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RPGキャラバトルロワイアル10
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RPGキャラバトルロワイアル10

1 :創る名無しに見る名無し:2011/06/13(月) 00:06:08.99 ID:HYxsnSyY

このスレではRPG(SRPG)の登場キャラクターでバトルロワイヤルをやろうという企画を進行しています。
作品の投下と感想、雑談はこちらで行ってください。


【RPGロワしたらば】
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/11746/

【RPGロワまとめWiki】
ttp://www32.atwiki.jp/rpgrowa/pages/11.html

【前スレ】
ttp://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1281770105/l50
テンプレは>>2以降。

2 :創る名無しに見る名無し:2011/06/13(月) 00:09:16.26 ID:HYxsnSyY
参加者リスト(○=生存、●=死亡)


2/7【LIVE A LIVE】
● 高原日勝/ ○アキラ(田所晃)/ ●無法松/ ●サンダウン/ ●レイ・クウゴ/ ○ストレイボウ/ ●オディ・オブライト
2/7【ファイナルファンタジーVI】
●ティナ・ブランフォード/ ●エドガー・ロニ・フィガロ/ ●マッシュ・レネ・フィガロ/ ●シャドウ/ ○セッツァー・ギャッビアーニ/ ○ゴゴ/ ●ケフカ・パラッツォ
2/7【ドラゴンクエストIV 導かれし者たち】
○ユーリル(主人公・勇者男)/ ●アリーナ/ ●ミネア/ ●トルネコ/ ○ピサロ/ ●ロザリー/ ●シンシア
3/7【WILD ARMS 2nd IGNITION】
○アシュレー・ウィンチェスター/ ●リルカ・エレニアック/ ●ブラッド・エヴァンス/ ●カノン/ ○マリアベル・アーミティッジ/ ○アナスタシア・ルン・ヴァレリア/ ●トカ
1/6【幻想水滸伝II】
●リオウ(2主人公)/ ○ジョウイ・アトレイド/ ●ビクトール/ ●ビッキー/ ●ナナミ/ ●ルカ・ブライト
3/5【ファイアーエムブレム 烈火の剣】
●リン(リンディス)/ ○ヘクトル/ ●フロリーナ/ ○ジャファル/ ○ニノ
1/5【アークザラッドU】
●エルク/ ●リーザ/ ●シュウ/ ●トッシュ/ ○ちょこ
2/5【クロノ・トリガー】
●クロノ/ ●ルッカ/ ○カエル/ ●エイラ/ ○魔王
1/5【サモンナイト3】
●アティ(女主人公)/ ●アリーゼ/ ●アズリア・レヴィノス/ ●ビジュ/ ○イスラ・レヴィノス


【残り17/54名】

3 :創る名無しに見る名無し:2011/06/13(月) 00:11:18.24 ID:HYxsnSyY
【基本ルール】
 全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が勝者となる。
 勝者のみ元の世界に帰ることができる。
 ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
 ゲーム開始時、プレイヤーはスタート地点からテレポートさせられMAP上にバラバラに配置される。
 プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。

【スタート時の持ち物】
 プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収。
 ただし、義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない。
 また、衣服とポケットに入るくらいの雑貨(武器は除く)は持ち込みを許される。
 ゲーム開始直前にプレイヤーは開催側から以下の物を支給され、「デイパック」にまとめられている。
 「地図」「コンパス」「筆記用具」「水と食料」「名簿」「時計」「ランタン」「ランダムアイテム」
 「デイパック」→他の荷物を運ぶための小さいリュック。詳しくは別項参照。
 「地図」 → MAPのあの図と、禁止エリアを判別するための境界線と座標が記されている。
 「コンパス」 → 安っぽい普通のコンパス。東西南北がわかる。
 「筆記用具」 → 普通の鉛筆と紙。
 「水と食料」 → 通常の成人男性で二日分。
 「名簿」→全ての参加キャラの名前のみが羅列されている。写真はなし。
 「時計」 → 普通の時計。時刻がわかる。開催者側が指定する時刻はこの時計で確認する。
 「ランタン」 → 暗闇を照らすことができる。
 「ランダムアイテム」 → 何かのアイテムが1〜3個入っている。内容はランダム。

【禁止エリアについて】
放送から1時間後、3時間後、5時間に2エリアずつ禁止エリアとなる。
禁止エリアはゲーム終了まで解除されない。

【放送について】
0:00、6:00、12:00、18:00
以上の時間に運営者が禁止エリアと死亡者、残り人数の発表を行う。
基本的にはスピーカーからの音声で伝達を行う。

【舞台】
ttp://www32.atwiki.jp/rpgrowa?cmd=upload&act=open&pageid=40&file=rowamap.jpg

【作中での時間表記】(0時スタート)
 深夜:0〜2
 黎明:2〜4
 早朝:4〜6
 朝:6〜8
 午前:8〜10
 昼:10〜12
 日中:12〜14
 午後:14〜16
 夕方:16〜18
 夜:18〜20
 夜中:20〜22
 真夜中:22〜24

4 :創る名無しに見る名無し:2011/06/13(月) 00:13:23.14 ID:HYxsnSyY
【議論の時の心得】
・議論感想雑談は専用スレでして下さい。
・作品の指摘をする場合は相手を煽らないで冷静に気になったところを述べましょう。
・ただし、キャラが被ったりした場合のフォロー&指摘はしてやって下さい。
・議論が紛糾すると、新作や感想があっても投下しづらくなってしまいます。
 意見が纏まらずに議論が長引くようならば、したらばにスレを立ててそちらで話し合って下さい。
・『問題意識の暴走の先にあるものは、自分と相容れない意見を「悪」と決め付け、
  強制的に排除しようとする「狂気」です。気をつけましょう』
・これはリレー小説です、一人で話を進める事だけは止めましょう。

【禁止事項】
・一度死亡が確定したキャラの復活
・大勢の参加者の動きを制限し過ぎる行動を取らせる
 程度によっては雑談スレで審議の対象。
・時間軸を遡った話の投下
 例えば話と話の間にキャラの位置等の状態が突然変わっている。
 この矛盾を解決する為に、他人に辻褄合わせとして空白時間の描写を依頼するのは禁止。
 こうした時間軸等の矛盾が発生しないよう初めから注意する。
・話の丸投げ
 後から修正する事を念頭に置き、はじめから適当な話の骨子だけを投下する事等。
 特別な事情があった場合を除き、悪質な場合は審議の後破棄。

【NGについて】
・修正(NG)要望は、名前欄か一行目にはっきりとその旨を記述してください。
・NG協議・議論は全てここで行う。進行スレでは絶対に議論しないでください。
・協議となった場面は協議が終わるまで凍結とする。凍結中はその場面を進行させることはできない。
・どんなに長引いても48時間以内に結論を出す。
『投稿した話を取り消す場合は、派生する話が発生する前に』

NG協議の対象となる基準
1.ストーリーの体をなしていない文章。(あまりにも酷い駄文等)
2.原作設定からみて明らかに有り得ない展開で、それがストーリーに大きく影響を与えてしまっている場合。
3.前のストーリーとの間で重大な矛盾が生じてしまっている場合(死んだキャラが普通に登場している等)
4.イベントルールに違反してしまっている場合。
5.荒し目的の投稿。
6.時間の進み方が異常。
7.雑談スレで決められた事柄に違反している(凍結中パートを勝手に動かす等)
8.その他、イベントのバランスを崩してしまう可能性のある内容。

上記の基準を満たしていない訴えは門前払いとします。
例.「このキャラがここで死ぬのは理不尽だ」「この後の展開を俺なりに考えていたのに」など
  ストーリーに関係ない細かい部分の揚げ足取りも×

・批判も意見の一つです。臆せずに言いましょう。
 ただし、上記の修正要望要件を満たしていない場合は
 修正してほしいと主張しても、実際に修正される可能性は0だと思って下さい。
・書き手が批判意見を元に、自主的に修正する事は自由です。

5 :創る名無しに見る名無し:2011/06/13(月) 00:15:28.33 ID:HYxsnSyY
【書き手の注意点】
・トリップ推奨。 騙り等により起こる混乱等を防ぐため、捨て鳥で良いので付けた方が無難
・予約はしたらば掲示板の予約スレにて。期限は5日間。尚、三作以上採用された書き手に限り3日間の予約延長申請が認められます。
・無理して体を壊さない。
・残酷表現及び性的描写に関しては原則的に作者の裁量に委ねる。
但し後者については行為中の詳細な描写は禁止とする。
・完結に向けて決してあきらめない

書き手の心得その1(心構え)
・この物語はリレー小説です。 みんなでひとつの物語をつくっている、ということを意識しましょう。一人で先走らないように。
・知らないキャラを書くときは、綿密な下調べをしてください。
 二次創作で口調や言動に違和感を感じるのは致命的です。
・みんなの迷惑にならないように、連投規制にひっかかりそうであればしたらばの一時投下スレにうpしてください。
・自信がなかったら先に一時投下スレにうpしてもかまいません。爆弾でも本スレにうpされた時より楽です。
・本スレにUPされてない一時投下スレや没スレの作品は、続きを書かないようにしてください。
・本スレにUPされた作品は、原則的に修正は禁止です。うpする前に推敲してください。
   ただしちょっとした誤字などはwikiに収録されてからの修正が認められています。
・巧い文章はではなく、キャラへの愛情と物語への情熱をもって、自分のもてる力すべてをふり絞って書け!
・叩かれても泣かない。
・来るのが辛いだろうけど、ものいいがついたらできる限り顔を出す事。
 作品を撤回するときは自分でトリップをつけて本スレに書き込み、作品をNGにしましょう。

書き手の心得その2(実際に書いてみる)
・…を使うのが基本です。・・・や...はお勧めしません。また、リズムを崩すので多用は禁物。
・適切なところに句読点をうちましょう。特に文末は油断しているとつけわすれが多いです。
 ただし、かぎかっこ「 」の文末にはつけなくてよいようです。
・適切なところで改行をしましょう。
 改行のしすぎは文のリズムを崩しますが、ないと読みづらかったり、煩雑な印象を与えます。
・かぎかっこ「 」などの間は、二行目、三行目など、冒頭にスペースをあけてください。
・人物背景はできるだけ把握しておく事。
・過去ログ、マップはできるだけよんでおくこと。
 特に自分の書くキャラの位置、周辺の情報は絶対にチェックしてください。
・一人称と三人称は区別してください。
・ご都合主義にならないよう配慮してください。露骨にやられると萎えます。
・「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。
・状況はきちんと描写することが大切です。また、会話の連続は控えたほうが吉。
 ひとつの基準として、内容の多い会話は3つ以上連続させないなど。
・フラグは大事にする事。キャラの持ち味を殺さないように。ベタすぎる展開は避けてください。
・ライトノベルのような萌え要素などは両刃の剣。
・位置は誰にでもわかるよう、明確に書きましょう。

書き手の心得3(一歩踏み込んでみる)
・経過時間はできるだけ『多め』に見ておきましょう。
 自分では駆け足すれば間に合うと思っても、他の人が納得してくれるとは限りません。
 また、ギリギリ進行が何度も続くと、辻褄合わせが大変になってしまいます。
・キャラクターの回復スピードを早めすぎないようにしましょう。
・戦闘以外で、出番が多いキャラを何度も動かすのは、できるだけ控えましょう。
 あまり同じキャラばかり動き続けていると、読み手もお腹いっぱいな気分になってきます。
 それに出番の少ないキャラ達が、あなたの愛の手を待っています。
・キャラの現在地や時間軸、凍結中のパートなど、雑談スレには色々な情報があります。
 本スレだけでなく雑談スレにも目を通してね。
・『展開のための展開』はNG
 キャラクターはチェスの駒ではありません、各々の思考や移動経路などをしっかりと考えてあげてください。
・書きあがったら、投下前に一度しっかり見直してみましょう。
 誤字脱字をぐっと減らせるし、話の問題点や矛盾点を見つけることができます。
 一時間以上(理想は半日以上)間を空けてから見返すと一層効果的。
 紙に印刷するなど、媒体を変えるのも有効
 携帯からPCに変えるだけでも違います

6 :創る名無しに見る名無し:2011/06/13(月) 00:17:53.12 ID:HYxsnSyY
【読み手の心得】
・好きなキャラがピンチになっても騒がない、愚痴らない。
・好きなキャラが死んでも泣かない、絡まない。
・荒らしは透明あぼーん推奨。
・批判意見に対する過度な擁護は、事態を泥沼化させる元です。
 同じ意見に基づいた擁護レスを見つけたら、書き込むのを止めましょう。
・擁護レスに対する噛み付きは、事態を泥沼化させる元です。
 修正要望を満たしていない場合、自分の意見を押し通そうとするのは止めましょう。
・「空気嫁」は、言っている本人が一番空気を読めていない諸刃の剣。玄人でもお勧めしません。
・「フラグ潰し」はNGワード。2chのリレー小説に完璧なクオリティなんてものは存在しません。
 やり場のない気持ちや怒りをぶつける前に、TVを付けてラジオ体操でもしてみましょう。
 冷たい牛乳を飲んでカルシウムを摂取したり、一旦眠ったりするのも効果的です。
・感想は書き手の心の糧です。指摘は書き手の腕の研ぎ石です。
 丁寧な感想や鋭い指摘は、書き手のモチベーションを上げ、引いては作品の質の向上に繋がります。
・ロワスレの繁栄や良作を望むなら、書き手のモチベーションを下げるような行動は極力慎みましょう。

7 :創る名無しに見る名無し:2011/06/13(月) 00:19:56.00 ID:HYxsnSyY
【身体能力】
・原則としてキャラの身体能力に制限はかからない。
 →例外としてティナのトランス、アシュレーのアクセス、デスピサロはある程度弱体化

【技・魔法】
・MPの定義が作品によって違うため、MPという概念を廃止。
 →魔法などのMPを消費する行動を取ると疲れる(体力的・精神的に)
・全体魔法の攻撃範囲は、術者の視野内にいる人物。(敵味方の区別なし)
・回復魔法は効力が大きく減少。
・以下の特殊能力は効果が弱くなり、消耗が大きくなる。
 →アキラの読心能力、ルーラやラナルータやテレポート(アキラ、ビッキー)などの移動系魔法、エルクのインビシブル
・蘇生魔法、即死魔法は禁止

【支給品】
・FEの魔導書や杖は「魔法が使えるものにしか使えず、魔力消費して本来ならばそのキャラが使えない魔法を使えるようになるアイテム」とする
・FEの武器は明確な使用制限なし。他作品の剣も折れるときは折れる。
・シルバード(タイムマシン)、ブルコギドン、マリアベルのゴーレム(巨大ロボ)などは支給禁止。
・また、ヒューイ(ペガサス)、プーカのような自立行動可能なものは支給禁止
・スローナイフ、ボムなどのグッズは有限(残り弾数を表記必須)

【専用武器について】
・アシュレー、ブラッドのARMは誰にでも使える(本来の使い手との差は『経験』)
・碧の賢帝(シャルトス)と果てしなき蒼(ウィスタリアス)、アガートラームは適格者のみ使用可能(非適格者にとっては『ただの剣』?)
・天空装備、アルマーズ、グランドリオンなどは全員が使用可能

8 :創る名無しに見る名無し:2011/06/13(月) 08:43:35.09 ID:d2td3Ifx
>>1
スレたて乙です
遂に10スレ目か
感慨深いな

9 :創る名無しに見る名無し:2011/06/13(月) 17:36:41.18 ID:uIU2e510
>>1
スレたて乙です


10 :創る名無しに見る名無し:2011/06/13(月) 20:50:09.28 ID:d2td3Ifx
投下は今夜中か…wktk

11 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 04:59:55.59 ID:sd79kKmx
投下、支援が見込めない時間になりそうなら明日の夕方頃でもいいと思います

12 : ◆Rd1trDrhhU :2011/06/14(火) 09:10:33.70 ID:LGWWNQfs
連絡が遅れてすみません。
それでは、様子を見て、昼か夕方にに投下させていただく形でよろしいでしょうか?

13 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 12:43:45.50 ID:aFg/Px2e
氏の都合のいい方でいいですよ
支援はできませんが楽しみにしてます

14 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 13:57:04.39 ID:TrmT1JUf
同じく。支援が出来るかどうかは時間帯次第となりますが、
投下は楽しみにしております。

15 : ◆Rd1trDrhhU :2011/06/14(火) 19:05:36.83 ID:LGWWNQfs
お待たせしました。
それでは投下します。

16 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:06:51.49 ID:TrmT1JUf
お待ちしておりました! 支援だ!

17 :アシュレー、『名』を呼ぶ ◆Rd1trDrhhU :2011/06/14(火) 19:07:12.14 ID:LGWWNQfs
 湿った風が、極彩色の布をすり抜けて肌を撫でた。
 僅かに感じられる潮の香りはいったいどこからやって来たのか、物真似師は飛空挺の往く先を遠望する。
 水色の空を泳ぐ白雲の流れは、いつもよりも少しばかり急いているか。
 やがて、地平線の向こうから姿を現した大海は、群青色。
 数秒ほどですっかり目の前に広がった大洋は、太陽に照らされるままにきらきらと瞬き続ける。

 彼の、その目に映る世界は、美しかった。

 真っ暗な洞窟の中よりも、ずっと。
 波から弾ける水滴の一粒までもが、彼が仲間たちとともに救った世界のかけらで。
 見渡すその景色すべてが、彼らの冒険の記録だった。

 顔を覆う布の中で、薄っすら笑みを浮かべる。
 こんな景色が見られるなら命を賭けた甲斐があったと。

「なぁ、船長」
 甲板に姿を現した人物。
 それが誰なのか、振り返らなくたって分かる。
 その目で確認するまでもなく、物真似師のほかには一人しかこの船には乗っていない。

「…………ん?」
 飛空挺の操縦をほったらかしにして、船長である男は風を楽しみにきていた。
 それを非難するものなどはどこにもいない。
 この青い空では、この男は誰よりも自由なのだから。
 そんな彼に、副船長は抱き続けていた疑問を投げる。

「なんで俺を空に誘ったんだ?」
「……お前が一番、暇そうだったからな」
 そう答えて男はカラカラと笑う。
 あながち冗談と言うわけではないのだろう。
 世界を救った仲間の中で、やることがないのは彼くらいなものだ。
 自分と全く同じトーンで笑う魔物の背中を追い越して、ギャンブラーは船の先端を目指す。
 海風が、銀色の長髪を巻き上げた。

「それによ…………」
 直後、振り返った男の口から発せられた言葉。
 それもまた、真実。
 風に消えそうな言葉は、しかし確かな輝きをもって、魔物の目に映る景色を希望の金色に染めあげた。


◆     ◆     ◆


「狭いんだな、意外と」
 そして、魔王オディオが催した殺し合いの会場に舞台は移る。
 ギャンブラーは、金属の匂いに眉をしかめつつも高揚していた。
 その操縦席は、飛空挺のソレと比べると随分と窮屈なつくりだ。
 だがしかし、そこには確かに巨大な船をも動かすに足る文明が鎮座している。

 彼が立っているのは、古の巨大兵器、ブリキ大王の中枢部だ。
 そう。このコクピットからの命令で目覚めるは、巨大なロボットなのであった。

 数十分前のこと。
 彼は行動すべきか、座礁船に留まるのかを決めあぐねていた。
 その背中を押したのが、ピサロという男の来訪。
 金髪の少年の仕掛けたものか。
 おそらくはそうなのだろうが、もはやそんなことはどうだってよかった。
 重要なのは、それで動かざるを得なくなったということだ。

18 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:07:45.80 ID:sd79kKmx


19 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:08:12.30 ID:TrmT1JUf
 

20 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:09:07.22 ID:sd79kKmx


21 :アシュレー、『名』を呼ぶ ◆Rd1trDrhhU :2011/06/14(火) 19:09:26.28 ID:LGWWNQfs

 ピサロを前にしたあの状況で彼に提示されていた選択肢は二つ。
 この男と戦うか、手を組むか。
 交戦のカードを切った場合……彼とジャファルのコンビならば十中八九勝利できたであろう。
 彼らは二人組みで、しかも体調も万全。地の利だってある。
 対するは、彼と同じ銀色の髪を持つ魔族の王。
 この会場でも屈指の強者だったが疲労を極限まで抱えていた。
 ならば負ける戦いではない。

 しかし、問題となったのは、この殺し合い全体の状況だ。
 端的に言えば、『殺し合いに乗り気な参加者』が減りすぎていたのが問題だった。
 明らかに怪しい少年の誘いを切り捨てられなかった理由も、これ。
 ピサロを落とせば、強力なライバルが一人減る。
 しかしそれと同時に、彼らだけで残った参加者を撃破しなくてはならなくもなるのだ。
 遺跡に篭城している二人組が討伐隊を壊滅させてくれる可能性もなくはないが、望みは薄い。
 さらに、ルカ・ブライトに打ち勝ったパーティも未だ健在という有様である。

 だから、彼は魔族の王と手を組むほかない。
 しばしの長考の末に、ピサロと共に遺跡に向かうことを彼は決めた。
 それがたとえ、ジョウイ少年の思惑通りであったとしても。

「さすがに、筋書き通りってのも癪なんでな」
 操縦席に座る。
 しばらく主を失っていたシートは冷たく、それがまた彼の胸を高鳴らせた。
 ジャファルたちと別行動をとってまで、彼がここに来たのには理由がある。
 賽を振りなおすためだ。
 少年の用意した道を進むならば、これから振る賽の出目も彼に用意されている可能性も否定はできない。
 生粋のギャンブラーである彼にとってみれば、それだけは絶対に許しがたいことである。

 ならば、少年の予想しえないシロモノを持っていけばよい。
 彼の知らないはずの要素で、その予定調和を揺らすのだ。
 その立役者こそ、この機神。

 だが、主役はどうも乗り気ではない様子だ。
 とりあえず操縦桿を握ってはみたものの、巨大な兵士はなんの返事もしない。
 周辺を見回してみたが、その他にスイッチなども一切見当たらなかった。

「無法松の言った通りか……」
 勝負師は、楽しげに笑った。
 この後に訪れる山場の予感に。
 ここまでは想定内のことだ。
 ただ席に着いただけで目覚めてくれるほど、鉄の巨人は甘くないだろう。
 先ほど息絶えた男の話では、この古代兵器は強い思念受け取って動くようだ。
 それは、アキラという名の少年が持っているらしいテレパシーの類の能力のこと。
 ブリキ大王を動かすに足る集中力を得る方法は、それ以外にないと無法松は言った。
 しかし、ギャンブラーは、その結論には同調しない。
 個人にしか使用できない兵器をオディオがわざわざ用意するとは思えなかったからだ。

「強い思念で動くんだな? 強い思念で……」
 男は目を瞑り、操縦桿を強く握った。
 そのまま、強く念じる。
 殺し合いのことや、夢のこと……無限に広がる空のこと。
 さぁ動け、と命令を送り続けた。
 延々と。その人生のすべてを込めて。
 眠れる王を天へと誘う。

 だが、それでも、ブリキ大王は応えない。
 それどころか駆動音の一つも鳴らしてくれはしなかった。

22 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:10:26.44 ID:TrmT1JUf
 

23 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:11:01.30 ID:sd79kKmx


24 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:11:10.34 ID:TrmT1JUf
 

25 :アシュレー、『名』を呼ぶ ◆Rd1trDrhhU :2011/06/14(火) 19:11:11.31 ID:LGWWNQfs

「そうかい。……そうかい」
 嬉しさの中で、少しだけ悔しそうに。
 額の汗を拭って、大きく溜め息をついた。
 誰よりも強いと自負していた、その意思が届かなかった事実に歯噛みする。
 それでおしまい。
 この椅子に座る資格を、彼は失った。
 ……本来ならば、そのはずである。

「だったら、これしかないか」
 余裕じみた笑みの中で、その双眸だけは貫きの槍よりも鋭い。
 彼は全身の意識を集中させると、体内の魔力を活性化させはじめた。
 もとより、ただ念じただけで動くとは思ってはいなかった。
 それでも挑戦したのは、自らの大志を試したかったから。
 結果として敗北してしまったわけだが、それくらいで挫ける彼ではない。
 次なる手段。というよりも、本来とるべきであった方策へと移行する。

(強い意志、だな)
 彼が無法松から聞いた話では、必要なのは集中力だ。
 それも、人間が正気を保っているうちでは不可能なレベルの。

 さて、ギャンブラーは知らないことだが、無法松もかつてこのブリキ大王の起動に成功した男のひとりであった。
 マタンゴという名の幻覚作用のあるキノコを大量に摂取し、一時的に脳波を増幅させたのだ。
 簡単そうに聞こえるだろうが、その代償として彼は命までもを失っている。
 そこまでしなくては、この眠れる破壊神は覚醒しないはずであった。

 しかしそれは、『無法松の世界』に限った場合の話。
 世界が違えば、常識も異なる。
 ある世界では最強のはずの存在も、他の世界の人物にあっけなく殺されてしまうことがある。
 ある世界の正義だって、別の世界では悪と定義されてしまうかもしれない。
 世界が違えば、この兵器を動かす抜け道は存在する。
 だからこそ、オディオはこの兵器を会場に設置したのだ。
 アキラという少年にしか扱えないものではないのだから。

「俺の魔法で、飛べ」
 魔法をかける対象は、ブリキ大王ではなく彼自身。
 これは、術者を『ブリキ大王を動かせる状態』にするためのものだ。

 彼の世界には様々な状態異常を引き起こす魔法が存在する。
 たとえば、沈黙。一切の声が出せなくなり、魔法の詠唱が不可能になる状態。
 暗闇。視界が悪くなり、敵を捕捉するとこが困難になってしまう状態。
 混乱。敵味方の区別もつかないほど錯乱してしまう、集中とは真逆の状態。
 そういった状態異常の中で、ひとつだけ。

 ある一つの感情だけが増幅した状態。
 他の無駄な意思をすべてそぎ落とし、たった一つの思考しか存在しなくなる。
 デメリットも多いが、それは紛れもなく集中状態だ。

26 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:12:00.23 ID:TrmT1JUf
 

27 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:13:07.49 ID:sd79kKmx


28 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:13:08.66 ID:TrmT1JUf
 

29 :アシュレー、『名』を呼ぶ ◆Rd1trDrhhU :2011/06/14(火) 19:13:48.44 ID:LGWWNQfs

「バーサク」
 唱えた瞬間、セッツァー・ギャッビアーニの身体が真紅の光に包まれる。
 彼の脳波が魔法の力で制限され、そして一部分だけが増幅される。
 その淡い輝きを浴びて、沈黙していた巨兵がついに息を吹き返した。
 古の翼、ブリキ大王の起動が今ここに成功する。
 それは、無法松の決死の覚悟に比べれば、あまりにも手軽で……そして安全な方法だった。

「さて、行くか……」
 この起動法には二つの問題点がある、
 まず、バーサク状態には時間制限があるということ。
 それに関してはさほど問題ではない。
 この魔法自体はそれほど魔力を要するものではないのだから、効果が切れたらかけ直せばばいい。
 重大なのは、もう一つの方だ。

「……戦いによ」
 この魔法によって増幅される感情が、闘志であることだった。


◆     ◆     ◆


「ちょこ、届くか?」
 大地の裂け目に伸ばした掌で、小さな温もりを包み込む。
 掴んだ手首の儚さは、握り締めたら砕けてしまいそうなほど。
 取りこぼさないようにと、アシュレー・ウィンチェスターは優しく少女を引っ張りあげた。

「んしょ……ふいー、涼しいのー」
 夜風を小さな頬に受けながら、ちょこは背筋を伸ばす。
 彼女の頭のてっぺんで、小さく結えられた髪の毛が楽しそうに揺れる。
 洋服に付着した土を叩き落とすと、少女は大きな両目をパチクリとさせて周りの景色を見渡した。
 けれど、夜の山は四方八方がすべて漆黒。
 つまらなそうに頬を膨らませて空を仰げば、その瞳に黄色い月が写りこむ。

「綺麗な空だな」
 ちょこに続いて、大地の裂け目から這い出てきたのは物真似師、ゴゴ。
 全身に布を纏った彼は、その素顔すらも他者に見せることはない。
 それでもアシュレーたちは、素性も種族も謎に包まれた魔物のことを信頼していた。
 一日にも満たない付き合いとはいえ、共に数々の死地を超えた仲である。
 些細な隠し事など、彼らの信頼にはヒビの一つも入れることすら出来なかった。

「空なんか見てる場合じゃないぞ、船はすぐそこだ」
 地図と睨めっこをしたアシュレーが、個性的な二人を諌める。
 彼は青い髪をかきながら、目的地までの道筋を再確認していた。

 ここは、会場中央部にそびえる山の上。
 彼らは座礁船を目指して歩いていた。
 そこに人が集まっている可能性があるからだ。
 仲間の一人であったトッシュに聞いた話では、無法松という男が殺し合いに反発する者たちを集めているらしい。
 そのトッシュも今は亡く、発案者である無法松とやらも先の放送でその死が確定してしまった。
 それでも、誰かひとりでもそこで待っているならと。
 彼らは男たちが示した標を頼りに進んでいる。

30 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:14:36.66 ID:TrmT1JUf
 

31 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:15:30.33 ID:sd79kKmx


32 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:16:21.61 ID:sd79kKmx


33 :アシュレー、『名』を呼ぶ ◆Rd1trDrhhU :2011/06/14(火) 19:16:26.87 ID:LGWWNQfs

 まず彼らは、地中を進むという特殊な機能を持つフィガロ城で、地下の古代城まで移動した。
 その際、F-4にある禁止エリアを通ることが懸念されたが、よく考えれば古代の城からG-3に移動するときにも同じルートを通っていたのだ。
 過去にそこを通過したときには、アシュレーたちの首輪は無反応であった。
 城の潜行モード中は禁止エリアは無視されるのか、そもそも地下では首輪が機能していないのか。
 どちらにしても、古代城を目指すうえでは、禁止エリアはまったく障害にならなかった。
 そして、地下の城付近に到着したら、その地点の天井部に走っている裂け目より地上に出ることができる。
 その出口は普通ならば届かないような高さにあるのだが、フィガロ城の天井からならば話は別だ。
 ちょこの魔法を駆使して飛び上がり、彼らは難なく夜の山頂にたどり着いた。
 ここまで来れば、あとは山を下って北の町や座礁船を目指すだけである。

「誰か、座礁船に来ていればいいんだけど……」
 安全そうなルートを確認し、アシュレーが顔をあげる。
 月光に照らされたその表情は、さすがに晴れやかとはまではいかなかった。

「仲間も随分減ってしまったからな」
 その心中を察し、ゴゴが言葉を継ぐ。
 アシュレーの物真似をしている彼にとっては、造作もないことだった。

「あぁ。残っているのは、マリアベルと……アナスタシア……」
「…………おねーさん……」
 アナスタシアの名に重なって、少女の悲しげな声が。
 かつて世界を救いし英雄は、この殺し合いに乗ってしまっている。
 剣の聖女には今や戦う力はなく、彼女はちょこを利用することで殺し合いに勝ち残ろうとしていた。
 信じていた人が実は自分を利用していただけなのだと知った少女のショックは大きかったであろう。

 それは、聖女の抱えていた苦しみを知っていたアシュレーとて同じ。
 彼女がオディオの甘言に惑わされていたなど、とても信じがたいことであった。

「まだ、やり直せないわけじゃない」
 物真似師の手が、少女の頬を撫でる。
 夜風よりもずっと暖かいものだ。
 むず痒そうに目を瞑る少女に、ゴゴは優しく語り続けた。

「生きているなら、やり直せるさ。何度でも……」
 遠き星空の真ん中で、仄かな光を放つ星を見つけた。
 それが、夜天へと還った男であれと、魔物は願う。
 少女も同じ三等星を見上げ、そして同じ人物を投影していた。
 アナスタシアがちょこに繋がりを求めていたのならば、まだやり直せるはずであると。
 ……あの男のように。

「ゴゴ……」
「そうさ、あいつだって……」
 魔物の見上げていた黒き星空は、今だけは果てなき青に染まっていることだろう。
 彼がいつか飛び回った、あの空の色に。

「セッツァー、か」
 アシュレーの声にも振り向かず、人ならずものはただ頷く。
 彼は世界を救った後、セッツァーと共に飛空挺で世界を旅していたのだという。
 あてのない、放浪を。
 その思い出を、彼は本当に楽しそうに話していた。
 だからこそ、その仲間が殺し合いに乗っていることに対しては、随分とやり切れない思いがあるはずだ。

「僕はあいつを信じている」
 心配そうな二人分の視線を背中に浴びた魔物は、彼らを安心させたいかのような強い口調で答えた。
 吹きこむ風が、少しだけ熱を帯びたような気がして、アシュレーは南の空へと視線をやる。
 そこには何かがあるはずもなく、相も変わらず殺し合いの会場が、誰かの血を欲するかのように広がっていた。

「この声は、あの空に必ず届くと」
 それは、誰よりも仲間を想い、何よりも人間を愛した魔物の誓いだった。

34 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:18:32.03 ID:sd79kKmx


35 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:18:42.05 ID:TrmT1JUf
 

36 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:19:23.05 ID:TrmT1JUf
 

37 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:19:32.60 ID:sd79kKmx


38 :アシュレー、『名』を呼ぶ ◆Rd1trDrhhU :2011/06/14(火) 19:19:37.51 ID:LGWWNQfs

「信じている」
 朝日を待つように、それでいて夜を慈しむように魔物は空を眺めて、小さく溜め息をつく。
 そして、仲間たちを見据えては目を細めた。

「行こう」
 アシュレーが笑顔で促し、彼らは北へと歩みを進める。
 そこにかつての仲間や、まだ見ぬ人物がいることを求めて。
 彼らは往く。
 殺し合いを打開するための光を灯すために。




「あれは……?」
 彼らが山を降りたころ。
 北の空より飛来する物体がひとつ。
 最初に反応したのは、ゴゴだった。
 暗き地平に浮かび上がった影に、目を凝らす。
 その目が驚愕に見開かれたのは、数秒後のことだ。

「なにか来るぞッ!」
 ゴゴの声に、残る二人も身構える。
 アシュレーが、疲弊したちょこを庇って前に出た。
 そして、出現したモノの全貌を見据え、息を呑む。

「なんだ……これは……」
 二本の脚で華麗に『着地』したソレは、人間を模した巨大な何か。
 金属製の巨人を前に、アシュレーは宇宙人トカの作りし最高傑作を思い起こした。
 身体を竦める二人をよそに、少女だけは巨大な機械に目を輝かせる。
 もっと近くで見ようとした彼女の襟を掴んで、アシュレーは無言で後ろに引き戻した。

 コレは、味方なのか、それとも……。
 確認するためには、危険だと分かっていても近寄って対話を試みるほかない。
 その役目を買って出たのは、物真似師だった。
 自分が行く、と仲間に背中で伝え、巨兵と目を合わせたままでゆっくりとにじり寄る。

「僕たちに戦う気はない、だから…………ッ!」
 ゴゴの言葉は最後まで紡がれることはなく。
 敵が放ったとび蹴りによって遮られてしまう。
 それが、鋼鉄の巨人の返答だった。
 身の丈からは想像できないほど速い動きで、ゴゴを踏みつけようとする。
 爆音と共に、大地が縦に凄まじいほど揺れた。

「ゴゴッ!」
 アシュレーの叫びをもかき消してしまいそうなほど土煙が舞い上がる。
 その量が敵の質量と蹴りの威力を物語っていた。
 アシュレーが慌てて駆け寄ろうとする。
 が、彼が踏み出すよりも先に、ゴゴが茶色の煙の中から姿を現した。

「大丈夫だ」
 濁った空気の先にいる敵を見据えたまま、ゴゴが答える。
 アシュレーは仲間の無事に安堵の溜め息をつきつつも、更なる攻撃への警戒を解くことはない。

「…………問答無用、か」
「みたいだな」
 ゴゴが槍を構え、アシュレーとともにこの状況の対処法を思案する。
 逃げるのは無理であろう。移動速度は明らかに相手の方が上なのだから。
 なら、戦うのみだ。
 しかし、力押しで敵うはずもないのは火を見るよりも明らか。

39 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:20:45.83 ID:sd79kKmx


40 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:20:59.92 ID:TrmT1JUf
 

41 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:22:10.31 ID:TrmT1JUf
 

42 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:22:12.20 ID:sd79kKmx


43 :アシュレー、『名』を呼ぶ ◆Rd1trDrhhU :2011/06/14(火) 19:22:48.43 ID:LGWWNQfs

「操縦者を狙うか」
「……あぁ」
 結論はすぐに出た。当然だ。
 相方の物真似をしている魔物が異論を挟むわけもない。

「後方支援は任せたぞッ!」
「分かったの!」
 少女に背中を預け、両者はまったく同じ速度で走り出す。
 疲労の激しいちょこは、後ろで彼らの手助けに専念。
 長年連れ添ったチームかと思うほどに、彼らの息はピッタリだった。
 その絆は、どんな困難も打ち砕いてしまうくらいに。

 ゴゴは左から。アシュレーは右。
 両者は、二手に分かれて接近する。
 相手の狙いを分散させるためだ。
 その結果、鋼鉄が狙ったのはゴゴの方だった。
 先ほどと同じように、ジャンプからの蹴りを見舞う。
 対する物真似師は、横に飛びのき転がりながら相手の攻撃をかわす。

「ちょこッ!」
「おっけーなの!」
 敵の着地を刈るのは、ちょこの放った水球。
 弾き飛ばすことに特化した魔法だ。
 その威力は凄まじく、彼女の何十倍も大きな相手のバランスを大きく崩させ、その片手と片膝を地面につかせた。
 生じた隙をついて、アシュレーが敵の右わき腹を駆け上がる。
 ガンガンガンと、金属を蹴る音がリズミカルに響いた。

 だが、大人しく登らせてくれるほど敵も甘くはない。
 小さな青年を振り落とそうと、巨躯を揺らして応戦する。
 表面のメッキにしがみついて耐えるアシュレーだが、あまりの激しさに身動きが取れない。
 そこを狙って、巨人が彼を握りつぶそうと左手を伸ばす。

「させるか」
 その巨大な左手の上で、魔物がつぶやく。
 敵がアシュレーに気を取られているうちに、ゴゴも掌に飛びついていたのだ。
 片方が相手を引き付ければ、もう一人が不意をつく。
 今の彼らはまさに理想のコンビネーションを実現していた。

 ゴゴは、青き掌に全力で槍を突き立てる。
 本気で放った一撃だったが、ガンという鈍い音とともにメッキを剥がしたのみで終わった。
 ダメージは皆無だろう。
 それでも、アシュレーへの攻撃を逸らせることには見事に成功。
 それで十分。狙い通り。

 物真似師の存在に気づいた巨人は、左手首を大きくスナップさせ振り落とそうとする。
 ゴゴはそれに逆らおうともせず、自分から飛び降りて着地した。
 その隙に、アシュレーは肩口へと駆け上がる。
 肩の上まで到着すると、十中八九弱点であろう頭部に狙いを定めた。
 トカの忘れ形見であるバヨネットをしっかり構え、そこに魔力を充填。

「行くぞ。ファイ……」
 絶好のタイミングで焔を放とうとした。
 そのときだ。

44 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:23:06.10 ID:TrmT1JUf
 

45 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:23:50.54 ID:TrmT1JUf
 

46 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:23:52.79 ID:sd79kKmx


47 :アシュレー、『名』を呼ぶ ◆Rd1trDrhhU :2011/06/14(火) 19:24:29.89 ID:LGWWNQfs

「アシュレェェェェーッ! 避けろッ!」
 ゴゴの声が鼓膜を揺らせる。
 直後、彼の目に飛び込んできたのは、無数のミサイル。
 肩に登っていたアシュレーからは、敵の胸部より発射された弾頭が見えなかったのだ。
 空を突き進むロケット弾は、すべてアシュレーに狙いを定めている。
 つまりそれは、ロボットが自らの肩に攻撃するということでもあり、本体へのダメージも無視できないだろう。
 それを知った上で爆裂弾を放ったということは、必中を確信しているということだ。
 確実に彼を殺せるから、多少の損傷にも目をつむるのである。
 その確信は正しいようで、アシュレーが苦し紛れに放ったファイラは、数あるミサイルのうち一つを落としただけ。
 言わば、焼け石に水であった。

 だが、それでも。
 アシュレーは諦めない。
 こういうときに何よりも大事なのが、チームワークだ。
 彼はひとりじゃない。
 窮地を救ったのは紅き不死鳥。
 少女の放った魔法だ。
 焔の鳥は優雅に大空を舞いながら、すべての凶器を誘爆させていく。

「…………くッ!」
 直撃による即死だけは免れたが、至近距離での爆発はさすがに避けることが出来ない。
 アシュレーはダメージと共に吹き飛ばされ、大地に向けて落下した。
 その勢いを、竜巻が和らげる。
 おそらく、少女の物真似をしたゴゴが放ったものだ。
 突風に抱かれながら、傷だらけの青年はゆっくりと仲間のもとへ降り立った。

「……ぐ…………」
「……ごめんなさいなの」
「…………いや……あれが、あったから……助かったんだ…………」
 申し訳なさそうに目を伏せる少女の頭を、アシュレーが優しく撫でる。
 ところどころ焼け焦げているものの、彼の傷はそこまで深刻なものではない。
 駆け寄ったゴゴがケアルガをかければ、戦闘に支障はない程度には回復できた。
 されど、敵は健在。戦局は未だ不利なままだ。

「しかし、遠距離攻撃もあるとなると……」
「厳しいな」
 ゴゴの差し伸べた手をとって立ち上がる。
 攻め手の豊富な相手をどう攻め落とすか。
 それを思案しようとした二人を、少女の声が遮った。

「おとーさん、おじさん……あれ…………」
 ちょこの震えた声に、アシュレーたちは何事かと振り向く。
 ふるふると小刻みに動く人差し指は、天空を指していた。
 驚愕に支配された彼女の視線をアシュレーたちが追えば、彼らの瞳も同じ色に染まる。

「「…………うそ、だろ?」」
 搾り出すような二人の声が重なる。
 そこには、信じがたい光景が広がっていた。

 日付が変わってしばらく経ったが、未だ朝日が登る時間ではないはず。
 それなのに、彼らの見上げた空は何故だか薄青く光っていた。

 どういうことかと、彼らはよくよく目を凝らす。
 すると、背負った二本のジェットによる噴射で、低空に浮かぶロボットの姿を確認できた。
 つまり、この現象は太陽の仕業ではない。
 降り注ぐ青碧の光は、あの金属の身体を持つ巨人が発しているものであった。
 その輝きは徐々に強くなり、地上のアシュレーたちの全身にもピリピリとエネルギーが伝わってくる。

48 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:25:03.35 ID:sd79kKmx


49 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:25:36.87 ID:TrmT1JUf
 

50 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:26:25.94 ID:TrmT1JUf
 

51 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:26:38.16 ID:sd79kKmx


52 :アシュレー、『名』を呼ぶ ◆Rd1trDrhhU :2011/06/14(火) 19:27:22.52 ID:LGWWNQfs

「あれを……放つっていうのか?」
 アシュレーが眉間に皺を刻む。
 あのロボットが何をしたいのか、大体予想はついた。
 アシュレーの手にした武器、バヨネットは内部に魔法を充填して発射する仕組みだ。
 今、上空で行われているのも、それと同じこと。
 ただ、規模が段違いなだけで。

 夜天に広がる青い力場。
 発射されれば、おそらくここら辺一帯が焦土と化す。
 彼ら三人のちっぽけな身体など、跡形もなく吹き飛んでしまうだろう。

「そんなこと……させない……!」
 アシュレーは手にした武器を強く握り締める。
 怒りと、決意と、少しばかりの恐ろしさを篭めて。
 彼の想いを受け取ったバヨネットの内部に、魔力が渦巻いた。
 それを作った科学者が、アシュレーの手を握っているかのごとく。
 作り手の遺志すらも巻き込んだ魔力の奔流は、赤き焔となって大地に打ち出された。

「必ず、帰ってくる」
 ファイラが彼を青き空へと導くジェット噴射と化す。
 だが、中級魔法の威力などたかが知れていた。
 これだけでは敵のもとにたどり着くことなど到底できはしない。
 だから、今度も仲間の力が必要なのだ。
 彼の戦いはずっとそう。
 常に仲間と共に立ち向かっていくのだ。

「絶対だからね!」
 叫ぶのは、竜巻を放った少女。
 青年を死地へと送り出すための魔法だ。
 本当なら、行かせたくはなかったのだろう。
 それでも彼女が青年を止めなかったのは、彼の覚悟を感じ取っていたからだ。
 止めたって、殴ったって、どうせ彼は行くのだろうと。
 彼女は祈るような気持ちで、風に乗って舞い上がる青年を見送った。

「…………」
 その隣で、物真似師はぼうっと空を見上げていた。
 なにか大切なものを想っているかのよう。
 だけど、彼の視線の先にいたのは仲間の青年ではなく、敵であるはずの巨兵の影だった。




 少女の生み出した風と、自らが定期的に放つ魔法の勢いで、アシュレーは遥か空へと昇る。
 大切な仲間を護るために。
 倒れていったものたちと共に戦うために。
 この絶望の連鎖を断ち切るために。

「もう、誰も死なせない」
 その目に破壊神を捉える。
 自分の何倍もの身の丈の怪物だ。
 その周囲に展開された莫大なエネルギーは、アティのものと同じ波長の光だった。
 色こそは同じだが、そこに篭められた思いは全く異なる。
 彼女は、すべてを守るために。
 これは、何もかもを無に帰すための輝きだ。
 必ず、止めると。強く願う。

 それに応えたのは、彼の心で息づく女性。

53 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:27:33.12 ID:TrmT1JUf
 

54 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:28:10.67 ID:sd79kKmx


55 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:28:24.19 ID:TrmT1JUf
 

56 :アシュレー、『名』を呼ぶ ◆Rd1trDrhhU :2011/06/14(火) 19:28:55.50 ID:LGWWNQfs

「だから、あと一度だけでいい。ティナ、力をくれ」
 アシュレーの両手に光が宿る。
 その魔力の粒子は、彼女の髪の毛と同じ緑色だった。
 魔獣と人の間に生まれた少女。
 彼女は、常にその種族間で揺れていた。
 その女性の願いと、アシュレーの想いが同調する。
 人種も種族も住んでいる世界も関係なく仲間を護りたいという想いが。
 放つは、彼女の持っていた最強の魔法。
 彼女の世界を、仲間を何度も救ってきた希望の魔法。
 その名は…………。

「アルテマッ!」
 究極、の名を冠した一撃だ。
 緑色の衝撃が、青き絶望とぶつかる。
 必死に魔力を搾り出す彼を、その温かき魂で眠る者たちが支えていた。
 ティナが。
 アティが。
 ゼファーが。
 ルシエドが。
 彼の仲間が、彼に関係したすべてのものが、その背中を押していた。
 すべてを魔法に乗せて、アシュレーは撃ち出す。
 絶望の青を切り裂けと、すべてのものが天と戦う。
 だが……。

「…………ッ!」
 思いは、届かなかった。
 決死の魔法は、敵の攻撃に飲み込まれて……。
 次の瞬間にはあっけなく消えさった。
 原因は、彼の魔力だ。
 ティナと同程度のアルテマを放つには、アシュレーの魔力は圧倒的に不足していた。
 この青きレーザーと拮抗するには、最大級の魔術師が必要となる。
 魔力に特化していないアシュレーでは、どうあがいても無理だったのだ。

 無理だ。そんなこと、初めから分かっていた。
 敵わないことなど、彼だって最初から知っていた。
 でも、これしか手段がなかったのだ。
 何もせずに敗れるのだけは嫌だったから。
 足掻いて足掻いて、それでもダメだった今ならば諦めも……。

「く……そ……」
 いや、それでも、やはりこんな結末は受け入れがたい。
 あまりの悔しさに、胸が引きちぎれそうになる。
 だが、これ以上の抵抗などできるはずもなく。
 彼は青き怒りに弾かれて、全身を切り裂かれた。
 その衝撃の勢いのままに、陸へと吹き飛ばされる。
 先ほどと同じように。
 今度も、仲間は救ってくれるのだろうか。
 そんなことを考えながら、アシュレーはゆっくり気絶した。




「…………ここは?」
 目が覚める。
 全身は傷だらけだったが、なんとか生きながらえているらしい。
 寝そべった大地は冷たく、疲弊した肉体にはそれが随分と心地よかった。
 空からは、未だ青き光が降り注いでいる。
 どうやら、気絶していたのはほんの数分だけだったようだ。

57 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:29:07.91 ID:sd79kKmx


58 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:29:24.92 ID:TrmT1JUf
 

59 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:30:05.99 ID:TrmT1JUf
 

60 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:30:25.05 ID:sd79kKmx


61 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:31:06.99 ID:TrmT1JUf
 

62 :アシュレー、『名』を呼ぶ ◆Rd1trDrhhU :2011/06/14(火) 19:31:28.83 ID:LGWWNQfs

「気づいたか、アシュレー」
 仲間の声に、アシュレーは首を起こす。
 後頭部から背中にかけて激痛が走った。
 刺すような痛みを堪えて声のした方を向けば、空を見上げる仲間の背中が目に写る。

「ゴゴ…………」
「アシュレー。よく聞いてくれ」
 今の彼は、誰のモノマネもしていなかった。
 一言聞いただけで、彼が素であると気づくことが出来た自分にアシュレーは感心する。
 違和感に気づいて、辺りを見渡す。
 そういえば、少女の姿がどこにもないではないか。
 どこに消えたのかと問いただそうとすると、物真似師の穏やかな声に先んじられてしまった。

「お前たちと共に戦えて、俺は幸せだった」
「…………何を言ってるんだ?」
 空では、青色がどんどん星空を侵食していく。
 もうすぐ、攻撃準備は完了するのだろう。
 そうなったら、彼らに存命する術はない。
 死んでいった仲間たちの遺志も、すべて光の中に消え去ってしまうのだ。
 だから、止めなくては。
 アシュレーは立ち上がろうとして、手足に力を込める。
 しかし、地球に張り付けにされたかのように、四肢はまったく動いてはくれない。
 止めなくてはならないのに。
 あの、ロボットを……。

 違う。

「もし、俺が……お前たちに刃を向けることがあるのなら」
「なぁ、ゴゴ……なに、言ってるんだよ……」
 そうではない。
 アシュレーがほんとうに止めたいのはゴゴだ。
 絶望を前に、まるで最期の別れがごとき言葉を述べるこの魔物を引き止めたい。
 胸騒ぎが止まらなかった。
 ゴゴは、『何か』を賭けようとしている。
 賭けるものが命をだけならば、構わない。共に戦えばいい。
 だけど、ゴゴのこの言葉は、それ以上の悪い予感を胸によぎらせるもので。
 まるで、命よりももっと、ずっと大切な何かを犠牲にするつもりなのではないかと。

「そのときは……」
「待て…………ゴゴ……待ってくれ……」
 縋るようなアシュレーの言葉は、勢いを増した青空の唸りにかき消されてしまう。
 声を張り上げようとして、その代わりに赤黒い血液を吐き出した。
 どうしようもない無力感が、彼の胸を締め付けた。

「俺を、殺してくれ」
「なあ……ダメだ…………ちょこが、悲しむ……ゴゴ……」
 一度だけ振り返ったゴゴは、左手を静かに口元へ添えて……。
 顔を覆う布の下半分をゆっくりと剥がした。
 露になった口元で、静かに笑ってみせると、またその顔を闇の中へと仕舞いこむ。
 それが、サヨナラを意味している気がして、アシュレーの両目から悲しみが滴る。

「ゴゴォッ!!」
 去り行く背中へ、やっとの思いで絶叫を搾り出した。
 けれども、それは青き夜空に掻き消えて。
 見上げれば、終焉がゆっくりと降下してきていた。
 もう、どうしようもないのかと。
 見ていることしか出来ない自分に、ふがいない英雄の様に、青年はただむせび泣いた。

63 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:32:16.10 ID:TrmT1JUf
 

64 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:33:10.68 ID:sd79kKmx


65 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:33:41.07 ID:TrmT1JUf
 

66 :アシュレー、『名』を呼ぶ ◆Rd1trDrhhU :2011/06/14(火) 19:34:11.21 ID:LGWWNQfs




 発射されたそれは、かつて世界を救ったはずの一撃。
 名を、ハロゲンレーザーという。




「………………すまない。アシュレー」
 彼は、天を睨んでいた。
 降り注ぐ絶望の光線と戦うために。
 すべてをかけて、抗うために。

 だけど、それは、残念ながら仲間を救うためではない。
 死んでいったものたちに報いるためでもない。
 ましてや世界を救うためなどでは決してない。

「憎悪よ、降りて来い」
 大きく息を吐き出し、ゆっくりと吸い込む。
 世界のかけらを体内に取り込むことで、腹をくくった。
 当然のことだが、今から彼が行うのはモノマネだ。
 しかしそれは、絶対にしないと決めていた人物のモノマネ。
 どれほど強い敵と相対しても、仲間が死ぬことになっても。
 これだけはぜずにおこうと、固く誓っていた。
 支払うべき代償が多すぎるから。

「この身も、思い出も、絆も、全部くれてやる」
 全身に、かつてないほどの力が宿る。
 ケフカもルカも、ロードブレイザーですらも軽く葬ってしまいそうな力だ。

「だがな……」
 ほんとうならば、大人しく死んでしまえばよかったのかもしれない。
 アシュレーとちょこと一緒に最期まで足掻いて、それでも無理ならば諦めもついただろう。
 けれど、彼は悩んだ末にその終わり方を否定する。
 ロードブレイザーとの戦いでも使わなかった、禁断の扉を開け放った。

「この青空だけは……」
 理由はひとつ。
 今、仲間を殺そうとしているのが、彼がかつて飛び回った青き空だったからだ。
 あの自由な世界は、セッツァーの誇りであった。
 それが、人を殺そうとしている。
 もっとも大切な仲間の、大切なものを、あのロボットは踏みにじったのだ。
 それが、たったそれだけのことが許せなくて。
 彼はすべてを捨てて、戦う。

「あいつの、セッツァーの空だけは」
 手にした槍を構える。
 彼は、この一本だけで、恐るべき破壊と戦おうとしていた。
 誰もが無理だと言うだろうその偉業を、しかし彼は出来ると信じて疑わない。
 その覚悟を受けて、握り締めた槍が金色に輝く。

「あの空だけは、渡さないッ!」
 天に向けて突き出した。
 槍の先端から金色の光が迸る。
 夜空も、青空も、いっぺんに両断してしまいそうな輝きだった。
 黄金色に輝く憎悪は、文字通り光の速さで天に昇る。
 雲を、空を、青き絶望をも切り裂いて。
 そして、高みから地上を見下ろしていたロボットを貫き、宇宙へと消えた。

67 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:34:13.34 ID:sd79kKmx


68 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:35:25.83 ID:sd79kKmx


69 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:35:27.45 ID:TrmT1JUf
 

70 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:36:34.74 ID:sd79kKmx


71 :アシュレー、『名』を呼ぶ ◆Rd1trDrhhU :2011/06/14(火) 19:36:51.45 ID:LGWWNQfs




 物真似師には、絶対に要求されるスキルがある。
 相手の心うちを見抜く技術だ。
 それができなければ、他人の物真似をすることなんて不可能なのである。

 この殺し合いの、一番最初でも彼はそのスキルを駆使していた。
 主催者がルール説明をしていたときのこと。
 誰かの首輪が爆発して、別の誰かが泣き叫ぶ。
 あるものは、怒りを燃やし、またあるものは戦いの予感に歓喜した。
 ゴゴの興味を一番引いたのは、主催者であった。
 彼が、なんのためにこんなことをするのか。
 なぜ顔色一つ変えずに人を殺せるのか。
 それを知りたくて、男の全貌を読み取ろうとした。

 垣間見た心に、戦慄した。
 今まで見た誰よりも、何よりも深き憎悪。
 人の形を保っているのが不思議なほどだ。
 ゴゴは二度と彼の真似だけはしないと決めた。
 もし、彼の真似をすれば、正気など保っていられない。
 愛した人間を憎んで、狂ってしまう。
 どんな状況になっても、誰が死ぬことになっても、それだけは止めておこうと。

