 行軍 指定された交戦地域の手前15キロメートルからロボットによる自力移動を開始する。もちろん輸送中に攻撃を受けた場合はその場で下車するかを判断する。 注視 陣地や奇襲可能そうな場所では一機を割り当て、注視を行う。センサー類を総動員して敵が潜むかを調べる。不明なら一機を突撃させて様子を見る。 散開 散開して砲撃などによるまとめての一撃死を避ける。散兵戦を行う。互いにネットワークを形成してデータリンクして三角測量して統制射撃を行う。 遮蔽取り 移動は直線的に行わずに地形による遮蔽を取りながら移動する。トラップゾーンがあれば損害情報からマッピングを修正し、回避しながら移動する。 回避行動 誘導兵器以外の兵器は原則として直線上に危害が及ぶ。そのためこの直線上に乗らないことを行なって危害を減らす。これを回避という。原則的には直線的な動きを取らずに予測が外れやすい乱数移動で回避を行う。 伏せ! 爆風を避ける一番の方法は伏せることである。伏せて破片や爆風を受ける範囲を最小にし、攻撃をやり過ごそうとする。その間も情報が取れれば他の機体に情報提供して援護を待つ。 交戦 敵を見つけたら攻撃する。捕虜はとらないが、武装しておらず、武器を取りに行こうとしていないのなら攻撃は行わず、素通りして武器のみ破壊し、拘束等は後続部隊に任せる。 連携攻撃 原則として単独ではなく隣接兵器の支援を受けてクロスファイヤを狙う。後続部隊の支援が受けられるならなお結構。弾薬については統計的に見た時の適切な消費を行う。 偵察データの利用 ネットワーク経由で受け取った偵察データを利用して積極的に視程外戦闘を行う。自身で得た偵察情報も積極的にネットワークにアップロードする。 対歩兵 対応する装備武装で偵察データさえあれば3000メートルからの攻撃を行う。歩兵と戦う際はなるべく近距離での戦いを避け、先に敵を見つけて先に攻撃することを優先する。 対陣地戦 陣地を後略する際は原則上からグレネードを投射する間接射撃とし、抵抗が無くなった時点で陣地に突入する。建物の場合は建物内にグレネードを投射して対応する。 対軽装甲車両 正面ではなく、左右、背後からの射撃を行い、正面は情報収集と回避を主に行い反撃は気休め程度とする。回避による命中率低下はこれを享受する。 対空 対空戦闘は装備を持つものが行い、他は回避、退避を優先させる。小型のドローン、エアバイクなどは機関銃で対応する。 対ID 対IDでは対応装備を持つものが行い、他は回避退避を行う。対応可能な仲間を呼び寄せて自身は偵察任務専念し、側面、背面から保有武器でも有効打を与えられるなら積極的な攻撃に移る。 対砲兵攻撃 敵の砲兵陣地を探すためにネットワークに接続して偵察情報を共有して、優先的に潰しにかかる。航空支援が得られるならそれを使い、使えないなら浸透して砲兵陣地を攻撃する。 夜戦 夜間でも基本的に戦闘様式は変えないが、センサーの優先順位を切り替えて光学センサーよりも音や振動、赤外線などの情報を重視する。また攻撃の散布界を広げる。 襲撃 夜間、もしくはこちらの発見が遅れて遭遇した時、敵がこちらに対応する動きを見せていないのなら、攻撃を控え、腰を落として中腰で敵に接近し、300メートル以下で攻撃を開始する。 対人間の盾 敵が人間の盾を使用する場合、盾ごとこれを攻撃する。残虐なようだがこうする事で人間の盾をそもそもやめさせる効果がある。 撤退 ネットワークを使用し、総合的に見て不利なら撤退に切り替える。戦闘しながら後退し、10キロメートルを後退したら本格的撤退に移行する。 ○対I=D武装パック ○対装甲ミサイル A-901対装甲ミサイルとは 対装甲ミサイルとは、装甲目標用に運用される対地ミサイルのことで、空中発射、地上発射の両方が可能である。歩兵運用はできない。 誘導方式 光学誘導方式でロックオンされたものに向かって行く。予備にレーダーを装備するがこちらは2km以下の最終誘導に用いる。複数の誘導方式を持つため強力な誘導能力を持つが、コストは高くなってしまった。 自律式で発射後の本隊側誘導は不要である。 射程 射程は空対地8km、地対地で4kmだが、光学誘導である関係で、実質はもっと短いものになっている。ただ実用上の問題はない。レーザー近接信管を持つ。 装甲貫通力 三段式タンデム弾で一段目の炸薬で爆発反応装甲を無力化し、二段目の炸薬で主装甲に穴を開け、三段目で装甲内部で破裂し破壊する。 ランチャー ランチャーは1×1、2×1、1×2、2×2の四種類があり、搭載機種によって異なる。チキンレッグでは1×1が二つ使われ、ジャンジャン、ケントSR2では1×2が使われる。 ○ロケット A-902ロケットとは 歩兵も使用できる直射型ロケット砲で無反動砲である。無反動のために車載も良くされる。命中率は良くないが弾の単価が安いために長く使われ続けた。 無誘導方式 A-902は無誘導で、なるべく直線で飛ぶように安定翼を四枚持っている。無誘導なので撃った直後から行動しても問題ないが、当然命中率は良くない。 安定しない軌道 A-902は弾体速度が遅くて横風の影響を受けやすい。強風下では使用が制限され風上からしか撃てなかった。しかしここを改良すると重くなるのでそのまま利用されている。 射程は2km A-902はカタログ上4kmの射程を持つが、これは本当にカタログスペックで、命中させることを考えると射程はいいところ半分である。しかし、装甲目標以外では直撃を必要としなかった。 高い攻撃力 弾体そのものは多目的榴弾であり、装甲目標はもちろん、非装甲目標にも有効である。非装甲目標への危害範囲は20mを越える。 搭載方式 チューブに詰めて歩兵携行装備としたほか、砲塔内に装備されて装甲車でも使われた。チキンレッグでも2門積むことがある。 (再利用)○戦闘チキンレッグ増加装備 (再利用)○軽歩兵ロボットミッションプログラム ○対空武装パック ○対空ミサイル A-903対空ミサイルとは A-903対空ミサイルは宰相府の開発した短射程の対空ミサイル。空中発射、地上発射の両方が可能であり、歩兵装備もできなくはなかった。 赤外線誘導方式 A-903はシーカーに赤外線誘導方式を使用している。感度はとても良くてエンジンに狙いを定めないでも機体正面の摩擦熱や圧縮熱でロックオン出来た。 短射程といいながら 短射程とはいうがA-903の射程は20kmを越えている。これは回避機動をとられても追いかけ回し続けるためである。 高機動ミサイル A-903は短く太い形をしているが、これは高機動ミサイルであるためで、飛翔中に折れたりしないためである。小回りが利き、急旋回にもついて行ける。 対空ミサイルとしては標準的な攻撃力 高い命中精度と比較すると攻撃力は今ひとつで、装甲貫徹力も控えめである。これはこのミサイルを使うような相手は重装甲など無理だと判断されているからである。 装備方式 ジャンジャン、ケントSR2ではランチャーを介して1ステーションあたりに2発を装備し、合計4発を装備することが多い。車載では2発装備が多い。チキンレッグでは一門装備であった。 (再利用)○A-17機関銃 (再利用)○ケースレス弾薬 (再利用)○戦闘チキンレッグ増加装備 (再利用)○軽歩兵ロボットミッションプログラム ○M車台 M車台とは M車台は宰相府の標準的な大型車輌フォーマット。装輪式で8×2のみの一形態である。技術的にたいしたことは何もしてないので民間工場で作られた。 性能は低いが悪くはない エアバイクが飛んでI=Dが闊歩するような世界で装輪式の自動車なぞほとんど意味がないというのは衆目の一致するところだったが、とはいえ小さな要望としては敵地まで移動したい、移動中充電したい、補給品を運びたいなど色々あり、これらに対応するためにM車台が作られた。 共通車台 M車台は性能は二の次で生産性とコストの安さが重視された。性能はお世辞にもいいとは言えなかったがコストは安く、大量に生産できた。 カビの生えた動力方式 M車台は中物理域でも問題なく動けるようにディーゼルターボ装備になっており、大型バス用のそれをそのまま流用して変速機のみ自前で開発している。 ○装甲鶏輸送車 ガーガー装甲鶏輸送車とは ガーガーはM車台を利用したチキンレッグ輸送車で、八機のチキンレッグを輸送、充電することが出来る。ロボット車輌で人間は整備士1名が乗れた。武装は機関銃のみである 装甲はそれなり 輸送部品であるチキンレッグを守るために装甲が施されている。重装甲とは言えないが、チキンレッグを守る目的には十分だった。 チキンレッグが操縦する ガーガーは乗せられたチキンレッグが操縦する。無線操縦も可能であるが普段は専用ハーネスで接続されて運用される。 無線装置はチキンレッグと同じ 無線装置はチキンレッグのものをそのまま流用している。セキュリティ面も同じである。搭載するコンピューターは車輌の自動操縦が出来る程度の簡単なものである。 (再利用)○M車台 (再利用)○A-17機関銃 (再利用)○ケースレス弾薬 ○民間トラック 民間トラックとは M車台を流用した民間トラックである。当然装甲を装備せず、足回りなどはデチューンされている。価格は安いが輸送量は中々だった。有人機で一名が操縦する。 デチューンされた足回り 本格的なクロスカントリー能力もいらないし、防弾タイヤもいらないだろうとこの辺りはコスト低減と重量低減をかねて簡略化されている。低減重量は輸送重量を増大させた。 法規則対応 方向指示器やナンバープレート、ブレーキランプ、ライトなどの交通法規遵守のための装備を取り付けている。これらがないと公道が走れない。 民間トラックの輸送能力 荷台は限界一杯まで拡張されており12tまでの重量物を輸送できる。武装を別にすればケントSR2も輸送可能である。 (再利用)○M車台 〇甲殻型ウォードレス シューティングスター 〇甲殻型ウォードレス 甲殻型ウォードレスとは 甲殻型ウォードレスとは戦闘着用服であるウォードレスの一種であるが、構造的にはロボットにより近く、通常のウォードレスが人工筋肉で筋肉を補うのに対して骨格もウォードレス側が提供する。 甲殻型のメリット、デメリット 甲殻型ウォードレスは筋肉ばかりか骨格までウォードレスが提供するため人間の骨の限界に頼らない強力な筋力を得られる一方で、構造上必ず大柄になり、生産コストも高くなる。 歴史的には活躍できなかった 甲殻型ウォードレスはアイドレスの世界でもたびたび設計、量産されたが今一活躍できなかった。理由は中途半端だったためである。ウォードレスより量産できるわけでもなく、I=Dほど大型武器が使えるでもない、機動力も高くないとあって出番がなかった。 新時代の甲殻型 時代は変わってアイドレスSystem4では甲殻型ウォードレスが見直されようとしている。宰相と大統領の秘密会談で短時間の敵地侵攻、特殊作戦用途歩兵というかなり特殊な用途に向いた機材として価値を見出され始めたのである。 〇シューティングスター 開発経緯 宰相府の流れ星 シューティングスターは試作を除く宰相府初の甲殻型ウォードレスである。その開発には随分と紆余曲折があった。 宰相のサイボーグ嫌い 宰相府は西国なのだがサイボーグ技術がちっとも発展しなかった。爆発を避けた(しかし今度は無人化の嵐が起きてカバーし損ねた)、航空宇宙向けの支援のために枝を回せなかったのが主たる原因だが、もう一つ、宰相がサイボーグ技術を全く評価していなかった事実がある。より正確には、宰相は宰相府を見ると分かるとおりに人間にわずかの期待もしていないのだった。生身抜きでいいじゃん。である。 転機は来る 転機はSystem4になってからキノウツンの遺民を引き受けたことから始まる。その中の一人、小宇宙が甲殻型ウォードレスを着て部隊を率いたいと言い出したからである。 転機は重なる さらに共和国大統領の是空とおるとの秘密会談(飲み会ともいう)でキノウツンを褒めていたことと、A世界でACE奪還作戦をしたいと持ち掛けられた。 宰相の思考 A世界でACE奪還をするならA世界でドンパチしてA世界を傷つけることは、なかなか出来ないであろう。となれば、武力行使は限定的かつ抑制的でないといけない。よって大部隊も投入できないだろう。おのずと少数精鋭になる。ピンポイントでの奇襲作戦になるので戦力を自在に投射出来ねばならず、それは作戦の性格上敵地の中になる。普通に考えて生還率が低いのだが、ACE奪還は失敗できないので任務を最後まで遂行すると生還率も高くないといけなくなる。 戦力投射への回答 ピンポイントでの戦力投射は、言い換えれば空挺降下である。それもステルス、さらに高速空挺降下が必要になる。これらの条件を満たすのはサイボーグの系統なのだが宰相府には前述の理由でサイボーグがいないのだった。 無人機では無理か 無人機で降下機を作る場合、柔軟性で人間にどうしても劣る。さらに降下のための機体構造や装備がどうしてもいろいろ必要になって汎用機を転用するのも難しかった。降下専用機をデザインするにもハードウェアはともかく用途がマニアックすぎてソフトウェアが追い付かない。やはりサイボーグがいる。しかしサイボーグはいない。 サイボーグなき宰相府の選択 サイボーグがない宰相府で降下作戦をするのは無理があったのだが、そこで小宇宙の発言が生きてくる。そうか、サイボーグでないサーボーグならよいかと考えを改めた。