 殺し合いが開始して、行き着いた花畑で、彼は心に鍵をかけた。


◆     ◆     ◆


「チィ……失敗、か……」
 再び漆黒を取り戻した夜空の上。
 地上からの一撃を回避できずに、ブリキ大王はその機能を停止していた。
 古の翼は、煙を吐きながら、徐々に高度を落とす。
 操縦者であったセッツァー・ギャッビアーニは、すでにコクピットから脱出。
 ブリキ大王の装甲の上に棒立ちになって、感情のない瞳で空を眺めていた。

「いや、収穫はあったか」
 風に長髪をなびかせ、地上を見下ろす。
 確かに、兵器は破壊された。
 その代わりに、アシュレー・ウィンチェスターに決して浅くない傷を負わせることに成功していた。
 あのまま地表に叩きつけられれば、彼の命はないだろう。
 セッツァーは薄っすら笑みを浮かべる。
 あれほどの強敵を落とせたのは大きい。
 もとよりこの兵器をノーリスクで動かせたことを考えれば、大金星といったところか。

「それにしても、あの力は……いったい……」
 地上の敵が放った金色を思い返す。
 ハロゲンレーザーをもかき消し、ブリキ大王を貫いた。
 彼が今まで目にした、あらゆる魔法よりも激しい威力を持つものだ。
 それほどまでの魔力を有する敵がいるとは、セッツァーとて予想だにしていなかった。
 何度も展開できる類のものだとは思えないが、その存在を警戒するに越したことはない。

72 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:38:47.49 ID:sd79kKmx


73 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:38:50.66 ID:TrmT1JUf
 

74 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:39:37.44 ID:TrmT1JUf
 

75 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:39:55.14 ID:sd79kKmx


76 :アシュレー、『名』を呼ぶ ◆Rd1trDrhhU :2011/06/14(火) 19:40:44.58 ID:LGWWNQfs

「あなた、セッツァーね」
「…………ッ!」
 ふいに呼びかけた声に振り返る。
 そこにいたのは、赤い髪の少女だった。
 たしか、アシュレーの仲間の子供だったはず。
 セッツァーの外見などを、アシュレーから聞いていたのだろう。
 落ちゆくブリキ大王の上に移動してきたと言うことは、彼女は空を飛ぶ能力でも持っているのか。
 だとすれば、ここで戦うのは得策ではない。

「ゴゴおじさんは、あなたのために戦ったの…………」
「ゴゴ……無法松も言ってたな。誰だ、そりゃあ?」
 状況から察すれば、アシュレーと共にブリキ大王に立ち向かってきた、素顔を隠した男のことだろう。
 数時間前にも耳にした名だが、本当に覚えがなかった。
 これが昔に関係を持った女であるとかならば、悪い気もしない。
 だが、おじさんなどと呼ばれるような人物に追いかけ回されても、不愉快なだけである。

 そもそも、あんなに特徴的な格好をした人物、以前に会っているなら忘れるわけがない。
 本当に記憶にないのだ。
 だから彼は正直に知らないと告げただけ。
 なのに、少女は信じられないといった軽蔑の眼差しで彼を睨んだ。

「物真似師、ゴゴ……知らないとは言わせないわ」
 ものまね師などという職業自体、セッツァーは初めて耳にする。
 おそらく、他人の能力をコピーして戦う術者だ。
 先の戦いでも、アシュレーと全く同じ動きをしていたことからも想像がつく。
 だとすれば、なんという侮辱なのだろうか。
 そんな紛い物が、自分の夢の邪魔をしていたのだ。
 セッツァーの心に、怒りの炎が沸々と燃え上がった。

「………………ぁッ!」
 こちらに鋭い視線を向けている少女を、突然の風が襲う。
 さすがに少女とて吹き飛ばされはしなかったが、その懐から何か小さなものがこぼれた。
 セッツァーが、自分の方へ飛んできたそれを器用にキャッチする。
 見ると、何かの花で作られた栞のようだった。

「…………返して」
 余程大事なものなのか、少女は小さな右手を差し出して返すように要求する。
 だが、セッツァーは栞を高々と掲げ、見せびらかすようにヒラヒラと降って笑った。
 彼を睨む少女の瞳が、いっそうの嫌悪感を帯びる。

「…………押し花とか、花束とか、好きじゃないんだ」
「何が言いたいの?」
「なんでも、ありのままってのが一番美しいってことさ」
 そこまで言うと、彼は右手に魔法を展開。
 発動した火炎が、白き押し花を飲み込んだ。
 少女は悲しそうに「……あ」と呟いたが、すぐになんでもない風を装う。
 弱みを見せないように強がっているようだ。

「……モノマネ野郎なんざ、下の下だろう」
 その言葉は、少女から冷静さを奪うためのもの。
 同時に、夢を邪魔する子供へのちょっとばかりの復讐心だった。

「………………そう……」
 少女は今まで対話をしようとしていた。
 セッツァーへの怒りを必死にこらえながら。
 でも、それも限界。
 生粋のギャンブラーの挑発を前に冷静でいるには、彼女の精神は幼すぎた。

77 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:40:53.94 ID:TrmT1JUf
 

78 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:41:55.28 ID:sd79kKmx


79 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:43:08.66 ID:sd79kKmx


80 :アシュレー、『名』を呼ぶ ◆Rd1trDrhhU :2011/06/14(火) 19:43:26.70 ID:LGWWNQfs

「あなた、絶対に許さないから」
 少女の全身から怒りと、途方もない魔力が渦巻く。
 けれど、素直に真っ向勝負を挑むほど、彼は愚直な男じゃない。
 闘志をむき出しにする彼女をよそに、ブリキ大王から飛び降りる。
 退避という選択だ。
 怒りを滾らせる少女も、それを追って飛び降りた。
 しかし、彼女の目に映ったのは、垂直落下するセッツァーと、もう一つ。

「遅かったな」
 男が、仲間に呼びかける。
 アシュレーと同じく、彼もひとりで戦うつもりはなかった。
 もっとも、彼らを繋ぐのは絆とは言いがたい、打算的なものなのだけれど。

「…………戦果は」
「まぁ、上々だ」
 現れたのは、ブリキ大王の崩壊を確認して駆けつけたアサシン。
 セッツァーの肩を踏み台にして、少女に襲い掛かる。

「…………ッ!」
 首筋を狙った必殺の一撃。
 それを少女は身をよじってかわす。
 目の前の暗殺者はシャドウよりもずっと幼いが、その実力は彼に劣らない。
 いや、人間相手ならば、この少年のほうが上か。
 モンスターと戦い続けたシャドウとは違い、彼はずっと人間相手の暗殺術を磨いてきたのだから。
 ならば、魔法だ。
 いかにアサシンとて、空中ならば身体の自由は利かない。
 少女の魔法を回避する手立てはないはずだ。

「嬢ちゃん、上を見てみろよ」
 魔力を練ろうとした少女に、セッツァーは笑いかける。
 勝利を確信したものがみせる表情だった。
 少女が頭上を確認すると、そこにはさらなる敵の姿が。

「…………ッ!」
 まさか、敵が三人組だと思っていなかった。
 一瞬だけ、彼女の反応が遅れてしまう。
 その隙を正確に狙って、ピサロが名刀ヨシユキを振りかぶった。
 真空波。
 放たれた斬撃が、空気中を高速で泳いで少女へと突撃する。

「あぐぅッ!」
 肩からわき腹にかけて、一直線に傷が走る。
 噴出した血は重力には逆らえずに、やがて雨粒のように大地へと落ちてゆく。
 少女とて例外ではなく、斬りつけられた勢いのままに、硬い大地へと向かっていった。

「……浅いか」
 ピサロが少女の落ちていく先を見つめる。
 その顔には少しばかり驚きの色が混じっているか。
 少女の防御力は、彼が予想していたよりも高かった。
 おそらくは大したダメージも受けていないはずである。
 追撃はしない。
 今は相手を退けただけで十分だった。




 魔法の威力で重力加速度を上手く相殺し、三人は地上へと無傷で帰還した。
 一息つく前に、まずは戦果の確認をしなくてはならない。
 その結果によって、今後の身の振り方を考えるために。

81 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:44:11.82 ID:sd79kKmx


82 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:44:13.43 ID:TrmT1JUf
 

83 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:44:54.66 ID:TrmT1JUf
 

84 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:45:21.90 ID:sd79kKmx


85 :アシュレー、『名』を呼ぶ ◆Rd1trDrhhU :2011/06/14(火) 19:45:24.46 ID:LGWWNQfs

「ブリキ大王とやらの起動には成功したようだな」
 ピサロが落ち行く巨体を眺めながら呟く。
 ブリキ大王は、煙を吐きながら西の方へと墜落していた。
 朝日を浴びて死にゆく兵器の姿は、なんとも退廃的に感じる。

「壊されちまったがな」
 セッツァーがおどけながら両手をあげた。
 遺跡にあれを持っていけたならば、かなりの戦力になったことだろう。
 惜しいことをしたと彼は笑う。

 だが、それほど悔しさを滲ませてもいないのは、仕方のないことでもあるからだ。
 ブリキ大王を操作している間は、彼はバーサク状態でいなくてはならない。
 冷静な判断など出来るはずもなく、敵を発見すれば戦う以外の行動が取れなかったのだから。

「それでもアシュレーを落とせたのはでかいぜ」
 たしかに、ブリキ大王を失ったのは残念だ。
 ある程度回復したとはいえ、今の彼らの疲労度は無理できるものではない。
 ジョウイの思惑を外すためにも、ブリキ大王は確保しておきたかったというのが本音ではある。

 それでも、アシュレー・ウィンチェスターの退場という結果が得られただけでも彼は満足だった。
 ジョウイの話を聞いた限りでは、ルカ・ブライトとかいう騎士を倒したのはアシュレーたちだ。
 もし、遺跡へ向かう最中に、彼らに背中を襲われたら厄介であるとも考えていた。
 今回の戦いで懸念事項である集団の要であった青年を退場させ、チームを崩壊させることに成功したのだ。
 そのうえ、セッツァー自身は一切のダメージを負ってはいない。
 賭けは、大勝ちであったと言っていい。

「……それは?」
 今まで沈黙を保ってきたジャファルが口を開く。
 その鷹の目が捉えたのは、セッツァーの手に握られている紙切れのようなもの。

「……なんでもねえよ」
 ジャファルに指摘されてその存在を思い出したセッツァーは、品定めするようにまじまじと眺めた。
 それは、少女から奪った花の栞。
 彼はこれを燃やしたように見せかけて、手の中に隠し持っていた。
 ちょうど、トランプでイカサマをするのと同じ要領で。

 どうしてこれを燃やさなかったのか、実は彼自身も分かっていない。
 ただ、魔法がこの押し花を消し去ろうとしたとき、指が勝手に細工をしたのだ。
 それが、ギャンブラーの勘のもたらしたものならば。この栞は今後の賽の目に影響するかもしれない。
 持っておいても損はないだろう。
 大して期待はせず、セッツァーは栞を懐にしまった。

 ふと、セッツァーは太陽を背にし、西の草原へと振り返る。
 もちろんそこには誰もいない。
 ブリキ大王が堕ちた先で、誰かに名前を呼ばれたような気がしたのだが、空耳だったのだろう。
 獣のような、呼び声が。

86 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:46:16.89 ID:TrmT1JUf
 

87 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:46:53.91 ID:sd79kKmx


88 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:47:00.55 ID:TrmT1JUf
 

89 :アシュレー、『名』を呼ぶ ◆Rd1trDrhhU :2011/06/14(火) 19:47:19.46 ID:LGWWNQfs


【B-7 二日目 早朝】

【ジャファル@ファイアーエムブレム 烈火の剣】
[状態]:健康
[装備]:影縫い@FFVI、アサシンダガー@FFVI、黒装束@アークザラッドU、バイオレットレーサー@アーク・ザ・ラッドU
[道具]:聖なるナイフ@ドラゴンクエストIV、毒蛾のナイフ@ドラゴンクエストW 導かれし者たち、潜水ヘルメット@ファイナルファンタジー6
    マーニ・カティ@ファイアーエムブレム 烈火の剣、基本支給品一式×1
[思考]
基本:殺し合いに乗り、ニノを優勝させる。
1:ニノを生かす。
2:遺跡へ向かう?
3:セッツァー・ピサロと仲間として組む。座礁船を拠点に作り替えるorジョウイの提案を吟味する?
4:参加者を見つけ次第殺す。深追いをするつもりはない。
5:知り合いに対して躊躇しない。
[備考]
※ニノ支援A時点から参戦
※セッツァーと情報交換をしました
※ジョウイからマリアベル達の現在の状況を知りました。その他の情報については不明です。


【セッツァー=ギャッビアーニ@ファイナルファンタジー6】
[状態]:好調、魔力消費(中)
[装備]:デスイリュージョン@アークザラッドU、つらぬきのやり@FE 烈火の剣、シロウのチンチロリンセット(サイコロ破損)@幻想水滸伝2
[道具]:基本支給品一式×2、 シルバーカード@FE 烈火の剣、メンバーカード@FE 烈火の剣 、拡声器(現実) 回転のこぎり@FF6
    フレイムトライデント@アーク・ザ・ラッドU、天使ロティエル@サモンナイト3、壊れた蛮勇の武具@サモンナイト3 、小さな花の栞@RPGロワ
[思考]
基本:夢を取り戻す為にゲームに乗る
1:遺跡へ向かう?
2:ジャファル・ピサロと仲間として行動。座礁船を拠点に作り替えるorジョウイの提案を吟味する?
3:ゴゴに警戒。
4:手段を問わず、参加者を減らしたい
※参戦時期は魔大陸崩壊後〜セリス達と合流する前です
※ヘクトル、トッシュ、アシュレー、ジャファルと情報交換をしました。
※ジョウイからマリアベル達の現在の状況を知りました。その他の情報については不明です。


【ピサロ@ドラゴンクエストIV】
[状態]:ダメージ(小)、疲労(大)、心を落ち着かせたため魔力微回復、
    ロザリーへの愛(人間に対する憎悪、自身に対する激しい苛立ち、絶望感は消えたわけではありません)
[装備]:ヨシユキ@LIVE A LIVE、ヴァイオレイター@WA2、クレストグラフ(ニノと合わせて5枚。おまかせ)@WA2
[道具]:基本支給品×2、データタブレット@WA2、双眼鏡@現実
[思考]
基本:ロザリーを想う。優勝し、魔王オディオと接触。世界樹の花、あるいはそれに準ずる力でロザリーを蘇らせる
1:遺跡へ向かう?
2:セッツァー・ジャファルと一時的に協力する。
[参戦時期]:5章最終決戦直後
[備考]:確定しているクレストグラフの魔法は、下記の4種です。
 ヴォルテック、クイック、ゼーバー(ニノ所持)、ハイ・ヴォルテック(同左)。


◆     ◆     ◆


「痛いの……」
 未だ薄暗い森の中。
 ちょこは、雨の湿り気が残る土壌に仰向けで身体を預けていた。
 見上げた空の白みは、今度こそ太陽がもたらしたもの。
 しかし、彼女の心には未だに光が差してくれない。

90 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:47:19.72 ID:sd79kKmx


91 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:47:57.62 ID:TrmT1JUf
 

92 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:48:06.05 ID:sd79kKmx


93 :アシュレー、『名』を呼ぶ ◆Rd1trDrhhU :2011/06/14(火) 19:49:46.36 ID:LGWWNQfs

「ゴゴおじさん…………ごめんなの……」
 セッツァーの仲間に負わされた傷は、それほど深くはない。
 なのに、彼女は起き上がることが出来ないでいた。
 悲しみと怒りがマーブル状に絡み合った気だるさが、重石となって彼女に圧し掛かる。

「ちょこ、あの人のこと許せない」
 寂しさを紛らわそうと懐を探ってから、思い出した。
 仲間にもらった大切なお守りは、あの男が燃やしてしまったのだ。
 ゴゴを裏切るような言葉とともに。

 彼女は、ゴゴからすべてを聞いていた。
 アシュレーが、巨大ロボットのレーザーに敗北したときに。
 ゴゴがしようとしていたことも、命を失うかもしれないことも。
 そして、そこまでして彼が守りたかったものも、すべて。
 それを知ってたからこそ、セッツァーの言葉がつらかったのだ。

「……………………」
 ゆっくりと起き上がり、北を向く。
 そこに、仲間たちがいるはずだ。
 本当なら、今すぐゴゴの元に駆け寄りたい。
 アシュレーの無事を確かめたい。
 だけど、彼女はそこには行けなかった。

「………………おじさん、おとーさん」
 ゴゴは別れる前に、彼女に告げた。
『俺は過去のために戦う。君は君のけじめをつけろ』
 涙を流す彼女に背を向け、彼はそう言った。
 アシュレーのデイパックを彼女に預けたのは、一人で行く彼女への選別だ。
 信頼するのが仲間ならば、今は行くべきではない。
 彼女にはすべきことがあるのだから。

「絶対に生きててね」
 目をきゅっと瞑り、かぶりを振る。
 仲間たちに会いたいという衝動を、朝露に溶かして押しとどめた。
 彼女には会わなければならない人がいる。
 この殺し合いで初めて出合った女性だ。
 かつての英雄は生きるために人を殺そうとしている。
 だから彼女に会って、止めなくてはならない。
 それが、彼女の手を握った自分の責任なのだと。
 あの女性のことを放置してしまったら、それではゴゴを忘れたセッツァーと同じだ。
 彼女はあの男のようにだけはなりたくはなかった。

「ちょこ、行ってくる」
 踏みしめた大地はこんなにも大きく、先に広がる世界はこんなにも暗い。
 行く道を照らすにはランタンのともしびは頼りない。
 仲間への憂慮と先へ進むことへの恐れで、小さな心臓はかつてないほど脈打つ。
 それでも、彼女は振り返らない。

「けじめをつけに」
 少女はこの殺し合いで初めて、生まれて初めて……自分の足で進み始めた。
 誰の意思を借りることも、現実から逃げることもやめて。
 すべてが済んだらあの人の故郷に行こう。
 そう心に決めて、たったひとりで彼女は歩く。
 声なき叫びをみちしるべにして。

94 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:50:00.20 ID:sd79kKmx


95 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:50:20.06 ID:TrmT1JUf
 

96 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:50:59.18 ID:sd79kKmx


97 :アシュレー、『名』を呼ぶ ◆Rd1trDrhhU :2011/06/14(火) 19:51:14.54 ID:LGWWNQfs


【C-6 二日目 早朝】

【ちょこ@アークザラッドU】
[状態]:疲労(中)、肩に切り傷
[装備]:なし
[道具]:海水浴セット、基本支給品一式、ランダム支給品0〜1個(確認済み)、焼け焦げたリルカの首輪
[思考]
基本:みんなみんなおうちに帰れるのが一番なの
1:おねーさんに会って、止める。
2:おとーさんになるおにーさん家に帰してあげたい
[備考]
※参戦時期は本編終了後
※殺し合いのルールを理解しました。トカから名簿、死者、禁止エリアを把握しました。
※アナスタシアに道具を入れ替えられました。生き残るのに適したもの以外です。
 ただ、あくまでも、『一般に役立つもの』を取られたわけでは無いので、一概にハズレばかり掴まされたとは限りません。
※アシュレーのデイパックを回収しました。


◆     ◆     ◆


 花畑。
 色とりどりの世界で、優しい少女と笑いあった。
 彼女の名前が思い出せない。

 城の中で、姉の死に涙する少年を慰めた。
 眼鏡の少女も涙していたはずだ。
 その泣き顔がどんどんぼやけ、色あせていく。

 地下深くで、侍と肩を並べて戦った。
 あのシャドウを追い詰めたのだから、なかなかのコンビだったのではないか。
 思い出すたびに感じたはずの胸の高鳴りが、今はもう冷めてしまっていた。

 過去最強の敵ともいえる騎士、さらには焔の魔神とも相対した。
 最後に生き残ったのは、自分と少女、そして英雄である青年。
 魔神との戦いに赴く英雄の映像が、目に焼き付けたはずの光景が崩れてゆく。

 いろんなことがあった。
 たくさんの人間と出会ったはずだ。
 その宝石のような記憶が次々に塗り潰され、滅びてしまう。

「ア……ァ…………が……」
 それらに取って代わり、脳を侵食するのは、彼とはもっとも縁遠いはずの感情だった。
 人間という生き物への、果て無き憎悪。
 自我など保っていられないほど深く激しい感情の濁流は、彼の頭にあるすべてを押し流してしまう。
 ここで出会った人々のことも。
 刃を交えた敵のことも。
 かつての戦友たちのことも。
 あらゆる記憶が消え去って、最後には……。

『一人で飛んだってよ、つまんなくなっちまったんだ』
 一番忘れたくなかった言葉も、絶望の金色に染められ、消し去られた。

(もう、終わってしまおう)
 襲い掛かる感情に、ゴゴはもう抵抗しない。
 自分で選んだことだから。
 呑まれることを覚悟の上で、魔王の力を借りたのだ。
 だから、せめて。

98 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:51:57.55 ID:sd79kKmx


99 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:52:23.53 ID:TrmT1JUf
 

100 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:53:30.13 ID:TrmT1JUf
 

101 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:53:36.99 ID:sd79kKmx


102 :アシュレー、『名』を呼ぶ ◆Rd1trDrhhU :2011/06/14(火) 19:53:46.74 ID:LGWWNQfs

「……ギ…………グ…………」
 手にした槍を自分の胸に押し当てる。
 震えた穂先で的確に心臓を貫くため、もう片方の手で刃を握る。
 掌から血が流れるが、今から死ぬ身なのだから気にするわけもない。

 ふと、新たな世界に踏み出した少女がどこかにいたような気がして、ゴゴはその身を案じた。
 大切な誰かにもう一度だけ会いたくなったが、もうそれが誰だったのかも分からない。
 思い残す事はおろか、自分の魂にはなにも残されていないことに少しだけ絶望して、武器を持つ手に力をこめた。
 東の地平からは朝日が現れる。
 その陽に照らされて輝きだした穂先を静かに引き寄せ、潮の薫るこの草原で彼は……。
 自らの心臓を。

「…………まてよ」
 刺し貫く、その寸前。
 ゴゴの手に重なった別の手が、彼を絶命させるはずだった槍を止めていた。
 耳を揺らした声の波長は、いつか聞いたことがあるような気がする。
 もういつの記憶だったのかも分からない。

「……なに、して……だよ、ゴゴ」
 傷だらけの青年が、重ねたその手を強く握る。
 ひとのぬくもり。
 理性よりも、もっと深い部分が覚えていたもの。
 幾度も感じた熱だ。

「…………ガ……?」
「死、なせ、ない」
 ゴゴの肩が乱暴に掴まれる。
 彼が自らを救おうとしていることくらいは、理解できた。
 しかし、だからこそ。

「……ハ…………ォ……」
「…………ゴ、ゴ…………ッ……」
 間近に感じた温かさを、憎しみが拒絶した。
 血に塗れた指先が、青年の首を締め上げる。
 細い首に食い込んだ殺意が、優しさの脈動を食い止め、ついには引きちぎろうとしていた。

「……言っ、た……じゃ、ない、か」
 青年は血に染まった魔物の手首に手を添える。
 力は込められていない。
 ただ、自らの体温を与えるがごとく、触れる。
 呼吸の出来ない苦しさにうめき声をあげながらも、青年の瞳の最奥にはまだ光が宿り続けていた。

「や、り直……せる、って…………」
「………………ガ……?」
 崩れかけていた精神に、いつかの言葉が降り注ぐ。
 目の前の男を締め上げていた五指が、僅かに緩められる。
 かひゅう、と青年が大きく息を吸い込んだ。

 直後、ゴゴの脳裏にモノクロの記憶が、よみがえる。
 炎がごとき侍人の手にした刃が、月の下で踊っていた。




(ゴゴ……思い出せ。僕たちのことを)
 アシュレーは空気をむさぼる。
 生きるためでなく、ただ叫ぶために。
 一度でいいから、全力で彼の名を呼ぶために。
 彼を絶望から呼び戻すには、それしか手段が残されていなかった。

103 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:54:27.08 ID:TrmT1JUf
 

104 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:55:39.71 ID:sd79kKmx


105 :アシュレー、『名』を呼ぶ ◆Rd1trDrhhU :2011/06/14(火) 19:56:06.68 ID:LGWWNQfs

 アシュレーは思い知る。
 これは、いつかの再現だと。
 ロードブレイザーにとらわれそうになった彼を救ったのは、一振りの刃に籠められた願いだった。
 男の奥義と仲間たちの絆のおかげで、彼は彼として帰ってこられてたのだ。
 今度は、自分の番だ。
 彼が仲間を救うとき。
 だけど彼には魔を断ち切るための刃などない。
 その手にあるのは想いだけ。
 だから、叫ぶのだ。
 あらん限りの声をあげて。
 彼は、その名を呼ぶ。

「ゴゴォォォォォッ!!!!!」
 喉が裂けようとも。肺がやぶれようとも。
 この身が千切れようとも。
 もう一度、空気を体内に取り込む。
 そして、想いを籠めた弾丸として打ち込むのだ。

 最後の、咆哮。
 
「ゴゴッ! お前はッ! 負けないッ!!!!!」
 血液交じりの涎を飛び散らせながらも、その絶叫は仲間の鼓膜を確かに震わせた。
 その証拠に、彼の首に撒きつく指からどんどん力が抜けていく。
 仲間の心に生じた波紋が次第に大きくなる。
 やがてそれは、彼を支配していた絶望に一筋のヒビを刻んだ。

「…………ぁ……」
 ついに、魔物の目に一筋ばかりの光が戻った。
 アシュレーの顔にも、薄っすらと笑みが浮かべられる。
 自分の声が届いたのだと。
 伸ばした手が、ゴゴを探り当てたのだと。
 ゴゴが、息を吸い込み何かを言おうとした。
 それが自分に対しての返事なのだと、アシュレーは信じて疑わなかった。

 次の瞬間、魔物の口から発せられた言葉は。

「…………ニン………………ゲン…………」
「…………え……?」
 魔物が告げたのは彼の名ではなかった。
 アシュレーは一瞬だけ呆気に取られてしまう。
 それが不味かった。

「……が、ふ…………」
 ゴゴの貫手が、アシュレーの胸に突き刺さった。
 もう片方の手のひらが、彼の首をキリキリと締め上げる。
 焼け付くような痛みの中で、彼は悔しさをかみ締めた。
 仲間を救えなかった事実に。

(僕は、お前にはなれなかったよ)
 声だけでは、駄目だった。
 極めあげられし剣技に追いつくことはできなかったのだ。
 とてつもなく、悔しい。
 だけど、それでも、ゴゴは死なせなかった。
 それだけは達成した。
 生きていれば、やり直せる。
 そういったのは、ゴゴ自身なのだから。

106 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:56:25.33 ID:TrmT1JUf
 

107 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:57:06.57 ID:TrmT1JUf
 

108 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:57:11.73 ID:sd79kKmx


109 :アシュレー、『名』を呼ぶ ◆Rd1trDrhhU :2011/06/14(火) 19:57:58.87 ID:LGWWNQfs

「グオォォォォォォォォッ」
 ゴゴが吼え、今まで必死に抑えていたのだろう憎悪がむき出しになる。
 もはや、一個人が放つ規模の怨念ではなかった。
 そのすべてを一身に受けたアシュレーが感じる恐怖は計り知れない。
 それでも、彼は必死に強がってみせる。
 仲間のために笑顔で死んでやろうと。

「しん、じ……てる……ぞ…………ゴゴ………………」
 英雄として生き、それでいて英雄を否定した男がみせた、最期の意地だった。
 けれど、彼の頑張りもそこまで。
 憎しみに飲まれたゴゴの左手が彼の首を引きちぎり、右手が胴体を両断したその瞬間。
 アシュレーはついに恐怖に屈して、掠れた悲鳴を僅かにあげた。




「………………」
 青年を殺した魔物は、無言で荒い呼吸を繰り返す。
 先ほどまで錯乱状態にあった精神も、今はある程度の落ち着きを取り戻してはいた。
 されど、元の彼に戻ったという意味ではない。
 完全に憎悪に支配されてしまったと言うことだ。

「ニン、ゲン……憎い……」
 いつの間にか落としていた槍を拾い上げる。
 その武器で貫くべき生き物への果てなき恨みを胸に滾らせながら。

 どこかで、大きな音がした。
 先ほど戦った巨兵が大地に落下したときのものだ。

「すべてッ! 殺してやるッ!」
 その音に負けぬほどの咆哮と共に、首輪を引きちぎる。
 むき出しにされた、ヒトへの憎しみ。
 誰よりも仲間を想い、何よりも人間を愛したはずの魔物が放つ金色の殺意だった。

 倒れ付すのは、かつて世界を救った青年と、かつて世界を救った機械兵器。
 二つの英雄の残骸が転がるこの地で。
 最後の絶望が、産声をあげた。

110 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:58:16.27 ID:TrmT1JUf
 

111 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:59:01.88 ID:LGWWNQfs


【アシュレー・ウィンチェスター@WILD ARMS 2nd IGNITION 死亡】
【残り16人】

※アシュレーの装備していたバヨネット、小さな花の栞@RPGロワ
 及びゴゴのデイパック(基本支給品一式×3、点名牙双@幻想水滸伝U、解体された首輪(感応石)、
 天罰の杖@DQ4、小さな花の栞×数個@RPGロワ)、ゴゴの首輪はB-6 北部に放置されています。


【B-6 北部 二日目 早朝】

【ゴゴ@ファイナルファンタジー6】
[状態]:疲労(小)、ダメージ(小)、人間への強い憎しみ、首輪解除
[装備]:小さな花の栞@RPGロワ、ジャンプシューズ@WA2、閃光の戦槍@サモンナイト3、
[道具]:なし
[思考]
基本:人間を滅ぼす。
1:人間を探して殺す。
[参戦時期]:本編クリア後
[備考]
※本編クリア後からしばらく、ファルコン号の副船長をしていました。
※基本的には、『その場にいない人物』の真似はしません。
※セッツァーが自分と同じ時間軸から参戦していると思っています。
※オディオの物真似をしたせいで、彼の憎悪に支配されました。
 物真似の再現度や継続時間など、詳しいことはお任せします。

112 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:59:33.53 ID:TrmT1JUf
 

113 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:59:44.37 ID:sd79kKmx


114 : ◆Rd1trDrhhU :2011/06/14(火) 20:00:03.64 ID:LGWWNQfs
以上、投下終了です。
支援下さった方、ありがとうございました。

115 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 20:11:10.74 ID:TrmT1JUf
執筆に投下、お疲れ様でした。
これは……ああ、すごい力のある文章だなあ。
最初こそしずかに、綺麗に空と海を描いていていて、そこからRPGらしい
パーティバトルでテンションが上がっていって……。
だからこそ、ゴゴの覚悟から続く急転直下の展開には涙した。
登場人物が全員真っ直ぐだからこそねじれて揺れて、すれ違う心理描写には
胸をつかれました。小さな花をはじめ、色々と仕込まれたネタもずるかった。
そして、ゴゴはついにオディオもレパートリーに入れちゃったか。
主催とのつながりは、裏放送とかで補強されてきたけれど、これは気になるなぁ。
アシュレーもよく頑張った、お疲れ様。ゴゴのことはこっちだって信じたいんだぜ……。

116 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 20:21:19.54 ID:6r85E5nR
投下乙です

うん、凄い力作です…
なんていうかもうね、登場したみんながみんな、全速力で突っ走って更に限界を目指して走ってるというか
最後はどうなるんだろう? みんな死んでしまうのだろうか?
ゴゴが危険人物を物まねしたらどうなるんだろうとは思っていたがよりによってオディオは…
ゴゴはいったいどうなるんだろう…

117 :創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 20:36:34.97 ID:j59OFZn+
投下乙でした

これまた意表を付くものまねだったな、まさかのオディオか!
アシュレーとゴゴオディオのやりとりは、
原作の暴走オーバーナイトブレイザーのシーンも思い出したな。上手いと思う。
あとは、ゴゴとセッツァーのすれ違いが切ないね…

ただ、ブリキ大王は、アリなのかどうかってことと、
ピサロを引き入れる下りの説明が殆ど無いのが気になるかなー。
ブリキ大王は支給品じゃないからOKか。

ピサロはロザリーの死によって手段を選ばなくなったことで交渉が通じるようになったってことなんだろうけど、
あれだけ人間を憎んでいたのがコロッと手を結んでいるのは、何か説明が欲しいと思うんだけど。

118 :創る名無しに見る名無し:2011/06/15(水) 01:06:31.83 ID:/gExmxih
投下乙

この書き手さん、いつだったか深夜のチャットで生き残ったキャラについて語ってた時、アシュレーを「なんでまだ生きてるんだろうね」とか言ってたから嫌な予感はしてたが
バーサク状態でブリキ大王使いこなしたり描写も無くピサロ仲間になってたり、強引すぎてアシュレーを退場させたいだけとしか思えない…
アシュレーの心臓がガーディアンのになってるのも完全スルーだし

ぽっと出の新人がおいしいパートさらったのがよほど気に食わなかったのかな

119 :創る名無しに見る名無し:2011/06/15(水) 01:31:56.13 ID:cN6jDl8J
まあ、アシュレーはナイトブレイザーなかったらただの人だから
これまでがヒーロー過ぎた感は確かにあったけど、
死ぬまでの運びはそんなに無理は無かったと思うよ。

ガーディアン心臓は勿体無いし、展開もやたら駆け足だったけど、
まあ、ロワだからこういうこともあるって言っちゃえばそれまでかな…

ブリキ大王の操縦も松とかアキラはぽげらるごー!!状態でもできてたし、その辺もまあ。
ただ、ブリキ大王を操縦可能なロボットとして登場させるなら
アースガルズやプルコギドンを禁止したルールのコンセプトに反するんじゃないかというのは気になる。
フィガロ城の前例があるから、「動く建造物」はアリとしても、それで戦っちゃっていいのかどうか…。
その辺が問題にならないように今回限りで壊しといたんだろうけどね。

120 :創る名無しに見る名無し:2011/06/15(水) 05:58:19.71 ID:zs31Y0Ca
ああいう生き返り方したキャラは特別扱いになっちゃうから、次で殺しちゃうのもありだと思う
特別扱いのまま、最後まで主人公するのも有りだろうけど、まぁロワだし

121 :創る名無しに見る名無し:2011/06/15(水) 08:27:38.52 ID:4I5lotu0
・過去に長文指摘がついた際、ツイッターで「めんどくせー」と発言
・その長文指摘を、去っていった書き手の仕業だと公言
・犯人扱いされた書き手が鳥付きでしたらばに抗議を書き込んでも無視
・他書き手と共にその書き込みを粘着呼ばわり

こんな独善クソ書き手に何言っても無駄では?
ちなみにその長文指摘を受けて投下者本人は破棄にしたんだけどねー

122 :創る名無しに見る名無し:2011/06/15(水) 10:38:02.86 ID:bnFcHHWC
そういったソースが定かではない発言は基本的にデマだと思ってる

が、前々話であれだけ絆が強調されたのに、>>56>>62>>105あたりでそれを徹底的に否定してたり、
前話でここのエースの書き手が出した花の栞は残したりと、
特定の書き手の痕跡を消し去ろうとしているような感じは受けた
問題になりそうなブリキ大王出しても、アシュレー倒してすぐ退場させたのなんてその最たるものだし

123 :創る名無しに見る名無し:2011/06/15(水) 10:42:44.75 ID:ohqxobGh
>>118
お前捻くれてんな勘ぐり過ぎだ
アシュレー復活を嫌な展開と思ってたらブリキ大王出すような展開しないだろ
どっちも型破りなことは同じなんだから書き手同士むしろ通じ合ってるだろ


124 :創る名無しに見る名無し:2011/06/15(水) 10:55:37.57 ID:u2b/+t7c
絆は特定の書き手が積み上げたものじゃないし、
今回の話はむしろ絆があったから希望が残ったって話だろ?
ブリキだって使うからにはその話で退場させなきゃ駄目だ

125 :創る名無しに見る名無し:2011/06/15(水) 12:22:04.81 ID:4I5lotu0
アシュレーはゴゴを救えなかった
病んだ状態のまま生きながらえさせただけ、つーか憎悪を悪化させただけ
生きていればやり直せる、という言葉の根拠も得ていないのに「仲間のために笑顔で死んでやろう」とか
これではアシュレーが自己満足的なテロリズムに走る基地外にしか見えない
信じてるぞゴゴ、って、これはゴゴに対する嫌がらせ発言か?
この書き手はアシュレーが嫌いなのか、新人の展開を潰したいのか、と疑う人が出るのは当然かと

まあなんだ、吐き気を堪えながら最後まで読んだ
独善クソ書き手の腐りきった人間性が伝わってくる気持ち悪いSSだったよ


>>122
少なくとも冤罪着せられた書き手氏のクレームはしたらばに残ってるよ

126 :創る名無しに見る名無し:2011/06/15(水) 13:15:36.00 ID:kboSG5s4
まず、外部の話を出してくる時点でry

127 :創る名無しに見る名無し:2011/06/15(水) 14:21:15.96 ID:zs31Y0Ca
あれいきなり何言ってるんだと思ってたら、そこに反応してたのか
しかしチャットだのツイッターだのお前ら色々チェックしてるんだな

128 :創る名無しに見る名無し:2011/06/15(水) 17:05:51.17 ID:OQNNJuCI
チャットとかツイッターとか見て炎上しやすそうな言い口の書き手だとは思ってた
ただそういうのってここに持って来るべき話じゃないよね
書き手の人間性とSSは、まったく別のものとして考えるべきだ
人間性に対する不満をSSの不満にすり替えて糾弾なんてつまらないことすんなよ

129 :創る名無しに見る名無し:2011/06/15(水) 17:45:52.30 ID:fzs34ybh
ツイッターやチャットってここと関係ない私的空間だし
公の場であるしたらばやこっちならともかくツイッターでなに言おうが勝手だろ

130 :創る名無しに見る名無し:2011/06/15(水) 18:01:02.04 ID:4I5lotu0
人間性がアレでもSSが良ければ黙ってるけどねー
外部でキャラsage発言&該当キャラを貶めまくって殺す&指摘ガン無視&他書き手をないがしろっていう書き手様ぶりだし

・書き手トリップでツイッターアカウント取得
・プロフ欄でパロロワ書き手である旨を公表、所属ロワ名を明記

都合が悪くなれば外部の話(笑)はないわー
チャットはともかくツイッターは書き手トリ出してるし

131 :創る名無しに見る名無し:2011/06/15(水) 18:08:16.65 ID:u2b/+t7c
本スレで暴言吐きまくってる荒らしが言うなと

132 :創る名無しに見る名無し:2011/06/15(水) 18:25:16.67 ID:Q9dX2Dpi
マジレスするのもあれな気するけど、あの活躍見たら「よくこいつ生きてんな」くらい思うだろw すげー輝いてたし
それをチャットで、RPGキャラ語りってことは他の書き手なり読み手と、ダベってただけなんじゃねえの
身内で楽しくダベってるのを、文字通り受け取って外で文句言うってどうなんよw



133 :創る名無しに見る名無し:2011/06/15(水) 19:06:35.54 ID:DSeeqsju
とりあえず外部の話は持ってくるなw
他の書き手にも飛び火しかねないし

投下乙です
VS巨大ロボというのも何気にRPGじゃ王道だよね
ロボというかゴーレムとかが多いけど
敵の巨体を駆け上がってのバトルは燃えた
そしてゴゴとアシュレーやセッツァーのすれ違いが哀しい
フードをとって素顔見せるシーンが燃えるだけに結果が寂しい
そこまでやって自分の手で守りたかった人を殺してしまうなんて切なすぎるよ

でも、批判する人がいるのも分かる
ブリキ大王については特に気にならなかった
暴走状態を闘士の肥大化と捉えれば確かに精神力増強だし
ブリキ大王は会場に設置されてた時点でいつかは動くと踏んでたし
今回の話で墜落はしたけれど、爆発とかはしてないから、修理してまた使うというのもありだし
使わないまま退場でも問題ないと思う

ただ、それ以外で氏らしくない非常に荒い場所がちらほら見受けられる
氏の大作は基本これでもかというほどにキャラや情景が事細かに描かれてきた
これまでは
それなのに、今回にいたってはずさんな所が目立つ
何故、ゴゴが首輪を解除できたのか
そもそも、回復魔法や転移技、読心技といった一際特殊な能力以外制限の掛かっていないこのロワで、暴走したゴゴの首輪を解除する意味はあったのか
禁止エリアに迷い込まないため? いくらなんでも他の書き手が空気読むとは思うけれど
せっかく首輪については詳細な考察がなされたのに、それを無視しては他の書き手軽視と言われても仕方がない
既にに指摘されているピサロの件についても同上
新人さんが上手くお膳立てしてくれて、新人さんも、住人も、ピサロをセッツァー、ジャファルがどう言いくるめて乗り切るかはすごく楽しみにしていたと思う
それを説明もなしにさらっと流されては立腹も仕方ない
全体的にいるだけ参戦でしたし

また、ゴゴとセッツァーの関わりが、そもそも氏が創作したものである以上、一番の絆だと言われても正直う〜んと思うところも
これに関しては個人的な感想になってしまって申し訳ないのですが
一番、でなかったのならしっくりきたのですが
友を守ろうとして全てを捨てて、でも友を殺してしまったゴゴや、ゴゴを知らないと言ってのけるセッツァーに怒りを覚えるちょこ、
けじめを付けに行こうとするちょこのシーン自体は好きでしたし

以上、長々と語ってしまって申し訳ありません
氏の今までの作品が好きだっただけに、書きたいこと『だけ』を書いた風に思えてならない今回の作品に、感想と共に苦言を呈させていただきました

ただ、RPGキャラバトルロワイアルには氏以外にも上手い書き手は沢山いてくださるので
今回、挙げさせていただいた欠点も、必要なら補完してくれるかと思います
なので、無視することのできない首輪に関して簡単にでも述べてもらうくらいの修正で大丈夫だと思います


134 :創る名無しに見る名無し:2011/06/15(水) 20:53:37.04 ID:UucVuCYh
ええと、本スレで話し合いを続けるわけにもいかないだろうと思いましたので、
今まで出てきた意見を、議論スレにて簡単にまとめさせていただきました。

ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/11746/1219587734/214

議論というと堅いですが、自分の意見も>>133氏と同じく、補完がきく部分は
次の書き手さんに任せるかたちでよいのではないか、というもので。
修正要求というほど強制力をもつものではないと、改めて申し上げておきます。

135 :創る名無しに見る名無し:2011/06/15(水) 21:23:06.03 ID:O4/tnoQ9
少なくとも本スレで荒れた発言するのは止めよう

136 :創る名無しに見る名無し:2011/06/15(水) 22:04:58.33 ID:DSeeqsju
>>134
まとめ乙です
そして熱くなってしまって申し訳ありませんでした

137 :創る名無しに見る名無し:2011/06/16(木) 12:55:06.12 ID:auMxgL6j
投下乙です
自分は今まで投下された作品の中で一番面白いと思った
ピサロ部分は言われたらたしかに気になるけど、
戦闘の描写はこれくらいがちょうどいいな
氏の死亡話には期待値が高まってるのもあるんだろうね

138 :創る名無しに見る名無し:2011/06/16(木) 18:58:23.22 ID:JxLL6ANI
それはあるかも>期待値が
氏に限らず、このロワの書き手は上手いからな
こっちもどんどん期待値あげちまって上を上を求めちまうw
せっかくのアシュレー死亡話なんだし、一行くらいマリナにふれて欲しかったなーって感じでw

139 :創る名無しに見る名無し:2011/06/16(木) 19:23:41.09 ID:2xMSPK5z
書き手さんにはプレッシャーになってしまいそうだが、面白いSS多いから期待しちゃうんだよな

140 :創る名無しに見る名無し:2011/06/16(木) 22:58:48.73 ID:IIPFV/tM
ここの住人の人間力は異常

ピサロといいアシュレーといい、他の書き手さん達がこれまで書き残してきたフラグが次々無視されてて、
なんか読んでて別の意味で悲しくなってきた…

こういうリレーの作家さんたちって複線を残す時、全部自分で消化するために残しておいてるんじゃなくて、
次を書いてくれるかもしれない人達に対して
「さあ、こういう複線を用意しておいたよ。あなたなら、この複線を使ってどんな作品を作ってくれる?」
みたいな、対話の意味も込めてあるんじゃないの?基本は皆で作品を作っていこうって精神なんだからさ

自分で作ったセッツァーとゴゴ関連の設定ばかり強調しておいて絆絆って、これまでリレーで積み重ねてきた他の書き手さん達との絆は無いんですかって話にもなるわ

まあ、俺は荒らしだけどさ

141 :創る名無しに見る名無し:2011/06/16(木) 23:26:35.28 ID:JxLL6ANI
>>140
あんま自分を卑下してやるな
あんたがこの企画を好きなのはよく伝わってくるからさ
確かにあんたの言葉であれる可能性もあるけど、ここの住民ならすぐ落ち着けるだろ


142 :創る名無しに見る名無し:2011/06/17(金) 01:39:14.91 ID:l8qcn8Gv
ロワだからフラグが折れるのは仕方ない、って意見はたまに見るし、序盤など特にそのフラグを用いる旨味もないときなどは同意できる
でも終盤に来て、直近話で生まれたフラグを即折られるとうーん…となる。その過程に説得力あるなら別だけど
アシュレーの心臓で言えば、ある程度それを用いた見せ場があって、それでもなおブリキ大王には届かなかった…みたいなのならいいんだけど、存在自体なかったことになってるのが何とも
ピサロにしても、一触即発、すわ戦いかという緊迫した状況でバトン渡した意味がなくなってる訳だしね

143 :創る名無しに見る名無し:2011/06/17(金) 06:21:26.74 ID:n1oRm3LG
>>142
それだけ踏み込んだ読み込みが出来ているのなら、あなたなりにまとめて、
語調のつよさを整えて議論スレに持っていけば良いと思うんだ。

あと、>>6の「読み手の心得」にも書かれている

>・「フラグ潰し」はNGワード。2chのリレー小説に完璧なクオリティなんてものは存在しません。

これって、泥沼を避けるためにあるルールだと思うんだ。
書き手としては、フラグをどう扱うかっていうのはリレーするうえで大事なこと
なんだけど、書き手の真意なんて誰にも分からない以上、読み手側が
口にしはじめると水掛け論に陥りかねないから。
ちょっと上のレスにあったけれど、別のものに対する不満をすり替えて表現するにも
有用だからNGっていう側面もあるだろうから、こっちでこういうことを言い続けると
感想の域を越えて、のちのレスや論調が散逸しかねない・議論に応えないといけない
書き手さんも対応しづらくなることにも気をつけてもらいたいな、と、こちらは思うよ。

144 :創る名無しに見る名無し:2011/06/17(金) 11:17:10.97 ID:lzzdQdXe
書き手からの文句はあんまないんだね
自分は他の書き手がよければ問題ないんだけど発言しないから分からない
このロワは毎回本スレが毒吐きのようになるから、
トリップつけるのは気が引けるのかもしれないけど

145 :創る名無しに見る名無し:2011/06/18(土) 13:13:41.87 ID:TBQToar4
もしかして読み手とお客様で騒いでただけだったんじゃ…

146 :創る名無しに見る名無し:2011/06/18(土) 23:06:12.57 ID:rPgHGq6X
>>145
読み手もまた書き手にとっちゃ必要さ
じゃないと作品を人に見えるように発表しないし
何でもかんでも様と一括したら駄目
ちゃんと誹謗ではなく批判感想書いてた人もここには多いんだから

147 :創る名無しに見る名無し:2011/06/18(土) 23:24:25.88 ID:+/VWbvpi
横からすまんが批判感想もよくないと思うよ
ちゃんとした意見なら議論スレに書き込むべきだ
気に食わなければここで文句を言って書き手を叩くっていう悪習は肯定できないな
次回からはやめて欲しい

148 :創る名無しに見る名無し:2011/06/18(土) 23:58:19.95 ID:rPgHGq6X
>>147
すまん、言い方が悪かった
俺の言う「ここでは」っていうのは、本スレでことも限らず議論スレも含めて
そして批判感想というのは批判と感想、両方って意味
言いたかったのは、読み手の中にもちゃんと感想も言えば、きちんとした指摘を議論スレでしてる人もいた
全員を悪者にしないでやってくれってこと

149 :創る名無しに見る名無し:2011/06/19(日) 00:00:09.63 ID:NZMIvmKV


150 :創る名無しに見る名無し:2011/06/19(日) 00:19:35.71 ID:eL8G3s56
つまりは感想・雑談は本スレ、意見は議論スレ、毒は吐くなを徹底しろってことだな
前にも言われてたことのはずなのに
本スレで文句や罵声を叫んでだ人らはどこから涌いてきたんだ

151 :創る名無しに見る名無し:2011/06/19(日) 03:10:50.34 ID:NZMIvmKV
何はともあれ一段落か
フォローに動くと言ってくれてる書き手もいるし、氏には迅速な修正をしていただきたいところ

ところで空気変えも兼ねてだが、また人気投票でもやらないか?
第四回分余ってたはずだし

152 :創る名無しに見る名無し:2011/06/22(水) 20:43:24.77 ID:EWW8/bvj
修正来たか
これで続きが書けるようになったし、早速予約来ないかなー


153 :創る名無しに見る名無し:2011/06/24(金) 07:19:05.12 ID:3VTvsTYB
修正分が少ないから本投下はされないのかな?

154 :創る名無しに見る名無し:2011/06/24(金) 12:20:56.58 ID:c6dEycEA
うちは毎回修正は修正スレだけで済ませるので

155 :創る名無しに見る名無し:2011/06/24(金) 21:39:32.28 ID:k0GmrgcX
予約来たぞ

156 :創る名無しに見る名無し:2011/06/24(金) 23:21:36.06 ID:JI2h1st1
オディオまで来たか
ここんとこちょいちょい表に出てきだしたな

157 :創る名無しに見る名無し:2011/06/25(土) 00:40:16.89 ID:cO69TKFA
もう一つ予約きたな
楽しみにしてる

158 :創る名無しに見る名無し:2011/06/25(土) 02:45:06.14 ID:XcMYyqg4
お、6X氏久しぶりじゃん
最近見てなかった上手い人が戻ってきてくれるの見るとすごい嬉しい

159 : ◆6XQgLQ9rNg :2011/06/25(土) 10:05:22.33 ID:aDWWT8co
投下しますね。

160 :デイブレイク ◆6XQgLQ9rNg :2011/06/25(土) 10:09:05.94 ID:aDWWT8co
 漆黒の空が紺へと転じ、東方より巨大な光球がのっそりと顔を出し始める。
 緩慢に白んでいく世界の中、セッツァー・ギャッビアーニはふと空を見上げた。
 星の数が減っている。小さな瞬きの群れは、強大な輝きを放つ太陽光によって呑み込まれつつある。 
 消えゆく星々はまるで、夢破れ潰えた者たちを象徴しているようだった。
 だから、セッツァーは星の数を数えない。
 代わりに、徐々に眩さを増して行く太陽へと目を向ける。
 やがて空を支配するそれはまさしく、彼方の星の存在を許さない王者そのものだ。
 そこに近づくにはどうすればよいか。
 答えなど分かり切っている。
 
 同じように勝ち上がればいい。
 全ての敵を潰し、喰らい、呑み込み、踏み躙り、最後の最後まで倒れなければいい。
 完全なる勝者にこそ、リターンを手にする権利がある。
 純粋さすら感じるほどに単純だ。
 それはつまるところ、これまでセッツァーが生き歩んできた道と相違ない。
 そしてまた、その道はこれからも続いていくのだ。
 飽くなき欲望を糧に夢を追い求める限り、永劫に続いていく。
 
 それこそがセッツァー・ギャッビアーニというギャンブラーの生き様であり誇りであり矜持である。
 最高だ。もっとずっと、この道を進み続けたくてたまらない。
 そのためにも。
 夢を掴み取るためにも。
 セッツァーは勝ち筋をイメージする。
 誰が相手でも、勝ちを譲ってやるつもりなど欠片もない。

 ――どんな手を使ってでも誰が相手でも俺は勝つ。必ず、だ。
 
 それは先ほど、座礁船で改めて誓ったことでもあった。
 
 ◆◆
 
「どうせ死ぬのだ。面白ければ、それだけ生き延びるぞ?」
 その言の葉は威圧感と殺意を孕んでいながらも落ち着き払っていた。
 かつて交差した際、その男――ピサロは焦燥感に塗れていて、その無様さを取り繕う余裕すら見受けられなかった。
 高潔さは感じられても威厳に欠けるその様を、セッツァーはよく覚えている。
 それ故に、今の状況は空恐ろしい。
 必死に女を探していたはずの彼が、疲労はあれど焦りなど皆無な様子で一人、この場にいるのだ。
 何もなかったはずがない。
「……意外だな。あんたが俺たちの話に興味を示してくれるとは思わなかったぜ」
 完全なるポーカーフェイスで動揺を押し殺しながらも、セッツァーは思考を回し想像力を総動員し直感を手繰り寄せ、可能性をシミュレートする。

 女を見つけられずにいることはあり得ない。
 女を何処かに待機させて単身でここに来たか?
 それも考えにくい。
 置き去りにしては、また別離してしまうかもしれない。
 あれほど必死になって探していたのだ。そんなリスクを背負って単独行動するとは考えにくい。
 ひょっとするとピサロと彼の探し人以外の第三者がいるのかもしれない。
 だとしても、第三者に女を任せるとは思えなかった。
 そうなると、バニシュに類する魔法や、ジャファルの言う隠れ蓑のような道具を用い、近くに女が身を潜めているか。
 あるいは。
 共にいることができなくなったか。
 その落ち着きぶりからは前者であると考えるのが自然だが――それでも、判断材料が足りない。
 せめて奴の目的が分かればいいのだが。
 
「御託などいらぬ。話してみろと言っているのだ」
 剣呑さを露わにする男のプレッシャーは強烈で、時間稼ぎなど許してはくれそうにない。
 誰にも気取られぬよう所作一つに細心の注意を払いながら、ジャファルを窺う。
 彼もまた顔色一つ変えず得物の柄に手を掛け、黙しピサロを警戒しているようだった。
 ピサロ以外の存在を気にしているように見えないのは、隠れている者など存在しない証か。

161 :デイブレイク ◆6XQgLQ9rNg :2011/06/25(土) 10:14:03.62 ID:aDWWT8co
「分かった、分かったよ」
 肩を竦め足を組み、堅い木製の椅子に座り直す。最悪な座り心地だった。
 泰然たる態度で、セッツァーは口を開く。
「まず、俺たちのスタンスを話しておく。俺――ああ、まだ名乗ってなかったな。セッツァー・ギャッビアーニだ。
こいつはジャファル。今は手を組んではいるが、俺たちは殺し合いに乗っている口だ」

 そう前置きをし、セッツァーは語る。 
 この座礁船に集おうとする者がいたこと。
 この場に現れたルーキーのこと。
 彼によってもたらされた情報のこと。
 その全てを、客観的事実として告げる。
 ジョウイの情報の真偽は定かではないと、丁寧に注釈も付ける。 
 隠す理由も偽る必要も見当たらない。
 今のピサロの行動理念が不透明な以上、いたずらに誘導を行うべきではない。
 まずは事実を告げ、出方を探るべきだった。  
 
 そうしてセッツァーは、知り得る全てを包み隠さず話し終える。
 その直後、セッツァーが次の句を継ぐ前に、

「――それで、貴様らはどうするつもりだ?」 

 ピサロが間髪入れず問うてくる。
 セッツァーはポーカーフェイスのまま、しかし内心で舌打ちをしてしまう。
 予想以上に、目の前の男は怜悧だった。
 それでもセッツァーは慌てない。
 ハッタリでもカマ掛けでも何でもいい。
 相手の腹の内を引き摺りだすための方策を、冷静に思索する。

 ◆◆
 
 昇りゆく太陽は眩く世界を照らしてゆく。
 美しく仄かに温かい朝日は、在りし日の記憶を目覚めさせる。
 思い出の中で笑むのは、愛しいエルフの女性。
 深緑の木々の下、淡い陽光に照らされて、彼女は微笑んでいる。
 彼女の周りには、多くの命が集っていた。
 動物がいて、虫がいて、植物がいて、魔物がいた。
 彼女を中心にして、あらゆる命が瑞々しく輝いていた。
 それは生命の息吹が満ちる、穏やかで優しい朝のはじまり。
 眩ゆくて幸せな光景。温もりに祝福された時。
 代わりなどないかけがえのない思い出。
 その幸福感ゆえに、今となっては痛みが伴う記憶。

 胸の奥がずきりと痛み、ピサロは歯を食いしばる。
 この痛みは罰だ。
 愚かしいこの身が、受けるべくして受けた罰なのだ。
 罪人の自覚を抱ピサロは往く。
 彼女のためではなく、彼女の愛した世界のためではなく、彼女を愛した生命たちのためではなく。
 ただ、自らの想いのために。想い愛し続けるために。 
 咎人のエゴだと知り彼女が望まないと理解していても止めらない。
 止められない。
 たとえ彼女に蔑まれ憎まれ絶望されようとも。
 生きた彼女を、もう一度だけ見たかった。
 彼女のことを顧みず、自らの想いだけのために全てを殺めるなどと、本当に身勝手なものだと、ピサロは自嘲する。

 だからこそ。
 あの座礁船で、ピサロは即座に殺害へと至らず問うたのだった。


162 :デイブレイク ◆6XQgLQ9rNg :2011/06/25(土) 10:19:11.74 ID:aDWWT8co
 ◆◆ 

「――それで、貴様らはどうするつもりだ?」 

 実のところ、駆け引きだとか交渉だとかいったほどのものではなかった。
 ピサロの問いは、理性というより感情に根差していた。
 人間がどのように考え行動するか、単純に気になったのだ。
 気まぐれめいたそんな感覚に捉われたのは初めてであった。
 ロザリーを喪う以前から、ピサロは人間を滅ぼすべく活動を続けていた。
 エビルプリーストの姦計もあり、人間はすべからく愚かな存在であると信じ疑わず断定していた。
 それが誤っているとは思わない。
 他者を貶め踏み躙り利用し自身の強大な欲求を満たそうとする、薄汚く穢らわしい精神の宿主。
 それこそが人間であり、愚かなエゴの塊と同義である。
 だとするならば。
 同じではないか。
 
 最初は憎しみだった。
 ロザリーの命を奪った人間に対する憎悪のままに、殺戮を繰り返した。
 そして今は欲望のままに、ただロザリーを蘇らせたいがために殺戮を行うと決意した。
 醜い人間の命に価値など感じたことはない。
 むしろ存在しない方が世界のためだとすら思っている。
 だからこそ殺人行為に後悔はしていないし、これからも躊躇うなどあり得ない。

 だが、ピサロは思う。
 そのような選民主義的な蔑視や自己充足のための殺害など、まさに。

 ――醜悪な人間が取りうる、唾棄すべき行動そのものではないか。
 
 そのように気付いたのは、この手で灼いたロザリーの亡骸を埋葬してからだった。
 彼女の身を誰にも触れさせたくないと望み、彼女のためとは言わず自らのために剣を振るうと誓った、その時に。
 ピサロは気付き、自覚した。
 その望みが、誓いこそが。
 人間が抱き得るものと等しい、と。
 
 認めよう。
 ピサロ自身の愚かさを、身勝手さを、醜悪さを、汚さを。
 あれほど憎悪し嫌悪した人間と、ピサロも大差のない存在なのだ。
 少し前までは決して受け入れられなかったであろうその自覚が芽生えていた。
 だからこそ、ピサロは興味を抱く。
 この者どもは、どうするのであろうか。
 殺し合いに乗っているらしい、自分とよく似た彼らは、一体どうするつもりなのであろうか。
 
「決めかねている、ってのが本音だ。奴が罠を張っている可能性が否定できねえからな。だからよ」
 セッツァーが砕けた賽を器へと投げ入れる。賽を叩きつけられた陶器が、小さく悲鳴を上げるように音が鳴った。
 その中身を一瞬だけ見て、セッツァーはピサロへと視線を向ける。
「意見がほしい。あんたならどうする?」 
「知れたこと。罠? 謀略? それがどうした?」
 考えるまでもなく答えなど決まっていた。
 故にピサロはマントを翻しセッツァーに背を向け、静かながら力に満ちた声で、逡巡なく即答する。
「――真っ向から捩じ伏せてくれる。全力でな……!」 
 罠が張ってあろうと策が巡らせてあろうと構うものか。
 賢しく卑劣な手段を用いられようとも止まるものか。
 止めさせて、なるものか。
 ピサロが抱く想いは――溢れ湧きだす欲望は、それほど甘っちょろいものではない。
 邪魔立てするものを斬り捨て立ちはだかる壁をぶち抜き障害を踏み砕く。
 その果てで今一度、ロザリーへと至るために。

 もう、ピサロには焦燥も弱みも惑いもない。
 皮肉にもロザリーの喪失により、ピサロは更に鋭く研ぎ澄まされていた。
 その鋭さをむき出しのまま、ピサロは床を軋ませ一歩を踏み出す。

163 :創る名無しに見る名無し:2011/06/25(土) 10:21:58.51 ID:SoU0wV9e
 

164 :創る名無しに見る名無し:2011/06/25(土) 10:22:38.91 ID:SoU0wV9e
 

165 :創る名無しに見る名無し:2011/06/25(土) 10:23:21.31 ID:SoU0wV9e
 

166 :デイブレイク ◆6XQgLQ9rNg :2011/06/25(土) 10:23:40.02 ID:aDWWT8co
 座礁船にもはや用は感じられなかった。
 今の話が真実だとすれば、真夜中の雨の下で戦った者たちが再び遺跡に集うことになる。
 そこには、奴がいる。
 かつて勇者と呼ばれていた男――ピサロと共に、ロザリーの命を絶った男がいる。 
 みっともなく喚き散らす彼の姿を、今更になってピサロは思い出し、内心で嘲笑う。
 彼――ユーリルを嘲笑したわけではない。ピサロは彼を笑えない。
 憎しみに突き動かされ冷静さを欠き闇雲に暴れるあのザマは、まさにかつてのピサロと同じであったのだから。
 
 ――本当に、変わらぬということか。魔族も人間も。勇者も魔王も。
 
 だからこそ勇者ユーリルも、ロザリーの信頼や友愛を手にできたのだ。
 しかし、だ。
 ユーリルはそれらを、無自覚にせよ裏切った。
 奴は今頃、そのことをどう受け止めているのだろう。
 悔やんでいるだろうか。嘆いているだろうか。心を痛めているだろうか。
 嗤っているだろうか。楽しんでいるだろうか。面白がっているだろうか。
 それとも。
 あの時の、憎悪の対象しか映っていない様子から考えるに。
 
 ロザリーを殺めたことすら気付いてはいないのではないだろうか。

 それだけは確かめなければならなかった。
 もしも仮に、ロザリーの死に気付いていないのだとすれば。
 
 それほど許せないことなど、ありはしない。

「おいおい、俺たちを殺さなくていいのか?」

 立ち去ろうとしたピサロは、その声に足を止めて肩越しに振り返る。
 
「貴様らなどいつでも殺せる。焦る必要などない」
「ほぅ……」

 セッツァーがにやりと頷いた、その瞬間。
 空気が、音もなく一瞬にして張りつめた。

 得物を引き抜く。
 左手のヴァイオレイターを前に、右手のヨシユキを真後ろに掲げた瞬間。
 左右の刃に、殺意が衝突した。
 ヨシユキと交差したのは死者の魂が宿った呪いの札。
 ヴァイオレイターと鍔迫り合うのは暗殺者の短剣。
 影すら追えぬほどの素早さでピサロの首を狩ろうとしたジャファルに、縫い針で延髄を刺すが如く精度で急所を狙ってきたセッツァー。
 そのどちらにも容赦も躊躇もなく、尖った殺気がピサロに突き付けられていた。
 
「忘れるなよ。俺たちも、お前を殺せるんだぜ?」

 それだけ言うと、セッツァーが死の札をしまいジャファルが納刀する。
 彼らが放つ刺々しい殺気が波にさらわれるように引いていく。
 ピサロが怒気を込め、ヨシユキの切っ先をセッツァーに突き付ける。
 だが彼は、不敵に笑って見せた。
 
「勘違いしないでくれ。あんたと事を構えようってわけじゃない。
ここでやり合うのは、お互い不利益だと思ってるんだ」
 
 ピサロは口を開かずセッツァーを睨む。
 それでも彼は動じず、無言を肯定と解釈したらしく続ける。
 
「このまま俺たちがやり合ったとしたら、どちらが勝とうが無事じゃあ済まない。
そうなったらどうだ? ここで勝っても、最後まで生き残る可能性が激減するとは思わないか?」

167 :創る名無しに見る名無し:2011/06/25(土) 10:24:10.84 ID:SoU0wV9e
 

168 :デイブレイク ◆6XQgLQ9rNg :2011/06/25(土) 10:25:46.12 ID:aDWWT8co
 素直に頷かなかったのは、意地があったからだ。
 理性的に判断すれば、それは認めざるを得ない事実である。
 これまで、ピサロは数多くの人物と戦ってきた。
 拳に心を乗せた格闘家。
 怒りと絶望によって覚醒した伐剣者。
 導かれし者である占い師。
 炎使いと呼ばれるハンター。
 そして、夜の雨の下に集った者たち。
 全員を、ピサロは覚えている。
 もしも彼らが取るに足らない雑魚ばかりなら、印象にすら残っていないはずだ。
 今なお生き延びている者たちは更なる強者であると想像できる。
 そんな想像を砕こうとするかのように、ピサロは奥歯を噛み締める。
 なのに表情は、辛苦や悔恨や屈辱に耐えるようにしかならなくて、だからすぐに顎から力を抜いた。
 噛み砕けないのならせめて呑み下そうと、潮の香りを吸い込んで。
 ジャファルとセッツァーを、精一杯睥睨する。

「故に――手を組めと言いたいのか?」 
「物分かりがよくて助かるぜ」
 大仰に頷き、不遜にも口の端を吊り上げるセッツァーに、失笑をぶつけてやる。
「ジョウイとやらを捨て置いた口でよく言う」
「奴は信用できない。あんたはできる」
 セッツァーは立ち上がり、ピサロへと手を伸ばす。
 武器を持っていないその手が、武器を構えたままのピサロに差し伸べられる。
「あんたは紛れもなく、俺たちに近い存在だからな」
 しゃあしゃあと言ってのける男に抱くのは、不愉快さと嫌悪だった。
 こちらを見通したかのような傲慢さも、裏切りを前提とした薄っぺらい言葉も、ピサロの気分を害するだけだった。
 それでも。
「ふん……」
 顔を顰めたまま、ピサロが武器を収めたのは。
 セッツァーの瞳で煌めく執着と、ジャファルの瞳を染める意志に、少なからず共感を覚えてしまったからだ。
 それらを否定することは、即ち、今ここにいるピサロ自身を否定することのように感じられた。
「いいだろう」 
 セッツァーの手は取らない。
 そこまでの行為は、プライドが許さない。
 たとえ人間と魔族が同じであったとしても、ピサロをピサロ足らしめる高潔さを失ってはならない。
 だから、褪せぬ貫録と衰えぬ高貴さで、声を紡ぎだす。
 
「手を貸してやろう。貴様ら人間のためではなく、私の目的のために」

 ◆◆
 
 陽の光が闇を払い、世界が白くなっていく。
 徐々に強さを増す陽光と姿を消して行く闇の狭間で、ジャファルもまた東の空を見やる。
 西へと伸びる影ではなく天空へ上る太陽へと、自然に目が向いていた。
 昔は、朝陽に感慨を抱きはしなかった。
 強いて夜明けに抱く印象を上げるならば、仕事がやりにくくなることによる忌避感くらいだった。
 けれど今は違う。
 今は、夜明けの時に好感を抱いていると断言できる。
 ジャファルのような闇に生きる人間にも等しく降り注ぐ輝きは心地よかった。
 美しく澄み渡る光が、暗闇の世界を照らす。
 感じることはただ一つ。
 
 ――ニノのようだ。
 
 奪う者であり常に死と共にあったジャファルに、生命の輝きを与えてくれたニノ。
 彼女はジャファルを、闇から救い上げてくれた。生きる意味と価値と尊さを教えてくれた。
 嬉しいと思えるのも、楽しいと感じられるのも。
 ニノのおかげであり、ニノが生きていてくれるからである。
 幸福というものを、ジャファルは知ることができた。

169 :創る名無しに見る名無し:2011/06/25(土) 10:26:02.77 ID:SoU0wV9e
 

170 :創る名無しに見る名無し:2011/06/25(土) 10:27:06.90 ID:SoU0wV9e
 

171 :創る名無しに見る名無し:2011/06/25(土) 10:27:47.82 ID:SoU0wV9e
 

172 :デイブレイク ◆6XQgLQ9rNg :2011/06/25(土) 10:27:56.06 ID:aDWWT8co
 感謝している。愛している。
 そんな感情を得られたのもまた、ニノがいてくれたからに相違ない。
 ただそれでも、今になってジャファルは改めて思う。
 
 ――俺は、ニノには相応しくない。
 
 そう思いいたったのは、数刻前、降りしきる雨の中、闇に包まれてニノと再会したあのときからか。
 いや、そうじゃない。
 ニノを生かすために、自分を含めた全てを殺すと決意したあのときからだ。
 分かっていた。
 こんなジャファルの行動を、ニノは決して望まないと。
 分かっていても、他の選択肢など見つけられはしなかった。
 物心ついたときから殺人の術を叩き込まれ刷り込まれ、道具として日常的に殺人に携わってきたのだ。
 殺人はジャファルの原風景であり、捨て去れないでいた。
 離れなく離せないのだ。
 血の臭いは鼻に染み着き首を斬る感覚は掌から消えず断末魔の声は残響し続け絶命の瞬間は見慣れている。
 もう、どうしようもない。
 どんなに純真で汚れのない輝きに晒されても、根本にこびりついた不浄さは拭えない。
 ジャファルに光は相応しくない。
 もしも相応しい光があるとするならば、裁きの輝きのみ。

 けれど。
 胸の内に宿る想いに、嘘だけは付きたくなかった。
 たとえ根底の穢れが消せなくとも、ニノへの慕情はジャファルのものだ。
 それは生まれて初めて持つ宝物。
 ほんとうに、ほんとうにたいせつな、宝物なのだ。
 誰にも渡せない。譲れない。これだけはずっと抱えて逝く。
 そのためにも。
 ニノを守る。
 必ず、ニノを生きて帰す。
 
 ジャファルは高さを増し光を強くする太陽から、同行者へと目を向ける。
 セッツァー・ギャッビアーニと、ピサロと名乗る青年。
 彼らもまた、東の空をただ眺めていた。
 不思議だった。
 示し合わせたわけでもないのに、ジャファルを含めた三人が自然と足を止め朝日へと見入っていたのだ。
 この殺し合いの場で、生命を否定するものたちが、揃って夜明けに思いを馳せている。
 ここにいる男たちは皆同類だという証のようだった。

 セッツァーは、求める者特有のギラつきを。
 ピサロは、郷愁めいた悲哀を。
 それぞれの双眸に映し、眩い光へと目を向けている。
 ジャファルは彼らの敵であり、彼らはジャファルの敵である。
 彼らがニノへと牙を剥いたその瞬間に、この同盟は決裂する。
 その時は、決して遠くない。
 それと同様に、自分の生命が潰えるときももうすぐだ。
 セッツァーたちと異なり、ジャファルの目的は最後まで生き残ることではない。
 だから。
 もう一度、ジャファルは朝焼けを見やる。
 それを咎める者などいはしない。

 光を放つ太陽、白と橙と紺のグラデーション。
 広大な平原と、彼方に広がる雄大な海。輝きを照り返す水平線。
 こんなちっぽけな、何処かも分からない島にいながらも、世界の広さを感じさせる光景。 
 既に夜の気配はない、美しい朝の訪れ。 
 それでも。
 
 決して払えぬ闇は、ここにある。


173 :創る名無しに見る名無し:2011/06/25(土) 10:28:34.73 ID:SoU0wV9e
 

174 :デイブレイク ◆6XQgLQ9rNg :2011/06/25(土) 10:29:28.49 ID:aDWWT8co
【B-7 二日目 早朝】

【ジャファル@ファイアーエムブレム 烈火の剣】
[状態]:健康
[装備]:影縫い@FFVI、アサシンダガー@FFVI、黒装束@アークザラッドU、バイオレットレーサー@アーク・ザ・ラッドU
[道具]:聖なるナイフ@ドラゴンクエストIV、毒蛾のナイフ@ドラゴンクエストW 導かれし者たち、潜水ヘルメット@ファイナルファンタジー6
    マーニ・カティ@ファイアーエムブレム 烈火の剣、基本支給品一式×1
[思考]
基本:殺し合いに乗り、ニノを優勝させる。
1:ニノを生かす。
2:遺跡へ向かう?
3:セッツァー・ピサロと仲間として組む。座礁船を拠点に作り替えるorジョウイの提案を吟味する?
4:参加者を見つけ次第殺す。深追いをするつもりはない。
5:知り合いに対して躊躇しない。
[備考]
※ニノ支援A時点から参戦
※セッツァーと情報交換をしました
※ジョウイからマリアベル達の現在の状況を知りました。その他の情報については不明です。


【セッツァー=ギャッビアーニ@ファイナルファンタジー6】
[状態]:好調、魔力消費(中)
[装備]:デスイリュージョン@アークザラッドU、つらぬきのやり@FE 烈火の剣、シロウのチンチロリンセット(サイコロ破損)@幻想水滸伝2
[道具]:基本支給品一式×2、 シルバーカード@FE 烈火の剣、メンバーカード@FE 烈火の剣 、拡声器(現実) 回転のこぎり@FF6
    フレイムトライデント@アーク・ザ・ラッドU、天使ロティエル@サモンナイト3、壊れた蛮勇の武具@サモンナイト3 、小さな花の栞@RPGロワ
[思考]
基本:夢を取り戻す為にゲームに乗る
1:遺跡へ向かう?
2:ジャファル・ピサロと仲間として行動。座礁船を拠点に作り替えるorジョウイの提案を吟味する?
3:ゴゴに警戒。
4:手段を問わず、参加者を減らしたい
※参戦時期は魔大陸崩壊後〜セリス達と合流する前です
※ヘクトル、トッシュ、アシュレー、ジャファルと情報交換をしました。
※ジョウイからマリアベル達の現在の状況を知りました。その他の情報については不明です。


【ピサロ@ドラゴンクエストIV】
[状態]:ダメージ(小)、疲労(大)、心を落ち着かせたため魔力微回復、
    ロザリーへの愛(人間に対する憎悪、自身に対する激しい苛立ち、絶望感は消えたわけではありません)
[装備]:ヨシユキ@LIVE A LIVE、ヴァイオレイター@WA2、クレストグラフ(ニノと合わせて5枚。おまかせ)@WA2
[道具]:基本支給品×2、データタブレット@WA2、双眼鏡@現実
[思考]
基本:ロザリーを想う。優勝し、魔王オディオと接触。世界樹の花、あるいはそれに準ずる力でロザリーを蘇らせる
1:遺跡へ向かいユーリルにロザリーのことを尋ねる。
2:セッツァー・ジャファルと一時的に協力する。
[参戦時期]:5章最終決戦直後
[備考]:確定しているクレストグラフの魔法は、下記の4種です。
 ヴォルテック、クイック、ゼーバー(ニノ所持)、ハイ・ヴォルテック(同左)。


175 :創る名無しに見る名無し:2011/06/25(土) 10:29:34.37 ID:SoU0wV9e
 

176 : ◆6XQgLQ9rNg :2011/06/25(土) 10:31:46.00 ID:aDWWT8co
以上、投下終了です。
支援してくださった方、ありがとうございました。

何かありましたら遠慮なくお願いします。

177 :創る名無しに見る名無し:2011/06/25(土) 10:33:58.59 ID:SoU0wV9e
迅速な執筆と投下、お疲れ様でした!
……ああ……いいなあ、この文章は読んでいてすごく気持ちがいい。
夜明けの風景の美しさも、ピサロたちをはじめとする人物が抱く思いの
どうしようもなさも、きちんと書いてあるのに綺麗なんだよなぁ。
心理や前話の補完も丁寧でしたが、それにとどまらない、単体でとてもいいと
思える話でした。最近投下読むたびに泣いてるような気がするけれど、
「それでも」の使い方がひどく切実で、胸を衝かれました。

178 :創る名無しに見る名無し:2011/06/25(土) 15:13:35.83 ID:t+c64e1C
投下乙です

上で俺の言いたい事を俺より上手く言ってるよ
確かにキャラの心理描写とか凄く上手いわ
読んでて手に取る様に判ってしまうと言うか
いやあ、よかったですわw

179 : ◆MobiusZmZg :2011/06/25(土) 16:34:56.82 ID:SoU0wV9e
ゴゴ、オディオ、投下します。

180 :〈 愛ちぎれる 金色の 断章 〉 ◆MobiusZmZg :2011/06/25(土) 16:36:23.09 ID:SoU0wV9e
 今までずっと充たされることなく生きてきた。
 きっと、これからも。


       ◆       ◆       ◆


.

181 :〈 愛ちぎれる 金色の 断章 〉 ◆MobiusZmZg :2011/06/25(土) 16:37:54.45 ID:SoU0wV9e
 雨を越えた空は、晴天を控えて高く、青白い輝きを放っていた。
 ちいさな集落と海を背に、平原を歩む人影も、例外なく澄んだ光を浴びている。
 朝明けを浴び、凪を越えて吹き始めた風をはらむ布地は、さながら金色の焔がごとく。
 乾いた音をたててひるがえる衣装が、かれの。物真似師ゴゴの、人としての輪郭をゆがめる。
 冷えた風にあおられるまでもなく、ゴゴの顔は、すでにしてゆがんでいた。

 箱庭じみた世界にありて、一点の疑いもなくかがやいていたものども。
 そのすべてはいま、布の合間からのぞくかれの眼には、こころにはくすんで見える。
 響かないのだ。風も空も波も、ただそこにあるものどもは、かれのこころを揺らせない。
 戦友の空を護るべく真似た、魔王の、オディオの心。その中核にある憎しみは石を思わせて硬く、
澱のようによどんで、物真似師の胸を満たしている。
 ゆえにこそ、こころは動かず、こころが動かないからこそ、やり場のない苛立ちも深くなる。
 早朝の陽。色のなく、すずしげでさえある光を浴びるゴゴにともる憤懣は、かれをじりじりと灼いていた。
 それがつづくかぎり、憎しみは収まらないのだろうと、『かれ』もどこかで分かっている。
 罰をもって罪を精算するように、憎悪には忘却が、赦しや手放しが対応するのだろう。
 だが、ゆえにこそこれは収まらない。
 憎悪の情が胸に息づいている、実感こそが収めさせない。


 ……実感。
 はたしてつもる憎しみの、そこにはたしかな、いたみがあった。


 断続的で慢性的にうずく、傷ともいうべきなにものかは、じくじくと膿んでいる。
 傷んで、うずいて、もはや痛みを覚えることにも倦んでしまいつつある、このこころ――。
 安堵とかけ離れて、みじかく打つ鼓動のさびつきは、自分自身にすら許容できないと、思えた。
 許容できないゆえにこそ、痛みをもたらす傷を悼んで、みずからの手で癒すことも。いいや。もう、
癒すということばでさえこの胸は。飽和した脳漿は、そのやわらかさを欠片ほども受け容れられない。
 いつのまにか握りしめていた、拳には関節が白くなるほどの力がこもっていた。
 その手をひらけば五指と掌(たなごころ)を蒸らした体温が、血管の脈動がうとましい。

 その熱を振り払う一歩。
 自分をとりまいているものどもの、すべてが憎かった。
 陸風を噛み裂いた二歩。
 自分をとりまきながら自分を行き過ぎるものどもの、すべてが心をえぐっていた。
 涙袋を歪めながら三歩。
 自分を敬して、憎んでとおざけ、自分を充たさないものどもの、すべてを拒みたくなっていた。
 唇を引き結んで、四歩。
 想いのあまりに直視を拒めない世界、自分の敵となるものどもの、すべてを殺したくなっていた。

 歩みをすすめ、目に見えるものがふえるほどに、慨嘆は対象を拡大してゆく。
 ぐらぐらと煮え立つばかりで弾けない痛憤は、胸中にとどまりかねて視界をゆがめる。
 雨の上がった空。ちがう。開けた視界。ちがう。風に鳴る下生え。ちがう……ちがう、ちがう。

182 :〈 愛ちぎれる 金色の 断章 〉 ◆MobiusZmZg :2011/06/25(土) 16:38:37.54 ID:SoU0wV9e
 自分を取り巻くべきは、こんなものではない。
 自分のいるべきは、こんなところではない。
 自分のいだくべきは、こんな――こんな。

 そんな声も、もはや、かたちにできない。
 人間の、あたたかな血に忘我した数瞬は、すでに超えていたからだ。
 あの場で自分と相対した、たったひとりの人間を消した自分とて、いまは、ひとりだからだ。
 ひとり、天に叫んでしまえば、その声が自身の空虚をあらわにしてしまうように思われてならない。
 自分から憎悪を抜き取ってしまえば、ひどく不確かなものしか残らないような――皮を一枚はがして
みれば、もはや、流れ出る血さえ残っていないような――事実を、直視する間もなくこころが焼けつく。


 自分が、いま、たったひとりであること。
 経緯も論理も超越して、すでにそれさえもが、憎い。


 現在への強い反撥と、喪ったか否かさえ判らない、なにものかに対する慕情。
 いまや、そのふたつだけが、一分の揺れもなくかれの胸に落ちて混淆するものであった。
 ふたつの想いはつぎつぎと深みに落ちて、砕けて、胸へとくべる薪に姿を変えていた。
 薪が燃やすは、金色の焔。世界と自身を灰に変え、あとにはなにも残さない、ほろびのひかり。
 いつかその目におさめた風情の輝きが、海に背を向けて往く影のこころを喰らってやまない。
 憎悪を模倣する、かれはむずがる子どものそれにも似たしぐさで腕を上げ、やわらかな風を砕く。

 幾重にも重なった衣の懐から、小さな花が転がりだしたのは、そのときであった。
 ていねいに押し伸ばされた白のひとひら。清い彩りがひとときかれの衣服にからみ、大地に落ちる。
 転瞬――花を踏み砕いた靴の、鋼板で補強されたフォルムは、主が想いの欠片もうつさなかった。


       ◆       ◆       ◆

.

183 :〈 愛ちぎれる 金色の 断章 〉 ◆MobiusZmZg :2011/06/25(土) 16:39:30.73 ID:SoU0wV9e
  ――モノマネ野郎なんざ、下の下だろう。


 まさしく、なにも知らぬ者の放てることばであった。
 物真似師、ゴゴとやらに降りた魔王の心。かれがきわめた物真似の完成形がひとつ。
 それを、首輪の感応石ごしにあらためて感じとっていた魔王は、鼻から呼気を押し出した。

「……人間だな。まさしく。絆ゆえに、愚かともなれるか……」

 もっとも、玉座にある彼がいま、ただのひとりでいる物真似師を『視る』すべなどない。
 首輪に内蔵された感応石と、もっとも近い場所にあった《オディオ》の思念――。
『主催者本人の念』とほど近いものをいだいた人物が枷を外すことを選び、実行した瞬間。戦いの場、
すなわちゴゴの首輪より遠くあるオディオの側に、横槍を入れる余地はさしてなかったのだ。

 “さして”。

 そう、『まったくと』では、けしてない。
 首輪を構築したのがオディオ本人である以上、手の打ちようがなくなることなどあり得ない。
 たとえばあのひと刹那において、この魔王はゴゴの首輪へ憎悪と殺意を送り込み、あの枷に詰まった
魔剣と竜の力をもってして、かれを真似たものの激発を抑えることは造作もなかった。

 だが、オディオはそれをしなかった。
 ゆえにこそ、首輪に仕込んでいた感応石は、すでに物真似師のそばにない。
 そうなればオディオとて、瓶詰めや箱庭にも似た戦場にあるものの動向はつかめない。

 それでも、分かることはある。
 憎しみ。我と我が身を燃やし、終にはもろともに消え果てるさだめの焔。
 物真似師は、このオディオを模倣するかぎり、心に薪をくべて自らをこそ燃やすだろう。
 怒りに、悲しみに、絶望。想いすべての根本にあるのは、意地や矜持の形容が至当な『いのり』だ。
 けして届きえぬ想い、ねがいを掲げているかぎり、かれが充たされることなど、きっとない。

 どんな枕詞をつけるまでもなく、絶対に、ないはずなのだ。


「……信じている。だったな。ああ、そうだとも。
 アシュレー、アシュレー・ウィンチェスター。私とて、かつては信じていたさ。そして」


 おそらくは、いまも。
 愛ちぎれてすりきれたものの黒瞳を、揺れる金髪のひとすじが隠した。
 うたうように『最たる勝者』の名をつむいだ唇からは、ひくい笑みがこぼれだす。

 信じている。
 信頼や信用からかけ離れた魔王とて、信じずにはいられない。
 自分の考え、感じたことのただしさだけは、真実とせずにはいられない。
 それもまた、当然のことではあった。
 魔王が『勝者』どもの言を受け容れたなら、それではあまりに報われない。
 自分を憐れむやり方など、とうに忘れてしまったが、この生を否定されることだけは赦し得ない。
 ここまで歩んできたがゆえに、ここで敵のことばへ膝を折り、屈する気になどなれるはずもない。

 言葉を交わすことなく、赦すことをあきらめ、希望を絶望に裏返した魔王オディオ。
 憎悪ゆえに信じることを忘れ、眼を閉じ幸せなゆめをみることさえ手放した、もと勇者。
 そんな存在が、もしもかれらのさえずる言を、かれらの『本当』を信じてしまったのならば。


 オルステッドが莫逆の友の、恋した王女の裏切りに傷ついてきたことが、
 過去を忘れられぬまま、膿んで腐った傷口をかきむしりつづけることが答えではなく、


.

184 :〈 愛ちぎれる 金色の 断章 〉 ◆MobiusZmZg :2011/06/25(土) 16:40:33.59 ID:SoU0wV9e
【B-6 北部 二日目 早朝】
【ゴゴ@ファイナルファンタジー6】
[状態]:疲労(小)、ダメージ(小)、人間への強い憎しみ、首輪解除
[装備]:ジャンプシューズ@WA2、閃光の戦槍@サモンナイト3
[道具]:なし
[思考]
基本:人間を滅ぼす。
1:人間を探して殺す。
[参戦時期]:本編クリア後
[備考]
※本編クリア後からしばらく、ファルコン号の副船長をしていました。
※基本的には、『その場にいない人物』の真似はしません。
※セッツァーが自分と同じ時間軸から参戦していると思っています。
※オディオの物真似をしたせいで、彼の憎悪に支配されました。
 物真似の再現度や継続時間など、詳しいことはお任せします。


※小さな花の栞@RPGロワは、踏みつけられて花びらを散らしました。

----------
以上で投下を終わります。
指摘、意見、感想など、なにかありましたらお寄せいただけると幸いです。

185 :創る名無しに見る名無し:2011/06/25(土) 16:53:23.30 ID:Hx6eZti2
乙です。納得の内容でした
しかし、こうしてみると、即席チームの割に似たもの同士の3人なんだなw

ピサロを適度の消耗させることができるか、
ジャファルを制御する鍵がニノであることに気付くかどうか。
セッツァーがこれからどう立ち回るかがこの3人の鍵だな…

ホント、セッツァーはすっかりマーダー側の主人公になっちゃったなw

186 :創る名無しに見る名無し:2011/06/25(土) 17:15:09.60 ID:Hx6eZti2
オディオの投下も来てたか、驚いた
投下乙です

これだけの内容がこんなに早く投下されたのは本当にびっくり
所々漢字を使わなかったり、ぐるぐるした内容から
行き場のない感情が伝わってくるな…
ゴゴとオディオがこれからどうなるのか、今後に期待だな

187 :創る名無しに見る名無し:2011/06/25(土) 17:36:13.74 ID:1aFLyDmR
二つも投下きてるーーーーー!

まずは◆6XQgLQ9rNgさん、投下乙!
RPGロワの今のマーダーたちってものを象徴する話だね。
死にたくないとか殺したいとかよりも、死ねないという動機で三人とも戦ってるよね。
手段を選ばない三人の心理にとてもハラハラした。
個人的にはやっぱセッツァーがいいな。ギャンブラーの見ごたえは異常w
結果が決まってる状態でここまで書けるって凄い、GJ!!!!

◆MobiusZmZgさん、投下乙!
もうね、せつない。ゴゴのパートはセリフなしで表現された悲しみが半端ない。
花の栞を踏むシーンでは、登場話からの流れを思い出していろんなものがこみ上げてくるなあ。
オディオは遠隔爆発しなかったところに、どこか人間臭さを感じるね。
ここにきて、終盤に向けて物語が動き出したって感じだ、GJ!!!!

188 :創る名無しに見る名無し:2011/06/25(土) 18:00:38.93 ID:t+c64e1C
投下乙です

グルグルと頭の中で色んな物が渦巻いているんだろうな
そしてここで花の栞が出てこうするとは…凄いな
オディオもオディオで、ああ…
彼らはいったいどうなるんだろう?

189 :創る名無しに見る名無し:2011/06/25(土) 21:38:52.16 ID:aDWWT8co
◆MobiusZmZg氏、投下乙です!
この語彙力と表現力、感服しました。
流麗かつ物悲しい世界観が構築されていて、極上の詩を読んだ後のような読後感でした。
オディオの真似により憎しみを抱いたゴゴが、栞を踏み砕いたシーンは胸が締め付けられた。
そのオディオもまた、ゴゴを見て感じ入ることもあるだろうと想像できました。
GJでした!

190 :創る名無しに見る名無し:2011/06/26(日) 00:23:05.25 ID:ne4yr+9e
お前ら投下はえええよ!? すげえよ!w
お二方投下お疲れ様です

光に見入る、命を否定する者達か
いいなあ、こういうの
セッツァーもだけどピサロが怖いな、俺は
自身を愚かだと認め、冷静さを取り戻したピサロには、これまでにない冷たい恐ろしさを感じずにはいられないぜ

そしてこれがオディオの観る世界か……
ゴゴを通して描かれるオディオの世界の満たされなさに脱帽、そして絶望
オディオの捨てきれない人間臭さには胸が締め付けられる

お二方ともGJです

191 :創る名無しに見る名無し:2011/06/30(木) 10:32:45.08 ID:e34Le2vG
おお、また予約が
最近クイック期だな、うち

192 :創る名無しに見る名無し:2011/06/30(木) 15:50:07.30 ID:Yf+HEGY0
クイックタイム 書き手は死ぬ

193 :創る名無しに見る名無し:2011/06/30(木) 21:37:14.87 ID:AxYgE5aW
死んだら続きが見られないじゃないですか、やだー!

194 :創る名無しに見る名無し:2011/06/30(木) 21:52:51.93 ID:jzSPWQwV
RPGロワは滅びんよ、何度でも甦るさ。それが人々の夢だからだ!

195 :創る名無しに見る名無し:2011/06/30(木) 22:16:55.47 ID:q7SYq/CE
書き手はロワスレを離れては生きていけないのよ

196 :創る名無しに見る名無し:2011/06/30(木) 22:36:06.82 ID:e34Le2vG
なかいいな、お前らw
いや、俺ら、かw

197 :創る名無しに見る名無し:2011/06/30(木) 22:38:12.07 ID:e34Le2vG
そういや最近読み返して、死んでいったキャラにも好きな奴らいたなーっとしみじみ
ネタ扱いされてたけどミネアさんはリンと結構いいコンビだったと思う
トッシュはかっこいいのも好きだけど、ナナミやトカやゴゴへのツッコミ役としてもいきいきしていて、読み返してて何度か笑ったw

198 :創る名無しに見る名無し:2011/07/01(金) 08:20:34.10 ID:oV5hEkKq
好きなパーティ結構いたわ。
脳筋withクロノは言うに及ばず、ブラッド・ヘクトルのパワーファイターとかシュウ・サンダウンのガンマンコンビとか。

199 :創る名無しに見る名無し:2011/07/01(金) 19:55:49.98 ID:9Affhl5C
ルカは本人は別に好きでも何でもなかったけど、
VSカノン、VS脳筋チーム、VSシャドウ、VS城チームと、
ルカとの戦いは名勝負が多かったな
だんだんルカ本人にも惹きつけられていった

200 :創る名無しに見る名無し:2011/07/01(金) 23:45:05.37 ID:XUjlGtWV
そういうのあるよね
このロワ読んでて好きになったキャラとか
俺はシャドウがすごい気になるようになっていったわ

201 :創る名無しに見る名無し:2011/07/02(土) 16:14:33.67 ID:l83EXfM8
キャラの掘り下げが凄く上手いんだよな

202 :創る名無しに見る名無し:2011/07/02(土) 21:53:06.55 ID:7FR8J8hl
ゴゴとか、ロックやセリス差し置いてよく参加できたなーって思ってたけど蓋を開ければすごい活き活きしてるしな
個人としても、他キャラとのコンビやチームにしても

203 :創る名無しに見る名無し:2011/07/03(日) 10:39:52.10 ID:ypRLWzxD
ここのFFキャラたちの友情は自分が今まで見てきた全部のロワのキャラでも一番好きだ

204 :創る名無しに見る名無し:2011/07/03(日) 12:47:08.96 ID:Eb0k0Cp4
シャドウがなんだか仲間思いな熱血キャラ的解釈だなwとか思ってたが
よく考えたら原作でも結構熱い奴だった
「行け!世界を守れ!」とか「友と…家族と…」とか

よく知っていると思ってたキャラの魅力を再認識するとか新しく知るとかできるのっていいね

205 :創る名無しに見る名無し:2011/07/03(日) 12:50:14.84 ID:89cOeoxv
シャドウは友情にあついマーダーという変わった立ち位置だったw
最後にそれまでもちょいちょい触れられていた家族のことをメインにしてくれたのもよかったなー

206 :創る名無しに見る名無し:2011/07/05(火) 14:27:12.42 ID:NbsTb93R
FF6といえば夢追いマーダーのセッツァーもなかなかいいキャラだよな
ガチで奉仕マーダーのジャファルやロザリーの死によってある意味弱みがなくなったピサロと
これからどう絡んで動いてくるか

207 :創る名無しに見る名無し:2011/07/05(火) 19:25:33.62 ID:Ue82mL2j
ピサロは本当に怖くなったよね……
説得の可能性消えたとかだけじゃなくて、一回りして強みである冷静さを取り戻したし

208 :創る名無しに見る名無し:2011/07/06(水) 14:26:58.91 ID:xs00/6lm
終盤新人が来るなんてすごい貴重なことなのに、エース書き手が自らフイにするとはな
あの二人もう書いてくれないだろう

209 :創る名無しに見る名無し:2011/07/06(水) 14:48:50.89 ID:/kuI855t
まーだ言ってやがる
このロワが上手くいくのが余程気に食わないんだなw

210 :創る名無しに見る名無し:2011/07/06(水) 14:51:04.92 ID:B6r2du2f
>>209
なんでそうやって構うかなぁ……
そうやって構うから、荒らしがいつまでもグチグチ言うんだよ

211 :創る名無しに見る名無し:2011/07/06(水) 14:58:53.68 ID:GBELGniw
少しでも批判的なレスしたら即荒らし認定するのは…
肯定以外認めないのがルールならそれでもいいが

212 :創る名無しに見る名無し:2011/07/06(水) 15:20:19.24 ID:0ZyXiG8U
わざわざ読み手が否定意見を吐くメリットがないからな
この話はしたらばの雑談スレで散々されてるから、それを見たらいいよ
自分はあの人の話が一番好きなんで、
あの人を追い出すようなことだけは絶対にしたくない

213 :創る名無しに見る名無し:2011/07/06(水) 15:43:30.89 ID:34Nso80C
「批判」だけならともかく「特定の書き手に対する否定」ならそりゃ叩かれるさ

214 :創る名無しに見る名無し:2011/07/06(水) 20:04:18.83 ID:PLxsr4cw
>>213
それがこの問題の本質だろな
作品一つ一つへの批判ならともかく、その批判が人物に行くとな……
単にその人を叩きたいだけともとれるし

さて、どうも空気が不穏だし、前に話題になってた人気投票を本格的に考えてみるか
まあそれよりも投下が先に来そうだが

215 :創る名無しに見る名無し:2011/07/07(木) 14:21:28.19 ID:tqUVlc7f
誰を叩けばロワにとって痛手か、荒らす側もわかってるみたいだしな
トップ3の人らはそれぞれ重要な役割を果たして来てるから、
誰が欠けてもつらいところがある

さて順当にいけば、もうすぐiD氏の投下だ
どんな展開になるのかまったく予想できないわ

216 :創る名無しに見る名無し:2011/07/07(木) 15:01:00.94 ID:EkEE5rbo
トップ3以外なら欠けてもいいの?

217 :創る名無しに見る名無し:2011/07/07(木) 15:09:17.89 ID:C7uuuGhB
そういうことを言ってるわけじゃなくね?

218 :創る名無しに見る名無し:2011/07/07(木) 19:07:54.03 ID:tFysNY38
iD氏のことだから多分また期限ギリギリに縺れ込むだろなw
読み手としては早く読みたい想いと、出来る限り時間を使って大作を仕上げて欲しいという想いがせめぎあってしまうw

219 :創る名無しに見る名無し:2011/07/08(金) 01:30:55.81 ID:fBwMKuBu
ねみい。
投下待ってたいけど無理。
支援が見込めない時間になりそうなら前のRd氏みたいに夕方頃でもいいと思う。
最悪、もうしたらばで投下したことにしてもいいんだけどね。


220 :創る名無しに見る名無し:2011/07/08(金) 07:10:05.00 ID:fBwMKuBu
破棄か
残念だが仕方ないよね

でも、書いても書いても終わらないってどんな量になってたんだろ

221 :創る名無しに見る名無し:2011/07/08(金) 09:00:14.83 ID:+QAxqiyu
今どれくらい書きあがっているかさえ言ってくれれば、再延長でもいい気がする

222 :創る名無しに見る名無し:2011/07/08(金) 09:50:53.39 ID:X6QaPhlP
お前らがプレッシャーかけるからだぞ
黙って待ってるってことが出来ないのか

223 :創る名無しに見る名無し:2011/07/08(金) 10:16:03.46 ID:ay2eA9ie
最高で八日間の予約期間をさらに延ばしてもいいんじゃないかな?
最近間に合わない人多いし
終盤であることととかを考
慮してさ

224 :創る名無しに見る名無し:2011/07/08(金) 10:17:20.43 ID:ay2eA9ie
改行が変なことになってるな、すまん

225 :創る名無しに見る名無し:2011/07/08(金) 21:48:05.56 ID:qz2I6vPc
書いても書いても終わらない、なんて言われると読みたくなっちゃうよな

あとどんくらいで完成できるのか見通しが立ちそうなら
再延長、とかしても現状なら何も問題にならなさそうだし
書きやすいルールに変更してもらっていいと思う
議論スレに提案してみるか?

226 : ◆iDqvc5TpTI :2011/07/09(土) 00:56:25.84 ID:Z/b48lpJ
心配していただきありがとうございます
破棄の理由はキャラ拘束を避け、企画の遅滞を起こさないためと、私の我儘によるものです

後どれくらいで完成するかは、正直見通しが立っておりません
展開が煮詰まったからではなく、むしろペースが私としては好調過ぎる為、想像よりもどんどん長くなっていっているせいです
現状では六五キロバイトですが、この調子だとどこまで行くのやら
八十は越えそうですが、百に行ってもおかしくないかも知れません
ですので、再延長をさせてもらおうにも、こちらからは具体的な数字が提示できそうにありません
ご好意はありがたいのですが、辞退させていただきます

加えて、今回の話は、妥協したくないという書き手的な想いもあります
リレー企画ということを考えれば、切りの良い部分で切り上げて、途中で後続の方々に投げるという方法もありました
ですが自分にとって不完全な形で、期限内に仕上げるくらいなら、予約面子を別の方に譲ることになろうとも、満足のいく作品を書き上げたいと思った所存です
これは完全に私情によるものなので、もし、私が今予約している面子を予約したい方がいらっしゃれば、遠慮せず予約していただきたい

以上長々と失礼しました
尚、今回私は再延長を辞退させてもらいましたが、上記のとおり、それは、今回の私が再延長させてもらうには相応しくないと思ったからです
再延長制度の追加、または、基本的な予約期限を伸ばすことに反対だというわけではありません
それでは

227 :創る名無しに見る名無し:2011/07/09(土) 01:14:59.60 ID:r+/PM3Ev
報告乙であります
自分は氏の妥協せずに書いた力作をいつまでも待ってますぜ
まあ他の書き手が予約したらしゃーないけどねw

予約期間は伸ばすなら一週間+延長の一週間の計2週間でいいんじゃね?とかアバウトなこと言ってみる

228 :創る名無しに見る名無し:2011/07/09(土) 09:58:31.85 ID:QxiAuhPc
どうせ誰も予約してはいけない空気なんだから素直に延長すればいいのに
ただ際限なくずるずる伸びるだけじゃん

229 : ◆MobiusZmZg :2011/07/09(土) 13:38:34.02 ID:Z9Yva3y4
>>228
予約してはいけない空気なんかないよ。
そうした見方をするのは見る側の勝手だと思うけれど、それを口に出せば、
楽しみに待っているかもしれない人まで不快になることは理解していただきたい。

で、自分は書き手だが、今回はもう◆iD氏の投下を待つ。

……と言っても証拠がないからトリを出すけれど、私が◆iD氏のSSの完成を待とうと
思っているのは、なにより氏のSSを読みたいと思っているからです。
すくなくとも自分の場合は、読みたいもの=書き手さんの書きたいものなので、
なにが来ても楽しみだと思える。
妥協したくないとまで仰る話なら、なおさらに氏の……いいや、今回の氏にかぎらず、
この企画で「すごいな、いい話だな」と思った方の本気を見てみたい。
ただそれだけの気持ちで、ワクワクして、感情を揺さぶられたくて、楽しみにしています。

むろん、このレスも「◆iD氏の話が見たいから他は予約するなよ」という内容ではありません。
書き手さんの書きたいものは、今まで期限を守って予約・投下がなされたときにだって
どこかで潰れてきた――私も自分の投下で潰したかもしれんわけで。
それを知っているからこそ、自分は誰の、なにがきてもいいやというスタンスでいます。
かりに投下できなかったとしても、没ネタくらいはいつか見られると嬉しいなぁ、とも思ったり。
そんな感じなので、氏も他の書き手さんも、気負わず書きたいものを書いて、執筆しているときに
楽しんでいただけているなら、それが一番いいことだよなぁと思いますよ。

230 :創る名無しに見る名無し:2011/07/09(土) 13:41:02.43 ID:Z9Yva3y4
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/11746/1219587734/234

したらばの議論スレで、議論の発議がなされたようです。
議題は「本スレを2ch・したらばのどちらに置くか」「予約期間の延長」のふたつ。
自分もこれから意見を書きこんできますが、どちらも……とくに後者の議題については
実際に執筆してらっしゃる書き手さんの意見が必要だろうと思えたので、あまり
硬くなることなく……発議した当人ではないのですが、意見を交換していければと思いますよ。

231 :創る名無しに見る名無し:2011/07/09(土) 15:07:04.49 ID:nPoOHO28
正直普段のレスで――使うやつって自分に酔ってるとしか思えない
というかあんたサガロワエタらせたのにどのツラ下げてここにいるのと

232 :創る名無しに見る名無し:2011/07/09(土) 15:21:49.60 ID:YUCVIMqn
余所の事情はよく知らんがそうやって他ロワを絡めた非難レスを見てしまうと
>このロワが上手くいくのが余程気に食わないんだなw
て言われていたのは煽りじゃなくてマジなのかと思えてくる

233 :創る名無しに見る名無し:2011/07/09(土) 15:59:04.29 ID:Z/b48lpJ
俺も流石に231はいちゃもんや難癖つけにしか思えない
……や――にまで突っ込まれても困る
それこそその人の文章の書き方次第だろw
別に他人がそれで被害受けるわけでもないし
案外ここ最近のMo氏の文章苦手云々言ってた人と同一で、粘着してるのは一人かもな

234 :創る名無しに見る名無し:2011/07/09(土) 16:08:13.13 ID:6h39WIM/
最初の部分は同意だけど
下二行は余計ですよ
そういうこと名指しで言わない!違ったときのことを考えようよ

235 :創る名無しに見る名無し:2011/07/09(土) 16:36:35.54 ID:YdxUj9+N
書き手も荒らしの煽りに更に煽りで返すってことが分かった
これ以上2ちゃんで続けたらもっとボロが出かねないしさっさとしたらば進行にしようぜ

236 :創る名無しに見る名無し:2011/07/09(土) 17:01:34.60 ID:yoYQrtmU
そうだね、プロテインだね

237 :創る名無しに見る名無し:2011/07/18(月) 23:59:44.78 ID:82jevL9o
 

238 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:02:07.62 ID:Ru6v0qfu
皆様、お待ち下さりありがとうございます
遂に完成したので、投下させていただきます

239 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:02:21.59 ID:KFfpzMC5


240 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:02:33.19 ID:arUSEkio
 

241 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:02:50.68 ID:m8vjC9KZ
 

242 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:03:11.43 ID:Ru6v0qfu
問おう、汝は何者か

――僕は“勇者”で、“勇者”は“生贄”で、でも僕は“勇者”じゃなくて……僕は、一体何なんだ?

“救いたい”人達がいた。
“救えなかった”人達がいた。
“救われた”自分がいた。
救い手たる自分になった。

ユーリルの半生は、“勇者”ユーリルの一生は、人を“救う”か“救われる”か。
それだけに費やされた。
救い手たれと望まれて、本当に“救いたかった”人達の命を犠牲に“救われた”彼は、せめてとばかり名も知らない人々を“救い”続けた。
無論、どれだけ救おうとも、所詮は代替行為。
飢えは満たされるはずがなく、ユーリルは更に多くの人々を“救う”ことを求めた。

“勇者”だから。
僕は、“勇者”だから。
“救わねばならない”。
人を、世界を、“救わなくちゃならない”。

だが、夢も未来も幸せも捨ててまで“救った”人達は、“救いようもなく”の身勝手だった。
彼らは“勇者”と導かれし者達がが命を賭けて戦っている間、安穏とした日々を送るだけだった。
誰一人、“勇者”と共に戦おうとしなかった。
誰一人、“勇者”の幸せを願ってはくれなかった。
一番好きで、一番“救いたかった”人でさえ、ユーリルという一人の人間のことを見ていてはくれなかった。

人々は“勇者”に全てを背負わせた。
ユーリルはただの“生贄”に成り果てた。

嫌だった。
もう全てが嫌になった。
何故自分だけが全てを奪われねばならなかったのか。
何故自分だけが全てを捨てねばならなかったのか。

何故僕が、何故僕が、何故僕が……。
何故僕だけが“勇者”で、何故僕だけが“救われない”……。

その答えを既にユーリルは知っていた。
ユーリルを“勇者”たらしめている最たる要因は、彼の生まれにこそあった。
混血なのだ、ユーリルは。
天上の民天空人と、地上の民人間の。

どうして二つの血が交われば、“勇者”たる資格を得るのか。
それは当のユーリルにも分からない。
天地の民の血が交わることで、化学反応的な何かが起きるのか。
はたまた、天空人と人間の組み合わせに限らず、異種族の血が混じり合えばよかったのか。
真実を知るのは混血を禁忌としたマスタードラゴンのみだろう。
ユーリルも別段、真相を知りたいとは思ってこなかった。
何故、どうしてが問題なのではなかった。
ユーリルが紛れもなく“勇者”であること。
その一点のみが彼にとっては重要だったのだから。

243 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:03:21.56 ID:arUSEkio
  

244 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:03:40.04 ID:KFfpzMC5
  

245 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:04:08.40 ID:Uk0Xxwfy
 

246 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:04:26.89 ID:82jevL9o

しかし、しかしだ。
今になってユーリルは疑問を持ってしまった。
そして一度考えだしてしまえば、答えはすぐに出た。

何故僕だけが“勇者”なのか。どうして僕だけが“勇者”なのか。

……天空人と地上人の混血だからだ。

じゃあどうして、混血であることが“勇者”の証なんだ?