つまり、質量やサイズの割合で人間と機械の割合がサイボーグ似たようなものをつくってしまえばいい。甲殻型ウォードレスである。 降下装備としての甲殻型 効果作戦そのものはただの歩兵でも一般的なウォードレスでも行える。しかしパラシュートを用いない高速降下になると、とんでもないGがかかるのだった。Gを打ち消す逆噴射をつけるにしても、そのロケットを装備するだけの背骨がないといけない。I=Dは条件を満たすが、大きくて目立つので抑制的作戦には向かない。そこで甲殻型ウォードレスである。I=Dより小さいが歩兵よりは大きい、その中途半端さが買われたのである。 ノウハウはないが開発された そこで宰相府ではさっそく甲殻型ウォードレスを開発しだした。ノウハウがないのに高速開発するのだが、成算はあった。I=Dダックスである。I=Dの中で最小サイズのダックスをさらにT20の技術で小型化する形で甲殻型ウォードレスをでっち上げたのである。操縦系統は歩兵が乗れるダンボール系のそれを移植した。 命名シューティングスター 宰相府では星にちなむ名前が多いのだが、シューティングスターは流れ星というか落ちるのでこれまで機体名からも職業名からも避けられていた。今回降下作戦用に初めてその名をつけられることになる。 〇機体と構造 流れ星の姿 形状 頭でっかち首がない シューティングスターは2.5mの身長、重量にして500kgの機体である。乗り込み口を兼ねたのっぺらぼうなラウンドフェイスにノーズアートが描かれた。機体はまた前後に開き乗り込みやすくなっている。 形状2 人間の収容法 シューティングスターは背中を通る背骨が強固にあって、その前に人が乗り込む。シューティングスターの膝までに足先まで全部を入れ、腕はシューティングスターの腕の中にいれずに胴体内に収める。 形状からくる性能 形状からわかるとおりにシューティングスターはI=Dからしてみると思い切ったダウンサイジングの結果、厳密には人型シルエットから分かれている。服というより乗り物に近い。一方で脚内に人間の足を収めるなどウォードレス的な要素もある。背骨をとにかく丈夫にしており、可動性をもたないゆえに運動性や柔軟性は低そうだがその分装甲が厚く、なるべく大きな成形をしている。装甲は一片が大きいほど防御効果は高くなる。 降下作戦用機動歩兵 シューティングスターの丈夫な背骨はこのフレーム部分に逆噴射ロケットとジャンプロケットを装備するためにある。人間の背骨だと軽く砕ける出力を受け止めるのである。しかし震動は殺しきれず、びりびりはする。 脚も丈夫、膝も丈夫 人間の足が収まるくらいなのでシューティングスターの脚は大きい。関節部分は股関節のみ共用で膝は人間のそれを利用しない。膝下は機械しかないのである。これは高速降下を行った際、人体では耐えられない衝撃が膝に来るためである。 丈夫な背骨がもたらす重武装 背骨が強く脚が機械的なせいでウォードレスと比較すると大変な量の武装を装備できた。ただ、抑制的な戦闘での使用を想定して装備そのものは基本歩兵装備を流用している。 ミサイル、ロケットを計4発、機関銃を一丁、グレネードランチャー1丁を同時装備できる。 ジャンプロケット 弱い運動性や柔軟性を補うため、本機はジャンプロケットを装備して機動性をあげている。振り返るのは苦手なので一度距離を開けて戦えという考えである。ケントの肩についている再点火可能化学ロケットが流用されてとんでもないジャンプ力を持っている。300m程度の飛行と跳躍を40回できる。垂直跳躍は50mほどである。高速降下に耐えられる足腰背中はここでも活躍する。 逆噴射ロケットパック 衛星軌道からも降下できる高速降下用逆噴射ロケットパックは背中に装備する。足元にはバリュートを展開可能だった。未来的技術は使用されておらず、使用後は投棄する。危険な燃料は使用されておらず市街地で捨てても住民に被害はない。 対弾装甲 ウォードレスよりもはるかに丈夫な機体構造と一片が大きな装甲板により防御効果は大きい。ただ、あくまで歩兵や通常ウォードレス兵と比較しての話ではある。 機関銃弾、破片を完全防御 装甲は運動エネルギーを材料の異なる4層で遮断する構造になっている。壊れやすい層と壊れにくい層を交互に置くことで効率よくエネルギーを遮断する。 立体機動ジャイロ ジャンプロケットでの機動時に上下感覚を喪失することがあっても安全に着地できるように立体機動ジャイロが装備されている。りようすることでいつも足を下に向けて飛べる。 強力な無線 チキンレッグに装備される軍用無線がシューティングスターにもそのまま装備される。トリプル回線で暗号化される。 大型センサー 光学センサー類は人間の目の位置である胸の位置にある。頭に配置して人間の目の位置が狂うと歩く感覚が食ってしまうための処置である。人間の目よりはるかに強力な光学センサーを搭載し、音響センサー、IRセンサー、震動センサーを装備する。 環境適応服 宇宙や低重力でも使用可能なように設定プリセットがある。また7mまでの水の中でも使用でき、そこでもジャンプジェットを使用できる。水着姿で乗り込んで400度の熱を受けながら無事に行軍できる。最低動作はマイナス60度である。 (再利用)○歩兵様武装パック (再利用)○対I=D武装パック (再利用)○対空武装パック (再利用)○B-19ショットガン (再利用)○ショットガンの弾薬 ○A-71トモエリバー ○A-71開発の歴史とその遺産 tera領域帝國最初のI=D tera領域における帝國最初のI=DがAー71である。名前をトモエリバーと言う。紙の名前である。装甲が薄いために付けられた名前だが、以後伏見、星鋼京の系列のI=Dは紙の名前を与えられる事になった。 凝縮された無茶 僅か5mの全長の機体で一人の犬二匹を納め、音速を超える機動性を持つ本機は、無理な小型化が祟って色々な問題を抱えていた。軽装甲、軽武装、遠距離戦闘装備を持てないなどがその例で、おかげで悲惨なことになっていた。 無茶の原因は性能要求 無茶の原因は帝國の出した性能要求であり、制作元の星鋼京の問題ではない。はじめてのI=Dにあれもこれもと欲張って性能要求を要求し、これらを交通整理しなかった技術行政の未熟さが問題である。 空を飛べる陸戦兵器 完成したA-71は武装、人員フル装備でもなお推力が自重を上回っていた。このため空中で浮かび、飛ぶことが出来た。コクピットはこれに関連して航空機のそれに近似し、操縦桿も高速で衝撃を受けると胸を打ってパイロットが死ぬ事から左右に振り分けられていた。後に書類も空軍管轄に移されて法律上は空軍機になっている。 運用が固まってない! A-71が就役すると瞬く間に運用側である帝國諸国から不満が飛び出た。長距離攻撃出来ない、装甲が薄い。機動力が高いだけと散々な言われようである。長いこと軍では冷遇されていた。 日の目を見たのは退役後、悲劇の先見性 A-71が退役し、その後A-71の性格を引き継いだ改良機A-74もあまり活躍することなく終わったが、その後軍の運用思想が変化する課程でA-71は評価を変えていった。早すぎた傑作機というような呼ばれ方である。帝國に移った風野緋璃が、共和国に居た頃から使いたかったといい、暁の円卓の白石藩王が高い機動力をもっと使いこなせたら良かったと述懐しはじめ、そこから変わったようである。 それでも、帝國とともにあった。 色々と構造上の欠陥を持つ本機だったが、それでも帝國の再序盤を支えたワークホースであり、後継機が出た後も民間機として、無人機として、実験機として、また改装されて再就役したりして、長く帝國を支え続けた。これだけ使われたのであれば現場でどれだけ言われようと名機であったと言えるだろう。 ○A-71の運用遺産 センサーが弱い 陸戦兵器としては優秀なセンサーを装備していたが、航空機としてみるとお粗末なセンサーだった。後にこれを改めた機体が作られているほどである。 無線も余り強くはない これまた航空機として見ると、無線は出力、受信ともに貧弱だった。途中から強力なものに交換されたものの機体容積が狭くて本格的な出力を持つものはついぞ装備出来なかった。 盾は中々捨てられない 一時的な装甲であり、必要に応じて捨てるとされた大型盾は、運用してみるとほとんど手放されることがなかった。パイロットが放棄を嫌がったのである。訓練で盾つきの機動訓練ばかりで捨てたときの動作に慣れてなかった側面もあった。またぽち王女が盾にイタズラ書きしていたために捨てられない事態が多発したとも言われている。 100mmランスは評判上々 量産された当初から、100mmランスは評判が良かった。4mの長さを持つ高速初速レールガンである。運動エネルギー弾としては大変優秀で当たれば装甲目標を確実に撃破出来た。 使われずじまいのソード 白兵装備で活躍を期待されたが、実戦ではついぞ使われなかった。一方で式典では見栄えがするので大人気であり、あっちこっちで使われていた。 7.62mm集合機関銃はそれなり 歩兵装備の機関銃を四門束ねただけの適当な装備ながら、歩兵支援で活躍し、またソフトスキン対象ではミートチョッパーと呼ばれて非常に活躍した。実際には歩兵が使用するものと比較して発射速度を高めてある。 二機のエンジンを搭載 A-71は二機の理力エンジンを脚部内に搭載しており、エンジン出力は過剰なほど高かった。翼などを持たずに空を飛べるという有様である。最初こそ不評だったが、色々なスタントが出来るのでパイロットからは好まれた。推力が高いので失速しようと地面に脚を向ければすぐに姿勢回復したのである。 ○一型理力エンジン 一型理力エンジン搭載 機体の三割の性能を左右するエンジンの搭載に当たっては新開発のI=D用理力エンジンが用いられた。単に一型理力エンジンと呼ばれるそれは重量三〇〇kgで静止推力5t。長さは僅か1.6mである。重量の割りに推力は高く、燃料も触媒も基本的に使用しないために地上から宇宙まで広く使うことができた。 理力とは 理力とはアイドレスで使われる魔法の一つで、失われた高物理域技術が形骸化して原理が分からなくなってしまったものである。T20の今も研究と解析が続いている。 ○A-74ケント ○遺産 (再利用)トモエリバー全部 ○過去の遺産を引き継いで 後継機A-74 A-71トモエリバーの後継機がA-74ケントである。文字通り首が飛ぶので間違いを認められない皇帝側近達のせいで、トモエリバーの性能要求とほぼ同じもので再度作られることになった機体である。 最初から航空機として A-74は最初から航空機として登録されることになっていたため、陸軍色は全部排除された。陸軍指揮の装備類は採用されず、対Gスーツや宇宙服などが採用され、航法装備も一通り装備した。このため宇宙でも活動できる機体になっている。 データの蓄積は十分 後継機とはいえ、実質的なトモエリバーの改良型であるので、運用データはまるごとそのまま流用され、武装も流用された。射撃データも大量にあったものをそのまま移植してあるので新型ながら突然高い射撃精度を持つことができた。パイロットも3週間の訓練でケントに機種転換できた。 奇眼藩国トモエリバーがルーツ 奇眼藩国の採用したマイナーチェンジトモエリバーがケントの原型機である。さらに二機のロケットエンジンを装備しており、出力をさらに高めている。この奇眼トモエのデータあってこそのケントである。 機体の大型化と無理ない装備の見直し 後継機設計にあたってケントはトモエリバーと比較して身長で1m伸び、容積で1.5倍として設計された。これによってかなり余裕ができて性能面でトモエリバーをかなり引き離すことになった。 エンジンそのまま エンジンは理力一型をそのまま搭載している。配置も同じ位置である。より出力の高いエンジンを使わなかった理由は製造工数の簡易化と設計期間を短くするためである。 二つのロケットエンジン ケントの重量が増えて下がった機動性は新たに取り付けられた二つの再点火可能なロケットエンジンにより、補われ、以前よりも強化された。 センサーの大改良 トモエリバーからの顕著な改良点としてセンサーの大幅改良があり、ここだけでいうと価格で一〇倍以上、機能で二〇倍の複合センサーが備えられている。光学センサーに限っても二倍の性能を持っている。捜索レーダーに射撃管制レーダーも装備され、増えた分蓄電池も大型化している。 無線装備の充実 A-74は無線装備を充実させており、宇宙でも問題なく編隊通話、艦隊との通話などが可能だった。妨害にも強くなるように三重化され、デジタル化され、暗号化もかかるようになっている。 脱出装置を装備 A-74は被弾時に脚部と武装を切り離して緊急脱出出来るようになっていた。この機能は宇宙でしか使えない。爆発物を遠くにやって漂流するという考えである。シートを脱出させるではなく危険物を切り離すこの考えはベルクールなどにも見られる設計思想である。ちなみに空中では普通にエアリフタによる脱出を行う。 エアリフタとは 脱出装備の一つで二〇分ほどの空中飛行が出来る背負い式の装備である。犬士、猫士用もある。パラシュートのように動作条件が厳しくないために緊急脱出装置として広く使われるものになった。 レスキューパック装備 前型A-71が棺桶と言われたことを気にして、A-74はレスキューパックを機体内に装備して七日の間生きられるようになっていた。痛み止めや自決用の薬もある。ただこの二つはパイロットが乱用することが発覚し、途中から取り除かれるようになった。 