決まっている。ユーリルが天空人でも人間でもないからだ。
勇者とは地獄の帝王を倒し、世界を救う者だとされてきた。
強大なる“闇”が降り立ちし時、何処より現れて“光”をもたらす存在だと。
“闇”を、魔族を犠牲にして、世界を救う存在だと、そうされてきたのだ。
ああそうだ、そうだとも。
“勇者”は世界を救う。
けれど、それは、文字通り、世界をまるごと救うということではない。
人間の、天空人の世界だけを、救うのだ。
魔族の王を滅ぼして。“闇”の世界も滅ぼして。
人間でもなければ、天空人でもない、“勇者”の居場所なんてない、人間と天空人の世界だけを“救う”のだ。

ああ、なんだ。
だったらピサロが僕のことを怖がって、殺しに来たのは当然じゃないか。
魔族の伝承に、忌むべき者として、“勇者”の名前が刻まれていたのも当たり前じゃないか。
それが、きっと“勇者”の本質なんだ。

忌むべき者。
人でもなければ天空人でもない禁忌の子ども。
魔族の世界を滅ぼすもの。
それが、“勇者”。

誰の心も痛まない“生贄”としてはうってつけの存在。
自分で自分を“救えない”哀れな子羊。

それが、僕だ、僕なんだ。
“勇者”を止めようにも、止められない訳だ。
この身に流れる血が原因だというのなら。

僕は僕から逃れられない。





247 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:04:30.99 ID:KFfpzMC5
  

248 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:05:02.01 ID:m8vjC9KZ
 

249 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:05:24.49 ID:Ru6v0qfu



問おう、汝は何者か

――僕は僕でしかないさ


イスラ・レヴィノスは遙か北の方角を見つめていた。
正しくは睨みつけていたと表すべきか。
常のように貼りつけた笑顔を崩すことなく、しかし、その瞳には明らかに険しい色が浮かんでいた。

「なんじゃ、イスラ。眉間に皺なんぞ寄せおってからに。今からそんな有様では、年老いてからが大変じゃぞい?」
「何百年も生きている君に言われると重い言葉だね。不老不死のノーブルレッドとやらも、肌のことは気にするのかい?」
「うむ、なんせわらわは乙女じゃからなッ! お肌のチェックも欠かせないのじゃ」
「へー、そうかい。けど、その自慢のお肌も、そんな着包みに包まれてちゃ宝の持ち腐れだね」
「うぐ」

なるほど、イスラに近づいてきたマリアベルの姿は、妙な着包みに包まれていた。
その着包みのデザインは何と言い表せばよいのだろうか。
妙なものは妙なのだ。
ディフォルメ化されたカカシというか、ちんちくりんな召喚獣もどきというか。
とにかく乙女とやらとはかけ離れた姿なのは確かだった。
まあ、女の子達はこういうぬいぐるみは好きそうだけど。
そんなことをつらつらと考えてしまったイスラに対し、マリアベルは聞いてもないのに言い訳を口にする。

「し、仕方なかろう。これもお肌を護るためじゃ。わらわらノーブルレッドは陽光は苦手なのじゃ」

手足をわたわた振りつつそっぽを向くという器用なことをやらかすマリアベルをよそに、イスラは得心する。
なるほど、思い返してみれば、彼が一度目の死を迎えたあの島にも、似たような少女がいた。
魔力の消費を抑えるために昼間は鎧に取り憑いていた幽霊の少女だった。
もっとも少女――ファリエルが取り憑いていた鎧は、マリアベルの着包みのような可愛らしいものではなかったが。
いや、案外。
でかくてごついあの鎧姿のファリエルと、小さくてずんぐりな着包み姿のマリアベルが並んだら、バランスのとれた凹凸コンビになれるかもしれない。
うん、これは、その、中々に、面白い。

「くく、あははははは!」
「わーわーうーなー!」
「いや、ごめんごめん。僕の世界で君と仲良くできそうな娘がいたのを思い出してね」
「ほう、それはちと興味があるのー。どれ、この戦いが終わったら会わせてくれぬか?」
「そうしてあげたいのはやまやまなんだけどね。あいにく僕の紹介じゃ会ってくれないかも。……嫌われるようなこと、沢山しちゃったからね」


250 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:05:28.03 ID:KFfpzMC5
  

251 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:05:35.53 ID:SsOi8Ikd
 

252 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:06:06.89 ID:KFfpzMC5
  

253 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:06:29.26 ID:Ru6v0qfu

呟く声に、僅かながらに悔いの色が混じったのを自覚する。
嫌われるようなこと。
ああ、本当に酷いことをしてきたものだ。
嘘をついて同情させ、火の手を放ち、子どもを人質にとり、大好きな姉を裏切った。
これが酷いことでなければなんだというのだ。
手段としては間違っていなかったと今でも思うところはある。
徹底的に嫌われれば、自身の死に際し、愛した人達を襲う悲しみは減らせるには違いない。
けれど。
イスラはその為に、多くの人達を巻き込んだ。
大好きな姉に悲しみを残さないようにする為に、多くの人に怒りや嘆きを振りまいた。
それを今更ながらに後悔する。
そう、後悔だ。
かつての彼は大好きな人達の後々の為を想い非道を働いてはいたが、自分の未来のことは考えていなかった。
文字通り彼には後がなかったのだ。
死ぬことを目的として生きていたイスラは、後のことを考えずによかったのだ。
だからこそ、あれだけの心痛むようなこともなせたのだろう。
彼は死ねるはずだった。
後悔するよりも早く、死ねるはずだった。
まったく、それはなんて身勝手な心持だったのだろうか。
気付くのが遅すぎた。
先刻彼らに罪を告白したストレイボウ同様に、だ。

「それがおぬしがストレイボウを許した理由か、イスラよ」
「間違えないで欲しいな。姉さんやアティ先生が殺される要因を作った彼のことを、僕は許してはいないさ」

怒りはある。
憎くもある。
何よりもストレイボウが道を踏み外した理由が、イスラからすればあまりにも理解不能だ。
たかだか一人の人間に勝てなかったくらい、なんだというのだ。
ストレイボウは武術大会で準優勝するほどの腕前を誇っていたではないか。
いささか短絡的だが、それはかの魔法使いが一国で二番目に強いと言っても過言ではない。
本人はその“二番”という点が気に食わなかったようだが、なんと贅沢な悩みだろう。
病魔に冒され、立つことどころかしゃべることもままならなかったイスラは、赤ん坊以下の存在だったというのに。
間違いなく人類の下から数えたほうが早い弱者だったというのに。
それを言うにことかいて、上から数えたほうが早かった強者の身で、更に上の相手に嫉妬したと?
そんなくだらない理由で生まれながらにほぼ全てを奪われていたイスラの手から、唯一残っていた姉という掛け替えのない存在をも奪ったと。

254 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:06:58.50 ID:SsOi8Ikd
 

255 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:07:16.85 ID:arUSEkio
   

256 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:07:36.94 ID:Ru6v0qfu

ふざけるな、ふざけるなよ。
お前は生前、十分に満ち足りた人生を送っていたんだよ。
引き立て役? 常に自分より上にいる人間?
それがどうした。
僕からすればこの世全ての人間がそうだったんだよ。
お前は散々オルステッドに勝てなかったことを恨んで、そいつに敗北を知らしめたかったそうだけど。
そういうあんたは自分が蹴落としてきた人間のことを考えていたのかよ。
あんただってあんたの上にいたオルステッド以外からは、オルステッド同様嫉妬の対象だったんだよ。

そう何度も何度も罵ってやりたかった。
実際にはそうしなかった。

「けどね、僕は彼を裁けるような人間じゃない。彼を見逃したのはたったそれだけのことだよ」

ストレイボウへの怒りや憎しみと共に湧き出てきた自嘲の念が、イスラを押し留めたのだ。
その真意が何であれ、イスラもまた裏切り者だった。
姉の願いを踏みにじり、アティの優しさを無為にし、アリーゼの強さから逃げ、多くの人間を傷つけ、あまつさえ本願も達せず死に絶えた。
悲しみを生まないために悲しみを振りまいた。
そのはずだったのに、結局イスラは死に際してまで悲しみを遺してしまった。
彼とストレイボウにいったいどれだけの差があるだろうか。
違わない。
その生から死に至るまで、人を裏切り続け、悲しませ続けた二人に差などない。

「イスラ……。じゃが、おぬしは自らに変わることをよしとした。
 ストレイボウとて今も変わろうと必死に足掻いておる。
 今すぐ自分も他人も許せとは言わぬがしかし「変わらないよ」」

ブラッドから自殺しようとしたことでも聞いていたのだろう。
イスラを労わろうとするマリアベルに、断固として言い返す。

「僕は僕だ。どこまで行こうとも僕は僕で、ストレイボウさんがストレイボウさんであることからは逃れられない。
 ほら、今だってそうさ。聡明な君になら分かるだろう。僕が君に話しかけられるまで何をしてたのか」

どれだけ変わりたいと願っても、どれだけ変わろうと努力しても。
人間は誰か別の誰かになるなんて不可能だ。
現に、まっすぐなヘクトルに惹かれているはずの自分は、今も変わらず捻くれたままだ。
ヘクトルのように、そしてアティのように、イスラは人を信じられない。
信じられないどころか、信じようとしていない。
イスラは疑っているのだ。仲間であるはずの人間を。
一人北に向かったあの男のことを。


257 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:08:03.87 ID:KFfpzMC5
   

258 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:08:09.43 ID:m8vjC9KZ
 

259 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:08:54.74 ID:Ru6v0qfu
「ジョウイのことかの」
「ご名答。どうもね、僕は彼のことが好きになれないんだ。同属嫌悪と言うべきかな。
 彼からは僕やストレイボウさんと同じ臭いがするんだよ。裏切り者の臭いがね」

口ではあたかも感情論や直感でしゃべっているようではあったが、ジョウイが疑わしいことに何も根拠がないわけではない。
ジョウイがマリアベルの南征に口を挟んだタイミングは、あまりにも的確なものだった。
賛成的な意見が出尽くし、作戦案も吟味され、皆の心意気が南征へと十分に固まったその時に。
ジョウイはそれまでおくびにも出さなかった座礁船のことを、初めて口にしたのだ。
もし、もしもだ。
ジョウイが初めから座礁船のことを話していたなら、マリアベルとてそのことを前提に組み込んだ上で方針をたてていただろう。
あくまでもイスラの推測だが、そうであれば恐らく彼女は南征ではなく北伐を選んでいたはずだ。
今回の作戦の肝は、【危険人物が疲弊しているうちに数の利を活かして各個撃破】することにこそある。
北と南、どちらを先に選ぶかは、二の次だ。
回復魔法を使えるカエル達に時間を与えたくないのは確かだが、座礁船のことを踏まえると話は別だ。
遺跡で待つといったのだ。
余程のことがない限りカエル達は遺跡から動かないだろう。
遺跡で待つという宣言自体が一種のブラフともとれなくはないが、イスラもマリアベルもその可能性は低いと思っている。
ブラフにしては遺跡の地下にあるという巨大な力のことを教えたことはリスクが大きすぎる。
それすらもでまかせだったとも疑えるが、疑いだせばキリがない。
何よりも、カエルは友情を、ストレイボウを裏切るような人物ではない。
彼らは間違いなく遺跡の奥深くで待ち続ける。
対して北に逃走したジャファルとそれを追っていったセッツァー、行方の知らないピサロはどうだろう。
得体のしれないセッツァーはともかく、他二人は間違いなく、他の参加者を殺そうと積極的に動くだろう。
特にジャファルはニノをヘクトルに預けた以上、すぐに追撃はしてくるまい。
他の二人とて数の不利は弁えているはずだ。
となると彼らが標的として目をつけるのは、最大でも三人でしか構成されていないアシュレーが率いる一党に他ならない。
これは看過出来ない事態だ。
マリアベル達は人殺しをしたくて人を殺しているわけではない。
何よりも人命救助を第一に動いている。
その彼女たちが他の誰かが危機に晒されるのを見過ごすはずがない。
座礁船のことを知ってさえいたなら、先に倒すべき相手をピサロとセッツァーとし、ジャファルの捕縛・説得を目論んだはずだ。
あわよくばアシュレー達との合流もだ。
しかし、それは座礁船のことを作戦立案時から知っていればの話だった。
後になって知ったところで、なら北伐に変更しようと容易に変えられるほど、一度口にしてしまった方針は軽くはない。
マリアベルやヘクトルは南征を前提として作戦を詰めていたし、イスラとて如何にして魔剣を奪取するかに意識を向け始めていた。
心情面の問題からしても、今ここで南征から北伐に変えれば、カエルやニノに多大な影響を及ぼすのは眼に見えていた。
既にその気になってカエルへの思いの丈をまとめようと悪戦苦闘していたストレイボウは、明らかに落胆するだろう。
視野を広く持とうと心がけだした彼はプランの変更に反対こそしないだろうが、その心中は穏やかではないはずだ。
最悪、ジャファルやピサロとの戦闘において、心ここにあらずな状態で望んでしまいかねない。
それは暗殺者からすればかっこうの隙となろう。
ニノに関してはその逆だ。
もとより彼女の中にはいち早くジャファルと会いたいと逸る気持ちがあった。
その気持を抑えてまで南征案に賛成した彼女だ。
いざ、やはり先に北伐をとなってしまえば、抑えていた分の想いが解放された反動で迂闊なことをしかねない。
誰にとっても一度定めてしまった作戦を土壇場で覆すのはいただけない展開だったのだ。
結果、イスラ達はジョウイが帰ってくるまで、北にも南にも行けず、時間を浪費するしかならなくなった。
これをジョウイに見事してやられたと思うのは、果たして考えすぎだろうか。


260 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:09:02.86 ID:KFfpzMC5
   

261 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:09:06.67 ID:m8vjC9KZ
 

262 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:09:35.14 ID:KFfpzMC5
   

263 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:09:44.23 ID:Ru6v0qfu
「おぬしの危惧していることも分かる。
 しかし、しかしのう。わらわはリルカの為に憤ってくれたあやつを信じてやりたいのじゃ。
 そう思ってしまうわらわは、おぬしからすれば甘いかのう?」

マリアベルとて、イスラが至った疑いと同じものを感じているのだろう。
暗躍しますとばかりに、危険人物と遭遇する可能性のあるこの期に及んで単独行動を申し出たジョウイを疑わないほど、この少女は愚かではない。
だけど、それでも信じたいのだと少女は言う。
大好きだった仲間の為に憤ってくれたジョウイの怒りは本物だったと。
なら、リルカ・エレニアックを通じて繋がっているであろう、自身とジョウイの絆を信じたい、と。

「そうだね。君は甘い。けど、それでいいと思うよ。君は甘いけど、僕よりよっぽど公平だ」

イスラがジョウイに疑いを抱いた始点は、どこまでいっても彼に対する嫌悪によるものだ。
こいつは信じられない、こいつは裏切り者な気がする。
彼の直感を前提にして立てた理論は、なるほど、パッと見それなりの説得力はあるだろう。
しかし説得力があるように思えて当然なのだ。
イスラの理論立ての方法は、自らが抱いた感情をいかに、それが真実であるかのように納得させる形にするか。
その一点に終始しているのだから。
対してマリアベルは感情と理論を一括りにしていない。
彼女はジョウイを理性的には疑いつつも、感情的には信じたいと思っている。
イスラのように感情で論理を曲げることもなければ、論理に感情を揺さぶられてもいない。
正しく、感情と理性を両立させているのだ。
ストレイボウが公平だと評し、ブラッドが頼れる仲間だと誇っていたわけだ。
これからのイスラ達の一団を先頭にたって引っ張る顔役がヘクトルなら、方向を定め、後ろから押し上げるブレインは間違いなくマリアベルになるだろう。
それ程に彼女の存在は大きく、皆の力になれているのだ。
彼女は誰かのために生きることができるのだ。
自身と違って。

「全く、わらわのことを褒めてくれるのは嬉しいが、あまり自分のことを卑下するものでもないぞ?」
「仕方ないだろ。僕は生まれて以来ずっと自分のことが嫌いだったんだからさ
 そう簡単にやめられるものじゃないさ」

今までなら、そこでイスラは言葉を終えていただろう。
自分は自分が嫌いなままだと。
自分が誰かのためにできるのは、意味のある死を遂げることくらいだと。


264 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:10:10.23 ID:KFfpzMC5
   

265 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:10:20.82 ID:m8vjC9KZ
 

266 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:10:51.52 ID:Ru6v0qfu
「けど」

けれど。
諦めることを嫌だと思えるようになったイスラは、その考えに反逆した。
心の中に残る一つの言葉を頼りに反逆した。
それはさっき、ストレイボウの懺悔を聞いた時に、ヘクトルから受け取った言葉だ。
イスラは、あの時、頭を下げるストレイボウを前にして、自らの手で裁くことをよしとできなかった。
代わりに彼はヘクトルに聞いた。
何故ストレイボウを許したのか、と。
イスラは知っていた。
ヘクトルがどれだけ恋人であったフロリーナという人を愛していたのかを、魂からの慟哭に触れて知っていた。
そんな彼がフロリーナの死を招いた元凶であるストレイボウを許したという。
その理由がイスラにも納得できるものだったなら。
自らもストレイボウのことを見逃そうと、そう考えてのことで。

“俺はさ。オスティアを、ああっと、俺が治めている領地のことなんだけどな。
 あの地を理想郷にしたいと思ってるんだ。
 オスティアの法さえ遵守すれば受け入れられて、どんな奴でも笑ってられる世界。
 それを俺は作りたいんだ”

でも、その言葉を聞いた時、そんな目論見はどこかに吹っ飛んでいた。
代わりとばかりに沸き上がってきた想いはただ一つ。

“……そこでなら僕でも笑っていられるかな?”

その問いかけに、ヘクトルはいかつい顔をきょとんと見開いた後で。
どこか嬉しげに笑って頷いてくれたのだ。
当たり前だろ、と。
そのたった一言が、イスラに新たな可能性を与えてくれた。

「どこまで行っても僕で、姉さんやアティ先生みたいにはなれないけど。
 僕が僕のままでも笑えるいつかが来るかもしれない。
 正直自分でも素直な僕なんて想像はつかないけどさ。
 想像もつかないような自分なら、嫌いにもなれなくて、“救われた”ような気さえして。
 まあいっかなって、そう思ったんだ」

夢想したのだ。
僕もマリアベルみたいになれるかもしれない、と。
ヘクトルのように感情に素直になれれば。
自分の感情に理屈を求めたりしないで、そのまま表に出せるようになれれば。
僕も、誰かの為に“生きられる”ようになるんじゃないかなってさ。

267 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:11:01.65 ID:KFfpzMC5
    

268 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:11:59.83 ID:Ru6v0qfu

「だから、さっきはああ言ったけどさ。
 ストレイボウさんのことだって嫌いじゃなくなる日も来るかも知れないね」
「そうか……。ふむ、余計な心配だったようじゃの」

ふっとマリアベルが息を吐き、力を抜いたのがイスラには分かった。

「のう、イスラ。
 お主は自分のことを好きになれるのは、まだ先のように言っておるが」
「わらわは今のおぬしも、既に捨てたものではないと、そう思っておるぞ?」

イスラは先程の回想の中のヘクトルのように目を大きく見開いて。
体中の体温が上昇するのを感じた後、必死でそっぽを向きたくなるのを堪え、苦笑混じりであれど、受け取った好意に好意を返した。

「光栄だよ」

それが今のイスラにできる精一杯。
素直にはまだ程遠いものだったけれど。

「うむ! なんせ伝説のノーブルレッドたるわらわに認められたのだからの。存分に誇るがいい!」

それで十分だと胸を張ってくれるマリアベルを見て、悪くはないかなとイスラは感じた。

「マリアベルー! イスラさーん! アキラさんが起きたから、みんな集まって欲しいって、ヘクトルが!」

そんなイスラを見届けていたかのようなタイミングで、ニノの呼び声が響く。
気絶していたアキラが目を覚ました。
その意味することを理解して、イスラはすっと目を細めた。

「マリアベル。アキラが目覚めたってさ。となると恐らく」
「同じ頃に気絶したユーリル、そしてアナスタシアもそろそろ目を覚ますかもしれんの。
 或いは既に目を覚ましておるかもしれぬ」
「へー、じゃあどうするんだい? さっきいい忘れたけど、僕はストレイボウさん以上にアナスタシアは大っ嫌いなんだけど」
「そうか。わらわはアナスタシアが大好きじゃ。だから」
「おぬしが誇ってくれたわらわを、自分自身でも誇れるよう、今度こそ、わらわもあやつに向きあおう。
 本当に届けたかったいくつもの言葉をもって」




269 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:12:45.83 ID:m8vjC9KZ
 

270 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:13:16.82 ID:KFfpzMC5
   

271 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:13:35.23 ID:JmtfA4u+
 

272 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:13:35.95 ID:arUSEkio
     

273 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:13:48.44 ID:Ru6v0qfu


僕が僕であることから逃げられないのなら、僕はどうすれよかったのだろうか。

誰かは言った。
言葉にすればよかったのだと。
“勇者”なんかになりたくなかったと。
本当は、僕は、怖くて、辛くて、悲しくて堪らなかったのだと。
“勇者”の仮面を被らない一人の人間であるユーリルとしての本音を、分かってもらう努力をすべきだったのだと。

また別の誰かは言った。
“救いたい”奴だけ“救えば”よかったのだと。
辛いなら“勇者”を辞めればよかったのだと。
他の奴らは見捨てて、したくないことから逃げて。
それのどこが悪いのだと。

ユーリルの言い分を分からなくもないと告げたイスラ。
ユーリルの言い分をこともなげに切り捨てたアキラ。
性格も、外見も似ても似つかない二人。
けれど、その主張は、ユーリルに本気でぶつかってきた言葉が意味することは、奇しくも全く同じだった。

好きなように“生きれば”よかったのだと。
“勇者”であることを言い訳にしないで、感情に素直であるべきだったのだと。

そうイスラもアキラも、ユーリルのことを責めたのだ。

なんだよ、なんなんだよ、それは。
僕が悪かったとでもいうのか?
“勇者”たれと僕に望んだみんなじゃなく。
僕に全てを押し付けた誰かじゃなく。
僕から大切な者を奪った神や悪魔でもなく。
僕が“生贄”だったと囁いたアナスタシアですらなく。
僕が、僕自身が、一番自分を縛っていたのだと。
“勇者”であることを拒まなかった僕自身が。
夢を、未来を、幸せを、“勝手に”諦めてしまった僕自身が。

そう言いたいのか?
そう言いたいのかよ!

仕方がなかったんだ、仕方がなかったんだとユーリルは繰り返す。
そんなこと、考えたこともなかったと。
考えていいとすら思わなかったのだと。
だが、それこそが、諦めなのか。
考えることを放棄し、求められるがままに流された。
初志を忘れ、贖罪の意識に飲み込まれ、使命を言い訳とし、誇りもなく、ただ無秩序に、“勇者”で在り続けた。
人間と天空人を“救い”に“救い”、その数だけ魔族を殺しに殺してきた。
人の命を選びながら、さもそれを正しいことのように居直ってきた。

そっか。
気付いてしまったユーリルは愚かな自分を嘲笑う。

なんということはない。
アキラに言われたとおりなのか。
僕はただの“生贄”だったのか。
“救いたい”特定の誰かんなんていなかった。
始まりの誓いすら忘れ、“勇者”でいなければならないという自らへの強迫観念の元に、“勇者”を“してきただけの”の“生贄”だったのか。
他の誰でもない、自分で自分を“勇者”に捧げてしまった“生贄”だったのか……。

274 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:14:10.74 ID:KFfpzMC5
   

275 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:14:56.68 ID:JmtfA4u+
 

276 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:15:24.42 ID:Ru6v0qfu






問おう、汝は何者か

――オスティア侯ヘクトル、それが俺だ


深い眠りから目を覚ましたアキラ。
気絶してしいたことで、放送を聞き逃してしまった彼に、放送の内容を告げるのが自分の役目だとヘクトルは思っていた。
今回の放送では、アキラの知り合いだという無法松という人物の名が呼ばれていた。
それを踏まえると気が重い役目だが、しかし、だからこそ、ヘクトルは自分が告げるべきだと役目を買って出た。
現状の面子の中で、アキラと付き合いが一番長いのはヘクトルなのだ。
少しでも信頼できる人間から告げられたほうが、アキラも事実を受け止めやすいだろう。
そう思ったからだ。
それに、あとに続くストレイボウの負担を少しでも軽くしてやりたいという目論見もあった。
ストレイボウは、これまでマリアベル達にしてきたように、アキラにも己の罪を告白しようとしている。
とはいえ、それは、今までで一番の困難となるだろうと、ヘクトルは考えていた。
ヘクトルやマリアベル達には、まだ大切な人の死と向き合える時間があった。
アキラにはその時間がない。
知り合いが目覚めたら死んでいたと告げられて、しかもその死の元凶が目の前にいると告げられたら。
カッとなって怒りに身を任せてしまうということも十分ありうる話だ。
だから、せめてまずは自分が緩衝材となって、松の死を知ったアキラの憤りを受け止めてやろうと決意していたのだ。
理不尽な事実を告げるヘクトルにあたることで、少しでもアキラの気が楽になるのなら。
そして、後に続くストレイボウの懺悔を一蹴せず、聞き届けてもらえるなら。

が、しかし。
実際には、現実はヘクトルの想像の斜め上へと向かっていった。

「大丈夫だ、分かってる」

あろうことか、起き上がったアキラは機先を制し、ヘクトルに一言も話させなかったのだ。
ヘクトルは大いに困惑した。
自らが考えていることが顔に出る方なのは自覚していた方だったが、一目見ただけで死人が出たと分かるほど悲痛な顔でもしていたのだろうか。
はたまた、心が読めるというアキラは、ヘクトルが言わんとしていることを即座に読みでもしたのだろうか。
その読みはどちらも外れていた。
真相は予期せぬものだった。

「オディオが、夢の中に現れやがったんだよ」

アキラの話は驚きの連続だった。
ユーリルの心を壊した要因を探ろうと行われたサイコダイブ。
明かされた“勇者”の意味、“英雄”の真実。
疲労から気を失ったアキラへのオディオの干渉。
夢の中に集められた気を失った何人もの参加者達。
オディオより投げかけられた問い。
敗者の王と最たる勝者。
誰かを守ろうとした人間が憎悪に飲まれオディオになるという救いなき物語。
そして締めに行われた夢の中でさえ逃れ得ぬ死者を伝える放送。


277 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:15:27.42 ID:KFfpzMC5
   

278 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:15:36.94 ID:arUSEkio
       

279 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:16:22.23 ID:KFfpzMC5
    

280 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:16:29.29 ID:Ru6v0qfu
どれこもこれもが、耳を傾けていたヘクトル達の心を揺さぶるものだった。
ストレイボウの話を聞いていたこともある。
サイキッカーならぬ身でも、オディオの言葉の端々に込められた憎悪と絶望を感じ取ることができてしまった。
だが、絶望の中から、常に希望は生まれるもの。
アキラがもたらしたのは気が重くなる話だけではなかった。
朗報もあったのだ。

それはマリアベルの仲間であるアシュレー率いるグループについての情報だった。
夢の世界にて、テレパスで行った簡単な情報交換で、アキラはアシュレー達のメンバー構成と放送時の位置、その行き先を知ることができたのだ。
アシュレー達の放送時の位置はG-3、向かう先は座礁船。
彼らの移動速度がわからない以上、座礁船に向かっているジョウイとすれ違う可能性もあったが、合流できる可能性も十分あった。
いや、できなかったとしても、今度こそ、ヘクトル達全員で、座礁船に向かうことも一考すべきだ。
状況は大きく変わった。
南征案を土壇場で北伐案に変えることは、既に検討したようにいくつかのリスクがあるが、それ以上にアシュレー達との合流はリターンが大きい。
仲間が増えるという確実な成果が約束されている以上、全体の士気の上昇にも繋がる。
まあ、それもこれも、ジョウイが帰って来てからなのだが。
下手にジョウイが帰ってくる前に動いてしまえば、ジョウイとも、アシュレー達とも行き違いかねない。
残念ながら、今しばらくは、この場で待つしかない。

さらに、その待つという時間に関しても、先ほどまでとは違い、無益なものではなかった。
アシュレーがアキラに超能力で覗かせた情報は、自分達のことについてだけではなかった。
なんと、アシュレー達は首輪の解析に成功し、その解除法までをも探り当てたというではないか。

アキラはオディオの盗聴に気を使ってテレパシーで伝えてくれたにもかかわらず、思わずヘクトルは声に出して喝采を上げかけたくらいだ。
それくらい大きな前進だったのだ。
……まあ、実は言うとヘクトルには、首輪の仕組みは全く分かっていないのだが。


      『流石はアシュレーじゃの。して、あやつが伝えてきたのは、感応石、感応型の魔剣、核ドラゴンの化石。この三つでよいか?』
      『ああ。あんま時間がなかったんで、概要しか聞けてねえんだが。それだけでマリアベルなら分かるってアシュレーは言ってたぜ』


そこら辺の考察はマリアベル達頭脳班に任せることにした。
ヘクトルも侯爵になったこともあり、最近は勉学にも励んでいたが、残念ながら政治や経済の知識では首輪解除には役に立てない。
見たところ、ストレイボウとニノも手持ち無沙汰だ。
ストレイボウは、松のことに触れようとせず、皆にとって重要な首輪の話に専念するアキラの心を汲みとって、懺悔を後回しにしている。
ニノは、そもそもヘクトル以上に学がない。
マリアベル達が何を言っているのか分からないよーと言いたげな困り顔で見つめてくる少女に、ヘクトルも俺もだと両手を広げるしかなかった。


      『随分と信頼されてるんだね。これなら、分かるのかい、って聞くのは無粋だよね?』
      『当たり前じゃ。あのトカゲに分かってノーブルレッドたるわらわが分からぬわけがなかろう。
       しかしオディオめ、考えよったな。まさか首輪に爆弾を仕込むのではなく、首輪ごと爆弾に仕立て上げるとは』



281 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:17:21.05 ID:JmtfA4u+
 

282 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:17:30.75 ID:m8vjC9KZ
 

283 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:17:31.35 ID:KFfpzMC5
   

284 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:17:54.22 ID:Ru6v0qfu
だから、今、ヘクトルの脳裏に引っかかって離れないのは首輪のことではなかった。
オディオが夢の中で問うたことでもなかった。
その後だ。
オディオは血反吐を吐く想いで叫んでいたという。
お前たちは敗者を省みるべきだったと。
勝者であるお前たちには、敗者である我々のことは理解できないのだと。


      『あーっと、つまりこいつは首輪型爆弾ってことか!』
      『その通りじゃ、アキラ。しかもその爆弾は魔力によるものと核によるもの。
       ロードブレイザーでもない限り、同時起爆には耐えられんじゃろ』


その言葉にジャファルの言葉が重なる。
ニノ以外には無関心を常とするジャファルが、怒りさえ顕にし、声を荒げてヘクトルを罵倒した言葉が。
“光”であるお前には“闇”に潜む者達の弱さや脆さなど分かりはしないのだと。
強者であるヘクトルには弱者たる者の願いなど理解できないのだと。


      『核って、あの核かよ!? 昔戦争で使われたっていう!』
      『魔力? 魔剣? まさか!? キルスレスやシャルトスと同種の仕組みなのか、この首輪は……』


ぐるぐると、ぐるぐると。
“闇”に生きるしかなかった暗殺者の言葉と、“闇”に堕ちた“魔王”の言葉がヘクトルの心の中で渦巻いていく。
そしてその渦は、あろうことか、光射す世界で生きているはずの人々からさえ、闇を引き出す。
“侯は人の心が分からない”


      『ふむ、魔剣についてはイスラに聞こうと思っておったが、よもやわらわ達の世界以外でも核兵器が存在しておったとはの。
       説明が省けて楽だと思うべきか、どこの世界でもあのような凶悪な力を求めるものはいるものじゃと嘆くべきか。
       まあその話は今もよかろう。とにかく、じゃ。この首輪の凶悪さ、おぬしら二人は理解できたようじゃの』


それはヘクトルがオスティア候の位に就いて、幾ばかり経った頃に、誰かが零した言葉だった。
その頃のヘクトルは兄ウーゼルには未だ遠く及ばなかったものの、侯爵としても、リキア同盟の君主としてもそれなりに格好はついてきていた。
少なくとも、自分ではそう思っていた。
だからこそ、誰かが零したその言葉を耳にした時、ヘクトルは冷水を浴びせられたような気分だった。

      
      『まあね』『魔剣っつうのはよくわかんねえが、単純計算で核の二倍すげえ爆弾ってこったろ。そりゃ確かに耐えられねえぜ』
      『そうじゃの。一度起爆されてしまえばどうしようもないことは確かじゃ。
       じゃが、仕組みさえ分かってしまえば打つ手はある』



285 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:18:49.15 ID:KFfpzMC5
   

286 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:18:54.89 ID:m8vjC9KZ
 

287 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:19:20.80 ID:Ru6v0qfu
あの時は、まだまだ自分が君主として至らないのだと、その言葉の意味を深く考えようとはしなかった。
ウーゼルの政策を引き継いで、リキアの貴族性の解体に務めていたこともあり、政敵も多かった。
そのことに対する批判から出た言葉だったかもしれないとさえ思っていた。
だが、今になって思えば、果たしてそれは、本当に、王としてのヘクトルを非難する言葉だったのか。


      『これを見よ。イスラより預かった首輪じゃ。ヘクトルが使ってくれと渡してくれたリンの首輪もある。わらわが回収したブラッドのもの。
       ブラッドの奴が持っておった支給品、ルッカのカバンとやらに入っていた選り取り見取りの工具で既に解体済みじゃ』
      『確かに魔剣らしき破片がびっしり敷き詰められているね。このフレーム部分に使われているのがドラゴンの化石かい?』


それは、人としてのヘクトルへと向けた侮蔑の言葉だったのではないか。
ヘクトルはずっと前へ前へと進んできた。
立ち止まることなく、振り返ることなく、一切の迷いなく進んできた。
そのヘクトルに、置いてけぼりにされた者たちの、怨嗟の言葉だったのではないか。


      『うむ、わらわ達の世界ではドラゴンは半機械生命体での。
       その化石を使いさえすれば、比較的容易に精神感応性兵器――ARMを製造できるのじゃ』
      『へー、案外ブリキ大王もドラゴンの化石でできていたりすっかもな。今度藤兵衛に教えてやっか』


受け入れがたい言葉だった。
認めたくない真実だった。
もし、その言葉が本当なら、今のヘクトルに、彼が望む“理想郷”は作れない。
どころか、“光”に生きるヘクトルが新たなる“闇”を生み出してしまうということさえ意味する。


      『ブリキ大王とな? わらわ達のゴーレムのようなものかの。ちと興味があるが今は我慢我慢じゃ。
       さて、ARMの次はこっちの説明じゃ。これは感応石というのじゃが、人の思念を増幅し通信を行える石と思ってくれればいい。
       そしてこの石が、この首輪の要なのじゃ』


そして、何よりも。
ヘクトルが一番この事実を認めたくない所以は。
強者たる彼が、弱者たる者達を理解も出来なければ、“救い”もできないのだという声を否定せずにはいられない最たる理由は。
たった一人の、たった一人の少女にこそ、ある。


      『こんな石ころが? いや、そうか、魔剣もARMSも共に精神感応性兵器……。その感応石は起爆スイッチ替わりか!』
      『理解が早くて助かるのう。そういうことじゃよ。わらわの推測では、オディオが爆破しようと思えば、文字通りこの首輪の爆弾は起動する』
      

フロリーナ。
ヘクトルが愛した少女。
ペガサスナイトなのに、よく天馬から落ちていた半人前の少女。
気が小さくて、泣き虫で、おどおどしていて、引っ込み思案で、男性を怖がって、言いたいことも満足に言えない、そんな少女。
か弱い、少女。


288 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:19:25.99 ID:arUSEkio
 

289 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:21:05.74 ID:m8vjC9KZ
 

290 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:21:26.44 ID:Ru6v0qfu


      『文字通り、思い通りに爆破できる首輪というわけじゃ。されど、全く隙がないわけではない』
      『それが今回の本題っつうことだな』


ああ、そうだ。
フロリーナは弱かった。
ヘクトルにはない沢山の弱さを持っていた。
なら、ならば、だったら。


      『まず一つ、この島のどこかにあるはずの、オディオと首輪の感応石の中継地点、それを破壊することじゃ。
       感応石一つ一つに、島一つを網羅するほどの通信能力が無い以上、どこかにネットワークを構成するための巨大感応石があるはずじゃ』
      『一番簡単な方法ではあるね。ただし、オディオがその中継地点に何か防衛機構を設けていないとも限らないし、そもそも場所が分からない』


強者が弱者を理解できず、“救えない”と言うのなら。
ヘクトルも最愛の人だったフロリーナのことを理解できていなかったといことになるではないか。
この島で、フロリーナと再会することさえ出来ず、その命を取りこぼしてしまったのも、当然のことだったとでもいうのか。
認められない。そんな真理は断固として認められない。


      『良い指摘じゃ、イスラ。それに比べて二つ目の方法は、確実性なら一番だの。
       この首輪には過剰な威力の爆発の余波を別次元に逃がす機能がある。
       それを逆用して、完全に爆発の威力を逃がせるように改造してしまえば……』
      『首輪を外すんじゃなくて改造するのか! そうか、その手があったか! すごいな、あんた』


しかれども、事実問題、ヘクトルは、フロリーナがどう生きて、どう死んだのかさえ知らない。
下手人は分かっている。
けれどそれだけだ。
ヘクトルは、ジャファルからフロリーナの死を聞かされても、ジャファルにフロリーナの死に際を聞きもしなかった。


      『恐れいったか! と、普段なら言うのじゃがの。問題もある。核はともかく、魔剣の方はわらわの知る技術系統ではカバーしきれぬ。
       となると、魔剣の力の方の誘導には第一人者であるイスラの手を借りる必要があるのじゃが……』
      『可能だとは思うよ。キルスレスがあれば、だけど。いや、けど不安点もあるかな。
       魔剣本来の機能を悪用されて、首輪に何か厄介なのが封印されていたら一筋縄じゃいかない』
      『ふむ、アシュレーの伝言では、ロードブレイザーが封印されていたというくらいじゃ。
       気をつけるにこしたことはないの。それにわわわの方とて問題はある。
       首輪の改造には時間と材料を要するのじゃ。つまるとこと、この第二の方法はすぐにはできん』


フロリーナはヘクトルが愛し、ヘクトルを愛した人なのに。
死に際して何か彼に言い残したことがあったのかも知れないのに。
ヘクトルは知ろうともしなかった。
ダメ元だろうがなんだろうが、ジャファルに問いかけるべきだったにも関わらずだ。

291 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:21:55.46 ID:KFfpzMC5
   

292 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:23:32.14 ID:Ru6v0qfu


      『その言い方だとすぐ打てる手もあるのか?』
      『ある。おまえさんじゃよ、アキラ。第三の手はおぬしの超能力による感応石への干渉じゃ。
       もともとわらわ達の世界でも、感応石の使用はおぬしのような超能力者――テレパスメイジのサポートが必須での。
       能力の強力さや多様さ的にも、おぬしなら、テレパスメイジ以上に感応石による通信に干渉できよう。
       現にこうして今も、わらわ達の首輪の感応石に働きかけて、皆の意識をつなげれておる』


そのことに、今更のように気付き、愕然とする。
これが、ジャファルの言うところの個を殺したということなのか。
前にしか進めないゆえの、人も過去も後ろに置いてけぼりにしてしまう弱さ。
迷うことも、傷つくことも出来ない故に、迷い傷つくことを知らない弱さ。


      『おしきた! この調子で俺に任せてくれ! 一発ドーンっとオディオからの思念波をジャミングしてやるぜ!』
      『待て待て待てーい! おぬしの気概は嬉しいが、あくまでもこれは可能性論じゃ。
       おぬしの力を侮っておるわけではないが、他人の思念波を妨害することは今までしたことがないのじゃろ。
       失敗もありうるのは分かるな?
       すまぬが、第二の手段が上手くいきそうにない時の保険としてとっておいてくれぬか』


遂にヘクトルは己が弱さを自覚する。
強さと裏返しの弱さを。
賢者アトスがヘクトルの身を滅ぼすものとして予言した弱さを。
親友であるエリウッドが危惧していた、ヘクトルの強さの奥に隠されていた弱さを。


      『しゃあねえな、分かったよ。あーっと、じゃあ、当面は首輪の改造案を優先でいいんだよな?』
      『運良く中継地点を見つけられたら破壊するけれど、方針に組み込むには情報がなさすぎるしね』
      『そういうことじゃ。まとめるなら、現状の優先順位は、第二プラン>第三プラン>第一プランとなるの。
       場合によってはこのうちのいくつかを組み合わせたプランで挑むことにもなるやもしれぬが』


悔しいがジャファルにぶち切れられるわけだ。
何が悔しいって、弱さに気付いたところで、どうすればいいのか分からない点だ。
思わず手を上げたくなったヘクトルの脳裏を閃光が貫いた。
光は、オズインをして理想的な君主になると讃えられた無二の親友の姿をとる。


      『ふー、今はこんなところかの。ニノ、ストレイボウ、ヘクトル。待たせて悪かったの』
      『わ、話、終わったのかな? ごめんね、マリアベル、力になれなくて』


エリウッドには強さがあった。
ヘクトルに引けを取らない、それでいてヘクトルとは異なる強さを持っていた。
彼は常に『闇』を、敗者を省みていた。
身の危険を晒してまで四牙であるライナスを信じ、ロイドを弔い、ジャファルを生かし、あまつさえネルガルをも憐れみ、竜との共存も図っている。

293 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:24:06.11 ID:KFfpzMC5
   

294 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:24:22.97 ID:JmtfA4u+
 

295 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:24:44.92 ID:m8vjC9KZ
 

296 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:25:27.34 ID:m8vjC9KZ
 

297 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:25:39.91 ID:Ru6v0qfu


      『なに、誰にでも得て不得手はある。おぬしは頭でっかちなわらわ達の分も、光明が見えてきたことに喜んでくれればそれでいいのじゃ』
      『そうだぜ。俺だって日勝ほどじゃねえけど、本来はあんま考えるの得意じゃねえし。
       今回はたまたまテレパシー関係な上に、機械工学もかじってたからついてけただけで、魔法の方はさっぱりだぜ』

否、エリウッドだけではない。
エリウッドのイメージがぶれて、フロリーナの姿を取る。
彼女もまた、人間の敵とされ、人竜戦役の敗者であった、竜に歩み寄ろうとしていた。
エリウッドの恋人であったニニアンの正体が竜だと明かされる以前から。
フロリーナは、あの怖がりで、それで以上に優しかった少女は、姿かたちが違ってても友達になれると竜のことを信じていた。


      『そうかな。君は確かに直情的なようだけど、頭の回転は早いほうだと思うよ、アキラ。
       多様な超能力を状況によって使い分けれてることからも、それは明らかさ』


二人は強かった。
ヘクトルと違い、幾度も迷い傷ついた二人だったが。
その度に、立ち上がり、顔を上げて前へ前へと進んだのだ。
それは蛮勇の何倍も尊い真の勇気だった。



      『なんだよ全く。褒めたところで何もでねーぜ? あー、でも俺、そういや魔法使いの知り合いはこれまでいなかったんだよな。
       忍者やらガンマンやらロボやら、変わった奴らはいっぱいいたんだけどよ。
       と、そういやまだ、そこのねーちゃんやロンゲのにーちゃんには挨拶してなかったな。
       俺はアキラ、超能力者だ、よろしくな!』


そうか、答えは既に得ていたのか。
この身一つでものにできない強さだというのなら。
学べばいい。
エリウッドから、ヘクトルから。


      『あたしニノだよ。こちらこそよろしくね!』
      『ストレイボウだ。……アキラ、少し話があるんだ。大事な、大事な話がだ』
      『そうじゃの。首輪同様、おぬしの話も後回しにしてよいものではないしの。
       ……む? なんじゃ、ヘクトルから反応がないの? よもや寝てはおるまいな?』


「ええい、目を覚ませ、このバカちんがあッ!!」
「おわっ!? とと、すまねえ。寝てたわけじゃねえんだが、少し考え事をしててな」
「おぬしが考え事とな? ふむ、わらわでよければ知恵を貸すぞ?」
「ありがとな、マリアベル。けれど、こいつは俺がずっと考えつ続けて、答えを出していかないと駄目なことなんだ」


そして、誰よりも“闇”を知り、“弱さ”を知り、その上で、そこから抜けだそうとしている一人の魔術師の姿から。
理想郷は君主が一人でつくるものではない。
つくっていいものでもない。
そこに住む、全ての民の力で、作られるべきものなのだから。





298 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:26:44.19 ID:JmtfA4u+
 

299 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:28:22.97 ID:Ru6v0qfu


いいよ、分かったよ、認めてやるよ。
僕も悪かった、悪かったよ!
どうすればよかったのかも分かったよ。
けれど、だったら、僕は“今”、どうすればいい!?
どうすれば“救われる”!? どうすれば笑えるんだ!

好きなように生きれば“よかった”。
“勇者”であることを言い訳にしないで、感情に素直であるべき“だった”。

それはどちらも過去形で。
過ぎ去ってしまった昔にそうすべきだったという、取り返しのつかない話なのだ。
ユーリルは世界を“勇者”を行い切り、世界を救った。
救ってしまった。
もう、彼に“勇者”たれと望む人はいない。
そもそも、平和な世界には“勇者”を求める人さえ皆無だろう。
“生贄”は災厄を避けるために捧げられるものだ。
避けるべき災厄が退いたなら、人は無駄な浪費を望まない。

だから、今更なのだ。
ユーリルがどれだけ心中を吐露したところで、人々は堪えない。
英雄譚に余計な蛇足は望まれない。
“勇者”を辞めたい?
辞めればいいではないか。
そこにもう災厄はないのだ。
辞められたところで、人々は痛くも痒くない。
誰も反対しはしまい。

事実、オディオによって、この島に連れてこられて以来、誰からも“勇者”たることを求められなかったではないか。
どころか、“剣の聖女”に“勇者”は“生贄”だと、知りたくなかった真実を知らされる始末だ。
そして、ユーリルは実際に、“勇者”を辞めた。
憎悪に駆られてアナスタシアを殺そうと決意した。
イスラやアキラが“そうするべきだった”と言ったように。
ただ、自らの感情にのみ従った。
憎悪に、悲しみに、絶望に、振り回された。

それがこの様だよ!

何が変わった。
何が変わる?

“勇者”を辞めた。
  ――それでユーリルは救われたのか。
                             救われなかった。友達を亡くしただけだった。

アナスタシアを殺す。
  ――そうすればユーリルは救われるのか。
                             救われまい。“生贄”に捧げてしまったのは自分だったと認めてしまったから。

“救われない”。
“救われていない”。
“救われまい”。

イスラやアキラが出した答えは、“生贄”だった時のユーリルが“救われる”為の方法で。
もはや“生贄”としてさえ不要になったユーリルを、“救える”方法ではなかった。




300 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:29:10.80 ID:KFfpzMC5
   

301 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:29:35.28 ID:m8vjC9KZ
 

302 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:29:46.92 ID:Ru6v0qfu



問おう、汝は何者か

――“ヒーロー”、志望ってえとこか。カオリの、ワタナベの、妙子の、そして松のさ

その背中を、覚えてる。
ありありと、ありありと、アキラの心に焼き付いて、離れない。
アキラが無法松のことを忘れたことは、一時もなかった。
平和になった世界でさえ、アキラはずっと、ずっと松を想い続けた。

“ヒーロー”が求められるのは、世界が危機に瀕した時だけだって?
アナスタシアやユーリルなら、そう思い違えてるかもしんねえな。
ちげえよ。そうじゃねえ。

“ヒーロー”っつうのはさ、常日頃から一人一人の胸にいるもんじゃねえか。
ピンチになった時だけじゃねえ。
“ヒーロー”はいつでも俺達を助けてくれてるんだ。

アキラは孤児だった。
母親を早くに亡くし、父親は殺された。
代わりに手に入れたのは類まれなる超能力。
人の心を読み、手も触れずに物質に働きかけ、空間すらも超越する力。
……いくらでも、悪用の利く力。

その力をアキラが悪事に使わなければ、復讐にも使わなかったのは、彼の周りに沢山のヒーローがいたからだ。
力よりも魂こそが大切なんだと背中で語ってくれた松。
時には姉として、時には母親として愛情を注いでくれた妙子。
超能力なんかなくても、人間の知恵はすごい力を発揮することを教えてくれた藤兵衛。
怖がらずにアキラを慕ってくれた、妹や子ども達。
人智を超えた力の使い方と活かし方を示してくれた、ブラウン管の中の“ヒーロー”達。

彼ら、彼女らがいたからこそ、アキラはまっすぐに育つことができた。
人の死に悲しみ、誰かを守りたいと願える青年としてここにあることができた。
ああ、そうだ、そうなのだ。
アキラが“ヒーロー”として護りたいと願った人達は。
同時に、アキラにとっての“ヒーロー”なのだ。

何度でも声高々に言い募ろう。
“ヒーロー”は生贄なんかじゃない。
“ヒーロー”は人を堕落させるものではない。
“ヒーロー”は“光”だ。
誰だって“ヒーロー”を愛している。
その姿を見たがり、応援し、名前を呼び、ずっとずっと覚えてる。
子どもに語り、孫に語り、“ヒーロー”のことを自分が死んだ後にまで語り継ぐ。
苦しくても諦めちゃいけないと教えてくれた“ヒーロー”がいたことを。
見返りも感謝も求めずに、ただひたすらに自らの意志と信念を貫き通した“ヒーロー”がいたことを。
孤独な戦場へも振り返らずに歩み出し、ただひたすらに救い出した“ヒーロー”がいたことを。
誰の心の中にも“ヒーロー”がいてくれるから、正直に生きられる。
強くもなれるし、気高くもなれる。
そして最後には誇りを抱いて死ねるのだ。

303 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:32:08.14 ID:Ru6v0qfu

なればこそ、アキラは問う。
目の前で、膝まづき、頭を下げる一人の男に。
松の死を招いたのだというストレイボウに。
拳を叩きつけるでも、イメージを送りつけるでもなく。
“ヒーロー”になろうとしている人間として、静かなる熱を帯びた言葉を届ける。

「なあ、あんた。あんたも、ヒーローになりたかったんだよな。そのアリシアって人のヒーローにさ」

ストレイボウも“ヒーロー”になりたかったんだろ、と。

「そうだ、俺はアリシア姫の英雄になりたかった。
 その想いが、最後の引き金になって、オルステッドのことを裏切ってしまった……」

“ヒーロー”になれなかった男は青年に答える。
そうだと。
誰かの“ヒーロー”になろうとしたからこそ、道を間違えてしまったのだと。

「姫さんに惚れてたんだよな。オルステッドを見返したい、それだけの為に姫さんに想いを伝えたんじゃないんだな?」
「違うっ! 全てが全ては否定出来ないっ! オルステッドから愛する人を奪ってやったという想いもあったさ……」

だが、本当に、そうなのか?
ストレイボウが“ヒーロー”になれなかったのは、アリシア姫を愛してしまったからか。

「けど、だけど! アリシア姫は優しかった、優しかったんだっ! 俺の抱かえていた“闇”を、姫は受け止めてくれた……」

そうじゃない、そうじょないよな。
心なんて読まなくても分かるよ。
あんたは本当に、アリシア姫に惚れてたんだな。
 
「身勝手だという人もいるかもしれない。
 姫が、オルステッドの最後の拠り所だった姫が、あいつに止めをさしてしまったのだと恨む人もいるかもしれない。
 違うんだ。悪かったのは全て俺なんだ。姫は、姫はただ、優しすぎただけだったんだ……」

だったら、あんたはその点じゃ、ちゃんと、“ヒーロー”だったんだよ。
卑怯ではあった。間違ってもいた。
でも、あんたは、姫を救っても、姫に愛を強要しなかった。
どちらを選ぶかは、姫に任せた。
あんたの愛だけは本物だった。
きっとアリシアって人にも届いてたさ。
だってそうだろ?
同情だけで好きでもない男と、一緒にいてやろうと思って死ぬ女なんていないさ。

「悪かったな、試すようなことを言っちまって。じゃあさ、改めて聞きてえ。
 “あんたの”“ヒーロー”は誰だったんだ?」


304 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:32:29.91 ID:KFfpzMC5
   

305 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:33:08.11 ID:m8vjC9KZ
 

306 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:34:23.93 ID:Ru6v0qfu

なら、さ。
誰かの“ヒーロー”になろうとしたから、道を間違えてしまったんじゃないというのなら。
ストレイボウが間違えてしまった理由は別のことにある。
それはきっと“ヒーロー”を忘れてしまったからだ。
子どもの頃に夢見たヒーロー。
こうなりたい、こう生きたいと憧れたその姿を、ストレイボウは忘れてしまった。
愛憎で満たされた心のままに、“ヒーロー”の姿を追いやってしまった。

「松は今でも俺の“英雄”だ。そして俺は今でも松の“英雄”になりたいと思ってる。
 あんたも思い出してやるんだな、てめえの“ヒーロー”を」
「俺にとっての“英雄”……」

ストレイボウが思い至った答えに眼を見開く。
そうだ、これまでの話を聞いていたなら、ストレイボウにとっての“ヒーロー”なんて一人しかいないじゃないか。
ストレイボウは裏切った。
オルステッドへの劣等感と嫉妬と憎悪、アリシアへの未練に呑み込まれ『闇』に堕ちた。
だけど、それなら、その前は?
ストレイボウにもあったはずなのだ、オルステッドへの劣等感に塗れていなかった頃が。
ストレイボウはオルステッドのことを親友だと“思われていた”ではなく、親友だったと言った。
危険な“魔王”討伐に名乗りを上げたのも、名誉のためもあったが、友情のためでもあったと言った。
二人の関係は一方的なものではなかった。
後に崩れはせども、確かに互いに心が通じ合っていた時があったのだ。
ならば。
ストレイボウの“ヒーロー”は。
純粋に技を競うことに高揚感を覚え、いつかは超えたいと願っていた目標は。
その優しさと強さを尊敬し、親友であることに誇りを抱いていた相手は。

「オルス、テッド……だっ!」

オルステッドに他ならない。
道を誤りかけた時に、自らを正してくれる“ヒーロー”を憎んでしまったからこそ、ストレイボウは間違えてしまったのだ。

ストレイボウだけではない。
ユーリルやアナスタシアも、“ヒーロー”を忘れてしまったから間違えたのではないか。
自らが“ヒーロー”になるしかないと思い込んでしまった彼らは、心の中のヒーローに自分自身を据えてしまった。
苦しい時、辛い時に、助けてくれる誰かを自分自身にしてしまったからこそ。
助けを求めるという選択肢を捨ててしまったからこそ。
ユーリルも、アナスタシアも、救われなかった。
誰かを救うことはできても、誰かに救われることはなかった。
“ヒーロー”はすぐそこにいてくれたはずなのに。
手を伸ばし、いつでも伸ばされた手を掴もうとしてくれていたはずなのに。
彼らは拒んでしまった。
“ヒーロー”に手を伸ばすことを拒んでしまった。
それじゃあ誰も“救われない”わけだ。
アナスタシアも、ユーリルも。

「なら、あんたをぶん殴るのは俺じゃなくてそいつの役目だ」

誰よりも、二人を助けようと手を伸ばしたヒーローが“救われない”、報われない。
だから、ユーリルは腹立たしいところがあるし、アナスタシアのことは嫌いだけれど。
彼らも自分のヒーローのことを思い出してやって欲しいと、そう思った。

「……それで。それでその人が“救われた”として」

そう思って、やったんだからさ。

「オディオは“救われる”の?」

ちょっとは俺の話も聞けよ、アナスタシア。

307 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:35:33.18 ID:Ru6v0qfu



時は戻らない。
過去は変えられない。
たとえクロノが教えてくれたタイムマシーンを使おうとも。
救えるのは過去のユーリルだけだ。
過去のユーリルに“救われる方法”を教えたところで、今ここにいるユーリルの記憶と人生が変わるわけじゃない。
“勇者を成し遂げ切ってしまった”ユーリルは救われない。
救われないのだ。

仮に、だ。
さっきの想像を否定して、心中を吐露したユーリルに対し、人々が悔いたとしよう。
イスラが言うように、ユーリルが理解されることを拒んでいただけで、根は善人で、話せば分かってくれたとしよう。
“これから”は“勇者”にだけ頼らずに、共に立ち上がると約束してくれたとしよう。
もう休んでもいいのだと、後は任せろと、“勇者”の代わりに戦ってくれるようになったとしよう。

それで?

だから?

“生贄”の少年は、遂に人々との和解を果たし、泣いて謝るみんなを、笑って許しましたとさ。
そんなユーリル以外に心地良くて、ユーリル意外に都合のいいエンディングになるとでも?
昨日の今日まで奴隷として働かされていた人間が、解放された途端に、元の主人と友好関係を築けるとでも?

無理だ、ありえない。
人は、“救い”を求めている人間しか、“救う”ことが出来ない。
“救い”を求めている時に、“救われない”限り、何時まで経っても人は、救われない。
“救って”欲しかったのは“救いを求めていた”ユーリルだ。
今更人々が悔いたところで、ユーリルの心に一度傷が刻まれた事実は消えはしない。
傷そのものを埋められたとしても、ユーリルは覚えている。
その痛みをずっと、覚えている。
ずっと、ずっと、覚えている。

ユーリルは“救われない”。

だったらいっそ、オディオのように“魔王”になればいいのか。
人間憎しと、これまで救ってきた人間を憎悪のままに、全てこの手で殺せばいいのか。
奪われ続けたかつての自分の復讐に、みんなからもありとあらゆるものを奪えばいいのか。
幸せを奪った人間たちを。
“勇者”を奪ったアナスタシアを。
悪いのはユーリル自身だったと気づかせてしまったイスラやアキラを。
クロノを奪うはずだった異世界の人間たちを。
殺し尽くせばいいいというのか。

同じことだ。

やはり、ユーリルは“救われない”。

308 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:36:45.51 ID:arUSEkio
             

309 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:37:10.22 ID:Ru6v0qfu

だってそうだろ?
それっぽっちで救われるなら、僕はこんな目にあってない。
僕が“勇者”の真実を知らされ、人間の身勝手さに気付かされ、自分の愚かさを自覚してしまったのは。
アナスタシアのせいでも、イスラのせいでも、アキラのせいでもある前に。
あいつらと僕が出会う機会を作った、オディオのせいじゃないか。
そしてオディオが、そんなことをしたのは、僕達に殺し合いをさせたのは。
敗者を省みさせ、人間の愚かさを知らしめようと思ったのは。

オディオが、“救われなかった”からじゃないか。

憎きルクレチアの人々を、全て殺し尽くしても、オディオが充たされなかったからじゃないか。

“救われない”のだ。

憎き相手を全て殺したところで、オディオも、ユーリルも、“救われない”のだ。

嫌だ、そんなのは、許せない!
許せない、許せない、許せない、許せない!

気がつけば、ユーリルの心のなかは、許せないという想いでいっぱいだった。
旅立ちの日に抱いた想いでいっぱいだった。

“救われない”のはもう嫌だ。
“救えない”のは御免だ。
絶対に駄目なのだ。
“救い”を求める者が、“救われて”と願われるものが、“救われない”なんてことがあってはならない。
“救われない”のは許せない!

そうだ

だから

だから僕は――“勇者”であることに拘った。“勇者”でなければならなかった。

全てを“救える”“勇者”であり続ける為に、ありとあらゆる努力を惜しまなかった。
“勇者”とは、“勇者”たるもの、“勇者”であるからにはと、 完璧な“勇者”たることを求めた。
ユーリルには“勇者”が必要だった。
“勇者”になんてなりたくなかったけれど、全ては全てを“救う”為に必要だった。
“勇者”でない、ただのユーリルでは無理なのだ。
故郷の人々を、好きだった幼なじみの一人さえ、“救えない”ただのユーリルでは無理なのだ。
ユーリルは、“勇者”であり続けなければならなかった。
“勇者”でありさえすれば、全てを“救える”とそう信じてた。

310 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:37:40.43 ID:JmtfA4u+
 

311 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:38:39.18 ID:Ru6v0qfu

なのに。

あいつが現れた。
“剣の聖女”アナスタシア・ルン・ヴァレリア。

あいつは、ユーリルに、人間が“救いようのない”程身勝手な存在だと突きつけてきた。
“勇者”が人を“救える”特別な存在じゃなくて、“救われない”“生贄”であると嘯いた。

それは、ユーリルにとって、致命的に真実だった。
全てを“救い”たくて“勇者”になったのに、その“勇者”である限り、ユーリルは“救われない”という自己矛盾。
その矛盾に追い打ちをかけていくように、“勇者”の特別制が次々と否定されていく中、ユーリルは“勇者”を疑ってしまった。

僕が“勇者”でなくても世界は“救われる”。
僕が“勇者”でなくてもみんなは“救われる”。
僕は僕自身を“救う”ために“勇者”なんか止めてやる!

そう思って、“勇者”を辞めてしまった。

知っていたはずなのに。
“勇者”でない、ただのユーリルでは誰かを“救う”なんて無理だと知っていたはずなのに。
案の定、“勇者”を辞めたユーリルは彼の心を“救ってくれた”かもしれない友達を、“救えなかった”。

“救えなかった”んだ!






312 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:39:56.20 ID:m8vjC9KZ
 

313 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:40:16.03 ID:JmtfA4u+
 

314 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:40:41.41 ID:Ru6v0qfu
問おう、汝は何者か

――“英雄”でもなんでもない、ただの幸せになりたかっただけの女の子よ

目は、少し前から覚めていた。
意識のないふりを続けていたのは、甘えに他ならない。
問い詰められるのが怖かった。
罪を突きつけられるのが怖かった。
だから少しでも、問題を先送りしようとした。
幸いその時、マリアベル達は首輪の解析に夢中で、ヘクトル達も各々が思考の海に沈んでいた。
誰もアナスタシアが意識を取り戻したことに気づいていなかった。
……いや、違うかもしれない。
もしかしたら、アナスタシアをよく知るマリアベルには見抜かれていたかもしれない。
事実、起き上がって問答に割り込んだ瞬間、マリアベルだけが驚きもせず、じっとアナスタシアを見つめていた。

それでもよかった。
目溢しを貰っているだけに過ぎないにしても、今少しの猶予を得られるのなら。
そう思っていたのに。

一度転がりだした石は止まらない。
保身故でも、打算故でも、アナスタシアが一石を投じたのは事実。
蹴り飛ばした石が、砂粒に過ぎなかったとしても。
砂粒は風に乗り、空を流れる。

「……それで。それでその人が救われたとして。オディオは“救われる”の?」

アナスタシアは自ら安寧を手放し、口を開く。
“勇者”を救いなき地獄に叩き落した口で、魔に堕ちた“勇者”の幸せを説く。
自分でも調子のいい話だと思った矢先、非難の声が飛んできた。

「起き抜け早々に随分なことを言うんだね、おねえさん」
「全くだぜ」

誰よりもアナスタシアの言葉の力を知っているイスラが、これ以上はしゃべらせまいと割り込んできたのだ。
イスラだけではない。
アキラまでもが、敵意の篭った視線をアナスタシアに向けていた。
だがその視線は小さな影に遮られた。
マリアベルだ。

「すまぬの。今はストレイボウの番じゃ。
 おぬしらからすれば、思うところはあるやも知れぬが、ストレイボウからすればアナスタシアも謝罪の対象に他ならぬ。
 アナスタシアが許せないと返したところで、その怒りを受け止めるのも、ストレイボウに課せられた罰じゃ。
 わらわ達が遮ってよいものではない。
 故に、こやつの話の間だけは、待ってはくれぬか?」

315 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:41:17.07 ID:m8vjC9KZ
 

316 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:42:05.17 ID:Ru6v0qfu

親友が救いの手を差し伸べてくれたのだとは、アナスタシアには思えなかった。
言葉通り、ストレイボウの為を思って、待ったをかけたのだろう。
これでも親友だ。
マリアベルの公平さは誰よりも知っている。
心配そうに気遣う緑の髪の少女に大丈夫じゃと笑い返してはいるも、その手が僅かに震えていることにも気付いてる。
きっと、誰よりも、マリアベルがストレイボウを押しのけてでも、アナスタシアと話をしたいのだ。

「……そうだね。今は、譲るよ」
「しゃあねえな」
「すまない。いや、ありがとう、イスラ、アキラ、マリアベル」

そのことを察し、イスラもアキラも身を退く。
マリアベル同様、ヘクトルも事の顛末を見守らんとしており、動く気配はない。
アナスタシアとストレイボウの間を遮る人物は、もう誰もいない。

「君は……」
「わたしの名前はマリアベル辺りから聞いて、もう知っているわよね。アナスタシア・ルン・ヴァレリア。
 あなたにだけは、よろしくとは言いたくないわ、悪の魔法使いさん」

まるで自分を見ているようだから。
心の中で吐き捨てて、アナスタシアはストレイボウと向きあう。
幸せになろうとした人。
友を裏切り、人を殺めて、一人だけ幸せになろうとした人。

「さっき、あなたはアキラくんに言っていたわよね。オルステッドに会って謝りたいんだと」

それのどこが違うというのか。
生きたいからと人を利用し、親友の信頼も裏切り、一人だけ生き残ろうとしたアナスタシアと。
変わらない。
あの雨の中の戦いで、悟った通りだ。
“生贄”を差し出して自己保身に回る群衆とアナスタシアは、何一つ変わらない。
それどころか、群衆を先導して、“勇者”を“生贄”にした男とすら、一緒だった。
“勇者”を壊した今頃になって、罪の意識に苛まれているあたり、この身勝手な男との方が、より性質は近しいのかもしれない。

それなのに。

「そうだ、俺は謝りたいんだ。オルステッドに」


317 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:42:10.93 ID:KFfpzMC5
     

318 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:42:33.27 ID:JmtfA4u+
 

319 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:44:39.35 ID:Ru6v0qfu
男は先に行くという。
未だ一歩足を踏み出したばかりで、“生きる”ことが何なのか見失ってしまったアナスタシアを置き去りにして。
ストレイボウは贖罪の道に“生きる”という。

「それで?」

アナスタシアがストレイボウを許せないのは、オディオに自分を重ねているからだけではない。

「謝ったところでどうなるの? あなたは気が楽になるかもしれないわ。
 ずっと背負ってきた罪の意識から解放されるのだから」

ストレイボウに嫉妬しているからだ。
“生贄”を捧げて、生かしてもらう側だった癖に、と。
同じ死人だったくせに、と。

「でも、オルステッドは、オディオは救われないわ。今更、あなたに謝られたところで、彼の失ったものは戻って来ない。
 遅すぎたのよ。どれだけ悔いたところで、一度捧げてしまった“生贄”は帰って来ない」

ストレイボウの表情が歪んでいくのが目に映る。
オルステッドに謝りたい、友を救いたいと言いながらも、彼にはその方法が分からないのだろう。
簡単な話なのに。
いいえ、簡単な話“だった”のに。

「ねえ、分かる?
 オルステッドを“生贄”に仕立て上げたあなたが、オルステッドを“救えた”最後のチャンスがいつだったか。それはね」

さあ突こう。
“生贄”にされた“英雄”の辛さが分かる身として、身勝手な人間の一番痛いところを。

「「あなたが/お前が死んだ、その日、生きていることを明かした時に」」

そして、“生贄”にされた“英雄”として気持ちを語ったならば。

「“救われる”べきだったのよ」「どうして“救われて”やらなかったんだっ!」

その答えが“生贄”にされた“勇者”のそれと重なるのは。

「「オルステッドにッ!」」

何もおかしいことはなかった。




320 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:46:17.24 ID:JmtfA4u+
 

321 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:47:13.15 ID:Ru6v0qfu
顔を強ばらせているアナスタシアと違い、別にユーリルは意識を取り戻していたわけじゃなかった。
目を覚ましたのは今の今なのだ。
けれど、話を聞いていなかったのかと言われれば、そうじゃない。
ユーリルにもストレイボウの懺悔の言葉は届いていた。
感応石だ。
感応石が意識を失ったユーリルへと、現世の光景を届けていたのだ。

果たして、オディオによる夢への干渉の残滓によるものか。
はたまた、アキラのテレパシーによる感応石への働きかけが、偶然ユーリルの石にだけ強く影響を及ぼしたのか。
それもまた、分からない。

分からないことだらけだが、それでもユーリルにだって分かることがある。

怒りだ、今、この身は怒りを抱いている。

「どうしてお前は救われてやらなかったんだよ!?」

“救いたい”人達がいた。
“救えなかった”人達がいた。
“救われた”自分がいた。
救い手たる自分になった。

ユーリルは“勇者”としての一生を、誰かを“救う”ことだけに費やしてきた。
救い手たれと望まれて、本当に救いたかった人達の命を犠牲に救えなかった彼は、せめてとばかり名も知らない人々を“救い”続けた。
無論、どれだけ“救おうとも”、所詮は代替行為。
飢えは満たされるはずがなく、ユーリルは更に多くの人々を“救う”ことを求めた。

“救う”ことを求めて、求めて、求め続けて。

遂には、世界を“救った”。
“魔王”さえも“救った”。
そう、“魔王”さえも、だ。

ユーリルは“勇者”だった。
予言に唄われた“勇者”だった。
地獄の帝王を滅ぼすはずの“勇者”だった。
それなのに、ユーリルはピサロを“救った”。
第二の地獄の帝王たる“魔王”を“救った”。

“勇者”だから?
“勇者”は清廉潔白でなければならないから?
“勇者”は優しくなければならないから?
だから、エビルプリーストに騙されただけだった“魔王”に同情した、と?


322 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:48:51.54 ID:arUSEkio
           

323 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:49:36.99 ID:arUSEkio
  

324 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:49:52.26 ID:arUSEkio
    

325 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:51:23.89 ID:KFfpzMC5
   

326 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:51:26.78 ID:Ru6v0qfu
違う。
“勇者”だから、ではない。
“勇者”なのに、だ。
まず何よりも、第一に、“勇者”は“魔王”を滅ぼすべき存在として定義されていたのに。
誰よりも、“勇者”であろうとしたはずのユーリルが、その大前提を裏切った。
エスタークを復活を邪魔するに留め、デスピサロを“救い”、滅ぼしたのは黒幕といえど単なる魔法使いのみ。

矛盾している。
余りにも、矛盾している。
“勇者”なのに、“勇者”なのに、“勇者”なのに。

なんということはない。
ユーリルは“壊れていたのだ”。
自らの復讐心よりも、エルフの女性が求めてきた“救い”を優先してしまうほどに壊れていたのだ。
アキラが謳った“ヒーロー”のように、とっくの昔に“ブッ壊れて”いたのだ。
あの日、あの時、あの瞬間。
故郷を焼かれたあの時に。
“救い”を求める人びとに手を伸ばせなかったあの時に。
大好きな人達を“救えなかった”あの時に。
誰一人、“救われなかった”あの時に。

そのことに、自分を見つめ直した今の今まで気付かなかった。
自分が“救いようのないほど”壊れてしまっていることに、気付きたくなかった。
気付かないように目を逸らしてた。

“勇者”であることを全ての言い訳にして。

“勇者”だから。
“勇者”だから。
“勇者”だから。

“勇者”だから、どれだけ怖くても、世界を“救わねばならない”。
“勇者”だから、自分の幸せを捨ててさえ、見知らぬ人間を“救わねばならない”。
“勇者”だから、恨みを抑えこんで、怨敵さえも“救わねばならない”。

ずっと、ずっと、ずっと、そう言い聞かせてきた。
いつの間にか、それが本当だと信じこんでた。

でも違った。
本当は、そうじゃなかった。


327 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:52:13.09 ID:JmtfA4u+
 

328 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:53:12.85 ID:Ru6v0qfu
“勇者”だから、ではない。
“勇者”なのに、でもない。
“勇者”ならば、だ。

“勇者”ならば、どれだけ怖くても、世界を“救える”。
“勇者”ならば、自分の幸せを捨ててさえ、見知らぬ人間を“救える”。
“勇者”ならば、恨みを抑えこんで、怨敵さえも“救える”。

予言に唄われる“勇者”ならば。
神に選ばれ、魔族が恐れる程の力を持つ“勇者”ならば。
世界を救うと約束された“勇者”ならば。
文字通り、世界中の人であろうと、“救える”はずだと信じた。

みんなを“救える”と信じた。
みんなは、みんな、みんななんだ。
“救われない”ことが許せなくて、“救われない”者をただ“救いたい”だけだった。
今更になって自覚したそれが、僕の本当にやりたいことだったんだ。

“救われない”のはもう嫌だ。
“救えない”のは御免だ。
絶対に駄目なのだ。
“救い”を求める者が、“救われて”と願われるものが、“救われない”なんてことがあってはならない。
“救われない”のは許せない!

だからこそ、ユーリルはストレイボウに怒りを抱く。
ユーリルが“救えなかった”モノを“救えた”のに、“救おうとしなかった”ストレイボウが許せない。

「俺が……“救われる”べき、だった? アリシア姫でなく、この俺が……?」
「そうだよ、そいつが“救われる”ことはそいつにしかできなかったけど、お前が“救われる”ことならお前にならできただろ!?」

激昂のままにストレイボウに詰め寄ろうとするユーリルを、ヘクトル達が抑えにかかる。
万一に備え武装解除をしてはいたが、ユーリルの暴走っぷりを知る者達からすれば、剣を取り上げたくらいで安心出来るはずがなかった。
アナスタシアの名を連呼していた時と同様、鬼気迫る表情で詰め寄っているのだから、尚更だ。
だけど、ヘクトル達の心配と、アナスタシアの怯えに反し、ユーリルは暴れはすれど、呪文ではなく言葉だけを紡ぎ続ける。
泣き出しそうな声だけを吐き出し続ける。

「なんだ、何が言いたいんだ!? あんたは何が言いたいんだ!?」

お前にならオルステッドを“救えた”。
そう言いたいんだよ!

「オルステッドは嬉しかったんだ! 魔王山でお前と再会した時、嬉しかったんだ!
 お前が生きていてくれて、嬉しかったんだ!」
「オルス、テッドが……? あいつを罠にはめて哂っていた俺の、ことを……? 
 俺が生きていたことに、不思議そうな顔をしていたあいつが?」

お前にはそう見えたかも知れないけれど!
もしかしたら驚いて、思わず後ずさってしまったかもしれないけれど!
それでも、それでも!

329 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:54:35.19 ID:JmtfA4u+
 

330 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:55:34.68 ID:Ru6v0qfu

「当たり前だ! あんたは、オルステッドと親友だったんだろ!」

親友、なんだろ!?
友達よりももっと仲がいいんだろ!
僕はクロノを、日勝を、マッシュを救えなくて、あんなにも悲しかったんだ。
身が千切れそうな程に、憎悪に身をまかせるしかないほどに悲しかったんだ!
親友を“救えなかった”オルステッドは、もっと、もっと悲しかったんじゃないのか!?
だったら、だったらさ。

「生きていてくれて、嬉しかったに、決まってるだろ!」

そうだ、決まってるんだ。
もし、もしもだ。
意味のない仮定で、既に裏切られた仮定だけれど。
ユーリルが殺し合いなんかに巻き込まれることなく、無知なまま、無事、滅んでしまった故郷へ戻れていたとして。
そこに、死んだはずのシンシアがいたとしたら。
笑顔で迎えてくれたとしたら。

きっと、きっとユーリルは。

疑うよりも早く、泣いて彼女を抱きしめていた。

「散々オルステッドに嘘をついたんだろ! だったらその時もついてやればよかったんだ!
 本物の魔王に拐われていたとか、なんとか言って!」
「だが、それじゃ何の解決も……っ!」
「そんな嘘でも救われたんだよ、オルステッドはっ!
 嘘でも何でもいい! お前を“救えた”ことに“救われた”んだよ!
 お前に、お前に分かるのか!?
“救いたい”と、心の底から願った人達を“救えなかった”人間の想いが!」

僕には分かる、分かるんだ。
本当に助けたいと思った人達を、己が無力から誰一人救えなかった僕には。

そして、たとえ力があろうとも。
人は、“救い”を求めている人間しか、救うことが出来ない。

オルステッドはアリシアを“救えなかった”。
アリシアがオディオに救われることを拒絶したから。

ユーリルはシンシアを“救えなかった”。
シンシアがユーリルに救われることを求めなかったから。

そうか、ようやく分かった。
僕は、僕はシンシアに――

皆を“救って”なんて言葉じゃなくて

私を助けてって言って欲しかったんだ……

331 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:57:17.71 ID:JmtfA4u+
 

332 :救われぬ者  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:57:29.30 ID:Ru6v0qfu

「ユーリルくん……。あなたは“救えなかった”のね……。
 自分を“生贄”に捧げてさえ、本当に救いたかった人達を誰一人“救えなかった”……」
「うるさい、黙れ、アナスタシア」

余計なことじゃなくて、助けてって言って欲しかったのは、お前にもなんだ。
“救い”さえ求めてくれたら、“勇者”だったあの時の僕には“救えた”のに。
お前が“救われない”者である以上、助けてと言ってくれさえすれば、僕は絶対、何がなんでもお前のことも“救った”はずなんだ。
そうしたら、お前は“救われて”、僕も自分が“救われない”存在だなんて気付かないで済んだんだ。
クロノ達だって、“勇者”ユーリルなら、“救えた”かもしれない……。
だいたいお前はまだいいよ。“救えた”んだから。自分以外は“救えた”んだから。

「僕は、遅すぎた。遅すぎたんだ……」

大切な人達を護れるくらい、強くなるのが遅すぎた。
真に言って欲しかった言葉に気付くのが遅すぎた。
本当にやりたかったことを自覚するのが遅すぎた。
余りにも遅すぎた。

ユーリルが見出した、ストレイボウによるオルステッドの救済の方法にしろそうだ。
所詮は今更な“もし”とか“たら”とか“れば”の話に過ぎない。
ユーリルはただ駄々を捏ねただけだ。
親友を助けられるだけの力も言葉も持っていたのに、助けてやらなかったストレイボウに腹が立ち、楯突いていただけだ。

時は戻らない。
過去は変えられない。
ユーリルがいくら何を言おうと、何を願おうとも、“魔王”オディオは“救われない”。

それを証明せんとするかのように。

「え……?」

空間を揺らめかせ、突如ユーリルの前に現れたそいつは、異常を目にしヘクトルが、イスラが、武器を手に駆け寄るよりも早く。
今、この時の“魔王”の心を載せた槍にて、かつての“勇者”の“救い”を求めた、堕ちた“勇者”の心の臓を貫いた。






333 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:57:48.50 ID:JmtfA4u+
 

334 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:58:17.10 ID:JmtfA4u+
 

335 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 00:59:40.85 ID:JmtfA4u+
 

336 :人間が大好きだった壊れた物真似師の唄  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 00:59:56.10 ID:Ru6v0qfu
問おう、汝は何者か

――■■■■、■■■■

その者は鏡であった。
対象の外見ではなく、内面を映す鏡だった。
かの者が大自然の中に身を置いたとき、かの者はその身にこの世の真理を宿らせた。
かの者が命なき物質と対峙したとき、かの者はその身に一つの歴史を宿らせた。
かの者が動物と共に駆け抜けた時、かの者はその身に力強き生命の息吹を宿した。
かの者が人間と手を取り合って過ごした時、かの者はその身に数多の心を宿らせた。

されど、それも今となっては昔の話。
一切の歪みなく、対象をありのままに写した鏡は。
その完璧さ故に、見るもおぞましい『闇』を写してしまったおりに、砕け散った。
なにものにも染まらず、されど、なにものをも写しとることができた、透き通っていた鏡面は、黒く、黒く、染まり果てた。

最早かの者は、鏡にあらず。
ただの硝子の破片に成り果てた。
脆く、鋭く、触れようとする全ての他者を傷つけ、自らも滅びに向かっていく、そんな救いようのないものに成り果てた。

「ルゥぉぉぉぉぉぉぉ……」
「っつ、なんだ、こいつは!?」

故に、ヘクトル達が誰一人、空間を跳躍し現れ、ユーリルを刺し貫いたかの者が、誰であるかを分からなかったのも仕方がない。
かの者に、アキラがアシュレーより耳にしていた万物全てに光を見出していた物真似師の名残は、もう残っていない。
見よ、幾重にも巻かれた布で覆い隠されたかの者の顔を。
そこに何がある?
“闇”だ。
ぽっかりと穴が開いている用に、底なき深淵の“闇”がフードの奥には広がっていた。
そして、その闇の中で、あるべきはずの肌色を置き去りにして、目と、口だけが浮かび上がっていた。
金色に輝く眼と、異様なまでに肥大化した口だけが、ぽっかりと。
王ならぬ身で模倣したオディオの憎悪が、かの者に人の身を保つことを許さなかったのだ。
狂気に歪んだ心は、肉体をも侵食し、生命の在り方さえ歪ませた。
かの者はもはやアシュレー・ウィンチェスターが命を賭けて呼びかけた存在にあらず。

「気をつけよ、ヘクトルッ! こやつ、首輪とデイパックが見当たらぬッ!」
「なんだと!?」
「え、でも、それっておかしいよ! あたし達、残る全ての人間を把握してるんだよ? そうでしょ!?」
「だったら、考えられるのは二つだね。一つはあいつが召喚獣であるってこと。もう一つは……」
「俺達にオディオがけしかけてきたモンスターっつうことか!」

ただの――モンスター《名前のない怪物》だ。

「nヒィ……nige……」

ゆらり、ゆらりと。
言葉にならない言葉に合わせ、金色のオーラがモンスターの全身から立ち昇る。
恒星の如く眩い黄金の魂に比べれば、登ったばかりの太陽の、なんと儚きことか。

「ニbnゲ;@.n……niguい……」


337 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:00:34.12 ID:JmtfA4u+
 

338 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:01:00.21 ID:JmtfA4u+
 

339 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:01:19.87 ID:JmtfA4u+
 

340 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:01:29.45 ID:KFfpzMC5
   

341 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:02:05.84 ID:JmtfA4u+
 

342 :人間が大好きだった壊れた物真似師の唄  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:02:08.05 ID:Ru6v0qfu
何を言っているのか、ヘクトル達には理解出来ない。
だが、モンスターが何をするつもりかは、吹き荒れる殺気で、嫌でも理解できる。

人間、死すべし。
人類、滅ぶべし。

そうだ、モンスターはその為だけに、オディオの空間を操る力を模倣し、このエリアへと跳躍してきた。
人間が最も集まっているこのエリアへと!

「ニィンゲェェェエエエンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンン!!!!」

“光”を“光”にて喰らう黄金の殲滅者が吠える。
モンスターが黄金色の殺意で彩られた必滅の槍を崩れ落ちる勇者の心臓から抜き、斬りかかって来るヘクトルへと打ち付ける。
何の技巧も凝らされていないただ魔力を載せただけの強打《パワーヒット》。
“勇者”と称され、ルクレチア一に輝いた人物の模倣とは思えない稚拙な一撃は。
外見からは信じられないほど手馴れた動作で槍を受け流し、懐に入り込んで一撃のもと斬り伏せんとしたしたヘクトルの斧の刃を。

塵一つ残さずに消滅させた。

「は?」

唖然。
然しものヘクトルも一瞬我を忘れる。
いやいや、ちょっと待て。
剣と槍と斧の三すくみはどうした?
斧は槍に強いんじゃなかったのか。
大体受け流し自体は成功しただろ。
だからこそ俺は生きてんだし。
だというのに、この手に握った斧に柄しか残ってねえなんてどういうこった?

「冗談きついぞ、おい!」

果たしてヘクトルが握っていたのが、アルマーズでなかったのは幸か不幸か。
もしも手にしていたのがアルマーズなら、モンスターのパワーヒットにも耐えられたかもしれない。
そうであるなら、そのままモンスターを両断できており、不幸にもみすみす勝利を逃してしまったこととなる。
けれどもそれは、あくまでも、アルマーズが先の一撃に耐えられていたらの話だ。
軽く触れただけで分子すら分解するほどの魔力が込められた戦槍。
そんなものを相手にしては、神将器といえどもただで済んだかどうか。
ありえたかも知れない切り札の破壊を免れたと考えれば、ヘクトルは幸運だった。

「退くんだ、ヘクトル!」

なればこそ、掴んだ幸運を逃がすわけにはいかない。
一瞬といえど無手のまま正体不明の敵に近づき過ぎてしまったヘクトルを救わんと、イスラがモンスターの注意を逸らす。
ヘクトルとは逆方向から斬りかかったイスラへと、モンスターは再び迎撃の槍を振るう。
その動作はやはり、お世辞にも洗練されたとは言いがたいものではあれど。

「ぐうっ!?」
「イスラ!」

343 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:02:39.73 ID:m8vjC9KZ
 

344 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:02:40.82 ID:JmtfA4u+
 

345 :人間が大好きだった壊れた物真似師の唄  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:03:11.49 ID:Ru6v0qfu
先の一撃がまぐれではなかったと言わんばかりに、打ち合ったイスラを大きく吹き飛ばす。
ごろりごろりと大地を転がるイスラ。
その身体が禁止エリアへと投じられる寸前のところで、マリアベルが受け止める。

「大丈夫か、イスラよ!?」
「おかげさまでね。こいつのおかげで助かったよ」

ひらひらとイスラが振ってみせる剣に、マリアベルは目を細める。
“導かれし者”と刻まれた柄と、奇妙な形の刃を持つ剣。
目を覚ました時、ユーリルに武器を持たせたままでは危険だと武装解除するにあたって、その剣をイスラに託したのはマリアベルだ。
ロザリーから聞いていたのだ、天空の剣のことを。
アガートラームのように伝説に唄われた武器を死蔵させておく理由もない。
ヘクトルにアルマーズがあり、アナスタシアにはいざとなればアガートラームを渡せばいい。
他の面子は武器は不慣れだ。
ならキルスレスを回収するまでの繋ぎにでもとイスラの手に天空の剣は渡った。
ユーリルの人生を狂わした一因だと聞き、ややイスラは複雑な心境だったが。
おかげで今、助かったのは事実だ。
“魔王”の写し身の攻撃を防ぐという一点に関しては、アルマーズやアガートラーム以上に天空の剣は最適だった。

「で、こいつの本来の持ち主の方は?」
「危ない状態じゃ。流石は“勇者”、寸前で心臓への直撃は逸らしたみたいじゃが……。
 それでも、直接その身で味わったおぬしなら分かるじゃろ」

本来の剣の担い手を気にかけるイスラに、マリアベルが静かに答える。
思わしくない返事だったが、イスラとて想像はついていた。
伝説の武具越しに受け止めたイスラでさえこの様なのだ。
直撃を避けたとはいえ、生身でモンスターの一撃を受けてしまったユーリルが無事であろうはずはない。
恐らく、イスラを襲ったのと同様の衝撃波に、ユーリルの体内はずたずたに侵されてしまったのだ。

「アキラやアナスタシアに頑張ってもらってはおるが」
「アナスタシアに? 冗談きついんじゃないかい、それは」
「仕方なかろう。おぬしとて、護るべき対象を一纏めにして護衛の戦力を集中せぬ限り、あれ相手に護り抜けるとは思うまい」

ちらりとマリアベルが目をやった先では、アキラがユーリルの意思を繋ぎ止め、アナスタシアが賢者の石で癒していた。
保身がかかっている以上、ここでアナスタシアもおかしな真似はすまい。
瀕死のユーリルの方が自暴自棄を再発させ、アナスタシアを害する可能性もなくはないが……。
モンスターの襲撃前のユーリルの様子からするに、ユーリルが既にアナスタシアを殺す気を失せていたように思えてならない。
楽観し過ぎだろうか。
アナスタシアの身は安全だと信じて、自分の気を楽にしたいだけだろうか。

「歯がゆいの……」

346 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:03:12.07 ID:m8vjC9KZ
 

347 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:03:23.30 ID:JmtfA4u+
 

348 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:03:26.08 ID:m8vjC9KZ
 

349 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:03:58.65 ID:JmtfA4u+
 

350 :人間が大好きだった壊れた物真似師の唄  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:03:58.97 ID:Ru6v0qfu
ぬいぐるみの中でマリアベルは歯を軋ませる。
ゴーレムを従えぬ身一つでは、親友一人の命すら他人に任せるしかない。
折悪く時は早朝、場所は屋外だ。
これまでの激戦で遮蔽物たる木々が薙ぎ払われた大地に、眩き陽光は悠々と降り注いでいた。
これでは、陽の光に焼かれるノーブルレッドたる少女はその力を万全には発揮できない。
運動を阻害するぬいぐるみなしで活動できない以上、今のマリアベルに誰かを護れる余裕はない。

「奴の動きを少しでも阻害するぞ! 俺が凍らした床に、あいつを押し出してくれ!」
「言われなくても分かってる!」

そうこうしているうちにも、アナスタシア達の護衛についてもらったストレイボウとニノが、モンスターに着々と手を打っている。
目論見通り、ストレイボウが凍らせた床に、ハイ・ヴォルテックで誘導されたモンスターは足を滑らせひっくり返った。
子どもだましの時間稼ぎだが、それでも、体勢を立て直したヘクトルが駆けつけるには十分な間だった。

「出し惜しみは無しだ、アルマーズ!」

頭をかち割らんと、入魂の一撃を叩きつける。
あいもかわらず嫌な感触が身体を襲ったが、無視する。
モンスターの常識離れした破壊力を体感していたからこそ、ヘクトルは一切の出し惜しみなくアルマーズの力を開放する。

「どおおりゃあああああああああああああああああああああああ!」
「滅biルゥオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

身を起こしたばかりながらも、迎撃するモンスター。
手にした槍にはヘクトルをしてアルマーズの破壊を想像せしめたあの力が寸分違わず込められてはいたが、いかんせん足場が悪い。
凍った大地の上ではふんばりなど利くはずもなく。
足運びなどという高度な技巧を覚えているはずもないモンスターは、再び、氷に足をとられる。
そのタイミングをヘクトルは待っていた。
全力で振りかぶった斧の軌道を、更なる全力で無理矢理捩じ曲げる。
縦に振られたはずの刃が、横に疾る。
モンスターは身を崩したまま、何とか、槍の柄で受け止めんとするが、それこそヘクトルの狙いだった。
確かにモンスターの攻撃力は脅威だが、得物が槍である以上、その破壊力は穂先にのみ込められているはず。
柄尻を使った武術も存在しはするが、どちらにせよ、柄はさほど驚異ではない!
伊達にペガサスナイトと共に歩んできたわけではないのだ。
ヘクトルは、槍という武器の利点も欠点も、知り尽くしている!

「うっしゃあああ!」

アルマーズが戦槍の柄を両断する。
否、破壊は柄だけに留まらない。
天雷の名の謂れを見ろと言わんばかりに、槍の端々に稲妻が走るように破壊のエネルギーが伝搬し、分かたれた戦槍が砕け散る。
無理な軌道変更の影響でモンスター自体には振れること叶わなかったが、十分な成果だった。
見たところ、モンスターは戦槍以外の武器を持っていない。
モンスターなのだから素手でも戦えるだろうが、それでも攻撃力の低下は免れえないだろう。
そうヘクトル達は判断した――ただ一人、イスラを除いて。

「!? あれは、まさか!? 駄目だ、ヘクトル、早くそいつを斬り殺すんだ!」

ヘクトル一人に前衛を任せてしまうのは負担が大きいと、再び前に出ようとしていたイスラが顔を強ばらせ警告を発する。
彼は見てしまったのだ、武器を失ったはずのモンスター、そいつが奇妙な服の合間から取り出した幾つもの碧色の欠片を。
碧、そう、碧だ。
イスラが忘れるはずもないその色は、彼が自らの手で破壊したはずの一つの魔剣の色。
この島にて生きとし生けるもの全ての命を拘束する破滅の色。


351 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:04:18.20 ID:JmtfA4u+
 

352 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:04:40.90 ID:KFfpzMC5
  

353 :人間が大好きだった壊れた物真似師の唄  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:04:55.74 ID:Ru6v0qfu
「さっきの首輪の!?」

イスラの警告にヘクトル達も気付く。
そうだ、さっきマリアベルの手により解体されたそれを見せてもらったばかりではないか。
ぎっちりと首輪に敷き詰められた魔剣の欠片。
モンスターが手にしているのは、なぜかは知らないが、まさしくそれそのものだった。

「くそが!」

訳もわからない不安に襲われ、ヘクトルは振り抜いたばかりの斧の刃を返す。
常識的に考えれば、本来の魔剣ならともかく、剣の形もなしていない魔剣の欠片なんて武器にはならないはずだ。
なのに、欠片を掴んだモンスターを前にして不吉ばかりが加速する。
駄目だ、あれを使わせてはならない!
脳裏をよぎった不吉な予感を打ち払うように、ヘクトルは必死に逆袈裟にアルマーズで斬り上げる。
だが、必死の一撃は、更なる必死の想いにて打ち砕かれた。
打ち砕かれてしまった。

「だめええええええええええええええええええええええええええええ!」

モンスターの挙動よりも僅かに速くアルマーズが唸りをあげんとしたまさのその刹那。
悲痛な少女の声を伴った水流が、ヘクトルを押し流し、刃の射程からモンスターを逃がしていた。
辛うじて、モンスターが手にしていた魔剣の欠片を打ち払うことはできたのだが。

「な!?」

続いて輝く光が降り注ぎ、水流でヘクトルが負ったダメージを癒す。
攻撃を邪魔してきたかと思えば、癒してきたという訳の分からない乱入者の行動に、混乱するヘクトル。
一体誰が何のつもりでと声のした方を振り返ってみれば、更なる混乱がヘクトルを襲った。

「ジョウイ!? それに、てめえは確かちょこ!?」

割り込んできたのはあろうことか味方であるはずのジョウイと、一度敵対したことはあれども殺し合いには乗っていないはずの少女だった。

「どうなってんだ!? なんで、そのガキがここに!? 
 いやそれよりもジョウイ、その傷はどうした、お前もこのモンスターにやられたのか!?」
「この傷は別件です! そのことについても説明したいところですが、今は、この人を助けるほうが先です!」
「人!? 人なんていねえだろ! どう見てもそいつはモンスターだろ!?」

本当に訳がわからない。
戦闘中にも関わらず、頭を抱えたくなるヘクトル。
けれども、衝撃とは重なるものだ。

「違うの。その人はゴゴおじさんなの! 人間が、好きで、好きで、大好きな、物真似師なの!
 怪物なんかじゃない! ちょこの、アシュレーおとーさんの、大切な仲間なの!」

これまでの混乱が軽く吹き飛ぶような真実を悲痛な声で少女は告げた。




354 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:06:07.98 ID:JmtfA4u+
 

355 :人間が大好きだった壊れた物真似師の唄  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:06:35.02 ID:Ru6v0qfu


問おう、汝は何者か

――ちょこ、誰かを護れる人になりたいの。独りにならないように。誰かを独りにしないように。

その言葉を、覚えてる。
一人じゃない、と。
ちょこはもう、独りじゃないと。
どんなときでも、ひとりじゃないと。
シャドウが、アシュレーが、ゴゴが。
少女を護ってくれた全ての父親が言ってくれた。

なら、ちょこはもう大丈夫だ。
一人ぼっちが嫌だと泣いていた幼子は、これから先、何があろうとひとりじゃない。
独りぼっちにはならない。
その小さな胸の中に、男達の姿が生き続けている限り。
ちょこは笑って、前へと進める。

この気持ちを、みんなにも知ってほしいと思う。
世界の果てで一人ぼっちで泣いていたおねーさんにも。
世界を救うい一人ぼっちになってしまったおにーさんにも。
一人ぼっちになんてなっていなかったんだって。
ううん、もしほんとに独りだったとしても、今はもう独りじゃないんだって。

約束があった。
世界を救う代わりに消えてしまった女性の処に遊びに行って、一緒にハンバーグを食べるという約束が。
伸ばした手があった。
世界を救って、けれども一人救われず、復讐に走った少年の心を救おうとして伸ばした手が。

約束はまだ叶っていない。
伸ばした手も握り返してもらっていない。

これからだ。
全てはこれからなのだ。
ちょこは笑って前に進める強さを得た。
けれどもそれは、他の誰かを置いてけぼりにして、進む強さなんかじゃない。
誰かの手を引っ張って、一緒に笑って進む強さだ。

だから少女はけじめをつけに来た。
人を殺しても幸せになんかなれないのだと、アナスタシアにも、ユーリルにも分かってもらって。
二人が抱えている本当の悲しみをちょこの方も理解して。
互いにごめんなさいを言い合って。
本当の意味で、手を繋ぐのだ。

「ジョウイおとーさん。アナスタシアおねーさんと、ユーリルおねーさんをお願い」

その為にも、二人は殺させはしない。
途中で出会って肩の切り傷を治してくれた青年に、二人を任せる。
舌足らずなちょこの言葉を解読し、慣れた手際でマリアベル達にゴゴについて説明してくれていた青年は、今も少女の心を汲みとってくてた。

「全てを失ったように思えても、幾許かの想いは手の内に残るんだ。だから……」
「うん、ありがとう、ジョウイおとーさん。ちょこ、諦めないから」


356 :人間が大好きだった壊れた物真似師の唄  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:07:25.94 ID:Ru6v0qfu

そうだ、諦めてなるものか。
この両手がアナスタシアと、ユーリルと、手を繋ぐためにあるのなら。
この胸はゴゴを迎え入れるためにある。
けじめをつけて来いと少女を送り出してくれた物真似師を、今度はこっちから迎えに行こう。
刃を向けることがあるようなら殺してくれと頼まれてはいたが、そんなの知らない。
ちょこはいい子だけど、悪い子でもあるのだ。
納得できない頼みなんて、聞いてやるものか。
みんなで帰るのだ。
みんなでおうちに帰るのだ。

「じゃが、話を聞くにあやつは自らオディオになったのじゃろ。オディオに取り憑かれたというならともかく、それでは救いようが……」

言いよどむマリアベルにちょこは力強く首を横に振る。
泣き出しそうな顔で笑ってみせる。

「それでも、生きているなら、やり直せるの。何度でも!」

それは答え。
少女が人間を大好きだった物真似師から教えてもらった、とっておきの魔法の言葉。
そしてこの場にいる誰もにとっても答えとなる言葉だった。






357 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:07:51.37 ID:KFfpzMC5
   

358 :人間が大好きだった壊れた物真似師の唄  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:08:26.96 ID:Ru6v0qfu

「それでも、生きているなら、やり直せるの。何度でも!」

それは誰の言葉だったか。
自身が口にしたような気もするし、大切な誰かにも言われた覚えがある。
……大切な、誰か?
果たして、自分にそんな相手はいただろうか。
思い出せない。
思い出す必要すらない。

我が身に必要なのは力だけだ。
人間を滅ぼすという意思を実行するに足る力だけだ。

そして、その唯一必要な力さえ、今の自分には足りない。
血流の如く循環し続ける憎悪に対し、圧倒的に足りない。

だから、届かない。
目の前に怨敵がいるというのに。
憎んで止まない人間が群れをなして存在しているというのに、この手は一つとして命を詰み取れていない。

憎い。
ああ、憎い。
我が身を寸前のところまで追い込んだ、ぎらつく斧を手にした人間が。
その人間を殺そうとするのを、ことごとく邪魔をする輝く剣を手にした人間が。
二人の戦士を魔術にて的確に援護する二人の魔道士の人間が。
確かに槍で貫いたのに、往生際悪く死に損なった人間が。
放っておけばいいのに、その人間の生命を繋ごうと癒しを試みる三人の人間が。
憎い。
憎い。
憎いッ!
何よりもこの身が憎い。
渇いて止まない我が身が憎い。
人間どもを消し去ることのできない自らが憎い。

であるならば自我なぞ不要。
既にして、我が心は導火線に火がついたままの爆弾だ。
一度消せぬ火をつけてしまった以上、二度三度火をつけることの何を恐れるというのか。
失うことを恐れるようなものなど、もう何も残ってはいないではないか。
真に恐れるべきことはただ一つ。
この心が砕けてしまうより速く、この身体が敗北し、憎き人間どもの根絶が叶わぬことだけではないか。

更なる力を引き出すべく、今や己のものとなった憎悪の“魔王”の心の奥底へとアクセスする。
第一段階である心の読み取りで躊躇し、術技経験の読み取りを放棄した以上、更なる力を振るうにはこの手しかなかった。
人をして“魔王”とならしめたオディオの憎悪。
自殺するための最低限の自我を残しておくために、あえて不完全な物真似でとどめていたそれを。
不完全でありながらも、物真似師の心から、記憶を、絆を、安息を、輝く世界を奪ったオディオの憎悪の物真似を。
今、ここに、完成させ――

「ア……ァ…………が……」

359 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:08:47.48 ID:JmtfA4u+
 

360 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:08:59.31 ID:KFfpzMC5
   

361 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:09:05.76 ID:JmtfA4u+
 

362 :人間が大好きだった壊れた物真似師の唄  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:09:43.97 ID:Ru6v0qfu

壊れた。
みしりと音を立てて脳の一部が破裂する。
骨格は質量を持つまでに濃縮された憎悪に耐え切れず瓦解。
腐ったみかんが押し潰されるように濁った体液を撒き散らす。

「おじさん!」

誰かが心配そうに顔を歪めて駆け寄ってくる。
人間ではない、誰かの声だ。
どうでもいい。
人間でないのなら、どうでもいい。
人間を殺せるのなら、どうなってもいい。
この憎悪を向ける矛先は人間だけだ。

「ぎっ」

無関心に、無造作に、小さな温もりを振り払う。
心配など不要。
壊れた心には壊れた身体こそ相応しい。
人間への憎悪だけで動く我が身が、人間的なものであってはならない。

「ィィィ、あ」

より深淵により広大により限界に憎悪を引き出していく。
崩壊していく世界。
絶望が吹きつける世界。
人が立つことはおろか、生命の存在そのものを許さぬ憎悪の激流に押し流されるる。
吹きつける憎悪は鋼そのもので、肉体が圧し潰される。

「――ry、が」

眼球が潰れる。
背骨が背中を突き破る。
逆流する血液。
汚染されていく精神。
痛みなどない。
痛みを感じ、堪えようとするような人間的感情など、一度目の物真似で喪失していた。

「――ryあ、あ……」

溶ける、融ける、解ける。
怨嗟の声すら奪われる。
あげる意味もない。
この身が、我が存在自体が人間への憎悪により成り立っているのなら。
わざわざ声に出すまでもない

363 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:10:16.96 ID:KFfpzMC5
  

364 :人間が大好きだった壊れた物真似師の唄  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:10:45.08 ID:Ru6v0qfu

「――――――――」

白くとける。
身体も意識も無感動に崩れていく。
残っていた一厘の自分すら消えていく。
思考も肉体も削られて、段々と自分の存在が小さくなっていく。
感覚のない体、自分のものでなくなった心は、死を恐れない。
何が恐ろしいのかさえ、もう判らない。

ああ、そういえば。
一度してしまえば正気など保っていられるはずのない物真似。
力を模倣する前に自分も判らなくなって、誰かと交わした言葉さえ思い出せなくなる。
愛した人間を憎んで、狂ってしまう。
どんな状況になっても、誰が死ぬことになっても、それだけは止めておこうと。
そう心に決めていたはずの封印を解いたのは、一体何を恐れてだったか……。

僅かに浮かびかけた疑問もしかし、すぐさま憎悪に溶かされていく。

「――――――――」

モンスターは思い出せない。
自分が真に望んだ願いを。
自分が誰かを“救いたかった”ことを。
自分の手でその“救おう”とした誰かの命を奪い、“救われぬ”存在となってしまったことを。






365 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:11:25.67 ID:KFfpzMC5
   

366 :人間が大好きだった壊れた物真似師の唄  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:11:50.50 ID:Ru6v0qfu
問おう、汝は何者か

――今更かもしれない。俺にはそんな資格が無いなんて嫌なくらい分かってる。それでも、それでも! 
  俺は友でありたい。オルステッドの、カエルの友であり続けたい、今度こそ!

忘れられない言葉があった。
手放したくない言葉があった。

「罪滅ぼしのためでは無く、お前の意思で友を救えよ……」

口にしたそれは、俺にに真の新なる始まりの一歩を歩ませてくれた言葉。
あの別離の時、カエルがこの言葉を残してくれたからこそ、俺は贖罪のためだけでなく、新たな友のために走りだすことができた。
変わることを決意できた。
カエルの前で笑うことができた。

今もまたそうだ。
この言葉が俺を奮い立たせてくれている。
折れそうになっていた俺の心に火をつけてくれている。
目を逸らしたい現実と向き合う意志の力を俺に与えてくれている!

「――――――――ッ!」

見据えるは言葉をも忘れた憎悪の化身。
更なる力を発揮したモンスター、否、物真似師は素手にも関わらず、槍を持っていた時以上の力で、ヘクトル達を圧倒していた。
吹き荒れる嵐のように出鱈目に両腕を振り回しつつ走りぬける。
ただそれだけで、物真似師を抑えつけようと向かっていったイスラが吹き飛ばされ、ヘクトルとちょこが膝をつく。
ストレイボウ達が少しでも取り付く隙を作ろうと乱れ撃つ魔法に至っては、避ける素振りすら見せず、受け止めている。

強い。
あまりにも強すぎる。
これが憎しみの力か、これが憎悪の力か。

かつてストレイボウもまた憎悪を糧とし、力を得たことがあった。
言うまでもない、魔王山でオルステッドと最後の戦いを繰り広げた時がそうだった。
あの時のストレイボウは、その力に酔いしれていた。
これなら勝てる、この力ならこれまでの全ての敗北を覆し、オルステッドに勝てる!
そう確信できるだけの力を感じていた。

けれど、今になって理解する。
己が抱いた憎しみの力の、なんとちっぽけで、弱かったことか。

367 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:11:55.74 ID:KFfpzMC5
   

368 :人間が大好きだった壊れた物真似師の唄  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:12:50.87 ID:Ru6v0qfu

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!」

物真似師ゴゴ。
ちょこの話では、彼はオディオの心を物真似したという。
ストレイボウがついぞ敵わなかったオルステッドの剣技でも、“魔王”となり得た時空をも制する魔法の力でもなく。
単にその心だけを真似たという。
しかも、垣間見た時点で、物真似師がそれ以上覗くのを禁忌とした以上、心の物真似すら不完全なものということだ。
不完全な心の模倣でさえ、人に人でいることを許さず、モンスターに変えてしまったのだ。
得た力の強さが憎しみに比例しているというのなら。
人の身でありながら“魔王”に変じてしまったオディオが抱いている憎しみとは、一体どれほどのものなのだろうか。
考えるだに恐ろしく、事実、不完全な写し身にしか過ぎない物真似師を前にしてでさえ、身体の震えが止まらない始末だ。

だけど。

想いの伝え方を教えてくれた女がいた。

諦めない勇気を灯してくれた男がいた。

仲間であることを誓ってくれた少女がいる。

共に弱さを克服しようと歩き出した少女がいる。

何よりも、だけどと言える、自分がここにいるっ!

「生きているなら、やり直せる、か……。俺もそう思う。そうだと信じたい。そうして見せる!
 俺は生きる! 生きて、生きて、生きて、やり直す! 贖罪のためだけではない。
 俺が変わるためだけでもない! 友情に報いるために。
 かつてオルステッドが抱いてくれて、そして今、カエルが捨てないでいてくれている友情の為にも!
 俺は、生きる! 生きて、生きて、戦い続ける!」

罪滅ぼしのためでは無く、お前の意思で友を“救え”よ。
その言葉に込められた真の意味を、漸くストレイボウは理解した。
アナスタシアとユーリルのおかげだ。
贖罪を成し遂げただけではオルステッドを救うことはできないのだと、二人の“英雄”が教えてくれた。
そして、ならば、どうすればオルステッドを救えるのかという答えも、既にストレイボウは教わっていた。

己の意思だ。
友を“救いたい”という己の意思――友情こそが、ストレイボウをしてオルステッドを、そしてカエルを救える唯一無二の力なのだ。

故に、答えを得た今、友の刃を甘んじて受けるべきだという考えは、ストレイボウにはもうなかった。
相手がオディオの化身といえど、殺されてなどやるものか。

369 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:12:57.61 ID:JmtfA4u+
 

370 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:13:20.88 ID:JmtfA4u+
 

371 :人間が大好きだった壊れた物真似師の唄  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:13:45.29 ID:Ru6v0qfu

「おじさん……」

名前を呼んで、手をつなごうとし、拒絶され、吹き飛ばされた少女を受け止める。
少女の身体といえど、弾丸のような速度で投げ飛ばされた身を受け止めるのは、痛くなかった訳ではないが、必死に顔には出さないようにする。
弱音なんて吐いてやるものか。
なすべきことはただ一つ!

「ちょこ、でよかったか? 君の言葉は俺に届いた。俺も俺の言葉を届けたい奴らがいる。
 手伝おう、俺も。そして、救おう。
 かつての俺のように、今のオディオのように、憎しみにとらわれてしまったあの物真似師を!」
「うん!」

カエルを、しいてはオディオを救おうというのだ。
オディオの化身ぐらい救えずして何とする!

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

ブライオンを引き抜き、勇者バッジを握りしめる。
己の弱さと恐怖に立ち向かい、受け入れ、乗り越えようとするストレイボウを祝福するかのように。
“勇者”の剣とバッジは、一瞬なれど、確かに光り輝いた。






372 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:13:58.40 ID:JmtfA4u+
 

373 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:14:14.07 ID:KFfpzMC5
   

374 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:14:28.34 ID:JmtfA4u+
 

375 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:14:47.59 ID:KFfpzMC5
   

376 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:14:49.36 ID:m8vjC9KZ
 

377 :人間が大好きだった壊れた物真似師の唄  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:15:05.54 ID:Ru6v0qfu
眩い光が世界を照らす。
闇を切り裂き夜明けを告げるかのような、希望に満ちた強き光。
かつてのかの者なら美しいと感じたであろう、人間の心の輝き。

その輝きを以てしても、今のかの者の心には響かない、届かない。
闇より暗い絶望を纏った心は、かの者に世界をくすんでしか見させない。
美しかった世界。
輝いていた世界。
物真似したいと思わせる数多のもので満ち溢れていた世界。
全てが全て、過去形で、過去の話だ。

物真似師は壊れてしまった。
“魔王”に“生贄”として自らの心を捧げ、壊れてしまった。
物真似師“ゴゴ”はもうここにはいない。
それでいて、かの者はオディオにも成りきれていない。
ここには誰もいない。
かの者の心臓は動いているし、呼吸もしている。
瞳は開いたまま、曇った世界の中、唯一色を失わず、ぎらついた輝きでかの者の心を焼き続ける人間達に向けられてはいる。
憎悪のまま両腕を振るい、うるさく喚く幼子を引き剥がしては、人間どもをなぎ払ってもいる。
けれど、それだけだ。
あるものは、ただそれだけ。

気が狂ってしまうほど迫真の物真似をしようとも、どこまでいってもこの憎悪は“魔王”のものであって物真似師のものではない。
オディオの過去すら知らない物真似師は、オディオの抱いた憎悪の強さと対象を真似することはできても、それ以上はできなかった。
何故どうしてどんな想いでどのように憎めばいいのか、物真似師には分からなかった。

経緯も論理も超越した憎悪。
誰のものでもない、自分のものですらない憎悪。
空っぽの憎悪。

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!」

皮肉な話だった。
かの者は物真似師だった。
人を、物を、自然を写す鏡だった。
誰でもないからこそ、誰にでも、何にでもなれて、でも、そこには確かに“ゴゴ”という個が存在していた。
人を愛し、動物を愛し、自然を愛し、世界を愛していた誰かがいた。
誰の、何の物真似をするかを選び、決める、かの者自身がいた。

378 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:15:20.09 ID:JmtfA4u+
 

379 :人間が大好きだった壊れた物真似師の唄  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:16:06.49 ID:Ru6v0qfu

今はいない。
個を失い、誰のものでもない憎悪に溶けてしまった以上、かの者は人ですらない。
ただの憎悪、ただのモンスター、それ以上でもそれ以下でもないのだ。

「ゴゴおじさん、目を覚まして! 帰ってきて!」

だから。

「君の望んでいた結末はこんなものだったのかい?」

ああ、だから。

「お前にも、連れ戻したい友がいると聞いた。なら、オディオの真似ではなく、俺の真似をしてくれ!
 友を救いたいという俺の真似を!」

無駄なのだ、無理なのだ。

「おぬし、アシュレーの仲間なのじゃろ。なら、根性を見せい!」

どれだけちょこ達がゴゴを救おうとしても。

「読んだ心に押し潰される……俺もそうなってたかもしんねえ。けれど俺には“ヒーロー”がいてくれた!
 お前も思い出すんだ、“ヒーロー”の背中を!」

どれだけ想いを込めて呼びかけようとも。

「強くなろうよ! あたしと一緒に、心も、力も!」

ここにいない人間を救えるわけがない。

「てめえも、ジャファルも連れ戻す! “闇”も“光”もオスティアで受け入れてやる!」

“救われない”、物真似師ゴゴは“救われない”!

幾度もの剣閃《救い》を拒絶し、幾度もの魔法《救い》を跳ね除け、幾度もの言葉《救い》を一蹴して。
かの者はソレを拾い上げる。
一度は使用を阻止された魔剣の欠片を。
再び手にし、今度こそ、その力を行使する。

「だめ、ゴゴおじさん、それだけは駄目! ちょこ、分かるの! それには、それの中には!」

ああ、そういえば。
さっきから何度も何度もこの身を引きとめようとしてくるコレは。
人の身に混ざりて、人間ではないコレは。
人間ではない故に、どうでもいいと、何度殴っても、蹴り飛ばして、振り払っても、向かってくるコレは……。

誰だったか。

もう誰の名前も砕けて消えて、思い出せない。
思い出せないという意思すらも、崩れ去って消えていく……。




380 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:16:45.90 ID:JmtfA4u+
 

381 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:17:06.35 ID:JmtfA4u+
 

382 :人間が大好きだった壊れた物真似師の唄  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:17:30.35 ID:Ru6v0qfu
問おう、汝は何者か

――あたしは、強くなりたい。大切な人をこの手で護れる、大切な人と共に歩める強いあたしになりたい

物真似師ゴゴ。
かの者のことを、ニノはよく知らない。
この島に連れてこられてから、多くの出会いを果たしてきたけれど、その中にゴゴの知り合いは一人もいなかった。
人間を大好きだったという物真似師の名を聞いたのは、ついさっきが初めてだ。
それどころか、ニノはゴゴを助けて欲しいと言ってきた、ちょこという少女のこともよく知らない。
アナスタシアやイスラ、ヘクトルにユーリルは、少女とは顔見知りだったようだが、ニノは本当の本当に初見だったのだ。
つまるところ、ニノにとってちょこは赤の他人だ。
赤の他人のはずなのだ。

それなのに。
ニノは必死になって怪物とかしてしまった物真似師を救おうとしていた。
怪物から大切な人達を守るためだけでなく、泣きそうな少女を慰めようとしてでもなく。
物真似師を救いたいという願いを抱いて戦っていた。

「ストレイボウ! あいつに魔力が集まってる! おっきいの、来るよ!」

多分、今の物真似師の姿が他人ごとじゃなかったからだろう。
物真似師がああなってしまったのは、力を求めたからだという。
仲間を守ろうと、友の誇りを守ろうとしたからだという。

あたしと一緒だ。
あたしも、力を求めてる。
みんなを護れる力を求めてる。

ニノも一つだけ、物真似師同様、自らの器を超えた力を手に入れる方法を知っていた。

“闇”魔道。

大した資質を持たぬものでさえ、強大な力を引き出せる、究極の魔道。

けれども、美味しい話には代償が付き物だ。
“闇”を求める者は、自ら“闇”に入らねばならない。
“闇”は術者の自我を奪い、何故、自分が力を求めているのかさえも忘れさせてしまうという。
噂では、かの八神将ブラミモンドは、竜を倒す力を得た代わりに、感情も、記憶も、己の全ても“闇”に委ねたという。

ブラミモンドだけではない。
ニノから二度も家族を奪ったあのネルガルでさえ、“闇”魔道の犠牲者だった。
許せない奴だったが、死に際に最早自分でも分からない誰かの名を呼んだあの男は、最悪の“闇”魔道士とは思えないほど、悲しげだった。
……もしも、ネルガルやゴゴの姿が、誰かのためにといえど、過ぎた力を求めた人間の末路だというのなら。
自分もいつか、ああなってしまう日が来るかも知れない。
ずっと置いていかれる側だったニノは、全てを捨てて誰かを護るということが、その誰かにとっては望まないものだということは分かっているけど。
それでも、そこまでして、誰かを護りたいという気持ちも分かるから。

383 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:17:48.28 ID:m8vjC9KZ
 

384 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:17:52.44 ID:JmtfA4u+
 

385 :人間が大好きだった壊れた物真似師の唄  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:18:17.66 ID:Ru6v0qfu

「判ってる。手伝ってくれ、ニノ。少しでも、相殺するぞ! 皆を護るためにも、あいつに罪も背負わせない為にも、誰も死なせない!」

少なくとも、ニノを護るために感情を捨て去り、死神へと回帰したジャファルは、そのいつかに向かって、今も真っ直ぐ突き進んでいる。

「お前に言われなくたって、そのつもりだよ!」

誰かを護るために心を捨て去り、怪物へと成り果てた物真似師は、いつかの自分で、今のジャファルだ。
ならば。
物真似師を“救う”ことによって証明してみせる。
“闇”に堕ちずとも強くなれるのだと、“闇”に堕ちてもやり直せるのだと!