装甲材が見直され A-74は装甲が見直されてトモエリバーよりもはるかに丈夫になった。とはいえ、最薄場所で一mmのトモエリバーの装甲と比較しての話であり、共和国のI=Dと比較するとかなりの差があった。そもそも装甲材の技術力が違っていた。 ムービングシート ケントは機体の揺れを打ち消すムービングシートを装備して、パイロットの疲労軽減を行っていた。しかし戦闘中は打ち消しきれずに逆に気持ち悪いということでOFFにするパイロットが多かったという。 ○A-74の運用実績 誤算はあったが結局は良かった テスト成績は良かった A-74はテスト段階から優秀な成績を残して関係者を喜ばせた。あらゆる面でトモエリバーをしのいで弱点らしい弱点が見つからなかったのである。改修もほとんど無かった。 しかし現実は厳しかった A-74が完成したシーズン1の最後の方は帝國の新型機がやけくそのように試作され、量産されていた時代である。おりしも主敵は航空機であり、ケントは前型よりはずっとマシとはいえ、性能面では他のライバルに一歩譲った。このためまたも失敗などとはやされた。 敵が変わって持ち直す評価 不遇のデビューだったA-74だが、その後はそんなに悪くなかった。航空機の敵が一段落し、主敵が宇宙の敵や地上戦になっていったからである。そしてこれらの敵相手では、ケントはかなり健闘した。ケントよりも強い土場のエンジェリックフェザーなどがあったが、ライセンス生産条件が緩いのと使えるパイロットが多かったせいで数の上では主力になって、長年帝國のワークホースとして働いた。 パイロットの評判はすこぶる良かった。 トモエリバーが酷すぎたという噂もあるが、元パイロット達の下すケントの評価はすこぶるいい。レスキューパックの位置に私物を隠したり、ムービングシートのせいで操縦中寝てしまったなどのエピソードが残る。狭さが減って息苦しさもなくなり、気持ち良く機体を動かせた。 ○A-74の遺産 格好良いので使われた? 式典の人気機種 A-74はとにかく格好良く、帝國の威信を示すために前型以上に式典に引っ張りだこになった。デパートの開店や夏祭り(詩歌の盆踊り大会)にも使われている。軍のイメージを良くした貢献でいうと、帝國の機体でもっとも良いと思われる。次点はRTRだ。 偵察機としての使用 A-74は良好なセンサーを持ち、このため無改造で偵察機としても利用された。運用成績は良かったのだが、現場の指揮官が線状の霧を恐れて偵察を繰り返した関係で、あたら勝機を逃がすこともあった。 対地攻撃機としての使用 A-74は対地攻撃、襲撃騎としても多用され、高い機動性と生かして先制攻撃を行うことを得意とした。歩兵の守護神として喜ばれた経緯がある。 対空戦は苦手 A-74は対空戦闘が苦手で、これは装備武装のせいも大きかった。ミサイルや二〇mm機関砲などを装備していたら、だいぶ評価は変わっていたろう。機関砲はベルクールが装備し、以後使用が広まっていった。 宇宙戦では主力がやれた 地上では支援機、航空戦ではいい鴨とされた機体だったが、宇宙戦では数の上の主力になれた。編隊戦闘が得意で見事な活躍をたびたび見せている。 ついに剣に出番が トモエリバーでは出番のなかった剣だが、ケントでは利用が広がったせいか、割に剣を使う局面が増えた。頭を重くした剣は装甲に対して強い威力を誇り、全武器最大の威力を持つこともあって積極的に使う者すらいた。 盾は捨てられない ケントは盾に帝國の旗を印刷しており、パイロットはこのせいで最後まで盾を手放さなくなった。盾自身は大きく強化されており、ケントのまだまだ貧弱な装甲を補った。パイロット学校でも盾なしの授業は行わず、装備的には分離できても実用上では分離できないようになっていた。 ケントの戦術面評価 A-74は出現当時帝國軍部の評価が低い機体だったが、共和国では高く評価されていた。共和国からの移動者である風野緋璃(当時の名前)は共和国で一番欲しい機体だったと述べている。彼女の高機動な機体の戦術的評価が後年の宰相府航空宇宙軍を作ることになった。 ○ケントSR2 ○遺産 (再利用)ケントの全部 ○A-74P ケントSR2 ケントSR2とは何か 宰相府の暫定主力機 A-74PはPの文字が示すとおり宰相府の独自改良ケントである。RTRというもっと性能の高い機体があるではないかという声もあるが、迷宮から出てきたB世界ではRTRが高性能かつ複雑すぎて再建途中の宰相府では手に負えず、手頃な暫定主力機としてケントが宰相の手により再改造されて再就役することになった。 先祖返りか、名前だけ借りたのか? A-74Pは型番から分かるとおりA-74の改良型である。一方で機体は大型化し、さらにエンジンも換装されている。胴体を延長し、エンジンを納める脚部が大きくなったせいだが身長はもはや8mと、別機に見えるようになった。こうなると新造機ではないのかという噂があるが、実際は胴体延長部分から頭にかけてはほとんどフレームを変更していないようである。どうも本当に改良型らしいのだ。 ベリサリウスのケント 宰相府に遊びに来ていたベリサリウス老将軍がケントを褒めていたので、助言を元に再設計したのがA-74Pである。ベリサリウスは宰相府のI=Dの墓場でケントの山を見つけて、これを使えば戦力が大きく強化されるだろうと言ったという。歴戦の老将軍は、機体の性能より機体の数を重視したようである。 墓場から蘇ることはなかったが 実際I=Dの墓場も破壊されてしまって新造になったが、ベリサリウス・ケントの思想はそのまま生かされてT20で使われることになった。既存機を改造する方が安く上がるのは確かだが、新造だからこそ大きくいじれるのも確かで、結果として墓場で出身でない分性能は高くなったとみるべきだろう。 A-74PはダウングレードRTRなのか A-74PはRTRのダウングレード機なのか。I=Dファンとしては気になるところだが元々両機は直系の子孫関係にあるため、中々分かりにくい。ただ、公開資料を見ると、RTRとも違う運用を目指している事が分かる。A-74PはRTRのような俊敏な万能機ではなく、大型大出力の小回りの利かない機体である。 出力の増大とリッチ化 A-74Pの設計思想、いや改良思想は簡単だ。トモエリバーがケントに進化したのと同じことを今回も狙っている。つまり出力を増大して、その分の余裕をセンサーやパイロットの生残性に割り当てている。エンジンは新型に換装され、胴体は胸下部分から1m延長されている。胴長の脛長だが目的のための最小改良であった。 四人乗りケント 伝統的な帝國I=Dと比較してA-74Pは乗員を一人多くしている。これは機体を大型化したのに伴い武装も強化されて兵装操作員の手が足りなくなったためである。パイロットの作業は減ったので大変歓迎された。2人+2匹で運用される。 翼は武器を配置するため A-74Pには飛行ユニットのような翼が付属するがこれは翼と言うより兵装ステーションだった。旧来の武器の他、対空、対地ミサイルや爆弾が装備出来た。宇宙用ミサイルも装備出来る。 新造武器1,20mm機関砲 アートポストに装備されていた20mm機関砲がライセンス生産されて装備されている。従来の7.62mm機関銃を束ねたものと比較して弾体投射量が跳ね上がり、対空戦闘力を引き上げている。地上攻撃にも威力を発揮する。 新造武器2.120mmランスL52 100mmランスをスケールアップしたベルクールの120mmランスをさらに延長し電磁レールを延伸したもの。宇宙での超超射程戦闘を意識している。 新造武器3.大口径レーザー 一発当たりの射撃コストが安い溜めに120mmL52の代わりに搭載される主力武器。ランスとは選択式である。威力はランスに及ばないが宇宙空間での戦闘ではこちらの方が有用だった。射程が1000kmを超えていたのである。 頭のセンサー類はさらに強化 頭のセンサー類はさらに強化され、特に改造なしで偵察機に転用できた。レーダーの出力は高すぎて地上で使えば鳥が落ちるほどで、運用制限が掛けられていた。 小回りは利かない A-74Pは出力が大きく、狙い通りに重武装をした優秀な機体ではあったが、いかんせん大型で小回りは苦手だった。戦法は一撃離脱に限定され、地上での運用はほとんどされなかった。 フェイクとの棲み分け フェイクトモエリバーとケントSR2は軽戦と重戦の棲み分け関係にあった。いわゆるハイローミックスで相互補完関係にある。 〇ジャンジャン ジャンジャンとは ジャンジャンは軽量小型の無人戦闘機である。安い割に高い戦闘力を持つが無人機への抵抗感から宰相府以外の各国ではほとんど採用されていない。各種のミサイル、機関銃を積んで防空任務にあたった。 開発経緯 ジャンジャンは退役したトモエリバーのエンジンを再利用する試みから生まれた。エンジンを一発にしてその推力の範囲内で最高性能を目指すやり方で作られた。つまりは部品再利用の簡略機である。 垂直離着陸を諦めて ジャンジャンのエンジン出力は5t。この重量内にトモエリバー以上の装甲、武装、機動装置すべてをおさめるのは難しい。そこでケントのように推力を補うのも一つの手だが、別の方法もある。翼である。翼による揚力で推力以上の重量を運ぼうと言う考えだ。本機は大気圏内専用機である。 カナードデルタ翼と負の安定性 翼は製造容易な直線翼も検討されたが最終的にはカナード付デルタ翼になった。デルタ翼は機体をコンパクトにまとめられるためトータルな製造コストでは安くなると判断されたためである。垂直尾翼を含めた尾翼はなく、飛行安定性は負にふられている。最大速度はマッハ2.5だが、ステルス性はなかった。 高機動 負の安定性を持つために機体は常にこまめな操縦を行わないと墜落する神経質な機体になった。しかし自動操縦の無人機では特に問題にならず、俊敏な高機動機として作られた。 高度な航空機用コンピューター 無人機として運用するためにジャンジャンには高度、高性能なコンピューターユニットPDP01が採用されている。2機を積んで飛行用と戦闘用に使用する。墜落時は自爆するよう作られている。 センサーシステム ジャンジャンには機首にフェイズドアレイレーダーが積まれており、またIRセンサーが積まれている。探査距離は空中250km、地上100km。アクティブとパッシブ双方が可能である。また測位のために衛星、地上両方とのビーコン受信装置を備えていた。 (再利用)○一型理力エンジン (再利用)○対空ミサイル (再利用)○対装甲ミサイル 〇20mm航空機関砲 20mm航空機関砲とは 航空機や航空I=D用の武装でT9に伏見藩国で設計されて今も使われている傑作機関砲である。特に大きな改良もなく長年使われている。 13でも30でもない 30mm砲では砲弾が重すぎて機体への衝撃が大きすぎる。13mm銃では威力が弱すぎる。それで間の20mmが時間当たりの投射弾体量と機体への影響から最適だろうとして設計された。 発射方式 典型的な3銃身のガトリング砲で最大射撃速度までは2秒。一分間に3000発を発射する。ベルト給弾方式でケースレス弾薬を使用する。通常は300発から500発だが対地攻撃機だと1000発装備もある。 空中発射の悪影響と対策 空中発射の機関銃は、よく故障する。これはGが色んな方向からかかり、設計上の予想を超えてくるからである。実際ヘリの上に乗せて射撃する機関銃もヘリが高機動しているとすぐに故障する。こうならないようにするためには入念な設計が必要で、これが航空機関砲が長く使われる理由でもある。つまり、設計が大変なのだ。 徹甲弾 20mm機関砲にはタングステン鋼による鉄鋼弾芯が使われており、I=Dの装甲程度は簡単に打ち抜く。装甲車、戦車も上面装甲でなら無事では済まない。 炸薬弾 20mm機関砲には二発に一発炸薬弾が混じっており、直撃せずとも爆発の効果で敵に損害を与える。広範囲にばら撒くことで一層攻撃力を増す。 (再利用)○ケースレス弾薬 〇低抵抗爆弾 低抵抗爆弾とは 航空機が使用するにあたって空気抵抗を考えたスマートな爆弾である。125kg、250kg、500kgの3種類がある。 動き回る敵には向かないがまとめて吹っ飛ばせばいい 爆弾は無誘導な関係で命中率が悪い。そもそも直撃を想定せずに爆風で範囲攻撃しようという武器である。無誘導なのでジャミングされないメリットがある。 爆弾は安い ミサイルと比較して爆弾は安い。誘導装置などいらない分安い。推進装置を持たないのでさらに安い。気兼ねなく使用できる点、爆弾は強い。 爆弾の破壊力 250kgの爆弾を例にすると着弾から半径50m以内の人員は破片と爆風で直撃死する。家屋も倒壊する。半径20m以内ではI=D、戦車も破壊される。100mの範囲内では半数が損害を受ける。5分は行動不能になる。半径200mの範囲は窓ガラスが割れ、吹き飛ぶ。防空壕で防御しても地下10mまでは無事ではない。6m内では爆死する。500kg爆弾ではこの二倍。125kg爆弾では二分の一の威力になる。 本体側の爆撃照準器だのみ 爆弾は爆撃する側の爆撃照準器頼みである。さらにいうと頭上を通過しないといけない。このため対空砲火の激しいところではそれなりの損害がありうる。しかし、投下に成功すれば敵は吹き飛ぶのだ…… 〇対空ミサイル エアフラッシュ エアフラッシュとは 宰相府が開発、保有する航空機、I=D用、艦載用の対空ミサイル。高価なために車載はされない。