「あたしは負けない、負けたくない!」

激震する世界でニノは叫び続ける。






386 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:18:26.91 ID:JmtfA4u+
 

387 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:19:41.77 ID:JmtfA4u+
 

388 :人間が大好きだった壊れた物真似師の唄  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:19:50.94 ID:Ru6v0qfu
“魔王”の化身の掌で明滅する魔剣の欠片に、あたかも同調するかのように、大地が脈動し、空が震える。
生じた悪寒に誰もが息を飲み、その悪寒が何によるものかを察した者達は、不安のままに声を荒げる。

「なんだ、この感覚、デュエルゴじゃない……。怒りや憎しみの力じゃない、もっと薄汚れた力、これは!?」
「……ッ! まさか、ルシエドッ!? ううん、違うわ。善悪を超えて純粋だったあの子の欲望は、こんなにも歪んでいないッ!」

イスラが見抜いたとおり、首輪の材料にされている魔剣に宿っているのは、デュエルゴではない。
ロードブレイザー同様、オディオが呼び寄せたある一つの世界の“敗者”だ。
名を、闇黒の支配者。
一度ちょこ達の世界を滅亡寸前にまで追い込んだ、闇と欲望を司る強大な“魔王”だ。

とはいえ、かの存在はロードブレイザーとは違い、本体が丸ごと魔剣に誘われたわけではなかった。
暗黒の支配者は“敗者”ではあるが、滅ぼされたわけでなく、“勇者”と“聖女”の命をもって封印されていた。
その封印は闇黒の支配者自身の性質も相まって、欲深き人間にしか解けない。
オディオが“魔王”である以上、いかに彼とはいえ、闇黒の支配者を蘇らすことはできなかったのだ。

そこでオディオが目をつけたのが、機械魔メルギトスの放った悪の種子『源罪』であった。
イスラ達の世界の未来の敗者である機械魔メルギトス。
かの悪魔の置き土産である『源罪』には、本体であるメルギトスの復活のために周囲の負の力を収集する機能があった。
それをオディオは利用して、闇黒の支配者の力の残滓を集めたのだ。

もちろん、所詮は残り滓同士の配合だ。
ロードブレイザーのように他人に取り憑くどころか、自ら他者に干渉する力さえ残っていない。
だが、敗者の王であるオディオからすれば、敗者の力が勝者の命を握っているという状況自体に意味があった。
現に源罪の闇とでもいうべき力の結晶は、直接の猛威にはなれずとも、爆薬としては十分過ぎる性能を誇っている。

ならば、壊れた物真似師もまた、魔剣の欠片を爆薬として使用しようというのだろうか?
否、壊れたといえど、かの者は物真似師だ。
かの者がなすのは物真似しかありえない。
それは、ヘクトル達からすれば、決してさせてはならないものだった。

これまで何とかヘクトル達が戦線を維持できたのは、モンスターの側にその膨大な“魔王”の力を扱うすべが欠けていたからだ。
物真似師ゴゴはこれまで一切、魔法も必殺技も習得してこなかった。
全てを全て、仲間の物真似でまかなっていた。
モンスターとかした今のかの者には、その仲間がいない。
本来なら心の物真似の後に模倣するはずの、“魔王”の技の読み取りを拒否した以上、モンスターは現状、敵を叩いて殴る以外の戦法を取れなかった。

無論、それだけでも十分に強力ではあるのだが、一人ずつにしか攻撃できないのでは、限界がある。
前衛を張っているちょこは説明するまでもなく、アルマーズを装備したヘクトルも相当な硬さだ。
加えて、ジョウイの合流により、ヘクトル達は強力な回復役を得た。
致命傷を避けることに終始し続ければ、何度でも立ち上がれるのである。
これが、モンスターとヘクトル達の戦いが拮抗している最大の要因だった。

389 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:20:13.89 ID:KFfpzMC5
  

390 :人間が大好きだった壊れた物真似師の唄  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:20:57.74 ID:Ru6v0qfu

その拮抗も、ここまでだ。

「あぎぃひひゃカカカカカ呵呵呵、ゲェァァァァアアアアアアアアッ!!」

憎しみそのものである今のモンスターにとって、源罪の闇と同調することは余りにも容易いことだった。

欲望にまみれた人間の王。
闇の精霊。
七勇者。
聖櫃。

モンスターの脳裏を知りえぬ記憶が駆け抜ける。
その中に知っていた誰かもいたが、モンスターは一切の興味を示さなかった。
かの者が求めるものは温かい誰かとの思い出などではありえない。
魔法だ。
オディオの力を乗せるに足る、人間を一人残らず殲滅する魔法だ。

「―――――」

そして遂に、モンスターはソレを見つけた。
モンスターに未だ知恵と心が残っていたのなら、皮肉が効いた技名に乾いた笑みを浮かべただろう。
人としての道徳を奪われた、今のかの者に、その魔法はこれ以上にないほど、相応しかった。

「――モラル崩壊」

みしりと異音が響き、空が割れ、その隙間から闇の炎が招来する。













天から ふりそそぐものが 世界を ほろぼす














391 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:22:15.48 ID:JmtfA4u+
 

392 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:22:19.59 ID:m8vjC9KZ
 

393 :人間が大好きだった壊れた物真似師の唄  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:22:54.53 ID:Ru6v0qfu
問おう、汝は何者か

――僕は礎だ。大好きな人と共に望んだ、誰もが笑って暮らせる世界。その世界を作るための礎だ

空は蒼を奪われ、黒く、黒く染まっていた。
物真似師より召喚された闇の炎。
高濃度に凝り固まった炎は、最早質量を得た隕石に等しい。
あれが降り注ごうものなら、如何な防壁も用をなさないだろう。

「くそ、あんなの方向を逸らしきれねえ!」
「死ぬの、私はここで……。そんなの、嫌ぁ」

それを分かっていて尚、慌てるアキラ達とは違い、空を見上げるジョウイの心には一切の絶望がなかった。
あるのはただ、歓喜のみ。

ああ、これだ、この力だ。
この力があれば、全てを守れる。

しばらく座礁船を岩陰から観察していたジョウイは、その静けさから、セッツァー達とピサロの遭遇が、戦いに発展しなかったことを察した。
そこに戦乱が生じないのであれば、ジョウイが出る幕はない。
恐らくは、あのギャンブラーが上手くピサロを引き込んだのだろうとあたりをつけ、ジョウイは引き返すことにした。
セッツァー達が手を組む展開自体は予想していなかったわけではなかった。
むしろ、五分五分の可能性でそうなると踏んでいた。
敗北は人から冷静さを奪うこともあれば、慎重さを与えることもある。
他ならぬ敗者であるジョウイは、ピサロが後者である可能性も熟慮していた。
だから、この結果は、決してジョウイにとって望ましくないものではない。

戦力を増強できた以上、セッツァー達は間違いなく打って出るだろう。
そう判断したジョウイが座礁船より引き返してきた時、既にヘクトル達の戦いは始まっていた。
ニノ達の放つ魔法は遠目からでも確認でき、ジョウイに考える時間を与えてくれた。
即ち、ヘクトル達とすぐに合流するか否か。
このまま様子見に徹すれば、労せずヘクトル達の戦力を削ることができる。
襲撃者は確かに強者ではあるが、所詮は一人。
そのうち数の理に押し負けるのは眼に見えていた。
自らの体力は温存しつつ、ヘクトル達の戦力を削り、かつ強者を一人落とせるのなら、ノーリスク・ハイリターンだった。

けれども、ジョウイはこうして、ヘクトル達との合流を選んだ。
ヘクトル達の信用を勝ち取ろうとしてのことだけではない。
戦乱というジョウイが求めてやまなかった混沌を利用するためだけでもない。
襲撃者が得たというオディオの力を直に確かめたかったからだ。

考え込む自分を余所に、戦場を目にし、一目散に駆けつけようとする少女に、ジョウイは思わず声をかけていた。
この一瞬だけは、一切の打算はなかった。
幼いその背に、ジョウイのことを兄のように、父のように慕ってくれた女の子を思い出してしまったからだ。
少女もまた、そんなジョウイの想いを子どもながらの直感で読み取ってか、おとーさんと呼んでくれた。

だけど、郷愁の想いに浸るのはそこまでだった。
舌足らずながらも必死に話すちょこの言葉を聞き進めていくうちに、ジョウイの心は父のそれでなく、王のそれに戻っていった。

394 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:23:12.54 ID:JmtfA4u+
 

395 :人間が大好きだった壊れた物真似師の唄  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:24:09.47 ID:Ru6v0qfu

僕の求めているオディオの力。
それを先に手に入れた者がいるという。
なら、僕はその力の程を確かめなければならない。
僕が求めている力が、真に理想の国を作るに足るのかどうかを!

その一念でちょこにジョウイは協力を申し出た。
モンスターが単に退治すればいい存在じゃないことを知らせることで、ヘクトル達の損害を増やすという考えもあったが、あくまでもついでだった。

そして今、見極めは終わった。
モンスターが見せたオディオの力は、不完全な模倣でありながらも、あのルカや魔王をも凌駕するものだった。
世界を創造したという二十七の真の紋章の一つ、獣の紋章ですら話にならない力だった。

いけると、ジョウイは確信する。
この力さえあれば、全てを守れる。

「くっ、状況が状況です! 回復に回していた力を、全て迎撃に回します!」
「くそ、ようやっとユーリルの傷が塞ぎかかってきたっつうのに!」

無論、物真似師のように、オディオの力に呑まれてしまえば意味が無いが、自分なら大丈夫だとジョウイは信じていた。
何故なら、ジョウイもまた、オディオ同様敗者の王だからだ。

ユーリルの傷を治療しつつも、ジョウイはアキラから、自分が去った後のことを聞いていた。
ずっと気になっていたユーリルのことを初め、夢に出てきたオディオのこともだ。

敗者はかえりみられねばならない。

その通りだと、ジョウイも頷く。
かつてジョウイは敗北の折に、リオウに殺されることを望んだ。
それは多くの人を死に追いやった責を受けようとしてでもあったけど。
同時に、自身に付き従ってくれた敗軍の兵達のためでもあった。
勝者たる英雄に敗者たる悪王が倒される。
その英雄譚に敗者達は自らを慰めることができる。
騙されていたんだと。
自分達は悪ではなかったのだと。
そう思って欲しいがために、ジョウイは一人、約束の場所で待ち続けた。

約束が叶えられることは、もうない。
二人の再会は魔王の手に阻まれ、勝者であった英雄も、敗者となった。
そして、勝者たる親友が敗者になった以上、敗者たる自分が敗者のままでは誰も“救われない”。

僕は、勝つ。
僕は勝って、敗者の王になり、やり直す。
僕に付き従い敗れた、クルガンやシード達、全ての兵の為にも。
僕が殺したアナベルさんや都市同盟の人々の為にも。
この殺し合いで敗者となったリオウにナナミ、ビクトールさんの為にも。

僕が望み、彼らが望んだ理想の国を作ってみせる!

396 :人間が大好きだった壊れた物真似師の唄  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:25:29.44 ID:Ru6v0qfu

「伏せよ、アナスタシア!」
「耐えてくれ、ユーリル!」

闇の炎がマリアベルの、ジョウイの、ニノの、ストレイボウの魔法を打ち破る。
その様を見て、ユーリルをアキラが、ジョウイをマリアベルが、ニノをストレイボウが庇いに入った。
ジョウイもまたマリアベルの盾になるよう、覆いかぶさる。

「ジョウイ、おぬし!?」
「もうこりごりなんだ! リルカやビクトールさんに護られてばかりの自分が!」

真実はむしろ逆だ。
マリアベルを守りに行ったのは、こうすることが一番身の安全に繋がると判断したからだ。
オディオの憎悪が人間に向いている以上、人外の少女を護れば、自然と、闇の炎の射線から逸れる確率も上がるかもしれないのだ。
そして、この一撃さえ凌げば勝機はある。
モンスターの様子から察するに、このまま放っておけば、力の代償に後数分で自滅する。

「このバカちんが……」

そんなジョウイの打算を知らないマリアベルが静かに告げる中、闇の炎が着弾する。
ジョウイは目を閉じ、意識を手放すふりをした。






397 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:26:16.48 ID:JmtfA4u+
 

398 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:26:50.46 ID:JmtfA4u+
 

399 :Salvere000  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:28:06.60 ID:Ru6v0qfu



闇の炎はこの世に地獄を呼び寄せた。
モラル崩壊とはよく言ったものである。
凄惨なまでに破壊されたこの光景を目にすれば、只の人間では、倫理や道徳を維持したままではいられなかっただろう。

「う、あ、ガガ……」

みしり、みしり、みしり。
荒れ果てた大地を軋ませながら進むモンスターの歩みに合わせて、誰の者と知れない、呻きが上がる。
焼けただれた誰かの肌が風にかすれ、カサカサと音を立てる。

「う、ぎ、あ、あ、ぐ」

みしり、みしり、みしり。
輝く斧を持った巨漢が立ち上がろうと大地に腕をつき、それすらもなせずに崩れ落ちる。

「ヘクト、ぐぶっ!! がっ!? ギ、あ…ッ」

みしり、みしり、みしり。
巨漢の名を呼ぼうとした青年の口から言葉は出ず、紅い、赤い血だけが吐き出され続ける。

「おじ、さん……」

みしり、みしり、みしり。
立つこと叶わず、それでも這ってまで必死にしがみつこうとするが、少女の歩みは今にも止まりそうな程に遅い。

「お、ぐ、あ…………」

みしり、みしり、みしり。
抱きしめた少女の無事を確認しようとする魔術師の腕からは、彼のものか少女のものか、止めどなく血が溢れていた。

「あた……あたしは、ま、だ……」

みしり、みしり、みしり。
その先が言葉にされることはない。魔術師の少女の手から、血にまみれたクレストグラフが滑り落ちる。

「こん、な、時こ、そ、こんじょ、」

みしり、みしり、みしり。
魂をどれだけ燃やそうとも、肉体の傷を凌駕すること叶わず、サイキッカーは闇に飲まれる。

400 :Salvere000  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:29:16.85 ID:Ru6v0qfu

「ああ、そう、だ。だから、僕、は……。好きなように……。僕の、本当に、望んだことは……」

みしり、みしり、みしり。
命懸けで護ったサイキッカーの思いも虚しく、傷口を開いてしまった勇者は、何事かを呟き続ける。

「……………」

みしり、みしり、みしり。
瀕死の重症を負った者達の傷を治そうともせず、真の紋章に自らの生命の維持を任せ、青年は偽りの眠りを演じる。

「今度、こそ、今度こそ……わらわ、は」

みしり、みしり、みしり。
着包みが無残に裂け、露出した肌を太陽に焼かれ、ノーブルレッドが炎症に苦しむ。

それら放っておけば死ぬ全てを置き去りにして、怪物は、この場でただ一人、無傷な少女の前に立った。

「あ、う、あ、あ」

アナスタシア・ルン・ヴァレリア。
全人類が助かるために“生贄”として捧げられた少女が、皮肉にも、友をはじめ、多くの人間を犠牲にして、一人だけ難を逃れた。
ニノ達の魔法により威力を減衰された闇の炎を、ジョウイとマリアベルに護られることでやり過ごした。
アナスタシア自身は、唖然とするだけで、なんら生き延びる為の手を打っていなかったにも関わらずだ。

それを、許さぬと。
そんな護られるだけで、護られる価値のない人間こそが許せないのだと言わんばかりに。
魔王の化身となった物真似師は、落ちていた剣を拾い上げる。
奇しくもその剣は、かつてオディオが“勇者”であった頃に先代の“勇者”より引き継いだ聖剣、ブライオン。
“勇者”を破滅に追いやり、今も親友達を“生贄”に一人生き延びた“剣の聖女”を裁くに際し、これ以上とない剣だった。

「わたし、やっぱり生きてちゃ駄目だったのかな……」

ゆらりと、怪物が剣を振り上げる。

「物語の“英雄”として、死んだままじゃないと、駄目だったのかな」

生きることの意味を見失った少女に、抵抗する意思はなかった。

「やり直せると、思ったのになあ」

あったのは遂に認めてしまった諦めだけ。

「せっかく、生き返れたのに、生き方、間違っちゃったのかな」

諦めのままに懺悔する少女に怪物は無言だった。

「“救われない”わね。わたしも、キミも。
 ……せめて、ちゃんと殺してね。事象の果てでまたひとりぼっちなんて、耐えられないから」

怪物は無言のまま剣を振り下ろす。


401 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:29:33.72 ID:JmtfA4u+
 

402 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:29:44.80 ID:JmtfA4u+
 

403 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:30:35.57 ID:JmtfA4u+
 

404 :Salvere000  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:30:38.50 ID:Ru6v0qfu
「ごめんね、ちょこちゃん。利用しようとして。
 ありがとう、マリアベル。護ってくれて」

諦めが人を殺す。
アナスタシアを“剣の聖女”たらしめていた、生きる意志を失った以上、少女は聖女などではない、ただの少女に過ぎなかった。
ずっと、彼女が望み続けてきた、ただの人間に過ぎなかった。
そして、ただの人間に、モンスターの牙から逃れるすべはない。







ああ、だから。






それでもモンスターの牙が届かなかったというのなら。





それはモンスター同様、牙ありし存在が、人間を庇った時だけだろう。





少女が、そこにいた。
牙持ちて、牙なき人を友となす、不死の少女がそこにいた。
太陽に赤く赤く焼かれながらも、人外の膂力で無理やり掲げたアーガトラームの重さに押しつぶされながらも。

「マリ、アベ、ル……?」
「ようやっと、わらわの名を呼んでくれたの、アナスタシア」

マリアベルは、笑って、そこにいた。




405 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:31:49.44 ID:KFfpzMC5
     

406 :Salvere000  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:32:01.97 ID:Ru6v0qfu


問おう、汝は何者か

――伝説のインモータルにして、生態系の頂点に立つノーブルレッドにして、ファルガイアの唯一無二絶対究極の真の支配者にして……ええい!
  一言二言で語れるほど、わらわはちっぽけな存在ではないわあああああ!
  ……ふん、それでもまあ、敢えて、たった一言だけで、自らを名乗らねばならぬのなら。
  わらわはこう名乗ろう。
  アナスタシア・ルンヴァレリアの永遠の友であると。

陽の光が熱く、聖剣が重い。
じくじくと焼かれる肌は、ぼたぼたと、貴重な水分を零してばかり。
赤い血。
人間とは違う、されど、人間と同じ色をした、赤い血。
その血を見て、アナスタシアが悲鳴を上げる。

「大丈夫じゃよ、アナスタシア。これくらい、痛くも痒くもないわ。
 知っておろう。わらわは不死のノーブルレッド。死にはせん」
 
はったりだ。
マリアベルは死ぬ。
オディオの力がただ一人を残してノーブルレッドを滅ぼしたロードブレイザーの力と同質である以上。
そのオディオを物真似したモンスターの剣で斬られれば、マリアベルの魂は肉体ごと殺される。

「けどの。死なないことは、死ねないことでもある」

それななのに笑っていられるのは、不死に飽き、死を望んでいるからか。

「のう、アナスタシア」

ああ、そんなことを考えたこともあった。

「わらわとしたことがの。一時弱気に駆られたことがあるのじゃ」

出鱈目に振り下ろされるブライオン。
どけと、邪魔だと、何度も何度も打ちつけてくる衝撃に、アガートラームを握る両手が震える。

「何故、何故わらわは一人きりなのかと」

衝撃に震えるのは手だけではない。
陽の光を浴び炭化していく全身に、衝撃が走り、罅割れていく。

「わらわは誇り高きノーブルレッド。悠久の時を生きることのできる選ばれし民」

永久不滅たる魂が、磨耗し擦り切れ朽ち果てていく。

「しかし、共に生きる一族はもういないのじゃ」

このままなら死ぬだろう。
間違いなく、死ねるだろう。

「なぜわらわだけが生きている……
 一族と共に滅びてしまえばこんな想いをすることはなかったのじゃッ」

いつかそう願ったように。
父のもとに、母のもとに、一族のもとに、マリアベルは召されるだろう。

407 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:32:34.00 ID:JmtfA4u+
 

408 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:33:18.07 ID:KFfpzMC5
   

409 :Salvere000  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:33:45.78 ID:Ru6v0qfu

「おぬしと共に死ねていれば、こんな想いをすることはなかったッ!
 否、おぬしの代わりにわらわが命を捧げられたなら、どれほど良かったかッ!」

アナスタシアの目が見開かれていく。
マリアベルを死ねなくしたのは、他ならぬアナスタシアだった。
アナスタシアがもたらした時空を超えたアシュレーとの邂逅。
その時にしてしまった共に戦おうという約束が、マリアベルに、生き続けることを選ばせた。
ノーブルレッドは約束を違えぬ。
死にゆく友が残していった未来への約束。
それを果たす日まではと、マリアベルは長い、永い、孤独の眠りについた。

「もういい、もういいから! わたしのことはいいから!」

そう言ってくれるのは、分かっておった。
あのアナスタシアが、自分の命よりも、他人の命を優先する。
こんな光景を見れば、さぞかし、イスラやユーリルは驚いたじゃろうな。
じゃがの、わらわにとっては、何の不思議もないのじゃ。
アナスタシアは誰よりも、生きたいと願う少女であると同時に。
誰よりも、大切な人達に生きていて欲しいと願える少女なのだから。

じゃからこそ、アナスタシアは、あれだけ固執した自分の命を差し出してまで、マリアベル達を“救って”くれた。
死んだ後でさえ、マリアベルが早まった真似をしないよう、過去に干渉し、約束を残してくれた。

“生きたい”という欲望。
“生きて”という欲望。
その二つを兼ね備えておるのが、我が友、我が誇り、アナスタシア・ルン・ヴァレリアなのじゃ。

「じゃが、今にして思う」

だからの。泣いてくれるな、アナスタシア。
わらわがおぬしを恨んだことなど、一度もない。
どころか今、わらわはおぬしに感謝しておる。

「生きていて良かったと」

わらわはずっと、待っていた。
この時が来るのを待っていた。

「わらわが生きながらえた意味は、今この時、おぬしと再会するためにこそ、あったのじゃ」

わらわはちゃんと、笑えておるかの。
太陽に焼かれたせいで、ひどい顔をしておらぬかの。

「アナスタシア、我が永遠の友よ」

410 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:35:05.10 ID:JmtfA4u+
 

411 :Salvere000  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:35:20.05 ID:Ru6v0qfu
まあ、それでもよいか。
アナスタシアの方が、わらわより、よっぽどひどい顔をしておるのじゃから。

「この戦いが終わったら、花を見にゆかぬか?」

それに、どんな有様でも、約束は紡げる。
ずっとずっと、また会えればと願い続けて、届けたかった言葉を口にできる。

「おぬしが護った世界。アシュレーが護った世界」

“生きる”ということ。
それは明日を夢見ることじゃと、わらわは思う。

「それを、見にゆこう」

じゃったら約束とは、自分と相手に、明日まで生きていて欲しいというイノリそのものじゃと思うのは、わらわの考えすぎかの?

「美しいぞ。なんせわらわが支配する世界で、おぬしやアシュレーが護った世界なのじゃ」

ついに手を握っていることすら叶わなくなり、マリアベルの手からアガートラームが抜け落ちる。

「荒廃していたのも、昔の話じゃ。今のファルガイアには、緑が、花が溢れておる」

魔力はとっくの前にすっからかんだ。

「じゃから。それを見にゆこう。懐かしい、あの日々のように」

それでも、親友が頷いてくれるのを目にして、この身一つを盾にしてでも、今度こそ、護り抜こうとマリアベルは心に誓った。

412 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:36:03.16 ID:KFfpzMC5
   

413 :Salvere000  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:36:26.63 ID:Ru6v0qfu









心に誓ったのに。
その切なる願いさえ、モンスターは踏みにじる。










414 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:36:56.06 ID:JmtfA4u+
 

415 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:37:10.98 ID:JmtfA4u+
 

416 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:37:35.77 ID:JmtfA4u+
 

417 :Salvere000  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:37:57.23 ID:Ru6v0qfu
「な……」

消えたのだ、モンスターの姿が。
そうだ、何故忘れていた。
モンスターはどうやって、この地に姿を現した?

それが、答え。
物真似師は一つだけ、たった一つだけ、オディオから心以外の技を写し取っていたのだ。
物真似師達をこの島に飛ばした、空間跳躍の技術を!

「逃げよ、アナスタシ……ぐ!?」

気付いた時には遅かった。
振り返ったマリアベルが目にしたのは、アナスタシアの背後で実体化し、剣を掲げなおす怪物の姿。
再び、割って入ろうにも、マリアベルの足は一歩も動いてくれなかった。
どころか身体さえ、支えてはくれなかった。

「マリアベルッ!」

駄目だ、ここで倒れては駄目だ。
立てなくなる、二度と立てなくなる。
分かる、自分の身体だ、嫌でも分かる。
マリアベルは死ぬ、もう間もなく。

それを見て取ったのだろう、我が身が危ないと言うのに、アナスタシアは、ただマリアベルの名だけを呼んでいる。

「頼む、誰か」
「お願い、誰か」

誰かとは、誰だ。
そんな誰かなんていはしない。
ヘクトルも、イスラも、ちょこも、ストレイボウも、ニノも、アキラも虫の息だ。
このままだとちょうど、アナスタシアが斬り殺され、マリアベルが力尽きる頃に、彼らは皆、息絶えるだろう。
真の紋章の力で生きながらえているジョウイは、彼女達を“救う”意思がない。

「アナスタシアを」
「マリアベルを」

だから、これで、みんなまとめてジ・エンドだ。
荒野に転がったアガートラームを手にするものが現れぬ限り、ここで、終わる。
マリアベルにその力はない。
アナスタシアは、こと此処に至ってでさえ、いや、自らの親友の命がかかっているからこそ、自ら全てを奪った力に触れることを躊躇した。

「「助けて!!」」






ああ、ならば。
であるなら。
その結末は、当然のことだった。

418 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:38:02.47 ID:H085ynf4
 

419 : :2011/07/19(火) 01:38:32.74 ID:KFfpzMC5
   

420 :Salvere000  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:38:55.96 ID:Ru6v0qfu
アナスタシアが斬り殺される。






マリアベルが力尽きる。






ヘクトルが戦場に眠る。






イスラが無念の死を迎える。






ちょこが闇へと還る。






ストレイボウが魂の牢獄へと再び繋がれる。






ニノが薄幸の人生を終える。






アキラが松の後を追う。






421 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:39:15.68 ID:JmtfA4u+
 

422 : :2011/07/19(火) 01:39:29.95 ID:KFfpzMC5
   

423 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:39:36.02 ID:JmtfA4u+
 

424 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:39:43.88 ID:H085ynf4
 

425 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:39:55.84 ID:JmtfA4u+
 

426 :Salvere000  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:40:01.94 ID:Ru6v0qfu
――それら全ての数瞬速く

アガートラームが引き抜かれ、白き光が世界を覆う。

「サルベイション」

其は再誕の光。
“生きたい”と願う全ての者を蘇らせる力。
“生きて”と祈る全ての者に報いる力。
事前に施しておくことで、一度死した者達を、死の淵より呼び戻す、“救い”の力。

「おぬし、は……」

息を吹き返したマリアベルが、その姿に瞠目する。

「嘘、なん、で……?」

ブライオンを受け止め、自らの命を“救った”人物を前に、アナスタシアは信じられない面持ちだった。

「どうなって、やがる!?」「何が起きた!?」「おにー、さん?」「バッジが光ってる……」「なに、この光……」「あったけえ」

再誕したヘクトルが、イスラが、ちょこが、ストレイボウが、ニノが、アキラが。

「……きみは」

ジョウイでさえも。
驚きを禁じえず、救い手たる存在を見つめていた。

「アナスタシア。僕はお前が大っ嫌いだ」

その者は“剣の聖女”ではなかった。

「けど」

“剣の英雄”でもなかった。

「お前には身を張ってまで助けてくれようとする友達がいる。
 僕が本当に助けたくて、けど、助けられなかった存在がいてくれるんだ」

人々はかの救い手のことをこう謳う。

「なら、お前は“救われろ”。“生贄”は、僕だけで十分だ」

“勇者”と。


▽▼

427 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:40:40.18 ID:JmtfA4u+
 

428 : :2011/07/19(火) 01:41:59.40 ID:KFfpzMC5
   

429 :全てのキミの魂の詩  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:42:39.81 ID:Ru6v0qfu


さあ、今こそ答えよう。
“英雄”とは何か、“勇者”とは何か、その答えを。
自分が一体何なのかを。

“救われない”のはもう嫌だ。
“救えない”のは御免だ。
絶対に駄目なのだ。
“救い”を求める者が、“救われて”と願われるものが、“救われない”なんてことがあってはならない。
“救われない”のは許せない。

それは、ユーリルの根底にある想いだった。
ユーリルのありとあらゆる感情を超えた激情だった。
喜怒哀楽を置き去りにして、絶望すらも寄せ付けない。

ユーリルは“救い”を求められたなら、“救われて”と願う者がいたならば。
何を優先してでも、その相手を“救わずには”いられなかった。
それがたとえ、かつてのユーリルから全てを奪った“魔王”とその恋人であっても。
それがたとえ、“勇者”ユーリルから全てを奪った“英雄”とその親友であっても。

ユーリルは、“救わず”にはいられなかった。

自身もサルベイションで黄泉帰りを果たしたばかりの身。
体力は回復していても、疲労の方は消しきれない。
それでも剣を振るう。
強く、速く、剣を振るう。
“救われぬ者”を救うために。
“救われぬ者”の剣と打ち合う。

「うおおおおおおおお―――――― ッ!!」
「ゲェァァァァアアアアアアアアッ!!」

ユーリルの敵は“英雄”だった。
紛れもなく“英雄”だった。
見返りも理解も求めず、ただ護りたい者を護り通さんとした“英雄”だった。
かの者に比べれば、なるほど、“救われたい”と泣き喚くアナスタシアやユーリルはちっぽけな“生贄”に見えるだろう。
剣を打ち合うにも値せず、差し出された首を切り落とせばいいだけの“生贄”に見えるだろう。
そのことを今更に否定はしない。
ユーリルは“生贄”だ。
アナスタシアも“生贄”だ。
だけど。

「僕は“生贄”で、それでも“勇者”だ!」

“英雄”は“生贄”なんかじゃないと、アキラは言った。
そうかもしれない。
そこまでは認めてやる。
“英雄”は、必ずしも“生贄”ではないのかもしれない。
けど、その後は間違いだ。
僕は単なる“生贄”で、“英雄”じゃない?
違う、違うんだよ。


430 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:44:14.49 ID:KFfpzMC5
     

431 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:44:24.11 ID:JmtfA4u+
 

432 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:44:41.74 ID:KFfpzMC5
   

433 :全てのキミの魂の詩  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:44:45.05 ID:Ru6v0qfu
「理由なんて関係ない。
 僕もアナスタシアも世界を“救った”。
 救ったんだ!」

僕達の決断によって。
僕の意思を、お前の欲望を満たすためだけに。
それこそが“勇者”の、“英雄”の所業なんだよ。

「望もうが望むまいが、進んでだろうが嫌々だろうが関係ない。
 人を“救う”者は、即ち“英雄”だ」

僕達がどれだけ自分のことを“生贄”だと思っていても、僕達は“英雄”だ。

「“生贄”とされた者もまた“英雄”だ
 人を“救う”者は皆、“英雄”なんだっ」

“英雄”たるか、“英雄”たらぬか。
両者を区別する条件はただ一項。

――誰かを、何かを、“救える”か否か

ただそれだけだ。
それだけなんだ!
それだけで、十分だった!

「その強さがあれば、すべてを“救える”と思った……。
 “救いたい”人達がいた。
 “救えなかった”人達がいた。
 “救われた”自分がいた。
 救い手たる自分になったッ!」

救い手の名は“勇者”。
“救われぬ者”を“救う者”!

オディオは言った。
クロノは“救った”人間に殺されるのだと。
じゃあ、僕はどうするべきか。
クロノを殺した人間を護る価値のない人間を殺せばいいのか。
違う、そうじゃない。
“救いたい”奴を、救えばいい。
もしもオディオが言うような未来が来ていたとしたら。
僕はクロノを“救い”に行けばよかったんだ。


434 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:45:52.64 ID:JmtfA4u+
 

435 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:46:09.17 ID:H085ynf4
 

436 :全てのキミの魂の詩  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:46:31.39 ID:Ru6v0qfu
「―――モラル、崩壊」

“英雄”が業を煮やし、終焉の弾鉄を引く。
蒼空が罅割れ砕け、次元の狭間より闇の炎が覗く。
あれが再度、降り注げば、ユーリル達に防ぐ手立てはない。
サルベイションの発動には、膨大な精神力がいるのだ。
先刻使ったばかりのユーリルでは、どう足掻いても精神力の回復が間に合わない。

故に、ユーリルが選んだのは予防ではなく、迎撃。
天より降りそそぐものを、更なる力で押し返す!

刮目せよ。その力とは、アークインパルスにあらず。

聖剣を扱えているとはいえ、ユーリルは“剣の英雄”ではない。
“勇者”だ。
“勇者”なのだ。
“勇者”である以上、あの呪文以外にありえない!

ユーリルは残る全ての魔力をアガートラームに流し込み、天へとかざす。
彼の動きを追うように、懐に入れていた大切な友達からの贈り物が、ふわりと浮かび上がり、空へと消えていく。
ユーリルはその意味を理解して、ほんの僅かに笑みを浮かべ、力ある言葉を唱えた。

437 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:46:34.74 ID:m8vjC9KZ
 

438 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:46:55.79 ID:KFfpzMC5
  

439 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:47:10.68 ID:JmtfA4u+
 

440 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:47:45.09 ID:JmtfA4u+
 

441 :全てのキミの魂の詩  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:47:49.29 ID:Ru6v0qfu















「来たれ生命《イノチ》の雷」
















442 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:49:20.17 ID:JmtfA4u+
 

443 :全てのキミの魂の詩  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:49:36.34 ID:Ru6v0qfu
思い起こせば、サンダーサタンやデスピサロも、稲妻や地獄の雷を操っていた。
雷を呼び起こせるのは、ユーリルの世界においても、“勇者”以外でもできたのだ。
どころか、それは、“勇者”とは敵対するはずの魔族の技だった。
であるなら。どうして雷魔法は、“勇者”の象徴だと、伝えられて来たのだろうか。

想像にしか過ぎないけれど、それはきっと、数え切れないほどの人の命を、この呪文が救ってきたからじゃないだろうか。
ベホマでも、ザオリクでもなく、闇を切り裂き光をもたらすこの呪文こそが。
世界に光をもたらしてきたのではないだろうか。

マスタードラゴンが産まれるより昔の時代には沢山の“勇者”がいたのかもしれない。
天空人の血を引いているかなんて関係なく、クロノやマッシュみたいに、救いたい人が“勇者”を名乗り、雷を操り、世界を“救っていた”のかもしれない。

ならば、“勇者”とは“いのり”だ。
世界の全てよ、“救われろ”。
そんなイノリだ。

だったら。
だったら!
込められた意味を果たせ。
祈りよ通じ、奇跡を呼べ。

「アナスタシアにマリアベルだけじゃない! オディオも、ストレイボウも、ゴゴも、ちょこも!」

全ての“救い”を求める者は。
全ての“救われろ”と願われた者は。

「この一撃で、“救われろ”……ッ!!」










「ミナ、デイン!」










444 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:50:18.10 ID:JmtfA4u+
 

445 :全てのキミの魂の詩  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:51:16.51 ID:Ru6v0qfu




その光景を。誰もが強く、心に焼き付けた。




  「ちょこ、分かるの。おにーさん、一人じゃないの。ひとりじゃないから、あのおっきな剣を振るえるの
   あのおっきな剣が、イノチのチカラを束ねてくれるから、あの魔法を撃てるの……」



アガートラームから光が天へと登っていく。
それは一条の光ではない。
ユーリルの手から放たれた光を支えるように、空で解けた何かから三条の光が共に天へと登っていく。



  「アルマーズが震えてやがる……。そんなにも、そんなにも、あれは、すげえ魔法なのか……?」



天雷の名を関する斧が震えるのも無理はなかった。
天を駆け上った光は、そのまま罅割れた空をも貫いて、今にも顕現しようとしていた闇の炎を打ち消したのだから。



  「魔法だよ……。あんなの、魔法でもないと、かないっこのない願いだ。
   それでも、その気持は、痛いほど、分かる。キミの魔法は、僕の魔法でもあるから……」



魔法はそこで終わらない。
空を貫き、闇を斬り裂いた光は、天で渦巻き、再び地へと降りそそぐ。



  「全部、“救う”だって? はは、あはは、あはは! なんだよ、それ、いかにもあの先生が、言いそうなことじゃないか!
   なんで、なんで、気付けなかったんだよ……。僕に、似てるってことは、あいつは、アティ先生にも似てたって、ことなのに」

446 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:51:43.73 ID:KFfpzMC5
   

447 :全てのキミの魂の詩  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:53:07.61 ID:Ru6v0qfu



“救う”為に。
全てを“救う”為に。



  「……のう、アナスタシア、聞いたか? “救う”とな。わらわも、おぬしも、ゴゴも、オディオでさえも。
   “救う”とな。問答無用で“救う”とな……。無茶苦茶じゃのう。無茶苦茶過ぎて、わらわは永久に、忘れられそうにないわ」



故に降り注いだ雷竜はその牙を、その爪を、“英雄”に振るうことはなかった。
ミナディンの光は、術者たる“勇者”の剣へと、降臨する。



  「ほんと、無茶苦茶だと、わたしも思うわ。“生贄”なのに“勇者”で、護るでもなく、裁くでもなく、わたしを“救う”なんて。
   こんなことなら、もっと速くに、助けてって、言っておけばよかったなぁ」



生じたトラペゾヘドロンすら形成できるであろうエネルギー。
それを宿した剣を手に“勇者”が駆ける。



  「ああ、そうか、それが、“勇者”だ……。俺がずっと妬みながらも、憧れていた“光”。
   こいつなら、世界も“救える”と思えてしまうような“光”。俺はオルステッドにとってのあれになれるだろうか……」



ブライオンを手に迎え撃つ“英雄”。
“英雄”と“勇者”が交差し、“英雄”の剣が今度こそ、“勇者”の心臓を貫く。



  「なれるだろうか、じゃだめだよ。ならなくちゃいけないんだ。あたしも、あなたも」



そして、全てが終わる。
“勇者”もまた、物真似師の内的宇宙へと、アガートラームを突き立てていた。

448 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:54:06.81 ID:JmtfA4u+
 

449 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:54:36.18 ID:KFfpzMC5
  

450 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:54:51.11 ID:JmtfA4u+
 

451 :全てのキミの魂の詩  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:55:29.46 ID:Ru6v0qfu



 
 これからずっと充たされることなく生きるのだと思ってた。
 でも、今からは。



       ◆       ◇       ◆


暗い暗い闇の中に、モンスターの意識が落ちて行く。
内的宇宙に突き立てられたアガートラームが、物真似師が物真似をしたオディオという概念を封じようとしているのだ。
その目論見は達成されるだろう。
この世全ての憎悪たるオディオ本体なら、アガートラームであろうともそう簡単には抑えられはしまい。
されど、ここにいるのはあくまでも、オディオの物真似をした物真似師だ。
物真似師自身が不完全だと断じた物真似によるイミテーションオディオだ。
絶対的な力を誇る聖剣の敵ではない。

だが、聖剣にできるのは、聖剣がなしてくれるのはそこまでだ。

意思のようなを持っているといえどアガートラームは感応武器。
使用者の心が強大であればあるほど強い力を発揮するが、使用者の心が砕けていたなら意味を成さない。
“救われぬ者”に“救い”よあれ。
理屈も条理も超越した“勇者”の膨大な精神力によってイミテーションオディオを封じるまでは力を発揮していた。
しかし、聖剣は既に“勇者”の手を離れている。
物真似師の内的宇宙に投じられた以上、今の聖剣の主は物真似師だ。

記憶を奪われ、絆を奪われ、名前を奪われ、憎悪以外の感情を奪われ、自我さえも奪われた物真似師だ。
ただの憎悪の念の塊と化した物真似師だ。
そしてその憎悪すらも聖剣に奪われつつある。

ならば、いったい物真似師に、何が残るというのだろうか。

残るまい、何も残るまい。
しばらくすれば、物真似師は憎悪の呪縛より解き放たれるだろう。
けれど、そこには誰もいない。
ちょこが“救いたい”と願い、その意を受けて“勇者”が“救おう”とした物真似師はそこにはいない。
心臓も動いているし、呼吸もしている。
瞳は開いたまま、ぼんやりと天上を見上げている。
あるものは、ただそれだけ。
死んでないだけの、“生きていない”ただの抜け殻だ。

そんな抜け殻に、アガートラームが扱えはすまい。
聖剣がどれだけの力を持っていようとも、その柄を握ろうとしない限り、剣は応えてくれない。

物真似師は“救われない”。
“救われ――

452 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:55:30.06 ID:JmtfA4u+
 

453 :全てのキミの魂の詩  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:56:05.58 ID:Ru6v0qfu
















『待ちな! 今考えていることの逆が正解だ』















454 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:56:30.19 ID:KFfpzMC5
   

455 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:57:54.79 ID:JmtfA4u+
 

456 :全てのキミの魂の詩  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:57:57.75 ID:Ru6v0qfu
――内的宇宙に、光が満ち溢れた



物真似師の心を表す内的宇宙。
それは、かつてロードブレイザーに喰らい尽くされたアシュレーの心を表していた月面同様、荒れ果てたものだった。
断裂した大地。失われた蒼き空。奪われた緑。広がり続ける悠久の荒野。

崩壊した世界。
今の物真似師の心そのものの心象風景。



         ああ、だけど。
         死に行く世界でお前は何を見つけた?
         お前は知っているはずではないか、誰よりも。

         世界が崩壊しようとも、夜明けの光は変らないということを。
         人の心も、けっして変らないということを。

         前を見るがいい。
         前へと進むがいい。
         光は前からやってくる。



「――――――」

鳥が、羽ばたいた。
白い、白い、鳥が、崩壊した世界の空を飛翔する。

モンスターは釣られるようにしてそれを見た。
無感動な瞳で鳥を追い、いつしかその白の軌跡を追い始めていた。


「――――――」

鳥が飛ぶ。
世界を飛ぶ。

崩壊した世界。
枯れ果てたはずの世界に、色が満ちていく。

457 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:58:01.17 ID:H085ynf4
 

458 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:58:50.05 ID:JmtfA4u+
 

459 :全てのキミの魂の詩  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:59:05.13 ID:Ru6v0qfu

          モンスターの心は既に憎悪に呑まれ、世界に色を感じなくなっているはずだった。
          けれどもし、その憎悪に呑まれたはずの心の中に、直接新たな色が生じたのなら。
          それはかの者の心にさえ響くのではないだろうか。


「――――――」

鳥を追う。
モンスターの歩みに合わせて、世界は、少しずつ、少しずつ、再興されていく。

人間の手によって。
老若男女を問わぬ人間たちの手によって。


          モンスターは記憶を奪われた。
          絆を奪われた。
          名前を奪われた。
          憎悪以外の感情を奪われた。
          自我さえも奪われた。


「――――――」

鳥は彼らの間を駆け抜けていく。
追うモンスターも人々の輪を駆け抜けていく。

あれだけ憎いと思っていたはずなのに。
どうしてだろう、モンスターは人間達の輪を壊そうとは思えなかった。

  
          ああ、けれど、だけど。
          全てを奪われたなんて、それは大きなミステイク。
          残されていたものが一つだけあるではないか。


「――――――」

鳥はいつしか一匹ではなくなっていた。
二匹、三匹、四匹と、どこからともなく飛んできて、モンスターの前へ前へと集まっていく。

モンスターもいつしか一人でなくなっていた。
絶える事無き人の輪が、どれだけ進もうとも、モンスターを一人にはしなかった。
どんな時でも一人にしなかった。

460 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 01:59:43.84 ID:JmtfA4u+
 

461 :全てのキミの魂の詩  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 01:59:51.94 ID:Ru6v0qfu


          物真似だ。

          物真似師の存在意義であり、物真似師の魂に刻まれた数多の物真似だけは、物真似師から失われてはいなかった。
          他ならぬ、モンスターこそが、オディオの物真似であるモンスター自身こそが、その残されたものの証明だ。
          本当に全てが奪われていたのなら、物真似さえも奪われていたならば。
          物真似師がオディオとしてその力を行使できたはずがない。


「――――――」

鳥を見る。
その鳥たちを物真似師は知っていた。

人々を見る。
その顔の一つ一つを物真似師は覚えていた。

彼らは全て、これまで物真似師が物真似をしてきた命達だった。
鳥や人々だけではない。
この崩壊した世界すらも、物真似師が物真似をしてきた世界だった。
物真似師が生まれ育った、一度は崩壊させられながらも、人々の手によりやり直され始めた世界だった。

「――――――ぁ」

物真似師は失っていなかった。
他の全てを奪われても、物真似だけはその手に残り続けていた。
その残り続けていたものがここにある。

物真似師の内的宇宙。
それは物真似師が、これまで物真似をしてきた全てのモノから成り立つ世界だった。
そしてその全てとは文字通り全てなのだ。
崩壊した世界の物真似をした。
崩壊した世界でも芽生え続ける強き自然を物真似した。
崩壊した世界で希望を失わずに生き続ける強き人々の物真似をした。
物真似師は世界中の全てのものを真似し尽くした。

花が、蝶が、闇が、光が、空が、大地が、ここには全てがあった。
ゴゴという存在がその全てを賭けて物真似しつくしたありとあらゆる存在があった。
それはもはや、一つの星丸ごとといっていい世界だった。

ならば、今この時。



462 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 02:00:26.14 ID:KFfpzMC5
   

463 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 02:00:31.32 ID:JmtfA4u+
 

464 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 02:00:51.91 ID:m8vjC9KZ
 

465 :全てのキミの魂の詩  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 02:00:57.97 ID:Ru6v0qfu






















ゴゴが世界で、世界がゴゴだった。




















466 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 02:01:01.51 ID:JmtfA4u+
 

467 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 02:01:22.29 ID:m8vjC9KZ
 

468 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 02:01:44.40 ID:KFfpzMC5
   

469 :全てのキミの魂の詩  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 02:02:22.58 ID:Ru6v0qfu
「――――――ぁぁ」

“生きているなら、やり直せるさ。何度でも……”

その言葉は決して根拠のない希望的なものではなかった。
根拠ならあった。
崩壊した世界で、それでも助けあって強く生き抜いている人々を。
物真似師は何人も、何十人も、何百人も、何千人も見てきたのだから。
彼ら彼女達全ての物真似をしてきたのだから。
だから、誇りをもって言えたのだ。

生きている限りやり直せると。何度でもやり直せるのだと。

「――――ぁぁぁ」

集められていく。
砕け散ったはずの心が。
失ったはずの思い出が。
消えたはずの絆が。
捨てたはずの名前が。

これまでゴゴがなしてきた全ての人達の物真似によって。
崩壊後の世界を強く生き抜いていた人々の“やり直す”という物真似によって。
彼らがなしていた両手いっぱいの小さな“世界を救う”という物真似によって。
ゴゴという世界が、“救われていく”。

「――――ぁぁあ」

生きている。
ゴゴは生きている。
記憶を奪われ、絆を奪われ、名前を奪われ、憎悪以外の感情を奪われ、自我さえも奪われて。
それでも、ゴゴは、生きている。

「――――ぁああ」

だったら、やり直せないはずがないではないか。
奪われた? 違う、奪われてなんかいない。
ここには全てがある。
物真似師を物真似師たらしめる全て《物真似》がある。

「――――ぁあああ」

身体は物真似でできている。
今までずっと物真似をして生きてきたというのなら、この身も、この心も、物真似が築いてくれたものだ。
その物真似が残っているというのなら、モンスターは。
物真似師は。
ゴゴは。
俺は。

470 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 02:03:30.67 ID:m8vjC9KZ
 

471 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 02:03:35.39 ID:KFfpzMC5
   

472 :全てのキミの魂の詩  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 02:04:22.92 ID:Ru6v0qfu


何も奪われてなどいない。
俺は、満たされている!


「ああああああああああああああああああああああああああああ!!」

モンスターの姿で走る。
白い鳥を追って、追って、追って。
満たされた世界を俺は走る。

          ティナがいた。
          カタリーナがいた。
          ディーンがいた。
          赤ん坊がいた。
          子どもたちがいた。

見知った者達とすれ違った。
見知った者達が手を振ってくれていた。

          エドガーがいた。
          マッシュがいた。
          ダンカンがいた。

そこにはもう会えない人もいた。
けれど寂しくはなかった。

          シャドウがいた。
          リルムがいた。
          ストラゴスがいた。
          アウザーがいた。
          ガンホーがいた。

もう、逢えないことよりも、みんなと出逢えたことが嬉しい。

          カイエンがいた。
          ミナがいた。
          シュンがいた。
          ローラがいた。

お前達は俺の心の中に生き続けている。
もう、過去をふり返りはしない。ただ、己の信ずる道を行くのみ。

          セッツァーがいた。
          セリスがいた。
          ロックがいた。
          レイチェルがいた。

お前達が俺の心に光をくれた。
もう……大丈夫だ。

          ガウがいた。
          モグがいた。
          ウーマロがいた。

473 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 02:04:51.24 ID:KFfpzMC5
     

474 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 02:05:07.95 ID:JmtfA4u+
 

475 :全てのキミの魂の詩  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 02:05:49.14 ID:Ru6v0qfu

セッツァー、お前が生きている。
それだけで俺は幸せだ。

          ビッキーがいた。
          ナナミがいた。
          ルッカがいた。
          リオウがいた。
          トカがいた。
          トッシュがいた。
          ちょこがいた。
          アシュレーがいた。

いつしか白い鳥が変じていた一枚の小さな花の栞を手に想う。
どんときでもひとりじゃないのだと。
白い鳥が聖剣の柄に降り立つ。
いつしか鳥は一枚の小さな花の栞に変わっていた。
俺は栞を手に聖剣を引きぬく。
全ての物真似が俺の中へと帰っていく。
その中にはオディオの物真似も含まれていた。
封印はあくまでも封印だ。
消滅ではない。
一度禁忌の鍵を開けてしまった代償は、いつまでも俺について回る。
俺は一生、あの憎悪の感覚を忘れられはしないだろう。

それでいい。
どれだけ下手でも、どれだけ不完全でも、あれもまた俺が成した物真似だ。
なら、このモンスターすら、今や俺で、この世界をなす一部なのだから。

「さあ、行くぞ、みんな! アークインパルスだ!」

俺は“生きる”。
今からはこの憎悪を背負ってでも強く“生きて”みせる!
それが俺がずっと見てきた世界の物真似だ!