そもそも発射装置が複雑なのである。型番はA-904。 中、長距離ミサイル エアフラッシュはA-903と同時期に開発された補完関係にあるミサイルである。A-903が大量配備されるのに対してこちらは高性能、長射程で少数運用される。 モーターの性能 射程は200kmである。ロケットモーターで宇宙でも使える。再点火可能な姿勢制御モーターも持っているのだ。安定翼、機動翼を申し訳程度に装備している。最大速度はマッハ3. 追尾レーダー エアフラッシュはロックオンされた敵を追跡する追尾レーダーを持ち、敵に向かって自らを誘導する。本体側からの支援を必要としない。 近接信管 エアフラッシュはレーダー近接信管を装備しており危害半径である50m以内で爆発して破片と爆風で損害を与える。 〇航空機用飛行プログラム 航空機用飛行プログラムとは 航空機の自動操縦を行うプログラムである。航法と操縦を行うが戦闘については他のプログラムに任せる。とはいえ戦闘中もこれらのプログラムの一部は動いており、必要な補佐を行う。 離陸―滞空―着陸 すべての飛行は離陸して滞空して着陸する。最低限の機能としてこれらを搭載する。すべてはこの基礎の上に成り立っている。 空の安定 風に応じて動翼を動かして空の上での安定した飛行を行う。ただし、戦闘中は安定を解き、戦闘機動を行う。不安定な方が機動力が高いためである。一方で戦闘中でも安定した方がいい時もある。爆撃時や射撃時だ。これらの切り替えは一瞬で行われる。 ミッションの目的 地上で入力されたミッションの目的に沿って行動を行う。ほとんど全部のミッションは目的地に移動して、アクションを行ってまた戻るものである。目的地まで測位しながら航法を行う。目的地は複数設定できる。 地形走査 レーダーを装備するなら目的地付近から地形走査を開始する。地上の敵を把握するためであるが、測位がおかしい場合は地図と地形を照合して修正を行う。 測位 通常測位は衛星、もしくは地上の基地局のものを使用して行う。3か所以上の衛星や基地局の電波を捕まえることができればそこから自分の位置を把握できる。高度もこの段階で把握する。測位は常時行う。 高度調整 戦闘開始まではミッションの目的に応じた高度を維持する。通常は経済巡航可能な高度に移動するが、秘匿性の高いミッションでは低空飛行、要撃ミッションでは高度を高くとる。 速度調整 戦闘開始までは巡航速度を維持する。翼下、本体下のパイロンによって速度制限がつくのでこれは守らないといけない。 エネルギー変換 速度から位置、位置から速度 簡単な物理として速度は位置エネルギーに、位置エネルギーは速度に変換できる。これを使用することで単純機動=エンジンの出力以上の仕事ができる。 旋回 旋回は速度と位置エネルギーを同時に失う行為で、なるべくやらないことが望ましい。ただ戦闘中はそうも言ってられずどんどん旋回してエネルギーを失う。エネルギーを失いすぎるといい的になるので、そうなりそうなら離脱してエネルギーをためる。もしくはミッション終了して戻る。 捜索 目的によっては捜索を行うためにレーダーやセンサーを利用して捜索を行う。戦闘ミッションでは戦闘開始直前から捜索レーダーとIRセンサーを起動して敵を探し始める。 出力コントロール 目的によっては出力をコントロールしなければならないときがある。戦闘ミッションでは戦闘区域に入った瞬間から全力運転を行うが、それ以外でも輸送する荷物などに応じて出力をコントロールする。 風の利用 現代の航空機ででも追い風と向かい風では当然速度が異なる。横風では機体が流される。逆に言えばうまく使えば風を利用して有利な動きができる。プログラムは常に風を考慮に入れるよう作られている。 安全ルートへの誘導 地上の味方配置は大雑把ながら基地局のビーコンから得ることができる。飛行ルートではなるべく味方の上を通るように飛ぶ。 雲の扱い 抜ける 雲は空を飛ぶ際には無視できない要因である。視覚を奪うし、場合によっては感覚喪失症を発症させる。自動操縦はそれらの影響がないため、こういうところでも活躍する。 雲の扱い 回避する 雲の中でも台風、または雷雲は、場合によっては航空機に損害を与えうる存在である。これらの雲は基本的にさけるように動作する。 位置表示灯の点灯 戦闘時以外では航空関係の法令に従い翼端の位置表示灯点灯を行う。右翼と左翼で色が異なり、色を見ればどっちを向いているかがわかるようになっている。 ランディングギア制御 高度速度が一定以下の場合、ランディングギアが自動で降りるようになっている。逆に高度速度が一定以上ではランディングギアを上げる動作を行う。 〇航空機用コンバットミッションプログラム 航空機用コンバットミッションプログラムとは 航空機用コンバットミッションプログラムとは航空機が戦闘行動を自動で行うためのプログラムである。他のプログラムと一緒に使うことができる。 民間機のデータ拾得と排除 戦闘区域以外での民間航空機は飛行データが公開されている。これを拾得して、攻撃行動を行わないようにする。逆に言えば飛行データが公開されていなければ、準交戦状態として敵かどうかを確認する レーダーを照射されたら 照準用のレーダー波を感知したら、この時点で攻撃されたとみなし、即座に対応、空戦機動を開始する。これは国際法規に準じた行動であり違法性はない。 IFFによる照合 敵味方識別装置を使って電磁的に敵か味方かを判別する。敵であれば交戦に入る。目視確認などせず、即座に戦闘に入る。事故があれば残念であったで済ませる。 ロッテ すべての機体は2機を一組にして戦闘を行う。これをロッテ、という。元はドイツ語である。3機編隊でないのは三角形を維持するのが大変なためである。 梯団 三段構え 航空戦では部隊を梯団とし、3部隊からなる。先陣、本隊、第二陣である。先陣が積極空戦と偵察を、本隊が攻撃を、第二陣が残敵掃討、戦果確認を行う。 索敵 レーダー 戦闘地域に入ったらレーダーを用いて敵を探す。編隊、集団でレーダーを使うことで捜索する範囲を増やす。移動しながらレーダーを使うことでさらに索敵範囲を広げる。対地捜索は空ほど有効ではなく、地上部隊の応援要請に対応することの方を優先する。 索敵 IRセンサー 赤外線センサーで敵を探す。赤外線の放射パターンから敵機かそうでないかを判別する。対地目標は夜間のみ使用する。田んぼの照り返しなどでエラーが起きることがあるためである。 接敵 エンゲージ 交戦区域に入るか、敵からのレーダー照射、もしくは攻撃を受けた場合、交戦を開始する。出力を全開にしつつ、不要物を切り離す。 基本戦術 視程外戦闘を最優先にする。すなわち、ロングレンジからのアタックである。視程内戦闘は第一波攻撃の後に行う。 対空攻撃 制空権を握るために積極空戦を行う。射程内であればミサイルを撃ち、使い尽くしたら機関砲で戦闘を行う。ただ位置エネルギーや速度を喪失している場合は離脱を優先する。 ドッグファイト ドッグファイトは原則として行わない。行うのは1.敵が優速なこと。もしくは、2.位置関係で優位にある時、である。 対地攻撃 まず、対空装備機をミサイルで叩く。しかる後に爆弾などで攻撃を行い、最後に機関砲で対地攻撃を行う。先陣で攻撃した後で、反撃能力を見極めて続く攻撃を行う。 地上誘導攻撃 地上からの誘導で攻撃することを地上誘導攻撃という。支援要請があれば、駆けつけて攻撃する。 一撃離脱 いずれにせよ残弾を失えば航空機は意味を失う。そして攻撃機会は多くなく、弾を使い尽くすのはあっという間である。攻撃手段を失った後は、退避のあとで離脱を行う。 退避 送り狼に襲われぬよう、部隊の少数を退避支援用に使用する。これによって敵の戦果拡大を防ぎ、味方の損害を減らす。 帰還 帰還時は高度を高めにとって帰還する。高度が高い方が滑空距離が長くなり、不時着の選択肢が増えるためである。 〇アラビヤーン アラビヤーンとは アラビヤーンはジャンジャンを大型化し、通常エンジンに乗せ換えた大型の半無人戦闘機である。一応人間を乗せても戦える。中物理域から高物理域をカバーするためにあえて有人型の体裁をとり、エンジンも不利を承知で理力エンジンを非搭載とした。ステルス性能を持っている。 アラビヤーンの形態 アラビヤーンはペヤーン、ユーエフオーなどの系列からなる航空機である。複座型の機体だが後席は完全にAI用のコンピューターが乗せられ、窓もつぶされている。輸出用に後席をコパイロット用にしたものもある。 大きさ:プールなみ アラビヤーンの全長は25m。全幅は18mである。あまり航空機を知らない人にはとても大きく見えるが、これでもかなり絞ってある。 カナードデルタ翼と負の安定性 翼はジャンジャンの設計を流用し、カナード付デルタ翼になっている。ただ翼端は欠いており、クリップドデルタにになっている。垂直尾翼を含めた尾翼はなく、飛行安定性は負にふられている。最大速度はマッハ2.5であるが、長い直線移動の先での速度であまり意味はない。 高機動 負の安定性を持つために機体は常に一秒間に20回の当て舵をを行わないと墜落する神経質な機体になった。代わりに本機は俊敏な高機動機である。機体制御の過半はADC(エアデータコンピューター)による操縦アシストで運用される。 高度な航空機用コンピューター 無人機としても運用できるようにするため、アラビヤーンは高度、高性能なコンピューターユニットPDP01が採用されている。2機を積んで飛行用と戦闘用に使用する。墜落時は自爆するよう作られている。 センサーシステム ジャンジャンと同じく機首にフェイズドアレイレーダーが積まれており、またIRセンサーが積まれている。探査距離は空中250km、地上100km。アクティブとパッシブ双方が可能である。また、人間の視力をも動員できるように透明キャノピーが使われており、いざという時に備えることになった。 また測位のために衛星、地上両方とのビーコン受信装置を備えている。 〇航空機用通常動力 TF101 ターボファンエンジン TF101 TF101は通常型のターボファンエンジンで主として中物理域作戦のために作られた。アフターバーナーも付けた推力軸変更可能である。大柄なこのエンジンを二発上下に装備する。 燃料はドラム缶80本を内部搭載 TF101はターボジェットよりは燃費に優れるが、理力エンジンと比較すると莫大な燃料を消費する。このため機体の隙間はすべて燃料搭載にあてられる。当然燃料が減るに従い、機動性は上がる。軽くなるからだ。 〇ステルス 木材が使われている……! 材料の一部に木材が使われていて、想定されているレーダーの反射特性とは異なる反応を返すようにしている。まさかのびっくり技術であるが、歴史的には古い方法である。 垂直反射……! レーター波に対して垂直に反射を返すように入念に設計されている。見えなくするというより、見える範囲を極端に小さくするのが狙いである。 特殊塗料で真っ黒に レーダー波を吸収するために特殊な素材を利用した塗料を使用している。カーボン系で重い塗料であり、しかも頻繁に再塗装しないといけないが、性能は良かった。昼間戦闘では逆に目立つということで、灰色系もあるが黒ほど性能は良くない。 翼下ハードポイントがない! すべての武装を胴体内爆弾倉に装備する。これによる反射低減は寄与率が高く、機体を上手に隠した。装備携行量は減ったが飛行性能も改善したほかマスバランスも大幅に良くなったとされる。 (再利用)○対空ミサイル (再利用)○対装甲ミサイル (再利用)〇20mm航空機関砲 (再利用)〇低抵抗爆弾 (再利用)〇対空ミサイルエアフラッシュ (再利用)〇航空機用飛行プログラム (再利用)〇航空機用コンバットミッションプログラム 〇機上偵察装備 MX1 機上偵察装備 MX1  カメラセットと電子的観測装置(パッシブセンサー)を持つ。ポッド形式でも爆弾倉での埋め込み式でも両方で使える。 電子的観測  電子的観測とは空中に存在するあらゆる種類の電波をキャッチして記録する偵察手法を言う。通常民間機を装い定期的に調査されているし、領域外から調べることもできる。現在の主流偵察法である。 カメラセット  光学的カメラはすべて単焦点で超大型カメラである。連続写真でつなぎ合わせまで自動で行う。下面にセットされて地形調査や敵部隊配置を調べた。 ラムエアタービン  偵察機器は電気を大量消費するのでラムエアタービンによる発電で不足する電力を補う。いわゆる風車である。ステルス性能がそがれるのが問題だが、大電力を背景にした高度な偵察機器は欠点を補って余りある。 データ送信アンテナ  偵察装置の情報を本部に送るためのアンテナが本体側に増設される。これによるデータリンクで司令部にデータを送信する。 ◯平民街の平均的な家 平民街の平均的な家とは 宰相府の平民街にある平均的な家を言う。お世辞にもいい家ではないし、地震対策もまったくしておらず、他国ではそもそも建築許可がおりない。宰相府でも建築許可を出した覚えがない。 狭い 平民街の平均的な家は狭い。家族六人で30平米などざらにある。シャワーはあれど風呂はない。キッチンもないことが多い。外で料理していることも多い。 壁が薄い 平民街の平均的な家は壁がべらぼうに薄くて指で突けば穴が開くともっぱらの評判である。他国人はこれに耐えられない人が多い。 平屋 平民街の平均的な家は全部が平家である。傾く家も多く、傾きを修正しようと柱を押しているお父さんも多い。