476 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 02:06:37.17 ID:KFfpzMC5
   

477 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 02:06:55.88 ID:m8vjC9KZ
 

478 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 02:07:06.71 ID:JmtfA4u+
 

479 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 02:07:12.61 ID:KFfpzMC5
  

480 :全てのキミの魂の詩  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 02:07:20.76 ID:Ru6v0qfu


“救われない”のはもう嫌だ。
“救えない”のは御免だ。
絶対に駄目なのだ。
“救い”を求める者が、“救われて”と願われるものが、“救われない”なんてことがあってはならない。
“救われない”のは許せない。

ずっと、ずっと、ずっと。
その飢えを抱いて生きてきた。
自分が“救われぬ”存在だと気付いてしまった以上、その渇きを、ずっと抱いたまま死ぬものだとばかり思ってた。

けれど。

今、ユーリルの前には“救われた”世界が広がっていた。
“救われ続ける”世界が広がっていた。
ゴゴに突き立てたアガートラームを通して、ユーリルの精神がゴゴの内的宇宙に感応したのだ。

そっか。
これが、“救われた”か。
クロノが“救い”、マッシュが“救い”、僕が“救った”世界か……。

ずっと、ずっと、ずっと。
世界を“救う”ことだけを考えていた。
“救われた”後の世界なんて、考えようともしなかった。
“救えなかった”人達のせめてもの“救い”となるよう、世界を“救った”ことを墓前に報告し、故郷の村で一生を終える気だったのだ。
“救われた”世界を見てみたいなんて、思いもしなかった。

その思いもしていなかった光景が、ここにある。
荒れ果てた世界。
傷ついた世界。
崩壊した世界。
でも、“救い”に満ち溢れた世界。

人々は懸命に生きていた。
彼らはみんな、“魔王”を倒そうとはしなかったけど。
辛い事や苦しい事を人に押し付けたりはしていなかった。
辛い事も苦しい事も自分で受け止め、日々を強く生きていた。
時に誰かに手を伸ばし、時に誰かに手を伸ばされ。
“救い”“救われ”生きていた。

ここにはユーリルがあれほど呪った“救われない”という理不尽はなかった。
誰かが誰かの“ヒーロー”になって、誰かの日常を“救って”いた。
みんながみんな、自分の日常を、必死に護って生きていた。

だったら。

481 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 02:08:13.34 ID:JmtfA4u+
 

482 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 02:08:31.58 ID:m8vjC9KZ
 

483 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 02:08:47.57 ID:JmtfA4u+
 

484 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 02:08:56.79 ID:KFfpzMC5
   

485 :全てのキミの魂の詩  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 02:09:26.43 ID:Ru6v0qfu

価値は、あった。
この光景を見れただけでも、世界を“救った”価値は、あった。

「俺はゴゴ、物真似師だ。恩人よ、お前の名前を聞かせて欲しい」

ユーリルが最後に“救った”命が、問いかけてくる。

「“勇者”、“勇者”ユーリル」

ユーリルは敢えてそう名乗った。

「“勇者”とは、何をする者だ?」

投げかけられたのはいつかアナスタシアに問われた内容と同じだったけれど。

「……“救われぬ”者を“救う”者だよ」

かつて黙っているしかなかったその問にも、答えることができた。

「そうか。“救われぬ”者を“救う”者か。
 では、俺も“救われぬ”者を“救う”というものまねをしてみるとしよう」

なら、それでもう十分だ。
僕は十分“救われた”。


486 :全てのキミの魂の詩  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 02:10:22.67 ID:Ru6v0qfu
















ああ、だけど。
一つだけ。
一つだけ、未練があった。

「日勝が、教えてくれた、野球……。クロノ達と、したかったなあ……」














【ユーリル@ドラゴンクエストW 死亡】
【残り15人】


487 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 02:10:23.59 ID:KFfpzMC5
   

488 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 02:10:37.76 ID:JmtfA4u+
 

489 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 02:10:50.35 ID:m8vjC9KZ
 

490 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 02:11:39.10 ID:KFfpzMC5
   

491 :全てのキミの魂の詩  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 02:12:05.44 ID:Ru6v0qfu
【C-7南 二日目 早朝】
【ジョウイ・ブライト@幻想水滸伝U】
[状態]:ダメージ(大)←死なずにサルベイションの恩恵に預かれなかったため、疲労(大)、全身に打撲
[装備]:キラーピアス@DQ4
[道具]:確認済み支給品×0〜1、基本支給品
[思考]
基本:垣間見たオディオの力を得て理想の国を作るため、他者を利用し同士討ちをさせ優勝を狙う。(突出した強者の打倒優先)
1:生き残るために利用できそうな者を見定めつつ立ち回る。可能ならば今のうちにピサロ、魔王を潰しておきたい。
2:利用できそうな者がいれば共に行動。どんな相手からでも情報は得たい。
3:座礁船のことをどうごまかすか。首輪解除もまずいな
[参戦時期]:獣の紋章戦後、始まりの場所で2主人公を待っているとき
[備考]:ルッカ、リルカと参加している同作品メンバーの情報を得ました。WA2側のことは詳しく聞きました。
※紋章無しの魔法等自分の常識外のことに警戒しています。
※ピサロ、魔王を特に警戒。
※制限の為か、二人が直接戦わなかったからか、輝く盾の紋章と黒き刃の紋章は始まりの紋章に戻っていません。
 それぞれの力としては使用可能。また、紋章に命を削られることはなくなりました。
 紋章部位 頭:バランス 右:刃 左:盾
 

【ヘクトル@ファイアーエムブレム 烈火の剣】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(小)
[装備]:アルマーズ@FE烈火の剣 
[道具]:ビー玉@サモンナイト3、 基本支給品一式×4
[思考]
基本:オディオを絶対ぶっ倒して、オスティアに戻り弱さや脆さを抱えた人間も安心して過ごせる国にする
1:ジャファルは絶対止めてニノと幸せにさせる
2:ゴゴとちょこから話を聞きたい。
3:つるっぱげを倒す。
4:アナスタシアとセッツァーを警戒。
[備考]:
※フロリーナとは恋仲です。
※セッツァーを黒と断定しました。


【イスラ・レヴィノス@サモンナイト3】
[状態]:ダメージ(小)、疲労(極)
[装備]:天空の剣(開放)@DQ4、魔界の剣@DQ4、ミラクルシューズ@FF6
[道具]:確認済み支給品×0〜1、基本支給品×2、ドーリーショット@アークザラッドU
[思考]
基本:誰かの為に“生きられる”ようになりたい。自分と大きく異なる存在であるヘクトルと行動し、自分の感情の正体を探る。
1:ユーリル……。
2:カエル達を追い南下する。
3:次にセッツァーに出会ったときは警戒。ジョウイも怪しい
4:首輪解除の力になる
[参戦時期]:16話死亡直後(病魔の呪いから解かれている)
[備考]:高原、クロノ、マッシュ、ユーリル、ヘクトル、ブラッドの仲間と要注意人物を把握済み。



492 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 02:13:33.03 ID:KFfpzMC5
  

493 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 02:13:52.30 ID:KFfpzMC5
   

494 :全てのキミの魂の詩  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 02:14:12.90 ID:Ru6v0qfu
【マリアベル・アーミティッジ@WILD ARMS 2nd IGNITION】
[状態]:疲労(極)、ダメージ(小)
[装備]:44マグナム&弾薬(残段数不明)@LIVE A LIVE、アリシアのナイフ@LIVE A LIVE、ソウルセイバー@FFIV
[道具]:ゲートホルダー@クロノトリガー、いかりのリング@FFY、ルッカのカバン@クロノトリガー、感応石×3@WA2
    基本支給品一式 、にじ@クロノトリガー、昭和ヒヨコッコ砲@LIVE A LIVE、マタンゴ@LIVE A LIVE
[思考]
基本:人間の可能性を信じ、魔王を倒す。
1:しかとおぬしのことは刻んだぞ、ユーリル
2:カエル達を追い南下する。
3:首輪の解除の準備、ゲートホルダーを調べたり、アカ&アオも探したい。
4:ジョウイのことは信じたいが……

[備考]:
※参戦時期はクリア後。 レッドパワーはすべて習得しています。
※ゲートの行き先の法則は不明です。 完全ランダムか、ループ型なのかも不明。
 原作の通り、四人以上の人間がゲートを通ろうとすると、歪みが発生します。
 時の最果ての変わりに、ロザリーの感じた何処かへ飛ばされるかもしれません。
 また、ゲートは何度か使いましたが、現状では問題はありません。
※『何処か』は心のダンジョンを想定しています。 現在までの死者の思念がその場所の存在しています。
(ルクレチアの民がどうなっているかは後続の書き手氏にお任せします)
※ルッカのカバンには工具以外にルッカの技用の道具がいくらか入っています


【ストレイボウ@LIVE A LIVE】
[状態]:ダメージ(小)、疲労(極)、心労(中)、自己嫌悪?、罪悪感?
[装備]:
[道具]:勇者バッジ@クロノトリガー、記憶石@アークザラッドU、基本支給品一式×2
[思考]
基本:魔王オディオを倒し、友としてカエルとオルステッドを救う
1:俺も、救われろ、か
2:カエル達を追い南下する。
3:あいもかわらず勇者バッジとブライオンは“重い”が……。
参戦時期:最終編
※アキラの名前と顔を知っています。 アキラ以外の最終編参加キャラも顔は知っています(名前は知りません)
※記憶石にルッカの知識と技術が刻まれました。目を閉じて願えば願った人に知識と技術が転写されます
※記憶石の説明書の裏側にはまだ何か書かれているかもしれません
※偵察に出たジョウイについてどう思っているかは不明です


【ニノ@ファイアーエムブレム 烈火の剣】
[状態]:ダメージ(小)、疲労(極)
[装備]:クレストグラフ(ロザリーと合わせて5枚)@WA2、導きの指輪@FE烈火の剣
[道具]:フォルブレイズ@FE烈火、基本支給品一式
[思考]
基本:全員で生き残る。ジャファルと一緒にいたい
1:あたしは負けない、強くなる
2:カエル達を追い南下する。
3:フォルブレイズの理を読み進めたい。
[備考]:
※支援レベル フロリーナC、ジャファルA 、エルクC
※終章後より参戦
※メラを習得しています。
※クレストグラフの魔法はヴォルテック、クイック、ゼーバー、ハイヴォルテックは確定しています。他は不明ですが、ヒール、ハイヒールはありません。
 現在所持しているのはゼーバーとハイヴォルテックが確定しています。
※偵察に出たジョウイについてどう思っているかは不明です

495 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 02:15:56.00 ID:KFfpzMC5
   

496 :全てのキミの魂の詩  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 02:16:02.06 ID:Ru6v0qfu
【アナスタシア・ルン・ヴァレリア@WILD ARMS 2nd IGNITION】
[状態]:ダメージ(大)←死なずにサルベイションの恩恵に預かれなかったため、疲労(大)、
    胸部に重度刺傷(傷口は塞がっている)、中度失血、自己嫌悪?
[装備]:絶望の鎌@クロノ・トリガー
[道具]:基本支給品、賢者の石@DQ4
[思考]
基本:???
1:???
[参戦時期]:ED後
[備考]:名簿を未確認なまま解読不能までに燃やしました。


【アキラ@LIVE A LIVE】
[状態]:精神力消費(極)、疲労(極)、ダメージ(小)
[装備]:パワーマフラー@クロノ・トリガー、激怒の腕輪@クロノ・トリガー、デーモンスピア@DQ4
[道具]:清酒・龍殺しの空き瓶@サモンナイト3、ドッペル君@クロノ・トリガー、基本支給品×3
[思考]
基本:オディオを倒して元の世界に帰る。
1:ヒーローを胸にヒーローになる
2:レイ・クウゴ、アイシャ・ベルナデット(カノン)、ミネアの仇を取る。
3:首輪解除の力になる。
[参戦時期]:最終編(心のダンジョン攻略済み、ストレイボウの顔を知っている。魔王山に挑む前、オディオとの面識無し)
[備考]:超能力の制限に気付きました。テレポートの使用も最後の手段として考えています。
※カノンの名をアイシャ・ベルナデット、リンの名をリンディスだと思っています。
※松のメッセージ未受信です。


【ちょこ@アークザラッドU】
[状態]:ダメージ(小)、疲労(大)
[装備]:なし
[道具]:海水浴セット、基本支給品一式、ランダム支給品0〜1個(確認済み)、焼け焦げたリルカの首輪
[思考]
基本:みんなみんなおうちに帰れるのが一番なの
1:おにーさん、友達のところに帰ってったの
2:おねーさんと話をする
3:おとーさんになるおにーさんのこと、ゴゴおじさんから聞きたい
[備考]
※参戦時期は本編終了後
※殺し合いのルールを理解しました。トカから名簿、死者、禁止エリアを把握しました。
※アナスタシアに道具を入れ替えられました。生き残るのに適したもの以外です。
 ただ、あくまでも、『一般に役立つもの』を取られたわけでは無いので、一概にハズレばかり掴まされたとは限りません。
※アシュレーのデイパックを回収しました。

497 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 02:16:43.41 ID:KFfpzMC5
   

498 :全てのキミの魂の詩  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 02:17:52.56 ID:Ru6v0qfu


【ゴゴ@ファイナルファンタジー6】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(小)、首輪解除、アガートラーム
[装備]:ブライオン@ LIVE A LIVE 、ジャンプシューズ@WA2
[道具]:なし
[思考]
基本:物真似師として“救われぬ”者を“救う”というものまねをなす
1:アシュレーのことをちょこ達に話す
2:セッツァーに会いたい
[参戦時期]:本編クリア後
[備考]
※本編クリア後からしばらく、ファルコン号の副船長をしていました。
※基本的には、『その場にいない人物』の真似はしません。
※セッツァーが自分と同じ時間軸から参戦していると思っています。
※内的宇宙に突き刺さったアガートラームで物真似によるオディオの憎悪を抑えています
 尚、ゴゴ単体でアガートラームが抜けるかは不明です



※ゼブラアックス@アークザラッドU、閃光の戦槍@サモンナイト3は破壊されました。
 湿った鯛焼き@LALはミナディンの光となりました
 最強バンテージ@LAL、天使の羽@FF6、基本支給品×2(ランタンはひとつ)がユーリルの死体の近くに落ちています
 
※C-7エリアは荒野となりました

※首輪に使われている封印の魔剣@サモナイ3の中に 源罪の種子@サモサイ3 により集められた 闇黒の支配者@アーク2 の力の残滓が封じられています
 闇黒の支配者本体が封じられているわけではないので、精神干渉してきたり、実体化したりはしません
 基本、首輪の火力を上げるギミックと思っていただければ大丈夫です

499 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 02:18:14.28 ID:m8vjC9KZ
 

500 :全てのキミの魂の詩  ◆iDqvc5TpTI :2011/07/19(火) 02:19:55.63 ID:Ru6v0qfu
以上、投下終了です
支援してくれた方、長時間ありがとうございました
ここまで読んでくださった方、大容量にお付き合いいただきありがとうございました
今まで私の投下を待ってくださった、全ての書き手諸氏、読み手諸氏、本当に、ありがとう!

501 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 07:38:17.89 ID:o0pmz6cb
執筆に投下、本当にお疲れ様でした。
ああ、いいなあ。これは、この話は本当にいい。
「救う」こと……おそらくは、救って救われて「幸せになる(する)こと」に対する
全員の姿勢に惹かれましたし、胸が熱くなりました。
やってるのはロワ、殺し合いなんだけれど、そうだよ……なんでリスク・テイクを
するのか、命や誇りから始まって、他人に拒絶されるかもな、ってところまで
危険を冒すのかというと、幸せに生きるためじゃないかと思えるからなぁ。
だからこそ、傷ついて、自分を知ってなおリスク・テイクできたみんなに。
とくに、勇者としての自分を受け容れて「答え」を出したユーリルには、涙が出ました。

こういう感想は、すごく個人的な価値観の吐露でしかなくて、伝えられたところで
困ってしまうかもしれませんが……それでも、この話はすごく良かったよ、と。
たったそれだけ、伝わってくれればいいなぁと思います。
面白くて、世界に色がつくほど震える話を読ませてくれてありがとうございました!

502 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 21:25:19.79 ID:arUSEkio
投下乙でっす!

>「この一撃で、“救われろ”……ッ!!」

これがヤバい
この大作のなにがヤバいって、これがヤバい
ストレイボウにぶつけた言葉もかなり来たけど、↑の台詞でさらにガツンと
ゴゴやアナスタシア、その他の面々だけじゃなく、ユーリルもまた『救われた』んじゃねえかな……
しかしダメージ大のままのジョウイは、死ななくて残念だったね……w おかしな話になるけどw

503 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 21:47:46.69 ID:VR2AR4ht
こいつはすげえや…
ユーリルは勇者や…

504 :創る名無しに見る名無し:2011/07/19(火) 21:53:55.28 ID:anaqL2G3
大作の投下、お疲れさまでした!
私にとっては、RPGロワ中、間違いなく一番の名作でした!

ユーリルが答を見つけられて本当によかった…

皆の心が少しずつ前を向いて同じ方向に気持が揃っていく感じも感動的です。
普通の RPG ならラストバトル級の盛り上がりでした。

505 :創る名無しに見る名無し:2011/07/20(水) 09:48:52.18 ID:XfkZSUVp
大作乙です!

話の先が知りたいもどかしさと読み終えてしまうのが惜しい気持ちが入り混じってぐるぐるしながら読んでた
既に書いてる人も多いけど、ユーリルが答えを見いだして立ち上がることができて本当に良かった
たい焼きがやっと「届いた」んだね…
ゴゴはこれからアシュレーのことを皆に話すんだろうけど
オディオの物真似中に当のアシュレーを手にかけたってことも話すのかと思うと切ない

つかごめん、ジョウイの
>ダメージ(大)←死なずにサルベイションの恩恵に預かれなかったため
に笑ってしまったw真紋の力が裏目に出たな

506 :創る名無しに見る名無し:2011/07/20(水) 10:15:14.52 ID:/UYDxuFT
エッチなお姉さんも回復してないんだぜ
自分の技なのに

507 :創る名無しに見る名無し:2011/07/20(水) 21:46:17.19 ID:XqkFRGip
これで反主催勢力が一同に会したな

最強クラスキャラが揃っていて少数精鋭のマーダー 2 組と、
エースキャラは少ないけど数が揃っていて団結力・士気ともに高い反主催組と、
未だ正体がバレていない真の紋章使いジョウイ
マーダー有利だった状況が、これでまたどっちにも転ぶ状況になってきた

508 :創る名無しに見る名無し:2011/07/20(水) 22:03:36.05 ID:UWjuAKGP
>>507
言われてみれば確かにそうだな
しかもここ最近のラッシュで感覚麻痺してたけど、そろそろ放送行けるよな
カエル魔王はもう一回くらいきそうだけど

509 :創る名無しに見る名無し:2011/07/20(水) 23:37:35.55 ID:UWjuAKGP


510 :創る名無しに見る名無し:2011/07/22(金) 00:30:16.61 ID:lk2FXcmd
遅くなったけど投下乙!
凄まじいクライマックス感に圧倒されっぱなしでした。
読み終わった瞬間、ユーリルにお疲れ様と言いたくなった。
ちゃんと救われたんだね。本当によかったわ。
ボロボロになって、それでもようやっと救われる。このカタルシスがたまらないです!
サルベイションで鳥肌が立ったが、何よりも印象的なのはラストのゴゴが再生するシーン。
これは本当にやばい、すごい。
モンスターとなり果てたゴゴと事象の地平のような荒野が色づき、蘇っていく様がありありとイメージできた。
最初はゆっくりと歩いていたモンスターが、最後には駆け出している感じがしてもう、言葉にできない。
とにかくすごい一作、超GJでした!

511 :創る名無しに見る名無し:2011/07/23(土) 20:40:38.49 ID:/NVkMPiR
そして予約きたあああ!

なんだが、確かに言われているように、まだ移行先の本スレ作ってないよね
基本はこれまでのテンプレをそのままで、予約期限についてのルールのとこだけ変えればいいと思うけど
氏は、この本スレで投下してくれるようだけど、その投下終わったら放送とかもあるだろうし、今のうちに議論スレで議論しておかないとね

512 : ◆wqJoVoH16Y :2011/07/23(土) 20:50:39.37 ID:gsnMLB6G
意見ありがとうございます。
それでは少なくとも今回はこちらに投下ということで、カエル、魔王投下します。

513 :王国暦1998年の紅蛙 ◆wqJoVoH16Y :2011/07/23(土) 20:51:43.52 ID:gsnMLB6G
赤い血を流す心臓の鼓動が人の命の輝きならば、ここに揺蕩う真紅の鼓動は星の命の輝きか。


とくん。
地下71階にいたカエルが異常に気付いたのは、その早鐘を聞いた時だった。
いや、それは異常と呼ぶにはあまりにも微小な差異だ。優れた剣士であるカエルでもなければ、見逃してしかるべき変動だった。
「…………なんだ? 何が戦慄いた?」
第六感が伝えた未知の侵入者――――ストレイボウ達の襲来か―――――に身構えて、カエルは武器を強く握る。
しかし、いくら気を研ぎ澄ませようと遺跡の石畳を叩く足音の一つも聞こえず、待ち人が来る気配もない。
(いや、違うな。そうであるならば先に奴が動くはずだ)
遥か空を仰ぐように天井を見つめるカエル。その先には、地下50階の玉座で魔鍵ランドルフを携えた魔王がいる。
この予感が真であれば、かの魔王がそれを察知していない訳がない。
その際は、真紅の鼓動の力を生かして最下層で回復に専念するカエルを転移させる手筈になっている。
故に今なおカエルが地下の地下で警戒をしていること自体が、敵襲の予感が偽であることを示していた。

(気のせいか? いや、今確かに何かが震えた。魔王が気付かない程小さく?)

どくん。
その手に握る紅い輝きが今まで以上にカエルの中で戦慄いた時、カエルは異常の中身を理解した。
魔王が気付かないとしても無理からんことだ。震えていたのはここであり、この剣であり、この虹石だった。
どくり、と再び震えたときカエルは更に知った。先ほど無理矢理嵌めた肩の痛みも内出血も消えていた。
この鼓動の強さに呼応するように、キルスレスの持つ治癒能力が高まっている。
本来ならば僥倖と喜ぶべきものだったが、カエルは喉を詰まらせたように、自分の胸を鷲掴む。
と<どくん>ん、と<どくん>ん、と<どくん>ん。皮膚と骨に伝うべき自分の鼓動は分からなかった。
両生類の心臓が哺乳類の心臓よりも強いか弱いかは知らない。
だが、この掌中で鼓動する真紅の音がとても大きくて、ともすれば自分の心臓の音を掻き消してしまう。
まるで、この命を塗り替えられてしまうかのように。

自分の命の在処を探すようにカエルが辿った鼓動の先には、巨大な感応石があった。
虹の七色を強めて輝くその石を良く見れば、カエルでなくとも気付いた。その輝きと鼓動が同調していることに。
(共鳴……いや、連動しているのか? 何故、今になって?)
“カエルにとって”理由なく突如起きた感応石の変化に若干戸惑いながら、彼はゆっくりと感応石に近づいていく。
危険な予感が無かった訳ではない。だが、カエルは空いたを石に伸ばしていた。
それは太陽に手を伸ばす所作に似ていた。雲一つない蒼天に一つある輝きに魅せられた子供のように―――――
ではなく、核融合反応によって1,500万度の熱を恒久的に放ち続ける暴力に魅かれた愚者のように。

ここに響く鼓動は、きっと原初の。

ダクン。



514 :王国暦1998年の紅蛙 ◆wqJoVoH16Y :2011/07/23(土) 20:53:22.81 ID:gsnMLB6G
まず右腕が消し飛んだ。感応石に触れかけた腕が、肩まで消失する。
「!?」
驚きに瞳を強張らせた隙に、キルスレスの輝きが極まった。
血よりも濃い、赤の中の朱の中の紅。原初太古より存在するアカの極彩がカエルを包む。
(迂闊……ッ)
悔やむ両生類などお構いなく、カエルの眼球が内出血を起こしたのかとばかりに赤に包まれる視界は、たちまちに黒に変わる。
紅を煮詰めたような闇の中、前足の無いカエルはどこかに跳んで逃げることもできずただ首を振って全天を見回す。
そこでカエルは見た。
勇者と友になった日を。デナトロ山で勇者が魔王に敗れた日を。臆病者が蛙になった日を。
修道院で赤髪の剣士と出会った日を。その仲間たちが聖剣を取り戻してくれた日を。彼らと友に魔王と再び退治した日を。

時の滅日を避けるために時を駆け抜けたあの過ぎ去った日々を、夕日のように輝く昔日の残光がカエルを照らす。

(走馬灯……いや、違う! これは……俺の記憶、精神を――――“読み込んでいる”のかッ!?)

カエルの結論を是と認めるように、キルスレスと感応石が妖しく輝く。
そのとき、カエルの中で輝いていた夕日の輝きは一瞬で血だまりと化した。

「ぐ、ぎゃがががが0F1A01AFアアあ0あFァ01ぁEァ0ぁFァ11ァ!?」

憎い。憎い。痛い。苦しい。殺せ。報復を。贖いを。罰を。
人が憎い。この苦しみを生み出した過去が憎い。
世が憎い。この苦しみを知らずに誰かが生きている現在が憎い。
界が憎い。これだけ憎んでもきっと変わることなくある未来が憎い。

憎む! この世界に生きるものを、全て憎む!

それは色の無い憎悪だった。誰かに触れることで初めて血の色をつける狂気が感応石から剣を通じカエルに流れ込む。
人間には到底支えきれぬ感情の奔流、その前ではカエルは人であろうが両生類であろうが泳ぐことままならなかった。
優しかった思い出も、苦しかった記憶も、全部木っ端と流してしまいかねない圧倒的情報量。
その中でカエルは懸命に耐えて自分を立たせていた。
胸に誓った決意だけは失わぬと、激流の中で自分を奮い立たせて、その上流へと上っていく。

(なんだ、この流れは? 感応石からではない。その奥から!?)

カエルが辿ったのは道ではなく、路でもない、しいて言うなら“線”と呼ぶべきものだった。
世界より始まり、生れ落ちたものはすべて等しく世界と繋がっている。
世界の心、界の意思と万象を繋ぐ糸―――――共界線<クリプス>。


515 :王国暦1998年の紅蛙 ◆wqJoVoH16Y :2011/07/23(土) 20:54:16.57 ID:gsnMLB6G
紅の暴君を握ったカエルが辿った共界線の先にあったのは、砕けた物真似師の狂歌だった。
(これは、映像? 違う。この雲と星の位置、今現在起きていることなのか!?)
偏頭痛というには大きすぎる苦痛に目を細めながら、カエルはその地獄―――風景からみてC7か―――で起きたことを知った。
圧倒的多数とたった一匹の怪物。それでもなお目を覆いたくなる彼我戦力差。
ストレイボウたちがこちらに来ていないことなど、どうでもよくなるほどに圧倒的な憎悪。
その有り余る絶望をカエルは11の瞳から認識する。無論、両生類は複眼を持たない。

(この石が首輪と繋がっている……とでもいうのか……)

カエルが知覚していたのは、その周囲にいた者達。都合11つの首輪だった。
まるで自分が首輪になったかのように、彼らに吹き付ける化物の憎悪。
そしてそれに晒されたものたちの噛み殺した恐怖と共に流れ込んでくる――――“わけでは、ない”。

(これほどの憎悪と痛み、まともに食らっていれば気を保てるはずが無い)

繋がった世界の向こうで放たれたモラル崩壊によって人も、大地も傷ついていく。
10人近いものたちの臨死と島が傷つく全ての感覚を受けながら、カエルは漸く自分が剣に乗っ取られている訳ではないと知った。
いかな熟練の剣士とはいえ、それほどの情報を受けてカエルが死なないわけが無いのだ。
狂ってしまいそうなほどに物理的な力を持った憎悪が共界線を通じて感応石へと送り込まれるのをカエルは知覚していた。
世界中で天から降り注いだ雨が地下水脈を流れて一つにまとまり、瀑布となって落ちているのに似ている。
カエルがキルスレスを感応石に当てたことで、その滝の水が剣のほうに“ちょっと”伝った。カエルを狙っているわけではないのだ。

(この剣と繋がっている訳じゃない。本当の路は―――――――更に、下かッ!!)

カエルが今受けている情報でさえ、ただの余波。ならば、本当の滝はどこに流れ落ちているのか。
これがここにあるということは、おそらく最初から、何十もの首輪から繋がったラインこの感応石に集まっていたのだろう。
キルスレスと繋がったカエルはそれを辿った。滝壺よりさらにした、流れる紅い河川。
更に奥へ、更に深く、更に下へ。
闇黒、原罪の濁りを超えて更に深奥へ。
土の土の土の下、逆螺旋を貫いて汚泥に塗れる。狂狼の白、厄災の赤、綾なす道化の万色。
その泥の下でこの憎悪を『受信』する何かを。

(まさか、この島、この星の根に――――――――)


516 :王国暦1998年の紅蛙 ◆wqJoVoH16Y :2011/07/23(土) 20:54:56.57 ID:gsnMLB6G
ど、ぐ、ん。
カエルがその予感に到達したとき、ついに限界が訪れた。

(見ているのか? こっちを、このキルスレスを!?)
「や、メ……ろ……あああアア!!!」

2発目のモラル崩壊が地表の憎悪から放たれたときだった。
砂に書いた絵が、一瞬で波に浚われるように深淵へ送られる憎悪が放つ情報量がカエルの魂を凌駕する。
読み込みを終えられた精神に、“お前は違う”とばかりに憎悪が書き込まれていく。

(違う! 俺は、憎しみによって立つのではない! 誰かの憎しみを受けようとも、救うのだ、あの国を、俺の国を!!)

カエルの抗弁など、嵐の前には聞こえる道理も無かった。カエルの魂が赤黒い深淵へと引きずり込まれる。
救えぬ。お前は救えぬ。遅かれ早かれ消える国。夢も時もいずれは喰われ闇へとかえる。
この憎悪の前に、この慙愧の後に残るものなどないのだ。救われるものなど“無い”!
(や、め――――――)



【この一撃で、“救われろ”……ッ!!】



だけど、それでも救うのが――――“勇者”だッ!!


「A……あ……??」
黒色に混濁したカエルの精神に、光が満ちた。誰もが見紛うことなき明日へと続く光の導。
太陽を超え過去現在未来を照らす命の輝きが、共界線を経由してカエルを照らす。
闇の力は追い立てられるように深淵への駆け込んでいく。
光はそれを追うように深淵へと入っていく。

その光が消え入るまでを、カエルは見ていた。
暖かいだとか、美しいだとか、そんな言葉では表現できないほどの強い光、勇者の光を。
ぐい、と肩を引っ張られる感覚がカエルを呼ぶ。その手の大きさをカエルは知っていた。

自身を引きずり込もうとしていた回線が遮断されていくのを感じながら、最後まで彼は光の終わりを見続けた。
勇者の光でさえも、あまりに深すぎるその淵の闇に届くことなく消えていくのを。






517 :創る名無しに見る名無し:2011/07/23(土) 20:55:30.46 ID:/NVkMPiR


518 :王国暦1998年の紅蛙 ◆wqJoVoH16Y :2011/07/23(土) 20:55:30.73 ID:gsnMLB6G
「何事かと思ってきてみれば……何があった」
カエルを弾き飛ばして反応石から離した魔王が、カエルを一瞥して問いかける。
魔王も後追いで最下層の胎動を察知し、降りてみたところキルスレスを持ったカエルが感応石の前で硬直していたのを見つけたのだった。
呼べども無理やり目を覚まさせようとも動かなかったが、一瞬だけ生じた謎の“緩み”を見逃さずカエルを引き離すことに成功したのだ。
「どうやら俺も“救われちまった”ようだ……よりにもよってこの俺もな……」
腕がちゃんと付いていることを確かめて、カエルは息を整えるように自重めいた笑みを浮かべ、滔々と自分が“識った”事実を伝えた。
ここより北で行われた異常な戦いとその顛末。その過程においてこの遺跡と首輪の共界線でやり取りされた憎悪の移動。
そして、それがここより更に地下に送られているであろうことも。

「一つだけ腑に落ちんことがあるが、さて置く。まさかここが終点でなく、ただの中継点だったとはな……あの魔王……甘く見ていたか」
魔王は腕を組みながらもう一人の魔王との夢を思い出しながら舌打ちする。
自分の読みが甘かったことよりも、この遺跡自体についての怒りが巻き上がってくる。
星の中心に限りなく近づくために地中深く作られた遺跡、そしてその最下層にある想いを伝える巨大な宝石。
そう、これではまるで古代に作られた海底神殿と魔神器ではないか。ならば、この下にあるものとは――――――

「お前の考えていることは分かる。まあ、ラヴォスだったら運がよかったと思うんだな」

その深淵に触れかけてあわや壊れかけたカエルは自嘲を強めた。海底神殿と似た造りであっても、その桁が違うと実体験がカエルに教えていた。
その体験そのものがただ狂っていただけとも信じたいが、夢に逃げている暇は無い。彼らには成すべきことがあるのだから。

「魔王」
「撃って出るつもりか」
全てを悟ったかのように、魔王はカエルの言葉を待つまでもなく尋ねた。
カエルから聞いたことの顛末を鑑みれば、それほどの憎悪の具現が暴れたにも拘らずたった一人しか死んでいないということになる。
「この剣と石を通じて、鼓動が聞こえてくる。勇者の力はそれほどのものということだ」
悪い冗談かとも考えたが、勇者の座に近しいカエルの持つ確信はそれを補って余りある信頼があった。
そしてそのカエルが持つキルスレスもまた、深淵に呼応するようにその力を発露し始めていた。
操作とまではいかなくても、感応石と首輪によって構成される共界線に干渉することで首輪の位置を“識る”ことができるようになったのだ。
「総勢11人の軍勢か。お前達が城に来た時よりも多いとはな」
カエルに連続でケアルガをかけてもらいながら、魔王は自身のダメージが消えていくのを確かめていた。
「手傷も多い、直ぐには動かないだろう。待ち受けていては圧殺される」
大盤振る舞いの回復魔法を連発しても尚、カエルに疲れは見えなかった。
どくり、どくりと強まる鼓動が、体力のみならず魔力をも剣の所有者に勝手に供給している。
これならば、感応石から離れても共界線が繋がっている限りこの状態を維持できるだろう。供給源が何かなど、言うまでもない。
「叩くなら今を置いてない、か。放送を待つという手もあるが……これ以上死者を数える意味もないか」
「逆手に取るぞ。戦力差をひっくり返すならば確実に決める必要がある」
魔王が魔鍵に魔力を込めながら空いた手でカエルに触れ、伝えられた座標へと転移プログラムを構築する。
既に戦況はあの雨戦よりも悪化している。11人を彼ら2人で崩すのであれば、持てる全てを費やさなければならない。
マリアベル達は、全ての首輪と繋がるこの遺跡の本当の意味とそれによって強化されたキルスレスの認識力を知らない。
マリアベル達は、カエル達の快復が想像以上の速度で達成されたことを知らない。
マリアベル達は、カエル達が転移能力を保有していることを知っている。しかし、カエル達が“待つ”と思っている。

その空白の未知を全て用い放送に身構える敵軍勢を狙う―――――――転移電撃戦以外に、この劣勢を覆す術は無い。


519 :王国暦1998年の紅蛙 ◆wqJoVoH16Y :2011/07/23(土) 20:56:27.47 ID:gsnMLB6G
「一応、問いてやる。本当にいいのか?」
全ての演算を完了させた魔王が、何気ない調子でカエルに尋ねた。
特殊な事情を除けば合理を重んじる魔王にとっては、この奇襲に異論などない。
だがこの奇襲を奇襲たらしめるのは何よりも敵が『地下の最奥で自分達を待つ』というカエルの言を信じることだ。
それはカエルは嘘をつくことを意味する。騎士が、騎士に向けて放った言葉を翻すと言うことの意味が分からぬ二人ではない。

「勇者は何かを救ってこそ勇者たる。今になってそう想う」

瞳を閉じて瞼の裏に焼き付いたの光を確かめるようにカエルはそう言った。
自分を救った勇者の光を見つめ、それが真であると改めて知る。そして血が滴るほどにキルスレスを握って吐き捨てた。
(許せストレイボウ。数少ない約条さえも、俺は守ることが出来ない)
遺跡に逃げる直前に見たストレイボウの表情を思い出した。真っ直ぐにカエルを見つめていたあの瞳を今再び裏切ろうとしている。
だが、それでも、国を救うためならば、嘘吐きの称号も裏切り者の称号も卑怯者の称号も甘んじて受け覆う。
それさえも、ここで待つよりはよっぽどいい。背中に油を浴びせられる方がまだましだ。
(この深みにいたら、お前に後悔する俺さえいなくなってしまいそうなんだよ)

魔王が抱いた違和感に、カエルはとうに気付いていた。既に、紅い爪跡はカエルをしっかと刻んでしまっていた。
共界線などというリィンバウムの古語を、ガルディア王国に生きるカエルが識っている道理がないのだ。

だから、急がせてくれ。俺が俺として国を救うために。
俺が勇者の友であったうちに、救うべき国を識っている間に。

「時間だ。行くぞ」
「ああ、行くぜ――――――もう一度、勇者になろうじゃないか」

俺を、勇者にさせてくれ。


鍵が空間に扉を創り、彼らはその中に入って行く。
もう戻らぬと誓う様に、強く踵を鳴らして彼らは虚空に消えた。
そこには、虹色の宝石が残るだけだ。


どくん。


1999年、約束の日が迫る。



520 :創る名無しに見る名無し:2011/07/23(土) 20:56:28.15 ID:/NVkMPiR


521 :王国暦1998年の紅蛙 ◆wqJoVoH16Y :2011/07/23(土) 20:57:09.78 ID:gsnMLB6G
【F-7 遺跡ダンジョン地下71階 二日目 早朝】
【魔王@クロノ・トリガー】
[状態]:ダメージ(中)、疲労(中)
[装備]:魔鍵ランドルフ@WILD ARMS 2nd IGNITION 、サラのお守り@クロノ・トリガー
[道具]:不明支給品0〜1個、基本支給品一式
[思考]
基本:優勝して、姉に会う
1:出来る限り殺す
2:ランドルフの力でC7へ転移。ストレイボウ達を急襲する。
3:カエルと組んで全参加者の殺害。最後にカエルと決着をつける。
[参戦時期]:クリア後
[備考]
※ラヴォスに吸収された魔力をヘルガイザーやバリアチェンジが使える位には回復しています。
※ブラックホールがオディオに封じられていること、その理由の時のたまご理論を知りました。
※遺跡の最深部、危険なのはその更に地中であるということに気付きました。


【カエル@クロノ・トリガー】
[状態]:『覚悟の証』である刺傷。 ダメージ(小)疲労(小)自動回復中 『書き込まれた』若干の憎悪
[装備]:紅の暴君@サモンナイト3
[道具]:基本支給品一式
[思考]
基本:ガルディア王国の消滅を回避するため、優勝を狙う
1:出来る限り殺す
2:ランドルフの力でC7へ転移。ストレイボウ達を急襲する。
3:魔王と共に全参加者の殺害。特に仲間優先。最後に魔王と決着をつける
4:できればストレイボウには彼の友を救って欲しい
[参戦時期]:クロノ復活直後(グランドリオン未解放)
[備考]
※イミテーションオディオの膨大な憎悪が感応石を経由して『送信』された影響で、キルスレスの能力が更に解放されました。
 剣の攻撃力と、真紅の鼓動、暴走召喚に加え、感応石との共界線の力で、自動MP回復と首輪探知能力が付与されました。
 感応石の効果範囲が広がり、感応石の周囲でなくとも限定覚醒状態を維持できます。(少なくともC7までの範囲拡大を確認)


*首輪を構成する魔剣の破片と感応石の間にネットワーク(=共界線)が形成されていることを確認しました。
 闇黒の支配者の残滓や原罪によって汚染されたか、そもそも最初から汚染しているかは不明。
 憎悪の精神などが感応石に集められ、感応石から遥か地下へ伸びる共界線に送信されているようです。

522 :創る名無しに見る名無し:2011/07/23(土) 20:57:35.11 ID:gsnMLB6G
投下終了です。支援ありがとうございました。

523 :創る名無しに見る名無し:2011/07/23(土) 21:19:03.81 ID:/NVkMPiR
投下乙〜
な、なるほど、だからこんな地下深くに感応石設置されてたのか!
下にいるのは果たしてオディオか、それとも、オディオにより呼び出されたラヴォスか何かか!?
最後の最後で響いてきそうだなー
しかもカエルらも打って出ちまったし
さてさてどうなる次回!

524 :創る名無しに見る名無し:2011/07/23(土) 23:07:39.88 ID:/Xg2aDYX
投下乙です

マーダーVS対主催の完全決着はあと二つほど山場を越えねばならんと思ったが、予想以上に決着がつくのは速くなる予感
確かに奇襲とかしかもうマーダー側に打つ手がないよなー、対主催全員集まっちゃってるし

525 :創る名無しに見る名無し:2011/07/23(土) 23:27:42.39 ID:Lwpakews
執筆お疲れ様でした。
ああ、面白かった。人物を掘り下げつつ……じつにクレバーな書き方をするなあ……。
巻きを入れるかたちで盤面を整理して、それを力技と感じさせない手腕が見事だ。
そして、カエルの感じた憎しみの描写がすごく好き。クロノ・トリガーの軸となる
「時間」をフックに、無駄なく深く展開される文章にグッと来ました。GJです!

526 :創る名無しに見る名無し:2011/07/24(日) 11:33:55.15 ID:g0NPI6if
お疲れさまでした!

カエルに残された時間は少なそう
参加者同士の戦いの終わりを感じさせますね。

舞台の全容も明らかになりつつあり、
物語全体としても終着点の姿が徐々に形作られていっている感があります
これまでの話の集大成がどうなっていくのか、楽しみです!

527 :創る名無しに見る名無し:2011/07/26(火) 15:33:29.19 ID:G8Wd6bvA
投下乙です

ロワは色々流れがあるけど対主催が集結する前に決着を付けないとマーダー側が不利になるんだよな
でも、マーダーはマーダーゆえの展開なんだよな。だから奇襲に賭けるしかないか…
想像してたより終末は近いぞ

さて、迷宮の更に下になにがいるやら。まさか本当にラヴォスか!?
オディオをどうにかして終わり……じゃないかもな

528 :創る名無しに見る名無し:2011/07/27(水) 01:02:43.16 ID:X+hYyGq8
残り160KBか
過去話の感想で埋めるんだったよね
具体的にはどうやろうか?

529 :創る名無しに見る名無し:2011/07/27(水) 19:29:27.46 ID:PwXXcfML
5話ずつ語っていくとか
ややこしくなるから、一回目は0話ことOP込みで、0〜5話を振り返るというのはどうかな?

000 OPENING (オディオ主催、お約束なワタナベとクリフト見せしめ話)
001 ナナミ、『お約束』を学ぶ (トッシュ、みんなのお姉ちゃんナナミ登場話)
002 (血のような跡が染み付いていて読めない) (綺麗なストレイボウとカエル邂逅話)
003 Body Language (日勝、マッシュ脳筋コンビ結成)
004 彼女の魔法、彼の理想 (ジョウイ、リルカ登場話)
005 Mr. & Miss. Mysterious(ゴゴ、ビッキー物真似話)


530 :創る名無しに見る名無し:2011/07/27(水) 21:15:16.19 ID:oCmTMwl9
130 話あるんだし、もうちょっと長い区切りでもよさそうだけどね


この 5 話だと、トッシュとナナミの漫才が特に面白かったな
キャラの再現度も高くて、本当にこんな感じになるんだろうなって思った。

あとは、OPENING で近未来編を凌駕する重い死を遂げたワタナベ。
あそこ以外に登場する余地が無いキャラだし、LAL愛を感じる登用だった。よくぞ使ってくれた!

531 :創る名無しに見る名無し:2011/07/27(水) 21:50:31.06 ID:oCmTMwl9
前後編とかも合わせると 150 話以上はいくか
凄いな、ここの書き手陣は…
本当に凄い

532 :創る名無しに見る名無し:2011/07/27(水) 21:58:57.49 ID:/TVdWnnW
あーこの辺からしてもうSSのレベルたけーなーって読み返してビビったw
当時ゲームはやってないが、知識としては知っていた悪名高きストレイボウの綺麗な姿に驚いたな
未把握作品で一番気になったのもこいつだったわ

>>530
一日五話やると仮定しても単純計算で26日かかるし、このくらいのペースでいいんじゃないか?


533 :創る名無しに見る名無し:2011/07/27(水) 22:21:13.66 ID:PwXXcfML
ワタナベはほんと、適役だったよねw
脳筋コンビは最後までいいコンビだった
……まさかクロノにまで伝染するとは思ってなかったけどw

534 :創る名無しに見る名無し:2011/07/27(水) 23:00:50.76 ID:mKVFBRRx
ゴゴ登場話好きだわ。
この話があってこそ、ゴゴが魅力的に書かれてきたんだよな。

535 :創る名無しに見る名無し:2011/07/28(木) 00:58:48.94 ID:d/fq4r0q
ジョウイはステルスなんだけど、なんか主人公みたいで好感もてるキャラになったな。
ゴゴはすべてはこの話からか。しかしこの頃はこんなになるとは想像もつかなかったw

途中で埋めが完了したら、避難所で続きをやればいいか。

536 :創る名無しに見る名無し:2011/07/28(木) 01:16:18.59 ID:DU8xCD5M
想像できてたまるかw>ゴゴ

新スレしたらばに立てる都合上、これまでの避難所スレが埋まらず余っちゃうはずだしそれ再利用かな>避難所で

537 :創る名無しに見る名無し:2011/07/28(木) 23:36:40.63 ID:DU8xCD5M
この調子だと次行っていいかな?

006 ダブル・ナイトメア (暗殺者二人一瞬の交差)
007 癒しの乙女達と魅惑の支給品(何支給してるんだオディオなミネア、アリーゼ)
008 前途多難のサイキッカー(アキラまじほんと前途多難)
009 遺志を継ぐもの(まさかの強いオブライト。初死者リーザなヘクトル登場話)
010 デスピサロ(意外と珍しい死亡後参戦。ここで名簿さえ見ていれば…)

538 :創る名無しに見る名無し:2011/07/28(木) 23:42:29.55 ID:PLRWbr5Y
オディ・オブライトって強いな!いったい原作ではどんくらい強い奴だったんだろう?
と思ってライブアライブやったらあまりの弱さに拍子抜けした思い出がw
あとはピサロの登場話も好きだったな
名簿消し飛ばして「これが、お前達の運命だ……愚かな人間達よ」はセリフのカッコよさにシビれたと同時になるほどと感心させられた
これでロザリーがいることを知るまでマーダーできるように説得力持たせたからね

539 :創る名無しに見る名無し:2011/07/29(金) 01:33:28.70 ID:BMreemN8
おかげで最後までマーダーやってけそうだよな、ピサロ
威圧感のある登場話だったからなー

540 :創る名無しに見る名無し:2011/07/29(金) 01:53:25.57 ID:eBmTYQLJ
まさかの強オブライトてw

キメラの翼でエリア外に飛ばして倒す、っていうのは
ロワならではの良いアイデアだったと思う
もっと終盤に絶望的なシチュエーションから演出したらもっと脳汁が出たろうなー

541 :創る名無しに見る名無し:2011/07/29(金) 20:38:48.95 ID:3pvgUtmj
オディ・オブライトが出れたことにも驚いたけどなw

542 :創る名無しに見る名無し:2011/07/29(金) 20:56:01.16 ID:BMreemN8
あっはっは、そりゃ言えてるw>出れたことにも
やっぱりマーダーとして期待されてたのかな
マッドドックとか俺は出したかったけどw

543 :創る名無しに見る名無し:2011/07/29(金) 21:26:14.77 ID:OodSY9oQ
オブライトは原作での立ち位置がそもそも自覚的マーダーだったもんな

544 :創る名無しに見る名無し:2011/07/29(金) 23:57:06.28 ID:BMreemN8
そろそろ次、いいかな?

011 夢をもう一度 (トルネコの熱い言葉に夢を取り戻したセッツァー。しかし……)
012 踊る道化は夢を見ない(シンシア、まさかのレイをだまし討ち)
013 ブラッド、『炎』に包まれる(名に意味はあるのか。英雄と魔王が交差する)
014 HUNTER×HUNTER(二人のハンター、エルクとカノン)
015 Wild Lady,Strange Scientist(エイラ は リザード星人 と 遭遇 した !)


545 :創る名無しに見る名無し:2011/07/30(土) 07:29:22.75 ID:Qqx1D1XS
セッツァーは痺れたな。
不意打ちなのに超カッコいい。

546 :創る名無しに見る名無し:2011/07/30(土) 08:14:18.89 ID:7CKOaO1e
セッツァーとシンシアは大胆な解釈が行われて、登場話ではビックリしたな
でも、どちらも割と成功してて、
おかげで物語を引っ張る重要なキャラになったよね

あとは、混ぜてみたの人(?)を出してくれた勇気に感謝。
屈指のキャラ再現難易度だったと思うけど、結構雰囲気似てて
やっぱりみんな好きなんだと思ったw

547 :創る名無しに見る名無し:2011/07/30(土) 16:33:50.12 ID:G879FHwr
トカは結構みんな再現してたよね
こんな書きにくいやつがあんなに長生きするとは思ってもいなかったw

魔王は対主催で来るかもと思ってたけど、マーダーでの登場
結果的には大成功だったな

548 :創る名無しに見る名無し:2011/07/30(土) 18:21:03.75 ID:36YljDBm
その後に発売されたクロノDSでの隠しボスでの魔王がほんと、ここの登場話の魔王ぽくてにやりとしたw
書き手さんすげー

549 :創る名無しに見る名無し:2011/07/30(土) 21:20:37.69 ID:/0BTLs3b
このあたりの流れを見て、意外とマーダー多いなって思ったなぁ。

550 :創る名無しに見る名無し:2011/07/31(日) 02:31:30.89 ID:lU9YbdMo
危険人物も込で多いよね
というかこの5話には全部、危険人物出てるのか

551 : ◆iDqvc5TpTI :2011/07/31(日) 03:19:45.14 ID:lU9YbdMo
◆iDqvc5TpTIです。
本日、◆6XQgLQ9rNg氏による予約が入りました。
それにつき、移行についての議論も意見は出尽くしたように思えた為、こちらの方で新スレを用意させてもらいました。
議論スレで出していただいた意見を元に、テンプレに若干の修正を施しています。
ご意見があれば、遠慮せずにおっしゃっていただければ幸いです。

尚、移行先の新スレは当ロワのしたらばにあります。
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/11746/1312049086/l50

552 : ◆iDqvc5TpTI :2011/07/31(日) 03:23:23.95 ID:lU9YbdMo
それでは、引き続き、RPGロワの振り返りをお楽しみください

553 :創る名無しに見る名無し:2011/07/31(日) 13:28:51.05 ID:Zo3Mw49e
登場話で大きくロワの流れが決まると言われてるがマーダーがいないとなぁ。それも可能なら主人公らの仲間がマーダーとかが望ましい
そしてマーダーとして行動させる方法が巧みだわ
キャラの性格を熟知してないとこうは出来ない

そして予約来てるな

554 :創る名無しに見る名無し:2011/07/31(日) 20:55:33.99 ID:Wvbdno6k
次に行きますか

016 そして僕にできること (礼拝堂のイスラ。会うこと叶わぬ姉に誓うのは…)
017 受け継がれしもの(道化の狂気が王女を殺す。しかし、その決意は英雄に託された)
018 『アティの場合』(海に溺れていたはずが、気がつけば山の中。場所が違えど新米教師は教え子を求める)
019 そしてまた日は昇るのか?(荒野のガンマン、姫君の騎士となって魔王を探す)
020 沈黙のドザエモン(溺れかけた古き良き無口主人公ズ、奇跡と友情の生還劇)

555 :創る名無しに見る名無し:2011/08/01(月) 00:20:49.12 ID:PIvbD/Vz
ユーリル死亡話読んでから思うと、クロノって、ユーリルがこの世界で初めて救えた人間なんだよな
そのクロノが、今度はユーリル救おうとしてお菓子に繋がって……
なんか登場話読んだだけで泣きそうになる

556 :創る名無しに見る名無し:2011/08/01(月) 02:49:50.46 ID:0hGicNRq
アリーナの即死っぷりは他のケフカ戦見てると泣けてくるなw
このアリーナはかなりレベルが低い時点からの参戦だと脳内解釈したが

557 :創る名無しに見る名無し:2011/08/01(月) 07:14:14.96 ID:VfceXuU+
イスラやアティは結構重要なキャラの割に
原作やったことなくてたまに話が分からなかったな
サモンナイトシリーズやったことないけど、3だけでもやってみるか

558 :創る名無しに見る名無し:2011/08/01(月) 08:47:32.96 ID:PIvbD/Vz
>>556
シュウ、サンダウン死亡話の時にも言われてたよなw
まああのシュウの頑張りっぷりは属性耐性によるものもあったろうが

サンダウンは長らくまっとうな銃器を手に入れられなかったけど、それでも、登場話の時点で何だか心強かったんだよな
これも人徳か

559 :創る名無しに見る名無し:2011/08/01(月) 23:43:14.13 ID:PIvbD/Vz
021 死んだのにイキテルマン(×2)(自らの父を殺した男と父たる友を殺した男が蘇り、母たる少女がその日死んだ)
022 アナスタシア、『手』を繋ぐ(掴まれたのは、捕まえられたのは、聖女か、魔人の娘か)
023 いわゆるマーダーには向かない性格(エドガー式フロリーナの口説き方WITHひよこ)
024 仲間を求めて(忍者と不死者、闇に潜み、夜に生きる二人が真に求めるものは……)
025 鋼鉄のヴァルキュリア(ニノを振り回しうる3つの力。最初に牙を剥いたのは……)

560 :創る名無しに見る名無し:2011/08/01(月) 23:46:54.75 ID:PIvbD/Vz
と、次です

アナスタシアはまさかとも、なるほどとも取れるスタンス
何気に何のあても目的もないけど、楽しむためだけに施設を回るというのはすごい珍しいと思った
ちょこはいい感じで清涼剤で、でも、どうなるか分からず先が怖かったなーw

561 :創る名無しに見る名無し:2011/08/02(火) 07:12:50.89 ID:r9Dy9652
シュウとマリアベルは安定していて主人公PT感を感じてたけど
実際、反主催の核になったな。
登場話で打ち出される方向性ってやっぱり大事なんだと実感

にしても、エドガーのヒヨコとか、ニノのバイクとか、
始まったときはまだ笑ってられる余裕があったんだな〜、と
懐かしくなるな

562 :創る名無しに見る名無し:2011/08/02(火) 19:13:06.22 ID:s4tNgRAA
ルカは最も怖いマーダーになると予想してたけど、登場話から期待に応えてたな
史上最強の中ボスはロワでも大暴れしたわw

563 :創る名無しに見る名無し:2011/08/02(火) 19:30:37.49 ID:fuOsf/c1
>>562
間違ってはないけどすごい珍妙かつ絶妙なフレーズに吹いたw>史上最強の中ボス
ここのルカ様、ジョウイやセッツァーとはぶつからなかったのもあって、最後までガチ勝負一本でいけたからな
そりゃ怖いは

ひよこ砲、LALやったことある人は分かるだろうけど、あれでいてめちゃくちゃチートなアイテムなんだぜ?
とりあえず撃ってりゃ勝てるレベルw

564 :創る名無しに見る名無し:2011/08/02(火) 20:04:28.79 ID:61Z5IstR
ジョウイとぶつかってたら参戦時期のタイムラグとかで面白スリリングなことになってたかな
とは思うが最後までガチバトルなルカが凄く格好良かったからあれで良かったのかも
史上最強の中ボスとは言い得て妙なw

565 :創る名無しに見る名無し:2011/08/02(火) 20:08:11.06 ID:z+yziyIk
まさにw > 史上最強の中ボス

悪の魅力にあふれたキャラだったな

566 :創る名無しに見る名無し:2011/08/02(火) 21:22:34.64 ID:ztljrvja
ルカ様は絵になるというか、それだけの悪のカリスマがあるキャラなんだよな
人間への憎悪という意味でも美味しいし

567 :創る名無しに見る名無し:2011/08/02(火) 21:28:40.28 ID:bPCSoVnn
死んだのにイキテルマンというタイトルには作者のセンスを感じた
いや元ネタもちゃんと知ってたけど

568 :創る名無しに見る名無し:2011/08/03(水) 00:52:13.07 ID:QoH+Jx2S
自分語りを向かってくる主人公にしたりしないのも個人的に好きだった>ルカ
宣言通り邪悪に生きることに一貫してたからな

569 :創る名無しに見る名無し:2011/08/03(水) 08:49:58.53 ID:QoH+Jx2S
今日の分です

026 Let's go XXXX (草原の民を蝕む狂気も、サイエンスなオートボウガンの前には届かない!)
027 天魁星の意志 (リオウは願う。一緒にと。その願いは後に皮肉な形で叶うことになる)
028 届いた手、届いた心 (姫君とガンマンが伸ばした手を、魔道士の少女はつかんだ)
029 ストレイボウ、『友』を信じる (かつて友を裏切った魔術師は、忍者の言葉を前にしても、友を信じる道を選んだ。しかし……)
030 言葉と拳に想いを乗せて(教師と格闘家が届けようとした想いを魔王はただ振り払う)


570 :創る名無しに見る名無し:2011/08/03(水) 16:21:21.79 ID:iN7pQmJV
本当にこのロワのストレイボウはきれいなストレイボウでびっくりしたもんだ
けど後悔を抱えながら進もうと足掻くキャラって案外珍しいし見ていて応援したくなった

571 :創る名無しに見る名無し:2011/08/03(水) 16:43:37.56 ID:d9FvCa9j
カエルのフラグは凄かった
最も原作から変化したキャラのように見えて、根本は何も変わってないんだよね

572 :創る名無しに見る名無し:2011/08/03(水) 19:58:52.00 ID:QoH+Jx2S
ここで先にカエルが揺れたからこそ、ストレイボウは逆に綺麗なままでいれたんだろな……
そしてロザリーが人助けする一方で、一人目のキルスコアをピサロがあげてるのも皮肉なもんだ

573 :創る名無しに見る名無し:2011/08/03(水) 22:12:55.82 ID:iivpbmrZ
この5話だと、目玉はやっぱりカエルとストレイボウか
グランドリオンとブライオン、勇者と親友、祖国の存亡と、
以外と共通するキーワードも多いしニヤリとするコラボだよな

多少力技を使った感はあるけど、ここでカエルがマーダー化したおかげで
カエルとストレイボウがロミオとジュリエット状態になって、
ロワのメインストリームの一つが形作られるきっかけになった、偉大な一話だわ
普通に仲間になるより100倍面白くなった


個人的には、レイが好きだったけど、即死で無念…
ロワの何たるかが表れた話でもあったな

574 :創る名無しに見る名無し:2011/08/04(木) 00:42:36.54 ID:9U8WeHC/
リオウは前半戦で一番主人公らしかったキャラかもしれない
人を引き付けるってのが彼の能力か

575 :創る名無しに見る名無し:2011/08/04(木) 10:17:42.08 ID:0M+z94yU
ロミジュリに吹いたw

レイは実質LAL唯一の女性キャラだったしな
女性にやさしくないとか言われてたっけ、そういえば当初、ここはw

リオウはほんと、人を惹きつけたよな、後に


576 :創る名無しに見る名無し:2011/08/04(木) 20:18:13.77 ID:0M+z94yU
本日の分をば

031 黒のジョーカー(二人の英雄と出会い、勝負師は暗躍を開始する……)
032 ですろり〜チカラ〜 (聖女が手にしたのは比類なき力。 ビジュ? まあ頑張れ)
033 太陽が呼んでいる(炎が、拳が、紫電が、魔剣が、義体が舞う)
034 男の契約 (交わされたのは拳と契約。結んだのは、ビクトールと松、二人の漢)
035 最強も煙も高い所が好き(どうして灯台に昇るかって? そこに階段があるからさ! by脳筋コンビ)


577 :創る名無しに見る名無し:2011/08/04(木) 22:39:57.00 ID:/FrSMfeX
ビクトールは登場の仕方が原作と同じだったなw
ビジュは......期待されたとおり小物マーダーだったなw

578 :創る名無しに見る名無し:2011/08/05(金) 00:33:45.32 ID:hxbXCUpz
ビジュは相手が悪すぎたw
それこそリニアレールキャノンでも引き当てないと、ビジュでちょこには勝てんw
まあビジュがリニア撃てるとは到底思えないけどw
ああいう小者もいてくれたらおいしいけどね

579 :創る名無しに見る名無し:2011/08/05(金) 01:04:34.74 ID:MlIQkg1+
ビクトール出て、あの魔剣は出なかったなあ…
脳筋コンビはらしいなw

580 :創る名無しに見る名無し:2011/08/05(金) 05:40:09.61 ID:WHMa0+lc
セッツァーの誤解フラグはほとんど意味なかったんだよなw
それでもカッコよさを維持し続けてるのは逆に凄いわ。

581 :創る名無しに見る名無し:2011/08/05(金) 12:56:08.68 ID:3mW3FzMq
せいしんけんは意思持ち支給品なうえに自立行動どころじゃないことやらかせるからなw
制限すればそれまでだが、それだとつまらないし、てんぷれにも意思持ちだめってあったから、
みんな遠慮したのかと
ビクトール死亡話じゃ触れられてたけど
出てたら間違いなく、マリアベルの死亡フラグだったなw

582 :創る名無しに見る名無し:2011/08/05(金) 14:47:07.61 ID:iyl5NbQs
星辰剣は夜の紋章そのものな存在だから「月の紋章の力で不死になった者」に対して効くってだけで
マリアベルに効くかどうかは分からないんじゃないか?