ちなみに倒れて来ても天井がべらぼうに軽いのでだいたい大丈夫である。布製なのだ。 なんで高層化しないのか 住宅が狭いなら高層化しそうなものでそれこそ古代ローマでもそうなっていたのだが、宰相府の平民はドケチで家を手作りしていたのだった。家を買うとかいうとなんで手作りしないの? とかそんな顔をされる。他国の家について便利すぎてすむ気がしないなどの負け惜しみを言う悪癖がある。 憧れの引っ越し とはいうものの、お金をためて少しでもいい家に住みたいと思っている人は多い。公営住宅を建てるべきかと秘書官も悩んでいるのだが、下手に立てると抽選率が天文学的数字になって暴動が起きそう。 ――――――――――――――――ここまで ◯瞑想所 意味深な名前だが 瞑想所はまあ、なんだ。ラブホテルとカラオケルームを合体させたような準公共施設である。誰しもプライベートを守りたいときはある。うん。時間貸で低価格で提供されているが、これは宰相がこっそり金を出しているからである。 防音 瞑想所は防音完備である。大声出しても大丈夫。というより静かな時を過ごしたいために利用する人が圧倒的に多い。 厚い扉 どう見てもテントのような平民街の平均的な家と比較して厚い扉がおごられている。他国から見てもちゃんと厚い扉である。プライベート保護に役立つ。 治安対策 瞑想所で犯罪が起きることも考慮して、瞑想所ではあちこちに押しボタンがあって押すと警察ロボが飛んでくるようになっている。休憩だけとかいっておいて行動するふらちな輩はすぐやっつけられる。ちなみに酒が入ってたりすると利用できない。 カラオケセット 歌を歌いたい老人などのためにカラオケセットは必ず配置されている。ついでに映画も見れるが映画は夜間野外上映の方が人気がある。ぶっちゃけそちらの方が安い。 防臭 瞑想所ではん、んー。まあ、いろいろあるので防臭はしっかりしている。掃除のおばちゃんががんばっているのはもちろん。そういう素材もふんだんに使われている。 衛生 瞑想所が病気の媒介においてのハブになるのを恐れて、衛生面はかなり気を使われている。宰相府では珍しいごみ箱もある。(大抵のごみは役に立つかもと持って帰る人が多いにも関わらず) シャワー さすがに風呂までは用意できてないが瞑想所にはしっかりしたシャワーがある。宰相府は海で泳いでも入浴の文化があまりないので風呂をおいても仕方ないのだ。 ――――――――――――――――ここまで よんたの麦 宰相府は食料生産能力が無い。全量が輸入品である。よんたの麦もその一つで、宰相府のお袋の味である。宰相府では作ってないけど。この麦を使ったパスタを好む庶民が多い。 宰相府料理 宰相府料理は適当料理である。手間の掛かる料理は好まれないし、そもそも作れない。5分10分で作れるものでないといけない。揚げ物など家では絶対作らない。とはいえ、うまいものは食いたいので努力はしている。一番人気は魚介系パスタである。釣ってきた魚を使ってパスタソースを作るのである。 土場の野菜 宰相府でポピュラーなものと言えば土場の野菜である。めざとい土場の商人たちの価格設定で季節によって値段がはちゃめちゃに変わるので困る者も多いのだが、おかげで食卓に季節感が出ているのは確かである。 暁の肉 暁の円卓の肉は宰相府でもっとも好まれている。なにせ、安い。他国の肉と比べて硬いからである。宰相府ではこの硬い肉をどうにかして軟らかくしようと日々努力をしている。叩いたり切れ目入れたりソーセージにしたりと涙ぐましい。 詩歌の歌氷 詩歌で切り出された氷は歌うというので大評判であり、宰相府の民はちょっと金があるとすぐこの氷を買ってくる。音を聞いて楽しみ、涼しむ他、食べる。 カキ氷 宰相府はかき氷のメッカである。古くから良く食べられ、詩歌藩国が大変な苦労ののち善政を獲得して政権が安定してからは、氷を輸入してこれを材料にかき氷を食べるようになった。ちなみに色と香りが違うだけで、中身は全部同じ砂糖シロップである。宰相府ではだいたいおばちゃんが手作りである。たまに鍋に着色料が残ってて肉が不自然な青い色の時がある。 火星の黄金 何気なく重要アイテムそうな名前のキラキラ光る酵母が火星の黄金である。宰相府ではどこででも手に入る。発酵菌としてはイースト菌よりポピュラーである。 手製の酒 火星の黄金で作られた酒はどこの家でもある。というか、どこの家でも作っている。宰相府は庶民に酒税など掛けていないからである。違法ですらないというか、そもそも住んでいるのが違法である。 新聞 暁の円卓に並んで新聞が読まれているのが宰相府だが、価格は帝國どころか共和国まで含めても一番高い。暁の円卓と比べて200倍の価格がある。これには理由があって新聞をコピーして読む連中が余りに多く、それ前提で価格が設定されているためである。 サーフボード 宰相府がダントツの生産量を誇るのがサーフボードである。ついでにスノーボードも大量生産されている。手作りもある。サーファーが多いためである。ちなみに水着生産も盛んだが、だいたい手作りである。 ○B-19ショットガン B-19ショットガンとは 20mmケースレス弾を使うショットガンで弾倉のない重心の長いアサルトライフルのようなデザインをしている。 二列のポンプアクションで弾は10発づつ、合計20装備出来る。長いのはショットガンの割りに射程を伸ばす狙いがあるが縦列弾倉のせいでもある。2種類の弾を振り分けても使用可能。 アーミーインファントリィオプションソケットを装備する。 歩兵専用の装備である。 長い銃身とライフルによる射程延伸 通常のショットガンより、50%以上射程が長い。とはいっても散弾に必要かというと怪しい。散弾は距離とともに威力を急激に減らすためだ。スラッグのための構造と言って良いだろう。この銃は対軽装甲車輌に寄せた武器なのだ。 取り回しが悪い 長い銃身は取り回しが悪く、市街地での使用した評判はすこぶる悪かった。後にもっと短くしたショットガンも作られている。銃身交換だけでいけなかったのはポンプアクション部分で弾倉まで改変しないといけなかったため。 ○アーミーインファントリィオプション アーミーインファントリィオプションとは? 軍用の歩兵装備に付けられたオプションを取り付けるための接続規格である。どの歩兵装備でもアーミーインファントリィオプションソケットがついていればオプション群を取り付けられる。 これらは民間品であり規制されておらず、ホビー用途でも流通している。 スリング スリングは銃を肩から提げるための重要装備である。撃つ時間よりも持って歩いている時間の方が遙かに長いからだ。 折り畳み銃床/伸縮銃床 市街戦を想定して近年の銃は取り回しを改善できるように銃床に工夫がされている。これによって市街戦でも対応力を上げることが可能である。 照準器 ドットサイトがほとんどで2倍、4倍、10倍、等倍のものが存在する。狙撃用は10倍だが価格が異様に高く、大抵は2倍止まりである。 二脚 二脚は銃を安定させ、命中率を上げるための装備である。各種機関銃に良く使用されるが、場合によってアサルトライフルにも使われることがある。代用機関銃としての使用である。 フラッシュライト 夜間での灯りはナイトゴーグルが標準化されたあとでも有用性があって、今でも使用され続けている。囮に使う場合や目くらましにも使われる。 フロントグリップ フロントグリップは銃を安定させるのに使用するもので、あるのとないのでは大違いとして私費で購入している歩兵もかなりいる。 ○宰相府兵器工廠 (再利用)地下工場 宰相府の工場群は地下に作られている。砂塵や昼夜の温度差などの対応コストより地下工場の方が安いためこうなった。完全無人化されており、生き物が入る前提になっておらず、生物は基本的に殺される。 空調も完備 宰相府の工場群は精密機械も扱う関係で広く作られ、砂が入らないように工夫されている。三重のダストクリーニングシャワーや埃センサー、掃除ロボの運用などである。空気も直接取り込まずに空調設備で対応されている。 広い工場でなければ 工場は大きくないと使い憎い。将来的な増産もそうだし、ラインの組み替えにも作業スペースはあった方がいい。そのため兵器工廠は大きなスペースを取っている。 兵器工廠とは 国営の兵器工場を兵器工廠という。わざわざ難しい言葉を使うのは国営民営をはっきり区別するためである。 民間工場では兵器は赤字 兵器というものは、流出されても困るし技術移転されても困る。しかし、困る困るで禁止していくと民間工場は利益を出せなくなる。宰相府も最初は民間工場で航空機を作っていたがすぐに官営工場になってしまった。 多数の民間工場を従える 兵器工廠は赤字であるが、国営なら赤字で良いというわけでもない。当然赤字を減らす努力がなされていて、この場合は外注、民間工場を多数使用することで解決している。重要でない部品やセキュリティ面で比較的軽視出来る分は民間工場に成算を依頼し、重要部品と最終組立のみを行うのである。 民間比率は80% 現在兵器工廠は80%の部品を民間に頼っている。これは3Dプリンターの使用率と同じである。これらの全部は町工場に発注される。 厳しいセキュリティ 兵器工廠はセキュリティ面で万全を求められる。このため日時セキュリティ面の強化が行われており、遠隔操作や乗っ取りが出来ないように物理的、電気的な接続方法を局限して運営している。 ○無人工場 無人工場 人がいない工場を無人工場という。無人工場は同じものを作り続ける分にはいいが、別のものを作ろうとすると人間を使う場合と比較してライン変更のコストや手間が大きい。 無人工場のメリットデメリット 無人工場を使う利点の最大は昼夜連続操業が出来ることと、ミスが少ないことである。反面設備投資が大きく、ライン変更もコストがかかる。しかし大量生産ではメリットが大きくなる。 熟練工を使わない 無人工場の良いところが貴重な人的資源である熟練工を使わない事である。熟練工は育てるのに時間が掛かるためにラインをおいそれと増やせないが無人工場はそれができる点にメリットがある。 有人工場との棲み分け 無人工場はメリットもあるがデメリットもあり、完全に有人工場を代替できるものではない。このため少量多品種成算は有人工場で、大量少品種成算は無人工場で行われる。 有人工場とのアクセス 有人工場から無人工場へ、あるいはその逆のパターンではピックアップロボが活用される。これを用いることでスムーズに両者が連携できる。 ○産業用ロボット 産業用ロボット 産業用ロボットとは工場労働者に変わって作業を行うロボットである。主としてセンサーと腕(アーム)からなる。 掴む、回す、動かす、置く 産業用ロボットの腕(アーム)は掴む、回す、動かす、置くの四動作を組み合わせて行う。プログラム通りに正確に動作し、精度も高い。 組立用途のロボット 産業ロボットの多くは腕(アーム)を使った組立や塗装、溶接業務に使われる。削る、曲げるなどの加工は産業用ロボットで出来ないわけではないが使わない。もっといい機械がある。 ベルトコンベアとの組み合わせ 産業用ロボットはベルトコンベアと組み合わせ、何台も並べて工程を分割する。両側に並べることも途中で別れるベルトコンベアを使ったり、逆に合流するベルトコンベアを使うこともある。 より高い精度のセンサー 産業用ロボットの正確な作業を担保するのがロボットとセット運用されるセンサー類である。腕がどんなに良くても、センサーが弱いと部品の組み上げ精度は落ちる。 ピックアップロボ 産業用ロボットは長年腕ばかりで足を持たなかったが、近年部品を探して持ってくるという用途のピックアップロボが大量生産されて運用されている。集められた雑多な部品を整理して必要なところへ届けていくのである。 ○工場間物流 工場間物流とは 工場と工場の間を繋いで部品を輸送することを工場間物流という。工場間物流が弱いと工場の性能は生かすことが出来ない。 ロボットトラック 自動運転車によるロボットトラックは二四時間の運営が出来るだけでなく、人件費の大幅な節減にもなる。工場間物流では巡回ルートが変わらない関係でロボットトラックを使用する。 在庫管理はITで 工場間の部品数チェックや発注などは自動化されており、一定数量になったら自動で発注が行われるようになっている。 人力を使いたくはないが 工場間物流はコスト面で人間を使わないに越したことはないが、有事、非常事態では致し方なく人力を使うように定められていて、そのための自動発注システムも作られている。 定時運行の努力(混雑予測) 工場間物流を最適化すると僅かな遅れで運用成績が下がる。これを防ぐための交通の混雑予測などは工場間物流の根幹をなす基礎的で重要なデータになっている。 (再利用)○宰相砂漠の砂 宰相砂漠の砂 宰相砂漠の砂は鉄を多く含む場所やケイ素ばかりの場所、希少元素を含む場所など沢山ある。これは古代文明の名残であってこれらの砂はそのまま資源として再活用されている。 (再利用)○資源砂 資源砂とは 宰相砂漠で取れた砂を選り分けて均一化したもの。3Dプリンターの出力材料に使われる。無尽蔵の原材料と喜ぶ部分もあるにはあるが、原材料費が安い関係で商売としてはあまりうまくいっていない。過去に乱高下や需要予測の失敗による倒産などがあって、不安定供給が続いた。とはいえないと困るので今では国営工場で大量生産して安価に、しかし儲けが出るように売って専売化している。 ○宰相府第二兵器工廠 秘密の残念工場 宰相府の兵器工廠にはもう一つ、有人工場がある。無人化を進める宰相府にあっては、残念な工場なのだが、緊急時には今も人間の手で作業が行われる。 職人は臨時で 緊急時には町工場職人の内、腕のいいものが集められて作業を行う。給料は大変高く、職人は大喜びである。設定国民の町工場職人でかつ自由民が一〇人以上集められて運用する。機械にまけられるかと大変な勢いである。 3年で一生暮らせる 宰相府の工員雇用は三年契約である。平民にとっては三年契約を満了すれば一生遊べると言われており、実際それくらいのお金が支払われる。職人達の夢である 組み屋 組立作業を通常はロボットが行うが、第二兵器工廠では人間が行う。精度の高い組み上げを人間の勘と技量で行う。 治具 それは工作機械に取り付けて正確に作業を行うための道具である。治具の取り付けはそのまま部品精度に直結するため細心の注意で行われる。一度治具を撤去すると再生産は容易ではない。無人工場以上に治具は大事に扱われる。人間にも向いてないことはあるのだ。 (再利用)―――――――――――――――――――――――― 空調も完備 宰相府の工場群は精密機械も扱う関係で広く作られ、砂が入らないように工夫されている。三重のダストクリーニングシャワーや埃センサー、掃除ロボの運用などである。空気も直接取り込まずに空調設備で対応されている。 広い工場でなければ 工場は大きくないと使い憎い。将来的な増産もそうだし、ラインの組み替えにも作業スペースはあった方がいい。そのため兵器工廠は大きなスペースを取っている。 兵器工廠とは 国営の兵器工場を兵器工廠という。わざわざ難しい言葉を使うのは国営民営をはっきり区別するためである。 民間工場では兵器は赤字 兵器というものは、流出されても困るし技術移転されても困る。しかし、困る困るで禁止していくと民間工場は利益を出せなくなる。宰相府も最初は民間工場で航空機を作っていたがすぐに官営工場になってしまった。 厳しいセキュリティ 兵器工廠はセキュリティ面で万全を求められる。このため日時セキュリティ面の強化が行われており、遠隔操作や乗っ取りが出来ないように物理的、電気的な接続方法を局限して運営している。 ○3Dプリンター 3Dプリンターとは 物作りの大発明の一つ。粒子や紐状の材料を入れて積層させて形を作っていく。昔は強度面の不安があったが今はそういうこともなく、物作りの主力になりつつある。 かつては樹脂、今は金属 3Dプリンターの多くはかつて樹脂であり、自ずと用途が限られていたが金属3Dプリンターが発明されるとさらに使い道が広がり、物作りの現場が変わっていった。 今ではエンジンすらプリント可能に 今では航空機エンジンの80%以上を3Dプリンターで生産することが出来るようになった。超高熱にさらされる部分や、耐久性を特に必要とする部分以外は3Dプリンターでまかなえる。 3Dプリンターのメリット 削り出し加工や金型加工と比較して3Dプリンターによる加工はより精細で複雑な加工が可能である。複雑な加工品はそのまま小型化や堅牢化を意味する。 保守部品のプリント 製造、保存が大変な保守部品も3Dプリンターであればデータだけの保持で必要な時必要なものを作って交換できる。これによるコストダウンは膨大である。 (再利用)○宰相砂漠の砂 宰相砂漠の砂 宰相砂漠の砂は鉄を多く含む場所やケイ素ばかりの場所、希少元素を含む場所など沢山ある。これは古代文明の名残であってこれらの砂はそのまま資源として再活用されている。 (再利用)○資源砂 資源砂とは 宰相砂漠で取れた砂を選り分けて均一化したもの。3Dプリンターの出力材料に使われる。無尽蔵の原材料と喜ぶ部分もあるにはあるが、原材料費が安い関係で商売としてはあまりうまくいっていない。過去に乱高下や需要予測の失敗による倒産などがあって、不安定供給が続いた。とはいえないと困るので今では国営工場で大量生産して安価に、しかし儲けが出るように売って専売化している。 (再利用ここまで)―――――――――――――――――――――――― 学校 ○宰相府の私学校 宰相府の私学校とは 宰相府には沢山の貴族、豪商が運営する私学校があり、これらはほぼ全て寄付でまかなわれている。宰相府に学校を作るのは貴族のステータスであり、商売上も社会貢献しているアピールが出来る。さらに節税効果もある。 一般的な私学校 一般的な私学校は12年制で6歳から18歳までを過ごす。学校は4つの大クラスに別れており、それらがそれぞれ成績順に4クラスに別れている。大クラスには雅な名が付けられ毎年成績レースが行われる。優勝すれば賞品がもらえる。 給食が命 宰相府の平民のドケチな性格を反映して、給食制度がある。この制度を創設した瞬間に就学率が冗談のように上がった経緯があり、秘書官が涙したという伝説がある。 プールはないが 私学校にプールはないが、だいたい海岸で水泳する授業があるので問題にはなってない。水泳の授業は大人気で楽しみにしている者が多い。 体育館 私学校の体育館は緊急時に避難場所として機能するように作られている。非常食や水が備蓄されている他、ちっとやそっとでは壊れないように建築基準が設けられている。 ○私学校のカリキュラム 重視するものは…… 私学校のカリキュラムで重視されているのは体育、数学、帝國共通語、読解力、コンピューターの扱いとプログラミングだけであり、文化面は割と軽視されている。 体育 人間身体が資本だという思想の元、宰相府の私学校では体育の授業が毎日ある。皆文句を言うが学校卒業すると急激に太る者も多いので、その効果屋意味は歴然としている。水泳が人気。水着は自由なので派手過ぎる、過激すぎる水着を着る子もいる。そして大体親に怒られる。 数学 数学は宰相府でもっとも重視される教育課程であり、軍事学校の入試でも必須項目である。数学ができないと宰相府では出世の目がない。 帝國共通語 宰相府の平民訛りは早口過ぎて他国では通じにくいので、帝國共通語の面倒くさい修辞や文字の美しい書き方などは学校で叩き込まれることになっている。不人気科目なのだが、文化に憧れる少年少女はここぐらいでしか文化に触れられない。 読解力 初等教育で成績の明暗を決めるのは教科書や先生が何を言っているかを理解する事である。宰相府ではこの点を重視し、語学でも全て出題者は何を考えているのかを考えるのがもっとも重要とする勉強を課している。 整備 宰相府では機械と付き合わないと生きていけないため、生きるために機械の整備を教わる。就職先も増えるし、家にある古い家電も修理できるようになる。 プログラミング 宰相府の学校ではプログラミングを教えるが、大部分がコンピューターに口頭命令してプログラミングするというリクエスティングプログラミングに割かれているv。本当の意味で構文を書いていくことはない。 ロボットと対話するにもこのプログラミング授業は役に立つ。 ○学校職員 名誉校長 多くの宰相府私学校では名誉校長職を置いてオーナーである貴族やその子を置く。優秀な成績者はそのまま引き取ってさらに勉強させたり就職させたりする。 校長 校長は職員達を率いる立場の者で、多くが貴族の元で長年仕事をしてきた腹心である。宰相府での情報収集なども行う。抜け目ない者が多い。 教師 教師はだいたいが私学校のOBである。優秀なのだが、一様に厳しい。というのも、卒業後の就職難をよく知っているからである。宰相府は強くなければ生きていけないのだ。 補助教員 補助教員は体育やプログラミング、整備などで使われる。よりきめ細かい指導が出来るように小グループでの授業を行うからである。 事務員 事務員は学校の面倒くさい事務の数々をやっつける者で、多くがパートタイムである。それでも貴重な職場なので倍率高く、優秀な者が多い。戦争事務が必要な時臨時雇用もされる。 給食の料理人 学校では給食が定められており、給食目当てで学校を選ぶ者も大量にいるので、各学校かなり力を入れている。外国人も多くリマワヒや蒼梧からも料理人が来ている時がある。 ○資源採掘所 資源採掘所とは 資源を採掘するところを資源採掘所という。人も国も資源なしには始まらず、言い換えれば歴史とは資源の流れの変化と言い換えることもできる。多種多様な資源を底なしに消費していくのが国のありようである。 資源は砂 宰相府の場合。資源はほとんど周辺の砂でこれをまかなっていた。宰相府をとりまく巨大な砂漠は、実のところかつての文明の名残であり、かつては都市であり、人の住む場所であった。T19で起きた大破壊で、その際使われていた資源は砂になり、今に至るのであるが、これを再利用しようというのである。 (再利用)―――――――――――――――――――――――――― 宰相砂漠 宰相砂漠は宰相府を取り巻く巨大な砂漠である。宰相府藩国の二〇〇倍以上の面積があり、この砂漠のせいで宰相府は孤立気味である。 ○宰相砂漠の砂 宰相砂漠の砂 宰相砂漠の砂は鉄を多く含む場所やケイ素ばかりの場所、希少元素を含む場所など沢山ある。これは古代文明の名残であってこれらの砂はそのまま資源として再活用されている。 ○資源砂 資源砂とは 宰相砂漠で取れた砂を選り分けて均一化したもの。3Dプリンターの出力材料に使われる。無尽蔵の原材料と喜ぶ部分もあるにはあるが、原材料費が安い関係で商売としてはあまりうまくいっていない。過去に乱高下や需要予測の失敗による倒産などがあって、不安定供給が続いた。とはいえないと困るので今では国営工場で大量生産して安価に、しかし儲けが出るように売って専売化している。 ――――――――――――――――――――――――――(再利用ここまで) 簡単そうで簡単でもない砂の集め方 資源砂という名称はもつものの、砂を集めてくればいい。というわけでもない。というのも砂は玉石混淆の状態で、ふるい分けや精製をしなければならないからである。 場所の選定 資源砂を鉱山に変える第一歩は、砂漠の状態や各所の砂の組成を知ることである。欲しい資源が含まれていない砂をどれだけ掘っても意味が無い。 場所探しは航空機で 宰相府の資源砂は初期調査の段階では航空機で調べる。レーザーやレーダースキャンしながら飛んで大雑把な組成を知るのである。資源が固まった場所を見つけたら、いよいよ次の段階だ。。 ○調査機リソースシーカー ソースシーカーとは 小型のビジネスジェット、モコの延長胴体型200を改造した資源調査機である。調査機材として光学センサー、磁力センサー、レーザーセンサー、投下型調査機を搭載する。 改造 ビジネス機から転身 長時間飛行することと、搭載機材に振動を与えないことからポピュラーなビジネス機であるモコが選ばれた。速度性能は必要なかったが、大がかりな改造を嫌がってそのままになっている。のちにそれが資源調査で多いに役立った。 各種センサーで地面と地下の資源を探す リソースシーカーは大きく蛇行しつつ、機体下面に集中配備されたセンサー類で地面と地下を装備する。資源には固有の光学的、電磁的特徴があり、これらを利用して調査を行う。 投下機 機体後部にレトロフィットする形で投下型資源調査機と投下機を装備しており、投下して突き刺し、サンプルを採取してデータを送る。ちなみに使い捨てである。装備数は12本である。 測位 資源調査は地図とのにらめっこである。衛星と基地局からの電波を捕まえて正確な測位を行い、調査地点を正確に記録する。これらは自動で行われ、センサー情報と紐付けられる。 均一なデータを得るために 資源調査で重要なのは同一条件で得られたデータである。時刻や日照、気温はもちろん、機体の高度や傾きも重要なファクターになる。本機はなるべく条件を均一にするため、高度5000mで直線移動中のみ調査を行った。 配備 リソースシーカーは民間から16機が購入された。改造も民間である。後、事故や故障で3機が失われたが、その都度新たに機体を購入して定数維持につとめている。機体が小型なせいで多数整備できた部分もあるが、機体が小さいせいで多数必要だったという説もある。 混雑する空を飛ぶ 宰相府の空は過密で、資源調査機もその影響を受けやすい。この時、本機の高速性能が役立った。他のビジネス機と同じ速度なので航路に割り込みしやすいのである。低速機ならこうはいかず、調査は中々進まなかったろう。 輸出 資源調査機の成績に気を良くしたメーカー(アリエス航空機製造所)は各国に売り込みに入っているが、今のところ成約までには至っていない。 ○ビジネスジェット モコ ビジネスジェット モコとは 六人乗りのビジネス/プライベートジェットで低翼航法背負い式ジェットエンジン2機を持つ。宰相府の民間設計の民間製造機で、貴族を中心にかなり売れた。 民間航空の幕開け きっかけは宰相府軍事空港の一つが郊外に移転、民間に下げ渡された所からはじまる。環状線を待っていられないせっかちな客を中心に宰相府の民間航空時代が花開いた。 需要と供給 小型ビジネス機 中でも貴族などはビジネス/プライベート機を欲しがった。警護の関係上航空機の方がずっと安上がりなのである。中でも小型機は特に需要が多かった。これに答えたのがモコである。 設計 名前はモコだが細くてシャープ そんな中設計されたモコは、6席のゆったりしたビジネス機として開発された。後退翼をつけて背負い式の小型ターボファンエンジンを二基装備し、せっかちな客のために高速に飛ぶように作られた。騒音振動を減らし、室内を豪華にするために貴族をオブザーバーにして内装を作っている。 長い航続距離 モコは長い航続距離を与えられた。これは宰相府の空港が過密で空中待機時間が長い時があったからである。それ自体は小型機用の滑走路が四本作られて解消したが、長距離移動に向いているとして売り出し、設計変更をせずに量産が続いた。 バリエーション モコは導体を延長する形でいくつかのバリエーションを作った。胴体延長型を200、300,400と呼び、基本形を100と命名し直した。乗員は200で8名、300で12名、400は一般旅客用でエコノミー20席という形だった。 ――――――――――――ここまで サンプルを集める 航空機で資源地図を作成したら、次は実際に現地に行って砂を集めて成分分析をしなければならない。これには専門の調査会社があって依頼することで調査をしてくれることになっている。 ボーリングマシン サンプルを採取する際にはボーリング調査も行われる。というのも、最大で数mの風ではこばれてきたただの砂が堆積していることがあるからである。 採算分岐点からの決定 サンプルを分析したら次はどこを鉱山にするのかを決定する。採算分岐点の観点から大抵の地点はハズレになってしまう。簡易なふるい分けはするにせよ、輸送コストがかさんでしまうためである。 臨時採掘所の作成 資源砂の資源埋蔵量は多い。とはいってもそれはあくまで計算上の話で、実際では輸送コストや精製コストの観点で、資源ではあるけど商用には達しない砂が大部分である。それでも、場所を限れば黒字化できるわけで、そういう有望な場所には臨時採掘所が作られる。臨時と名前がつくのはおよそ数年で資源がつきて次の場所へ移動するためである。 無断採掘対策のパトロール 採算分岐点の資料を基に無断資源採掘を防ぐために航空パトロールが行われる。これらは空軍の飛行テストや訓練と一緒に行われる事が多い。 シャベルカー 砂をかき集める任務は今も昔もシャベルカーである。民間用と同じでロボット運転されているくらいしか違いがない。シャベルカーが掘った砂はこれまたロボット運転されるダンプカーで輸送される。 初期のふるい分け 資源砂はこのまま精製所に持って行くことはなく、一端簡易的なふるい分け工程を行って重量を減らし、輸送コストを低減させている。この段階で97%の重量が節減される。 不要な砂の山 初期のふるい分けで要らなくなった砂は、隣接地に運ばれて捨てられる。右から左への移動ではあるが、数年もすると砂の山がいくつも並んでこれはこれで観光資源になるという。 段差の作成 資源砂を掘った後は穴が作られる。いわゆる露天掘りである。盆状に掘られて拡張されていく。この時うまく設計、計画されていないと採掘効率が悪くなり、ダンプカーが渋滞したりスタックしたりするので入念に計画が決められている。 凝固剤 砂と混ぜることで固まる凝固剤があって、段差作成時にはこれが大いに活用される。セメントを配合した土で、陥没を埋めるときにも使われる。簡易的なものなので本格的な建築には使えないが、こういう用途では大活躍である。 ダンプカーに乗せる。 初期のふるい分けが終わったらダンプカーに乗せて、精錬所に輸送する。これらは全数がロボットカーである。それはもう宰相府の平民が不景気なわけである。仕事が奪われてしまっているわけだ。ただ、これらのロボットカーでなければ採算の面から砂を資源化できないのも確かだ。 ○ロボットダンプカー ホリホリ3000 ホリホリ3000とは M車台を利用した民間のダンプカーで、16tの土、砂を輸送できる。油圧起倒式の後部荷台を持ち、下ろす際は他の機材の助けを借りないで作業を行える。 強化車台 M車台を使用しているのだが、フレームは強化されてより重量物を運べるようになっている。ちなみに足回りなどはそのままである。通常はデチューンしているのだが、重量物を乗せるために足回りが強化される必要があったからだ。 足回りが良いおかげで ホリホリ3000は足回りが強い関係で砂漠でも特に問題なく運用できた。これにはルート選定の努力もあったが、本機の軍用機由来の優秀性も相当寄与している。 (再利用)M車台 ――――――――――ここまで 並ぶダンプカー ダンプカーは並んで行儀良く走り、道を外すことはない。なぜなら砂漠では砂にタイヤを取られることがありえるからである。人間の眼に道はなくても、ロボットカーには道があるのだ。 砂の保管所 資源砂は最終的に郊外の保管所に集められる。資源の種類毎に保管所は異なる。ここの軽微にはチキンレッグが使用されている。 精製までが資源採掘 宰相府の特殊事情。 通常保管所まで送れば資源採掘は終了になるのだが、宰相府の場合というか、資源砂に関してはこの後の精製処理までが資源採掘になる。というのも、他と比較して、依然としてこのままではどんな材料にもならないほど不純物が多いからである。他国で同様事例が少ないのは、この精製が大変だからである。 ふるいにかける 精製処理課程では大きさや重さ、磁力にくっつくくっつかないなどの、いくつもの過程を重ねてどんどん精製していく。三〇工程で不純物を取り除き、ようやくこれでまともな資源になっていく。 分離したあとの転用 分離した不純物はさらに再分離して使える資源を集めていく。副次品であるこの分離物たちもまた貴重な資源である。ついでに鉄などもこの段階で集められていく。所謂砂鉄である。鉄は昔と比べて使用頻度は減ったが、未だに産業の背骨をなしている。 レアメタル・レアアースの抽出 レアメタルやレアアースは資源砂の中でも特に含有量が少ないために、専用で掘るような事は無く分離過程の副産物として回収される。余った分は輸出に回されるが、宰相府で使い切ることの方が多い。 熱処理を行う 砂状になった材料は3Dプリンター出力用途に袋詰めされ、そのまま出荷されるものもあるが、このまま熱処理を加えて精錬されるものもある。 インゴットにする 熱処理を加えて精錬した材料は、最終的には型に流し込んでインゴットの形で出荷する。その全てに宰相府の印がつき、番号がついて、追跡などができるようになっている。 二四時間操業 資源採掘所は精錬に高炉を使っている関係で、二四時間連続操業をおこなっている。採掘から精錬まで一貫しているので効率は大変に良い。逆に言えば、ここまでやらないと黒字になってない、ともいう。資源を横取りしようにも儲からないのだ。 熱効率をあげろ 宰相府では熱処理で使う熱も、再利用する。タービンを使って発電に使う他、海水の真水化に使用したり、一部は追い炊きしてさらに高炉に戻すこともやる。熱効率を高めることでコストはさらに低減する。 圧延加工もやる 熱効率を上げる一貫で、インゴットから圧延処理などをして簡単な加工処理も行う。一部は鉄工所などの仕事を奪うものではあるのだが、宰相府では建前上私領なので考慮されることはなかった。 自動巡回ロボット 資源採掘に人間の手は原則入らないが、入らないとなると侵入者などが割り込む可能性がある。このため自動巡回ロボットが監視活動を行い、事故や侵入者に対して対応を行うことになっている。侵入者は警察への連絡という分かりやすいものである。 製品チェック いくつもの工程を経て完成した資源は出荷前に検品を行い、問題ないのを確認した後で出荷される。念には念をいれているわけでおかげで要求品質以下になった例は一度も無い。 ゴミをどうするか。 資源ができたからといって資源採掘は終わりではない。効率化と利益追求だけではうまくいかないのがアイドレスだ。資源採掘地も同じで主目的以外の対策も行われている。その内の一つがゴミ、である。宰相府では資源採掘地のゴミ対策に力を入れている。 環境対策 煙 空中に出るゴミが煙である。フィルターや吸着装置を使って熱回収をしつつも有害な煙を無害化し、さらには低温化し、無色になるようにも気をつけている。観光国でもある宰相府ならではの念の入りようである。 環境対策 土壌汚染 土壌が汚染されないように建屋の下の土台はしっかり作られ、三重化する一方で有害物質を封じ込めてコンクリート内に埋めて地下埋設を行っている。 環境対策 水質汚染 砂漠には雨が降るときもある。このため、年に何回も使わないとはいえ、水質汚染対策は必須である。宰相府では高炉や分離工程を全て密閉建屋内で行い、さらに排水路を複数設けて汚染水が出ないように努力をしている。 ゴミの再利用 魚礁に オブジェに 発生するゴミの中でも有害物質が少ないスラッグは、埋め立て処理など行わずに海に配置される。海洋中の鉄分が増えることで生態系が豊かになるためである。この数十年で海の生物が随分と増えた。 保管と再輸送 資源採掘所で生産された資源はそのままトラックで輸送、配送されて使われる。保管に回される者もいくらかあるが数は少なく、多くは採掘と同時に消費されている。 未知の素材の研究 資源採掘時に微量な未知の資源が発見されることがある。実際資源になるかはおいといて、宰相府ではこれらの集積と研究に余念がない。 高機能材料の製作 宰相府では未知の素材研究と一緒に高機能材料の試作と製作が行われている。高機能材料はそれだけで売価があがり、利益を上げるため相当力を入れてやっている。年に数百の論文が作られている他、その数倍の論文に出来ない知見が蓄えられている。 掘り起こし対策 地下に危険なものが埋まっているかもしれない。アイドレスではよくある危機の一つである。宰相府もこの点理解して、深く掘り進めないようにしている。そもそも砂を資源にしようと考えたのも鉱山を掘り進めるのを危険視したためである。 ○燃料採掘所 宇宙採掘所とは 宇宙採掘所とは、文字通り宇宙にある採掘所である。採掘と書いているがこれはマイニングの訳語の問題で実際はどう発電するかについて述べる。 莫大な需要 エネルギー、中でも電気には莫大な需要がある。中~高物理に必須の存在であり、この価格が産業の競争力を決める。安く安定したエネルギーを供給する計画は政府の根幹をなす重要な政策の一つである。 エネルギーを宇宙に求める。 発電という観点でいくと地上ではかなり低い限界がある。安全性や土地の活用という観点で発電所の面積を大きく持てないなどの問題だ。送電ロスを考えても宇宙で発電した方が多くのエネルギーを得られる、という段階は存在する。 宇宙採掘所の規模 宇宙で発電する最大のメリットは大気による減衰なしに太陽のエネルギーを利用できることである。また、土地と違って空間を広く使えるのもいい。具体的には地上と比較して一万倍の空間容積を持っていても何の問題もない。その分、低コストに大エネルギーを発生させられる。 材料の打ち上げ 宇宙採掘所で問題になるのは材料費の高さである。この費用の99.9%は打ち上げコストである。ところがすでに宇宙で生活、生産をしている環境なら、打ち上げコストはほぼなくなる。宇宙採掘所の根底をなすのは宇宙で生活する人々の協力である。 送り出す材料たち 宇宙で生産された材料群はそのままマスドライバーで初期加速を与えられて送られ、目的地に投射、キャプチャーされる。何十万のパーツが宇宙で行列をなして飛翔するさまは面白い。 〇マスドライバー マスドライバーとは マスドライバーとは主として宇宙で使用される質量投射施設のことである。ロケットなどと比較して安全、低コストにかつ大量に質量を輸送できる。 マスドライバーとレールガンの関係 マスドライバーは原理的にレールガンとほぼ同じである。また質量物を投射されたら、これはそのまま兵器に転用も可能である。 マスドライバーの原理 マスドライバーは二本のレールの上を走る。だからレールガンである。マス=弾体(輸送コンテナ)は高電位をかけられてプラズマ化し、ローレンツ力を得て加速、射出される。 別方式マスドライバー あまり類例を見ないのだが電磁石の反発力で段階的に加速させるコイル型マスドライバーというものがある。これのいいところは普通のマスドライバーよりコンテナが安いことである。ただ速度が遅くてあまり利用されない。 マスドライバーの安全対策 兵器転用の危険性から、マスドライバーは身近な輸送手段の一つでありながら、重要なセキュリティ対策として厳重に警備されるものでもある。性格上すべてが国営で民間が運用することはない。 マスキャッチャー マスドライバーで投射したものは受け取らないと意味がない。これを行うものをマスキャッチャーという。大体は会社組織で船外作業で受け取る。長い航海の間に軌道がずれることがあり、またレールに乗せるというわけにもいかないのである。 旅客輸送には向かない 便利なマスドライバーなのだが、初期加速が強烈なので旅客輸送には向いているとはとても言えない。また近距離輸送、超高速輸送にも向かない。 ―――ここまで 宇宙での組み上げ マスドライバーによって運ばれた採掘所の材料は、太陽の近くの宇宙空間で組み上げられて配置される。太陽光発電パネルと粒子加速器である。 太陽に翼を広げる 太陽光発電パネルは5000平方kmに渡って配置され、太陽の熱エネルギーや光エネルギーを電力に変換する。これが第一段階である。 太陽の覆い 太陽に蓋するように太陽電池パネルは並べられるが、太陽そのものがべらぼうに大きく、蓋どころか点にもなってないような状況だ。 粒子加速器 太陽光発電パネルで発生した電気はそのまま輸送されたりはせず、一旦反物質に変換される。粒子加速器の駆動エネルギーに使われるのである。 反物質の生成 粒子加速器内を加速する粒子は、反対側から加速された粒子とぶつかる。この時一定の確率でスピンが逆になる反陽子、反電子が発生する。これから作られるのが反水素、反物質である。 反物質のエネルギー 反物質は通常の物質とぶつかることで対消滅を起こしてこの時質量をほぼ完全にエネルギーに転換する。質量比としてみるとこれ以上効率の良いエネルギー源はない。輸送に最適、というわけだ。 反物質の保管 反物質は冷ました後(作ったばかりは熱いのである)、真空の磁気トラップ容器に入れられ、保存される。この容器の信頼性はそのまま安全性につながるので二重三重に安全対策が施されている。 反物質の輸送 反物質は専用の容器に入れて宇宙船にて輸送される。軍艦、I=Dによる護衛付きのものものしいものだが、それの持つエネルギー量を考えれば仕方ない。 推進剤にも 反物質はそのまま理力を用いない宇宙船の推力に用いられる。対消滅エンジンである。通常空間を移動する方式としてはこの方式がもっとも加速力を得られる。 1kg:20tの反応 反物質による対消滅は、最近では完全な対消滅より多い通常物質を用いた方がエネルギーが取れるという方向にシフトしている。対消滅の名前に偽りありだが伝統的に今でも対消滅と呼ばれる。反水素分子1kgに対して20tの水分子を用いるのが現在の基準だ。 水を運ぶために 対消滅を行うためには水が大量に必要になる。このため水を運ばないといけないのだが、地球からの打ち上げはこれまたコストがかかりすぎる。そのため低コストの水として、木星系の衛星が使われる。 カリスト カリストは大部分が厚い氷で覆われている。それでいて重力は非常に軽い。このためカリストは水を送るために最適な場所である。 ガニメデ カリストと同じくガニメデも厚い氷に覆われている。重力が小さいのも同様である。ここにもマスドライバーが作られて氷を射出している。 エウロパとイオに基地はない エウロパには地球外生命が存在しており、資源採掘の対象にはなっていない。環境保護区である。ちなみにイオは水がない上に火山活動が激しいので基地は作れなかった。 ロボット採掘機 水、というか氷の切り出しと基地までの輸送はロボットが行う。車両型で目新しいことは何もしていないが、大量生産されている。多くはFVBの民間生産品を無人化改装したものである。 〇宰相府マスドライバー基地 宰相府マスドライバー基地とは 宰相府マスドライバー基地は宰相府がカリストとガニメデに設置したマスドライバーのための基地である。軍事的な基地は土星系と天王星系にある。 規模 宇宙サイズ 20km級マスドライバーは二本存在するほか、補給を受け取るためのマスキャッチャー用のボートヤードが9つある。 定員 少なすぎず多すぎず 20名ほどで運営される。本当は3人でも十分なのだが、精神衛生上の問題があるので家族単位で住まわせている。任期は五年。報酬は破格に高いが志願者はあまりいない。失恋者が良く志願するが、なるべく選ばないようにしている。 低重力対応 低重力に対応できるように一部はサイボーグ化される。肝臓膵臓は置き換えられ、骨もカルシウムが溶け出さないようインプラントが埋め込まれる。ただ筋肉については置き換えが許されず、おかげで毎日運動をたっぷりすることになった。 人の仕事 ロボットの指揮と整備 基地を完全自動化する案はあったのだが、安全上の理由から秘書官団の反対にあって有人基地とされた。住むのも大変なのだが無人化の嵐が吹き荒れていた時代なので仕方ないのかもしれない。人は補修ロボットを補修し、指揮してマスドライバー基地の保全に努めている。かなりの閑職である。 マスドライバー施設 基地のほとんど全部と言ってもいいのが20kmのマスドライバーである。二本あって輸送力にはかなりの余裕が持たせてある。これは需要予測が変動したり破壊されたりしたときのためである。 補修ロボット 補修ロボットは足の先が磁石になっている8脚のロボットであり、のんびり歩きながらスキャン、補修地点を見つけると内臓資材から取り出して補修を行う。大規模補修では複数が協力してブロックごと交換する。 通信中継地として あまり意味はないのだが、万が一のこととしてマスドライバー基地は例外なく通信中継基地として機能するようになっている。レーダーなどは持ってないが指向性アンテナやレーザー通信機を持っており、味方に限ればおよその場所なども特定できる能力もある。 ------ここまで 常時変わる輸送ライン 当たり前の話しながら、地球も木星も太陽を巡る。位置を刻々と変えているわけである。このため輸送ラインもどんどん変わっていく。この計画は基地側の計算機で行う。 到達に5年はかかる マスドライバーで加速するにせよ、宇宙空間は広大で水が地球近くまで届くには膨大な時間がかかる。なんと五年である。 需要予測の重要性 輸送に五年かかるとなると、重要なのは需要予測の重要性である。予想が外れると在庫の山か、エネルギー不足になってしまう。統計と予想をもとに需要予測が立てられる。 途中損耗の計算と実測 水輸送中に微小天体との衝突などで若干の輸送物が破壊される時がある。あるいは破壊に至らないでも不正回転に陥ってキャプチャーが難しい時がある。 〇マスキャッチャーボート マスキャッチャーボートとは 低速小型のマスドライバーからの荷物を取りに行き、輸送船に積んだり諸定位置に浮遊させたりする民間船籍の宇宙船である。 減速は惑星が行う マスドライバーの投射した荷物は初期加速のあと、完成の法則で移動する。移動後は惑星や太陽を利用して減速、マスキャッチャーボートにキャッチされる。 宇宙を飛ぶ骨組み マスキャッチャーボートの定員は二名。宇宙服を着て乗り込む。与圧も何も操縦席は露天であり、エンジンと推進剤含めて大部分がむき出しである。大きさは50m。箱型の骨組みで荷物を押して輸送する。(プッシャー式、という) マスキャッチャーボートの運用 マスキャッチャーボートは二隻一組で運用される。通常は三〇組を一つとして母艦(移動基地)に係留されて運用される。任期は半年ほど。これは地球までの距離が短いために人員輸送が安上がりなためである。木星系の基地だとなかなかそうはいかない。 ロープワーク 回転を正す仕事 長い輸送の旅の中で荷物は不正回転をしている時がある。一番ありそうなのは微小天体に衝突したパターンだ。 マスキャッチャーボートはこの回転を自身の質量と推力で止める仕事がある。ロープをつなぎ、引っ張ったり緩めたりして回転をただすのである。 -------------ここまで 中間貯蔵施設 ただし何もない 中間貯蔵施設とは、宇宙空間に氷を並べる場所である。特に標識などがあるわけでもなく、本当に何もない。しかも需要が多いと水も大量消費されて氷すらなくなることもある。 衛星発電 太陽付近で生成された反水素と木星系で集められた水は地球の高軌道(静止衛星軌道)で作られた巨大な宇宙発電機によって発電される。ここも重要施設で警備は堅固である。 マイクロウェーブ送信 衛星発電された大電力はそのまま宰相府に向けてマイクロウェーブ送信される。出力が大変高いため、横切ると人間なら即死、宇宙船も無事では済まない。このため制限区域として注意喚起されている。 マイクロウェーブのメリットは三つ マイクロウェーブ送電のメリットは三つ。一つは送電ケーブルを作らないでいいこと。二つ目にメンテナンスが容易なこと、三つ目が大エネルギーを輸送できることである。送電ケーブルだと融解するような高エネルギーもマイクロウェーブなら送ることができる。 バード対策 宰相府がマイクロウェーブ送電に切り替えたころ、鳥が大量死する事件があった。このため一計を案じてマイクロウェーブ受信設備に寄らぬように忌避誘導電磁波を張り巡らせるようにした。これによって鳥の大量死はなくなった。 地上受信施設 最終的に宇宙で発電された莫大なエネルギーは地上受信施設にて受信され、変換、通常の電気として各地に送電される。 安全対策 離れているのが一番 地上受信施設はマイクロウェーブの影響を受けて頭痛などが起こりえるために宰相府から離れた砂漠の中に作られている上空含めて立ち入り禁止である。無人機による警備が行われている。 地下送電施設 地下送電施設は浅い地下を走る埋設ケーブルである。深いところを掘るとよからぬものを掘り出す可能性があるため、あくまで地下数mを移動する。電柱方式にしないのは電気泥棒が後を絶たないため。 変圧機 送電時は送電ロスを減らすために高圧で移送するが、実際の使用では電圧が高すぎる。このため変圧器を通じて電圧を減らす。消費地である住宅街や工場、観光地、軍事基地でも変圧器は見ることができる。身近なちょっとした施設である。 売電会社に売電 国営事業としてはここまでで、この先の各家庭との契約などは売電会社の仕事である。宰相府は定率で電気を売電会社に売却している。競争入札である。 蓄電技術の発達 昔と比べれば蓄電技術は発展しており民間送電会社は蓄電設備を用意して価格変動をなるべく抑えるようにしている。 化石燃料 宰相府では昔ながらの化石燃料の採掘も行っている。燃料としてもいまだに一部の国で需要があるほか、石油系の化学製品が欲しいためである。 ささやかな電気 宰相府の平民たちは慢性的不景気でケチである。このため宰相府から電気を買わずにどうにか自作しようと頑張っている者たちもある。宰相府自身は特に規制していない。ただ、地下の掘り起こしについては許認可事業としている。 太陽光パネル ささやかな充電で一番人気なのが太陽光パネルによるものである。どこの家にもこのパネルがあり、少しでも発電効率を良くしようと掃除している姿を見かけることができる。 上水発電 また、水量が安定する上水道に水車を置いて発電することも多い。同様に下水発電もある。これらは違法行為で水の流れを悪くすると逮捕だが、そうでない限りは黙認されている。 川での発電は禁止 上下水道の発電が許される一方で、河での発電は全面的に禁止されている。生物などへの影響が大きいためである。 ○ネットワークの置き換え 暫定措置 ネット対策 ネットワークが使えないと軍事的にも生活的にもつらい。そこで、暫定的な処置を行って対策とする。基本的な対策は魔法ネットに置き換える。である。 電気信号の魔法への変換 通信を受け取ると精霊回路で電気信号を魔法に変換し、念話で通信を送り、また電気信号に複合する。ネットワーク問題はこれだけで解決する。 それ、TLOじゃん! 魔法と科学の融合はTLOであって大変に良くない。だから暫定的な処置である。この問題を最小にするためにこの処理部分はブラックボックス化され、宰相がこっそり行うことになった。 ○国家のセキュリティ 金をかける セキュリティを高める最大の手段は金である。情報の価値を知っているものは莫大な金をコストとして払う。それができないから陥落するのである。世界一狙われても無事な企業は払っているコストもすごい。 専門家を雇う、育成する どんな技術でも結局は人が、専門家が勝負を決める。人を厚遇し、スキルを鍛え上げてやる。そのための選抜と教育が大切だ。 アップデートを続ける ネットセキュリティの基本はいたちごっこである。それでよい。永遠のいたちごっこに負け続けないことが重要だ。 許容量を超えたら縮退運転する 同時アクセスなどでオーバーフローを目指すのはどこの国、時代でも同じである。対処の基本はオーバーフロー前に一度限定することである。 大切なものは切り離す 大切なデータは切り離しておくことが大切である。隔離は昔から大切なセキュリティ確保手段だ。相手にどれだけコストを払わせるかもセキュリティには大切な観点である。 〇名家 名家とは 設定国民の一族の中でもACEになるほどでもないが設定国民としては大変な活躍をして家の血筋を続け、ついには一般に名家と呼ばれるようになったものを名家という。 〇宰相府の名家 ミカツキ家  代々をレストラン・マーチラビットを運営する一族。分裂したり分家を出したりしつつもしぶとくレストランを残し続ける。和錆家が上客で常に特別席を用意して待ち続けている。まれに秘書官、吏族を輩出する。 裏メード一族  キノウツン系のメード団体。仕えるの意味をそもそも間違ってる。共和国はこれだからとバトルメードに言われて独立してより民主的なメード活動をしていると自称する。主として平民向けカフェをやっている。情報網はかなりのもの。 ワーナー家 宰相府の秘書官たちを見送っていた整備士たちから出てきた整備の名家。じいさんが秘書官が飛んでいくのをを心配そうに見てたんで整備士になりました。とかいう人ばかりである。実は叙勲されて当主は騎士である。 エトラン1109家  厳密には人間ではないAIの一族。ポレポレの子孫を自称する。たまにチキンレッグ内に入っているときや、無人戦闘機内にいるときがある。 キノ家  キノウツンの遺民の中で主として高原家周辺に代々居住していた人々の総称。もともとは木の家。からきている。高原家の家族を見守るためについてきた。多くが歩兵を輩出する。同族婚が盛ん。 ネーヴェ家  もとは魚屋を営んでいたところ、猫がサバちょうだいというのであげたら飼い主がやってきて取り立てられたという出自から始まる宰相府の名家。サバをあげた猫の名前をそのまま名字にしている。猫の肉は絶対食べない誓いを立てる。政治家、軍人をたびたび輩出している。帝國内で猫を紋章にする変わり者とされる。騎士。