意思を持つアイテムってロワじゃ扱いが難しいもんな
他者と意思疎通できると参謀キャラや下手すりゃ煽動マーダーにさえなりかねないし
まして星辰剣さんは自律戦闘までできちゃう訳で

583 :創る名無しに見る名無し:2011/08/05(金) 22:59:20.63 ID:hxbXCUpz
ストレイボウ「聞いてくれ、マリアベル! 俺が、俺のせいでみんなが死んでry」
星辰剣「めんどくさい。お前ら全員過去に飛ばしてやるから直接見てこい」
冷房「え?」

ってことがまじでできちゃうチート武器だからな
しゃべる剣自体はそれなりにあるけどここまで何でもありな剣は珍しいw

584 :創る名無しに見る名無し:2011/08/06(土) 10:40:08.23 ID:thdGjAv7
ちょこ「その人は物真似師のゴゴおじさんなの!」
ヘクトル「は!?どう見てもモンスターじゃねえか!」
星辰剣「過去に飛ばすから経緯を見てこい」
そしてブリキ大王破壊を知って軽く凹むアキラ
セッツァー黒確定

なんてことにもなりかねんなw

585 :創る名無しに見る名無し:2011/08/06(土) 16:38:34.83 ID:ZdhTt1iT
星辰剣、喋る機会は少ない割に、十分印象にのこるほど濃いキャラしてるからなーw
トッシュあたりに支給されてたら、いがみ合ったり、漫才したりでいい相棒になってたかもしれんw

では本日の分

036 剣と炎と召喚師 (人が集まり危機が迫る。神殿の内と外の両面から。魔は人の中にこそ潜む)
037 White or Black? There is no gray.      ?(暗殺者が見せるはリオウの及ばぬ本物の投擲。槍はエイラを貫いた)
038 白黒パッチワーク(返事がないただの屍のようだ)
039 守りたいもの、生きるべき人(ただ一人を護るために。少女と暗殺者は手を組んだ)
040 BIG−TOKA SHOW TIME (ビッグトカ爆誕! 負けるなナナミ、頑張れトッシュ……ツッコミ的に!)

586 :創る名無しに見る名無し:2011/08/06(土) 20:18:40.22 ID:JsGYu52M
カノン、ミネア、ルッカ、アキラ、ルカと、この時の神殿エリアは
まさに俺得だったなー
どのキャラも再現度も高かったし


ユーリルは、ダメだ、出てくると泣きそうになる…
ユーリル編というか、脳筋編というか、このパートはたまらんな
超好き

587 :創る名無しに見る名無し:2011/08/06(土) 22:51:52.82 ID:lWhimZ9B
ジャファルとシンシアは殺害スコア意外と伸ばしたな
すんません、こいつらすぐ別れるなwwwとか思ってましたw

588 :創る名無しに見る名無し:2011/08/07(日) 00:54:39.86 ID:GCzLnQ5L
思えば既にこの時から、ユーリルは勇者の辛さの欠片を垣間見させてたんだな
ユーリルが堕ちていく傍らで、クロノらがユーリルを救おうとしてるのが切ない
だからこそ、ユーリル編というか、脳筋編というかって586が言い表そうとしてるのも分かる

神殿周りは今もだけどほんと、序盤から人が集まったよなw

589 :創る名無しに見る名無し:2011/08/07(日) 23:46:12.97 ID:iLvbF4zJ
今読むと、既にユーリルがかなり無理してるように見えちゃうな…

590 :創る名無しに見る名無し:2011/08/08(月) 00:08:39.51 ID:Bc7tSNtF
041 夜空  (魔法に姉を奪われた男に、魔法に姉を奪われた少女が告げる。『魔法』……見せて、あげるよ、と)
042 花園に潜む魔物 (物真似師は少女のありとあらゆる仕草を真似る。へくしゅ)
043 道化師の哄笑 (絆を掲げんとするアシュレーを道化師は嘲笑い、不和を撒き散らす)
044 これが僕の望む道 (イスラ・レヴィノス、彼もまた道化師。己を心底嘲笑うもの)
045 「今日、ナニカノハズミデ生きている」(決断を先延ばしにする少女。立ち塞がる謎に惑う王。二人の迷い子はどこへ行く)


591 :創る名無しに見る名無し:2011/08/08(月) 00:14:03.27 ID:pIlcg7ka
夜空は燃えたなぁ。
序盤なのにこんなアツイ話がきて震えたわ。

そして投下きてるね。

592 :創る名無しに見る名無し:2011/08/08(月) 00:55:30.82 ID:umrCyb2H
あそこでアクセスなんて誰が予想できたであろうかw
まあミスティックが便利すぎるからかな
いざとなればアガートラームとかも使えそうな気がするし、最悪の場合世界樹の花withミスティックなんて恐ろしい事態になりかねんw
そう考えるとリルカが早期に死ぬのは仕方ない部分もあった
幸運なのはその死亡話がものすごい面白かったってことだね

593 :創る名無しに見る名無し:2011/08/08(月) 01:50:55.76 ID:Bc7tSNtF
恐ろしすぎるw>全体世界樹の花

アイテムの能力解放ってほんと、クロスオーバー向きだよねw
夜空はアクセスもだけど、ジョウイに対しての「魔法」という言葉の今に至るまでの影響力も見過ごせないかと

花園の方はちゃっかりここで、後の栞に繋がる花飾りが出てるんだよな
言われて見れば、本当によくずっと無事だったものだ

594 :創る名無しに見る名無し:2011/08/08(月) 21:16:18.54 ID:8FdW+wSz
ジョウイのキラーピアスって夜空で手に入ったんだ
すっかり忘れてたけど、結構大事なアイテムだな

ミスティックは何にでも使えそうで便利だけど、
土壇場で押し花とかたい焼きに使って
意外な効果で一発逆転、みたいな展開の方が好きだな

そういやこの頃はサモンナイトの召喚獣とかも出てきてたんだな
懐かしい

595 :創る名無しに見る名無し:2011/08/09(火) 03:17:49.34 ID:QVq0zgIL
一応アリーゼがいることもあってか、このロワでのサモナイの召喚獣は全部霊属性だったよな
ルカなら牙王アイギスとかも似合ったろうけどw


596 :創る名無しに見る名無し:2011/08/09(火) 09:51:15.05 ID:Bwx1f483
アリーゼがというか、サモンの参加者全員が霊属性に適正を持ったキャラだからだろ。
今となってはもうロティエルしかサモナイト石も残っていないけど、
ロワ的に効果がおいしいものばかりだから、また使ってほしいんだよな。

ところで、神殿が集いの泉ってことは、何かしらすれば門が開けるんじゃね?

597 :創る名無しに見る名無し:2011/08/09(火) 11:53:47.18 ID:QVq0zgIL
実際そういうコメントもあったけどね>門
とはいえ開かなくても特に困らないし、このままスルーされてもいいさ
さて、今日は俺がまとめをば

046 本気の嘘(教師と生徒、再会は別れと共に)
047 勇者の強さ、人の弱さ(男は嘆く、友を裏切った過去を。男は決意する、ただ、友と過去のために闘うことを)
048 『勇者』の意味、『英雄』の真実 (<剣の聖女>は『犠牲』よ。じゃあ、『勇者』って、何?)
049 傍らにいぬ君よ(仲間を護りたいがために生じた疑心暗鬼。ガンマンと忍者の駆け引きを終わらせたのは、少女の心からの訴えだった)
050 三人でいたい(物真似師は涙する。どこまでも普通で、けれど、どこまでもお姉ちゃんであり続けた一人の頑張り屋の少女のために)


598 :創る名無しに見る名無し:2011/08/09(火) 11:58:37.68 ID:QVq0zgIL
今回は説明不要な話が多いなと自分でまとめながら思った
『勇者』の意味、『英雄』の真実 は言うまでもないよな
一話にしてこのロワのテーマの一つを築いたと言っても過言ではなく、何よりも、ユーリルにとって真の始まりの物語だった
何気に直前のカエル決意話、こっちも今まで影響のある話だけどと、題名が対応しているようにも思えて奥深い

三人でいたい もナナミの心情に涙必須なのに加えて、ゴゴのキャラクター性を決定づけた作品だよな
この作品あってこその、このロワのゴゴだと思う

599 :創る名無しに見る名無し:2011/08/09(火) 21:06:58.99 ID:OitVO1FN
確かに、色んなメインストリームの始まりになった話が多いな
各キャラの導入編が終わって、物語が動き出したタイミングなのかも

今ではお互いにすっかり馴染んでるキャラ同士だけど、
この頃はまだお互いに異世界の人間同士の接触って感じがするな
なんか新鮮な感じというか、そういう空気が流れてる

600 :創る名無しに見る名無し:2011/08/09(火) 21:44:36.64 ID:nKkYTHLm
このあたりの話を読んで書き手参入することを決めた

601 :創る名無しに見る名無し:2011/08/10(水) 23:50:31.18 ID:qKNzw3Ft
今回のSSなんか無理にアナスタシア活躍させようとしてるように見えるな
リアクション少ないのは批判できない空気だからか

602 :創る名無しに見る名無し:2011/08/11(木) 02:28:57.18 ID:Qr/VcV2X
メインストリームか
話数的にも「三人でいたい」はちょうど50話目だったんだよな
いい区切りだったのかもしれん

051 エドガー、『夜明け』を待つ(たとえ道を違えようとも。拳にて想いを交わすことはできる。人、それを友情という)
052 正に悪夢、アクム(小心者に訪れた身に過ぎたチャンス。されどそれは無口な救世主に阻まれることとなる)
053 大切な人がくれたもの(数少なく遺された大切なものを握り締める多くを奪われた少年を、アズリアは守ってやりたいと思った)
054 灯火よ、迷えるものを導け (英雄は夢をみる。英雄の斧を振るいし男の傍らで夢を見る)
055 ドッペル(ドッペル、それは写し身。姿を見たものに死をもたらすもの。されど、その人形には別の意味もまたあった。即ち、身代わり、と)

603 :創る名無しに見る名無し:2011/08/11(木) 02:31:29.83 ID:Qr/VcV2X
ドッペルは題名上手いなとまとめつつ思った
シンシアのモシャスのことであり、あったら死ぬ暗殺者のことであり、
大切な人を護らんと殺しに乗った二人が鏡写しということでもあり、更には身代わりとして死んだシンシアのことでもあると
これだけ多くの意味を狙ってつけたのかなーっと感心した

『夜明け』はどこの少年漫画だよ!って思ったw
この話があってこその、友情にあついマーダーという変わった立ち位置になったんだろな、シャドウはw

604 :創る名無しに見る名無し:2011/08/11(木) 13:28:37.78 ID:C7K+TZcU
このあたりから原作とは違ったキャラ付けが成されていったんだよな
特にシャドウはパロロワ界を見渡してもなかなかいないタイプのマーダーだった

605 :創る名無しに見る名無し:2011/08/11(木) 21:40:14.77 ID:hMDQkBeI
FF6はどのキャラにも背景設定やキャラ付けは行われていたけど、
参戦時期である最終決戦直前では
再加入イベント以外で台詞があんまり無いから
キャラの心情や仲間同士の関わりの変化にはプレイヤーの想像の余地が残ってて
今回みたいに書き手ごとの解釈が表れたんだろう

そういう意味では、FF6ってキャラが動かしやすくて凄くロワ向きの題材なのかもな

個人的には、FF6ではマッシュが原作の脳筋の雰囲気を残しつつも、
クマさんだった頃からの成長が見えて良かったな。
ああ、確かに最終決戦前のマッシュってこんな感じなんだろうなって思った。

606 :創る名無しに見る名無し:2011/08/12(金) 00:38:39.28 ID:ewW1uFV6
前にも話題に出てたけど、基本登場話はそのキャラの紹介話だからな
原作から一歩踏み出すのは二週目三週目からってことだろなー
せっかくの二次小説なんだし、やっぱりそういうのを読みたいと俺も思う
だからこそ、このロワはいい

マッシュは頼れる兄貴分ってかんじだったよね
高原がやんちゃな弟って感じでw

607 :創る名無しに見る名無し:2011/08/12(金) 09:08:33.98 ID:8A9PXG70
今回の参戦作品でサモンナイトとFEだけ分からないんだけど、
アズリアが使えるならサモンナイト3やってみたいと思ったな
アナスタシアといいカノンといい、いいお姉さんがそろった俺得なロワだw

エルクも物語初期の雰囲気がよく再現されてたと思う。
ゲーム後半や、ゴッドハンター時代からの参戦だったら反主催の中核になれたろうけど、
参戦時期がバラバラというロワのルールに殺された形になったか。
(設定上は)強力な火炎と強化・弱体揃った支援魔法を操り、
身軽で攻撃力もそこそこ高い、と能力が充実しすぎてたのも逆に災いしたな

608 :創る名無しに見る名無し:2011/08/12(金) 11:21:30.20 ID:9BX2hoXh
インビジブルなんて使い方によっては無敵だからなぁ

609 :創る名無しに見る名無し:2011/08/12(金) 14:03:16.52 ID:ewW1uFV6
だからこそ死亡話での凍てつく波動でのインビシブル無効化は上手かったな
原作じゃ文字通り(MP続く限り)破りようがない技を正攻法で無効化するというのは、クロスオーバーならでは


多分、エルクは主だった書き手はじっくり伸ばして後半に主人公させるつもりだったんだと思うよ
参戦時期とか、登場話で迷ってたりとかにその名残見えるし
そのじっくりの期間を早急にせく人に浪費されたり、色々あって破棄が重なりネタだけが使われてったりで、文字通り寿命が縮んだのかと

610 :創る名無しに見る名無し:2011/08/13(土) 00:59:54.69 ID:88u/4Ss7
では次

056 夜空の果て -再来-(魔女っ子が目覚めさせてしまった災厄が、アシュレーのうちに再来する…)
057 嘲律者(毒々しい花は笑う。召喚士と召喚獣の絆を哂う)
058 いつか帰るところ(帰れない道を青年は歩もうとする。されど心せよ。帰る場所はいつまであるとは限らない)
059 第一回定時放送 (無知とは罪だ。故にこそ、彼らは思い知らねばならない。人間の本質を、オディオの意味を)
060 心の行き着く先(亡き友達の名にある者は悲しみ、ある者は安堵し、またある者は覚悟する。彼ら彼女らの行く先はいかに)


611 :創る名無しに見る名無し:2011/08/13(土) 19:27:57.71 ID:xzP+d/12
なんたって外せないのはカエルのマーダー確定話だよな

でも、衝撃を受けたのは、まさかのブタは死ね発言クロスオーバーw
この頃のイスラはどこかユーリルと似たような壊れた所を感じる
展開によっては奉仕マーダーになってたかもしれないな

612 :創る名無しに見る名無し:2011/08/13(土) 22:44:53.59 ID:B4vP+HLz
思ったよりレスつかないな
やっぱり動きの少ない話が多いからか

ロードブレイザー登場には歓喜したな
よっしゃこれでナイトブレイザー化プラグがたった!って
ロードブレイザーが大暴れして参加者を大量に虐殺する可能性?ないないw

613 :創る名無しに見る名無し:2011/08/14(日) 01:42:39.66 ID:LojWG/Qq
ロドブレさん、強いんだけどテンプレ小者臭いからなー…w
それも込でのロドブレなんだけど

イスラは後々ちゃんとフォローされててよかった
タケシーは後々のこと考えてもすごく災難だよなw

614 :創る名無しに見る名無し:2011/08/14(日) 18:22:08.43 ID:3D2tVe24
それじゃあ、次行ってしまいますか。

061 Avenger (復讐の意味を知る者と、今まさに復讐に飲まれようとする者。復讐者達の戦いが幕を開ける)
062 セッツァー、『山頂』で溺れる (抜剣者の暴走が引きあわせた2人の男。一瞬の邂逅の後、一人は決意を、一人は迷いを胸に、別々の道を往く)
063 ビッキー、『過ち』を繰り返す (失われた愛しき命に涙を流す少年と少女たち。憎むべき敵の死に笑う道化師。ビッキーのくしゃみが、怒りと憎しみと悲しみの新たな交わりを導く)
064 ボボンガ (今日 クロ 友達 増えた うれしい日。飲め 食え 歌え 踊れ!)
065 アズリア、『熱』に触れる (別々の場所で時を同じくして、やり場のない感情に衝き動かされて走りだすエルクとイスラ。エルクを追うアズリアは、突如現れた昭和の熱き漢の魂の熱に触れる)


このド脳筋どもならではの話と、タイトルが「ボボンガ」。
涙腺が緩んでしまう…

615 :創る名無しに見る名無し:2011/08/14(日) 20:22:03.86 ID:LojWG/Qq
原作じゃエイラがクロノ達と仲間になった祝の宴で踊ってたよな
このロワじゃ真に脳筋らが仲間になった証かな
死者を想いつつも、大好きな人達の話だからこそと笑いながら一緒に踊るように拳を交わすこいつら好きだったな

616 :創る名無しに見る名無し:2011/08/14(日) 21:38:23.36 ID:VjJEmDR7
63話、いま読んでもすげー好きだなあ……。
「私は優しいのよ」って台詞にまじるものとか、もう少しだけ物真似を続ける
ゴゴとか……なんだろな、それこそテキスト量の少なかった頃のゲームみたいに、
余白を残したキャラの描写から感じられる余韻がたまんないんだ。

617 :創る名無しに見る名無し:2011/08/15(月) 04:58:00.72 ID:ajoHvvAv
エルクの道化っぷりがたまらないな
仇は取ってるのに気付かずに走り出すとこなんか特に
気付ける要素がないから仕方ないっちゃ仕方ないんだがw

618 :創る名無しに見る名無し:2011/08/15(月) 05:32:33.93 ID:qWzKA/Sc
この話のゴゴは名脇役だな
別の話では主人公もやったり、ヒロインだったり、しまいにはマーダーで星まで挙げて……w
こんなにやりたい放題したキャラ他にいないなw

619 :創る名無しに見る名無し:2011/08/15(月) 09:40:11.10 ID:I4bG4Cwj
この辺りまではまだ格好良かったんだよな、松…
マジでどうしてこうなったキャラNo1だわ

620 :創る名無しに見る名無し:2011/08/15(月) 10:44:33.78 ID:O0XZelRu
まあぶっちゃけた話誰とも合流できなかったのが痛いな、松は
後、ダメな破棄話で大集団と合流やブリキ大王と遭遇やっちゃったから、正式な流れでその辺のネタ潰されたのも大きい


ところでそういえばこの頃から既に、ミネアさんは死亡フラグ多すぎだろって言われてたっけw
リンとのコンビも中々に良かったんだがw

621 :創る名無しに見る名無し:2011/08/15(月) 19:23:32.94 ID:c/y7p1GR
松はそれこそエルクと組めてたらどっちも好相性だったかな
不良ぽい青年主人公と頼れる兄貴分とのコンビで

ゴゴは逆に出会いに恵まれたな
物真似師は物真似対象が沢山いてこそだし
本人の方針どおりだったしな

622 :創る名無しに見る名無し:2011/08/15(月) 22:28:06.91 ID:2eCJP572
テスト

623 :創る名無しに見る名無し:2011/08/15(月) 22:30:16.69 ID:2eCJP572
あ、やっと規制解除された
松はなあ……色々と巡り合わせが悪かったのが惜しまれるよな
活躍を期待されてるポジションだったのに


624 :創る名無しに見る名無し:2011/08/16(火) 03:21:55.92 ID:pVjkDPfT
イスラの軌道修正は見事だった
今回は放送直後だけあって、人間味に溢れた話が多いね

625 :創る名無しに見る名無し:2011/08/16(火) 12:27:11.15 ID:54V/+uRq
ダメな破棄話とか軌道修正が見事とか、普通に褒めればいいのになんで他と比較するようなこと言っちゃうんだろ
誰かを踏み台にして褒められたっていい気はしないよ

626 :創る名無しに見る名無し:2011/08/16(火) 17:06:47.65 ID:87GYvUX6
まぁ楽しくやろうぜ

627 :創る名無しに見る名無し:2011/08/16(火) 17:21:54.31 ID:ra0C9/8C
次いきまーす

066 カエルとシュウとストレイボウと (ついに血塗られた道に足を踏み入れたカエルとストレイボウは再開を果たすが、何かから逃げるようにカエルは姿を消すのだった)
066 永遠を背負いし者 (友のこと、自分のこと、お互いの話を通じて絆を深めるマリアベルとニノとロザリー。束の間の団欒をカエルが破る)
066 亡き者に贈る鎮魂歌 (カエルの猛襲をかわし、力を合わせてカエルを倒したマリアベル達だが、ニノが見せた優しさはカエルに改心ではなく逆転のチャンスを与えてしまう)
066 Justice 〜それぞれの正義〜 (仲間のピンチにサンダウンが駆けつけるが、カエルの執念に押し切られ3人の重症者が出てしまう。シュウの帰還によりカエルは撤退するが、死に瀕した仲間を救うことが出来るか…!?)
066 Alea jacta est! (奇策によって死者を出さずに済んだ一行は、3つに別れ、それぞれに仲間を求めて新たな旅路につく)
067 トゥルー・ホープ (テレポートをもってしても狂皇子から逃れることは叶わなかった。機械仕掛けの禍祓いは、渇いた心が求める何かを掴むため最後の命の炎を燃やし尽くす)
068 ヘクトル、『空』を飛ぶ (少女の魔法で巨漢が2人、宙に舞う。少女の笑顔で剣の聖女の胸の曇が吹き飛ぶ。ブラッドは弱き者達の救いとなる決意を新たにし、アナスタシアは再び得た命を謳歌するべく二人旅を再開する)
069 時の回廊 (白を目指すルッカ。花園で道を見据えるジョウイとビクトール、手を組む相手を探し始めたカエルと魔王。現世の時の回廊にそれぞれの思いが交錯する)
070 風雲フィガロ城 (ナナミが残したフィガロ城の安らかなまどろみを科学的テンサイが引き裂き、混沌とした動乱は死を呼ぶ闇と燃え盛る炎をも飲み込んでいく)


とりあえず番号で5話分まとめたけど、複数話で構成されているものは分割して数えた方がよかったか…

トゥルー・ホープ、熱かったな
カノン好きとしては猛プッシュしたい一話。
最後にルカを撃退する方法も、意外性があって面白いだけじゃなくて
ルカの狂気の裏側にあるものを垣間見せることで悪役としての魅力を深めてたと思う

628 :創る名無しに見る名無し:2011/08/16(火) 17:53:27.82 ID:KKUZoi9S
トゥルーホープはほんと面白かった
ルカにマザーイメージはその手があったかと目から鱗だった
何よりこの参戦時期のカノンにとって、これ以上とない死亡話だった

629 :創る名無しに見る名無し:2011/08/16(火) 18:11:36.86 ID:YjPJ+f9U
こないだ死んだマリアベルが対主催の中核として頭角を表してきたのがこの辺か
長いだけあってガンマンコンビ結成やカエルとストレイボウの関わりとか、後のメインストリームとなる要素が多いな
ユーリルがマッシュやクロノのサンダラに驚く伏
線とか、伏線も多々ある

630 :創る名無しに見る名無し:2011/08/17(水) 01:36:30.04 ID:TD4IAuna
リルカのことマリアベルに聞けたのは、ニノ、大きなプラスだったよね
デュアルキャストとかだけじゃなくて
コンプレックス同じく持っている身的に
へいきへっちゃらと頑張る生きてほしい

マリアベル死んじゃったけど
存在やっぱ大きかったな

631 :創る名無しに見る名無し:2011/08/17(水) 21:19:31.52 ID:LDfEirqu
そっか、少し前のエルクの話で思い出したけどニノも成長型のキャラだよな

632 :創る名無しに見る名無し:2011/08/18(木) 00:35:37.48 ID:hnJjldtx
ニノは出会いに恵まれてた
三人娘、好きだったけど、ついにもう、ニノだけか
というか、生き残りの女性が、もう三人だけか
ニノ、アナスタシア、ちょこ
幼女、少女、お姉さんとバランスはとれてるな

633 :創る名無しに見る名無し:2011/08/18(木) 02:25:49.97 ID:o5G+8+Xa
071 暗殺者のおしごと-The style of assassin (敵が道を定めたものであれ、未だ迷うものであれ、関係ない。誰であろうと殺す。それが暗殺だ)
072 曇りのち嵐のち雨のち―― (魔人は貪る。アシュレーの身体を、そして魂を)
073 シュウ、『嵐』に託す(前後編) サンダウン、『花』を見守る
(『風』が唸り、『嵐』を呼ぶ。『竜巻』すらも飲み込む『嵐』はされど、『花』を散らすことを選ばなかった)
074 ユーリル、『雷』に沈黙する(雷は打ち砕く。世界の常識を。“勇者”の特別性を)
075 Trust or Distrust (言葉は確かに届いた。魔族の王は初めて憎き人間を信じたいと願い。人間の女は自分自身を信じられないと嘆いた)

634 :創る名無しに見る名無し:2011/08/18(木) 02:32:26.83 ID:o5G+8+Xa
今日のターン!

何よりもガンマンコンビは最高にかっこ良かった
無口だけど渋くて熱いという滅多に見れないかっこ良さがすごい胸を打った
なんといってもサンダウンが最後に、愚かなれど優しいビッキーを間違っていないと言ったことに涙
人を護ろうとして悪人を殺してきて、でもその結果善人にも危機を呼び寄せてしまったサンダウンが言うからこそ、すごく深いよな
悪とか正義とか関係なくて、ただ人が死ぬのが嫌だというビッキーは、本当に間違ってないよ

635 :創る名無しに見る名無し:2011/08/18(木) 15:15:49.70 ID:b1gXPVnB
このあたりから大バトルも増えてきたよね
ケフカはもしかしたら対主催になるのではと思ってたw

636 :創る名無しに見る名無し:2011/08/18(木) 22:48:17.79 ID:vS1amVVo
フロリーナを殺したのは書き手の情けというか介錯だったような気もする
迷走しまくってたし、マーダーになっても戦果あげられるかどうか微妙な強さだし

ガンマンコンビVSケフカはやはり中盤を語るうえで外せないバトルだと思う
武器がないせいでいまいち活躍してるとはいいにくかったサンダウンだが、この一話だけでサンダウンの魅力が伝わってくる

このあたりから大規模魔法なんかで地形変更とかが目立つようになってきたよな
開始時と現在の地図見比べると、やめて、もう島のライフは0よ!っていいたくなるほどの破壊っぷりw

637 :創る名無しに見る名無し:2011/08/19(金) 02:10:00.30 ID:DWrmL5pm
曇りのち嵐のち雨のち―― はフィガロ城組結成の一因となったこともだけど
後にアシュレーがティナに助けられたり、セッツァーに襲われたのがきっかけで死んだの思うと感慨深いな

前の三人娘ら五部作で伏線張られてた雷問題が遂にユーリル襲ったのもこの時か
踏んだり蹴ったりとはこのことだ
だからこそ、救い7部作じゃユーリルは勇者だけじゃなく、雷魔法にも答えだしたんだよな

638 :創る名無しに見る名無し:2011/08/20(土) 01:28:44.47 ID:GJ3l8QE7
分割増えてきたなって実感する

076 “剣の聖女”と死にたがりの道化(死にたがりの少年と生き急ぐ少女が出会う。対極ですらない平行線の存在である二人が相入れるはずがなかった)
077 機械仕掛けの城での舞踏
剣豪と影と輝ける星と
(人を惹きつけてやまなかった青年は、その死をもってすら多くの者を結びつけた。少年が願ってやまなかった同じ道を、人とリザード星人と物真似師は歩みだす)
078 七頭十角(其は獣。竜を駆り、憎悪のままに生きる邪悪なり)
079 たったひとりの魔王決戦
約束はみどりのゆめの彼方に
(科学と魔術が交差するとき、2つの物語が終焉を迎える……)
080 メイジーメガザル(前後編)
(帰りたい。帰りたかった。それは多くの者が抱いた夢。これはそんな夢の物語)

639 :創る名無しに見る名無し:2011/08/20(土) 01:32:35.43 ID:GJ3l8QE7
メイジーメガザルはあの何とも言えない雰囲気が好きだ
言葉に表しにくいけどとにかくすごい

リオウは最後の最後まで幻水らしい主人公だったな
フィガロ城組結成の立役者だったよな、こいつも

640 :創る名無しに見る名無し:2011/08/20(土) 06:23:00.31 ID:fzhAQty/
ビクトール…カエル魔王コンビ相手に頑張ったよ…

641 :創る名無しに見る名無し:2011/08/20(土) 17:16:32.97 ID:ugHuyJF8
アキラはかなり頑張って活躍してる印象だったけど、
助けたカノンにルカから守ってもらい、
助けたミネアに体力を回復してもらい、
本人の頑張り以外に、出会いにも恵まれてたんだな

ていうか、こ これは・・・・ハーレム状態じゃねーか!

642 :創る名無しに見る名無し:2011/08/20(土) 21:31:10.26 ID:gIHI/Twa
アキラに限らず、生き残ったキャラは大体出会いに恵まれてるよね
じゃあ逆に恵まれなかったキャラはっていうと……やっぱ松かなw

643 :創る名無しに見る名無し:2011/08/23(火) 12:17:47.76 ID:uMosrslr
ガンガン行こうぜ!

081 奔る紫電の行方、燃える炎の宿命(さだめ) (紫電は消え、炎は燃え尽きる。二人の心は確かに通じ合っていたけれど。その願いが叶うことはなかった)
082 勇者と野球しようぜ!(異世界の文化の壁はあらゆる場所に存在する。勇者然り。野球しかりである)
083 どこを向いても奴がいる (自らが信じた言葉の力を信じられなくなった教師は。皮肉にも、ギャンブラーが操る言葉と槍に殺された)
084 心の行く先 (命の行く先――それは死か。心の行く先――それは憎悪か)
085 ノーブルディザイア (其は、ありとあらゆる生命の母。故にこそ、人たる身が母に抱かれようと願うのは当然の帰結であった。「ちょこちゃん、泳ぎましょう!」)

644 :創る名無しに見る名無し:2011/08/23(火) 12:19:03.69 ID:uMosrslr
今にして思えば。、ロザリーが見たルクレチアこそ、ロワの舞台の地下で、ラヴォス(仮)がいる場所なんだろうな
現在までの死者の思念がその場所の存在しているそうだし

645 :創る名無しに見る名無し:2011/08/23(火) 20:33:14.10 ID:cFfYCJPb
完成した秘槍・紫電絶華は見てみたかったなあ……
それから、アティは参戦時期の問題で精神的に未成熟だったよな
そのせいでアリーゼ守れなかったことに耐えられず暴走したりするし、色々とかわいそうな人物だった

646 :創る名無しに見る名無し:2011/08/23(火) 20:36:14.98 ID:LJ6jzJTA
当初の想定ではルクレチアじゃなくて心のダンジョンなんじゃないっけ?
まあ、魂の牢獄みたいな所だし、地下にあってもラヴォスが閉じ込められてても
おあつらえ向きかも、というか、考えるほどにハマり過ぎな感じがするけど


アズリアとエルク、呆気なかったな…
寂しいけど、どんなヒーローにも特権は無いっていう、
ロワらしさが出たいい話でもあった

そして、まさかのサービスカットと男版サービスカットw
我らの知力25は伊達じゃないぜ

647 :創る名無しに見る名無し:2011/08/23(火) 20:37:54.54 ID:LJ6jzJTA
>>645
最近は知能派で売ってるセッツァーも、
この辺ではかなり感情的な面も出てたんだな

原作では殆どキャラクターの描写がなかっただけに、
セッツァーとかゴゴはのびのびと楽しんで描いてる感じがする

648 :創る名無しに見る名無し:2011/08/23(火) 22:56:07.68 ID:ZjB0iODc
セッツァーは原作の世界崩壊後〜パーティ参戦前という
クサって凹んで飲んだくれてた時期からの参加ってのが面白いんだよな

649 :創る名無しに見る名無し:2011/08/24(水) 12:32:33.45 ID:Ks+e4XpU
海の話も、楽しそうで好きだなー

650 :創る名無しに見る名無し:2011/08/24(水) 19:55:53.35 ID:PnmE5kWX
ロワなのに海で遊ぶなんてちょっとエッチなお姉さんならではだなw
……それでいてサービス話で終わらないのが切なかったな
施設巡りにしろ、海水浴にしろ、生前満喫でしきれなかった生きていることを楽しむためのものだったもんな
んじゃ、今日の分


086 使い道のない自由(あれだけ渇望していた自由。それは青年にとって宝の持ち腐れとなるか、それとも真の宝となるか)
087 第二回定時放送 (無知とは罪だと魔王は哂う。人間を、そしてかつての自分《勇者》を嘲笑う……)
088 有限世界の少女たち
昭和の男とエルフの願い
(人間とは何か。それは感情で生きる人にとっても、人間以外にとっても永遠の命題である)
089 空虚の輪郭
(熱き血潮に満たされた者達が人間ならば。煮えたぎる憎悪に満たされた者もまた人間だである)
090 グリーン・デスティニー
BLAZBLUE
DARKER THAN BLACK
(碧の運命が呼び寄せた者達が蒼き炎を灯し、闇より暗き漆黒の影を顕にする。ここに一つの戦いが終わり、そして新たな物語が始まる)

651 :創る名無しに見る名無し:2011/08/24(水) 22:39:11.32 ID:hew+bBAV
この辺は好きな話ばっかりだな

使い道のない自由
はいイスラ鉄砲玉要員化決定。アティもアズリアも死んだし仕方ないよね
と思ったら後にまさかの復活を果たしたw

有限世界の少女たち
マリアベルの株が急上昇
この会話はこの二人でないとできない


空虚の輪郭
マジでどうしてこうなった!である
惨めな気持ちになるユーリルの苦悩の描写が素晴らしい

グリーン・デスティニー
来た! パッとしなかったアシュレーのナイトブレイザー化来た! これで勝つる!

652 :創る名無しに見る名無し:2011/08/25(木) 00:05:43.35 ID:FO5tqZLy
色三部作は蒼炎のナイトブレイザーもだけど、その直前のアティと一緒に剣を抜くところとか、ゴゴとシャドウの静かな対峙も好きだった

マリアベルとロザリーの会話は本当に人間じゃないこの二人でしかできない会話だよな
オディオの真意にかなり迫っている感じだったのもあって、当時感心した

653 :創る名無しに見る名無し:2011/08/25(木) 00:14:44.80 ID:9MhxgmWS
派手な大活躍こそ無いけど、イスラは良い方向に向かってるよな
登場話からは想像もつかない今のイスラは、ここでこの二人に会えたからだろうね

シャドウと蒼炎ブレイザーの戦いは激戦だったように記憶してたけど、
読み直してみると戦闘自体は
クレッセントファング投げる、真空斬双牙で迎撃、アクセス→バニシングバスター
だけだったんだな。意外。
RPGで言うならたった1ターンの出来事で、ここまで燃える展開にできるとは…

654 :創る名無しに見る名無し:2011/08/25(木) 00:26:52.96 ID:EHmLU2WG
シャドウクレセント、真空斬双牙、蒼炎バニシング
どれもがクロスオーバーをいかした大技だったしな
しかも、組み合わせだけじゃなくてその見せ方もうまかったし


あと、この話で改めてトッシュいいキャラだとおもた
ナナミとのコンビ時も感じたけど、トッシュは仲間と会話する時いきいきすんだよな
シャドウと亡霊に挟まれた時のゴゴとのやりとりが、すごく気心のしれた仲間同士なノリで好き

655 :創る名無しに見る名無し:2011/08/26(金) 05:12:46.39 ID:soXBsOPl
te

656 :創る名無しに見る名無し:2011/08/26(金) 14:04:56.07 ID:ZodTb+8M
お、板復帰したか
それじゃ本日の分を


091 ジョウイ、『犠牲』に操られる (死者に、罪に縛られ続けている男が二人。一人は思う、引き返せないと。一人は誓う、前に進もうと)
092 迷い子 (時の迷子と壊れた道化師。真にさ迷い歩いていたのはどちらだったのだろうか)
093 悪魔みたいに、アイツは立ってた。(見えぬ暗殺者、見えない殺意。二重の奇襲を前に、女達は傷つき倒れ、少年は声を荒げる)
094 銀の交差 (その交差は一瞬だった。名を交わすのでも、拳を交わすのでもないただの取引だった)
095 ですろり〜イノチ〜
(イノチの価値とは何か。それは想いである。幸せになってほしいという想い。笑っていて欲しいという想い。ユーリルは思われていた。幼子に、何よりも既に得ていた3人の友達に)

657 :創る名無しに見る名無し:2011/08/26(金) 14:08:24.86 ID:ZodTb+8M
説明文書くために読み返していて泣いた
ですろり〜イノチ〜のお菓子はずるい
全てを救って、救われてユーリルは死んだけど
脳筋トリオ達に幸せになってほしいって思われていたからこそなんだろな
後、この話で、それまでチートなマスコット扱いだったちょこが、一人の人物として生き出したんだと思う

658 :創る名無しに見る名無し:2011/08/26(金) 21:36:33.03 ID:B6JpnnMO
ピサロとセッツァーってここで1回会ってるのか
すっかり忘れてた

ともあれ、ですろりだよな、ここは
とにかく、泣ける…
今ゴゴはこの4人の魂も引き継いでるんだな

659 :創る名無しに見る名無し:2011/08/27(土) 14:49:21.55 ID:lxU5/gbV
迷い子も好き
ロワ始まる前には想像もしてなかったケフカとビッキーの関係は最初から最後まで切なかった

ちょこは化けたよね、本当に
ここから後、シャドウと話して、アシュレー助けて、栞を作って、セッツァーに怒りあらわにしてと
独り立ちしたイメージ

660 :創る名無しに見る名無し:2011/08/28(日) 04:48:04.02 ID:UoMq2+iq
これで遂に100話目突入!

096 僕は泣く (涙を流せぬ男の泣くような声に、イスラは涙する。大好きだった人達への好意と喪失の悲しみを受け入れて彼は泣く)
097 妖星乱舞
壊れた心に貫く想い
(戦う意志を失わなかった三人の戦士を前に、遂に道化師は力尽きる。最後の最後に彼が白い花を振り払うことはなかった)
098 Fate or Destiny or Fortune?
Famille?
Throwing into the banquet
(幾つもの偶然は運命という名の蜘蛛の巣をなし勇者達を囚え、一つの宴が幕を開ける。さあ、賽は投げられた。)
099 戦友へ (送る手向けも、送る言葉もただ一つ。友を送るにはそれだけで十分だった)
100 トカ、『楽園』を望む(考えるくらいなら動くまでな二人。考えるべきだと熟考する一人。そして何考えてるのか分からない一匹。なんだかんだでいいチームである)


661 :創る名無しに見る名無し:2011/08/28(日) 04:52:21.78 ID:UoMq2+iq
ケフカ死亡話はまさかこいつの死に様に心震わせるとは思わなかった…
もうすごいの一言だ
シンジラレナーイ とか つまらん の使われ方がすごかったんだよな、このロワじゃ…
あれだけ気味悪がったり突き放そうとしたビッキーを、振り払いきれずに、破壊に意味を求めてしまい、三人を殺せず
最後の最後でかつて腹立たしいと称した花の花弁が、顔にのったっつうのにそれを振り払うことがなかったってのがもう、ねえ
たまんねえよ

あと、シャドウのフィガロ兄弟追悼話は情景が目に浮かぶようでかなり好きだった

662 :創る名無しに見る名無し:2011/08/28(日) 09:21:57.22 ID:jCWmZ03s
環境が違えば違うケフカだったかもしれない可能性を感じさせるストーリーだったな
それにしても、ケフカは原作のアレっぷりが嘘のような、ラスボスらしい強さだったw

そしてついに神殿の集団戦か
この流れになったときは驚いたしwktkしたなー
やっぱりRPGキャラだと多対多の方が生きるキャラが多いからな

663 :創る名無しに見る名無し:2011/08/31(水) 00:37:38.29 ID:aIzqsILG
ケフカとビッキーは人気投票二連覇だもんな
どんだけ恵まれてるんだよお前らw

次の話ではついに乱戦の始まりか
中盤戦でこれだけのキャラが集まって、しかも綺麗にリレーされたのって珍しいよね

664 :創る名無しに見る名無し:2011/08/31(水) 04:41:05.67 ID:kmnMc+Tb
これだけの人数集めて大丈夫かよとも危惧してたが
ここの書き手はほんとすごいなw
さて、今回の分で遂に第3回放送か


101 原罪のレクイエム(逃げられないと思おうが。逃げたいと思おうが。ジョウイもストレイボウも、過去は消せず、罪は重くのしかかる)
102 アシュレーのパーフェクト首輪教室(すごいぞ科学、負けるなトッシュ! トカ、ゴゴ、アシュレーの漫才空間にツッコメれるのはお前だけだッ!)
103 飛行夢(夢見る男が夢を見る。エルフの女の夢を見る)
104 red tint(所詮この世は弱肉強食。自らより強き者に殺されるまで、狂皇子は殺し続ける)
105 第三回定時放送(生と死を俯瞰する魔王にすら分からないものはある。汝の名は女なり)


665 :創る名無しに見る名無し:2011/08/31(水) 22:01:24.08 ID:ILX0SHDQ
あれ、感応石が通訳の役目を果たすって…

…ま いっかw


放送回だけ見てると、オディオもまだ結構揺れてるな
真実を知らしめるためにロワを開催したようで、
実は自分が答えを知りたいのかもな。

666 :創る名無しに見る名無し:2011/09/01(木) 03:02:52.75 ID:p9CabJS7
首輪解除しても感応石だけは持っとかないと駄目だよな、言葉通じなくなるし、文字も読めなくなるw
今はゴゴが解除されているけれど、他の面子が持っているおかげで支障はないな
まあ首輪や感応石は余ってるから問題ないけれど

オディオはそういう人間臭さを捨て切れないのが好きだ
普通ならラスボスが揺れたりするとなんか脆くなったように感じるんだけど、オディオはむしろ深みが増すよな
珍しいタイプの格があるラスボスだ

667 :創る名無しに見る名無し:2011/09/02(金) 21:35:55.70 ID:7RbYTbqG
今日の分

106 届け、いつか(地獄から雷は湧き、冥界が虚無を呼ぶ雨の中。姫の祈りも、勇者の慟哭も、魔剣の声も雨音に掻き消える。それでも、お前達は歌い続けるか)
107 ぼくらがいた――(Esa Promesa)(温かい食事。誰もが当たり前と見過ごしていた、帰るべき日常の証)
108 暴かれた世界(国も、愛も、空も。生き残った者が意思を貫く。言葉もモラルも引き剥がされた原初の法則の中で、彼らは何を掴む)
109 夜雨戦線 -Cross Battle・Real Force・Emotional Storm-(かつてそして今も英雄だった漢の意思も、その腕の中で愛する亡骸を包む絶叫も、雨の中に消えていく―――)
110 シャドウ、『夕陽』に立ち向かう(一人だった父。独りだった娘。2人が互いの手を握った時、例え狼がその手を噛みちぎろうとも、もう彼らはひとりじゃない)

668 :創る名無しに見る名無し:2011/09/02(金) 23:02:13.82 ID:TakrvQC8
ぼくらがいたは、まさかのパン屋さん技能がいかされたよな、アシュレーの
RPGロワで調理シーンがみられるとは思わなかったけど、こういうのもいいなと思った
城組はバトル以外の絆描写も多くて好きだ

シャドウ、『夕陽』に立ち向かう は半端じゃない
娘を置いてけぼりにした父と、父に置いてけぼりにされた娘
この二人の会話が静なんだけどすごいズシンと来る
ちょこの悪い子宣言もすごく衝撃的だったけど、納得だった
ルカの魅せ方や歯での受け止めるシーンとかも壮絶だった
けど何よりも、これはシャドウのためのシャドウの話の、シャドウの最終回だった
最後の家に帰るシーンの切なさと美しさは異常だった

669 :創る名無しに見る名無し:2011/09/04(日) 07:31:38.56 ID:fNOnRJhQ
シャドウはマーダーとはいえ、本当に熱いシーンが多かったよね。
こんなに救われた死が与えられるとは思わなかったわ。

670 :創る名無しに見る名無し:2011/09/04(日) 20:30:22.91 ID:+/O29/fc
シャドウは幸せ者だな
あれほどまでに一人の人間を書ききった話は自分は知らない
他のキャラもしっかりと活躍させてるのも凄かった

このロワの大作にはことごとく泣かされてしまう
書き手の皆さんのキャラへの愛が伝わってくるよ

671 :創る名無しに見る名無し:2011/09/04(日) 20:41:40.50 ID:x9a0ewOE
今日の分

111 無法松、『酒』を求める(何をやっても空回り、酒でも飲まなきゃやってられねえ。酒蔵の本当の扉にも気付くことなく、何をやっても空回り)
112 光の『英雄』、闇の『勇者』(一緒にいたいのに、想いは同じなのに。『光』だから、『闇』だから願いは交わらない。闇に触れることが出来るのは、銀の月だけだ)
113 憎悪の空より来たりて/正しき怒りを胸に/我等は魔を断つ剣を取る/汝、無垢なる刃、デモンベイン/――トゥーソード
  (憎悪と狂気の断末魔が呼び覚ました災厄の絶望、それを打ち破るは桜花舞う義侠の一刀。舞台は整った。さあ再び未来を拓け、蒼き剣の英雄よ)
114 きみがぼくを――(ne pas ――――――――――/ne pas céder ―――――――)
  いばらのみち――(ne pas céder sur son ―――)いきてしんで――(ne pas céder sur son désir.)
  (魔王の道、ヒーローの道、英雄の道、勇者の道、聖女の道、王の道。どの道も、茨の道。それでも誰も彼もが歩むのだ。彼らが信じるものの為に)
115 ハッピーエンドじゃ終わらない (雨があがり、正義の貴い犠牲で悪は討たれた――オディオの脚本がそんな物語に、なると思うのか)

672 :創る名無しに見る名無し:2011/09/05(月) 03:04:37.41 ID:Zt4+4yWe
後々の話的にも、松はメイメイさんと会えてさえいれば、自分のことを省みれたろうに

デモンベイン5部作はここで来たか
ルカ様が原作通り役割的には中ボスなんだけど、全然前座という感じがしないのには満足
ルカVSアシュレーから上手く、アシュレーVSトッシュ、ゴゴにがらりと移行できたからだろな
そのルカ様に登場話で殺されたティナが活躍できたのは嬉しかった
ちょこにおかーさんって呼ばせるのが憎いところ
そしてそれら動的なバトルや説得から、静かな明鏡止水紋次斬りと来て、最後の砂漠の桜のシーンの美しさが堪らなかった

673 :創る名無しに見る名無し:2011/09/05(月) 17:42:28.75 ID:jnrakV+p
光の『英雄』、闇の『勇者』は、後々の事を考えると凄い重要度高い話だなぁ
セッツァーとジャファルが組んでなかったら、ガラッと変わってそうだ

674 :創る名無しに見る名無し:2011/09/05(月) 21:20:59.62 ID:kC8kBA03
松がドンマイ過ぎる…
好きなキャラなだけに、生きる場面に恵まれなかったのが残念で仕方ない

反面、他のキャラは皆輝いてるな
特に、城チームの話が素晴らしかった
ルカとの戦いはこのロワで1位2位を争う名勝負だし、
トッシュの散り様の美しさといい、ここは本当に傑作だった

675 :創る名無しに見る名無し:2011/09/05(月) 22:16:15.20 ID:4Sr7chMp
これで第3放送分終わり。

116 闇からの呼び声(どれだけ負けても1枚でもあれば勝負できる。裸だろうと戦える。だが、夢のない奴には何もできない)
117 バトル・VSロードブレイザー/どんなときでも、ひとりじゃない/ファンタズムハート
  (それは英雄譚の再現。否、蒼剣と白狼に彩られた新たなる神話。その終わりに欲望が吠える時、希望の西風が吹く)
118 ただ君だけを愛してる(彼の世に姫の亡骸を送り、魔王は新たな決意を誓う。君を忘れない。君を忘れない私の為に、君を想おう)
119 アキラ、『光』を睨む (勇者の意味を知っても、聖女の意味を知ってもヒーローの道は揺るがない。その眼の前には、あの背中に映る光があるのだから)
120 泣けない君と希望の世界 (泣きあかす少女の涙を拭う方法など王には無い。あるのはただ、彼女が笑える国を造る術だけだ)

676 :創る名無しに見る名無し:2011/09/05(月) 22:49:03.08 ID:kC8kBA03
ロードブレイザー戦ももう一個の山場だな
城関係のストーリーの集大成的な盛り上がりで、
普通のRPGならここでスタッフロールだよなーとか思った程だった

それにしても、アティとティナは死んでからは大活躍だったなw

677 :創る名無しに見る名無し:2011/09/06(火) 01:38:29.49 ID:6UTLOZJu
アティやティナの精神体が出てくる以前から、二人の魔剣や魔石は渋いながらも良い使われ方してたもんな
城組みはほんと、絆がテーマだったよな
新たに育まれるものだけじゃなくて、遺された想いも受け取って、大きな力として紡いできたイメージ
その集大成がこの決戦で、それらを受け継いだのが今のゴゴとちょこなんだろな
神話決戦は見所たくさんだったけどルカアーマーなロドブレと、最後の締めがフルフラット(アルテマ)だったのがすげえよかった

678 :創る名無しに見る名無し:2011/09/07(水) 00:48:25.36 ID:G8E5Yc4W
神殿周りが大人数バトルやったからな
城周りはその分少人数でじっくりこつこつ濃い目にやってった感じ

三人娘はここでロザリー脱落か
今やニノ一人やけどこいつら好きやった

679 :創る名無しに見る名無し:2011/09/07(水) 20:38:41.35 ID:xbLvUXa/
次の5話。

121 第四回放送 (戦いが進むように王もまた次へと進む。集められし4つの人形、それさえにも劣る者達を迎え撃つべく)
122 第四回放送・裏 (現の裏側で行われる夢の中で王は告げる。救われぬ未来を、敗者を顧みなかった勝者たちに)
123 Re:どんなときでも、ひとりじゃない (栞を見て思う。奇跡は自分の手でおこしてこそその価値がある。だけど、こんな小さな奇跡もたまには悪くない)
124 ソラノカケラ――(Brightest Darkness)(夢が交差した場所で、彼らは再び誓い直す。姉のいた時を、王国のありし時を取り戻そう。例え二度と朝日が昇らなくとも)
125 夜の温もり −タエラレヌヤサシサ−(重過ぎる罪に押し潰されかけた男の心にノーブルレッドの掌が触れるとき、ついに始まりの罪が開かれる)

680 :創る名無しに見る名無し:2011/09/08(木) 03:18:27.32 ID:ifJlhZZe
ここまで引っ張ってきたレイボウの罪の告白が遂にここできたよな
告白したのは次の話だけどさ
それまでも罪の意識に何度も苛まれていたけど
マリアベルの優しさ故に耐えられなくなって「違うんだ!」って叫ぶのが好きだった

小さな花は派手な話じゃないんだけどこう胸に来る
ビッキーとの出会いの花で、思い出の品で、白い花そのものがビッキーの比喩で
なんかビッキーばっか言ってるけど、ゴゴの紡いできた出会いや絆を象徴する話だった
タイトルも憎い

681 :創る名無しに見る名無し:2011/09/08(木) 20:50:20.91 ID:8PuxxhiB
勝者を中心に集められた参加者の中、
敗者中のド敗者であるストレイボウに
オディオというか、オルステッドはどんな役目を負わせようとしたんだろうな

そして、この辺でずっと手を差し伸べてくれてたマリアベルを殺したのがカエル
ストレイボウには堪えるだろうなー…

682 :創る名無しに見る名無し:2011/09/09(金) 04:25:10.65 ID:aGfGOzjb
オディオの目的の一つは勝者に敗者をかえりみさせることだけど
今のストレイボウは確かに勝者たちにもかえりみられたけどそれ以上に、敗者である自身をかえりみてきたよな

さて、今度の分
放送後の一休みが終わって、あちこちで事態が加速してったっけ

126 英雄伝説『黒き魔王』
Running to the straight
組曲の行方
(語られる全ての始まり。告げられる赦しの言葉。振り下ろされる怒号の魔法。――弱き者たちよ、強くなれ。悲劇を終わらせる『英雄』へと至る程に)
127 エラスムスの邂光現象
(賽は投げられた。賽の目が示す有り得ぬ目は、果たしてラッキーセブンか、それともファンブルか。演者よ集え、もう一人の敗者の王が奏でる混沌の盤上へと)
128 アシュレー、『名』を呼ぶ (前後編)
(何もかもが届かない。名を呼ぶ声も。友への想いも。少女の怒りも。全てが全て、ただ無為なる虚無へと消えてゆく。されど。それでも尚残るものはある)
129 デイブレイク(闇に生きることを選んだ者達も、太陽の輝きに焦がれることはある。晴れぬ闇を抱えているが故に、誰よりも彼らは太陽を眩く感じる)
130 〈 愛ちぎれる 金色の 断章 〉 (本ならぬ断章に栞など不要。憎悪の魔王に愛など要らぬ)


683 :創る名無しに見る名無し:2011/09/09(金) 08:22:42.56 ID:FUZ8UxJ1
個人が作ったフリーゲームで無料でダウンロードできる。
敵とまったく戦わず輸送や店や釣りや泥棒やスリや拾い物や畑で生計を立てるもよし、
卵を集めてモンスター育てたりダンジョンのモンスターや賞金首との戦いの道に生きたりのもよし、
鍛冶屋になって武具や道具を強化し続け武具合成するもよし、すべてをするもよし、
旅車と旅馬をそろえ世界を動き回ろう。
□スタミナがなくなったり空腹だと力がでません。仲間も文句を言うでしょう。
ちゃんと宿屋で休息したりレストランで腹ごしらえしよう。
□それと積載量には気をつけてね。余計な物をどんどん溜めると仲間も疲れやすくなっちゃいます。
最後には動けなくなっちゃいますよ!
あなた自体が勇者になんなくても勇者は他にいるから大丈夫。もちろんなってもおk
まずは酒場で仲間をそろえ、いざ冒険の旅へ。
巡り廻る。 Part26
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/gameama/1314064609/l50

684 :創る名無しに見る名無し:2011/09/09(金) 20:35:43.73 ID:tf4TT/8i
ここからストレイボウは果てしない謝罪坂を登り始めたんだよな。
そしてステルスニートがついに本格暗躍、そこから生まれたセッツァー・ジャファルとピサロの結束。
そこから波及してのアシュレー死亡、ゴゴのオディオ化となって、あの話にいくんだよな…

とりあえず今出来る感想ラッシュはここまでかな。
あと1話くればもう一回はできるだろうけど、ここからどうしようか。

685 :創る名無しに見る名無し:2011/09/09(金) 21:34:49.20 ID:F/BKSe8t
このセクションでは表主人公のストレイボウと
裏主人公のセッツァーって感じだな。

セッツァーは生き残ってる中では弱い方だろうけど、
現存最強の戦力の一角であるジャファルとピサロを抱き込む心理戦術は
最強クラスの能力の持ち主とも言えるかも。
この3人はもうちょっと殺伐とした関係になるかと思ったら、結構仲良くなってるしw

次の戦いでセッツァーは生身では初めて戦闘らしい戦闘になるけど、
ここまで伏せてきた数々のカードがどう出るかな

686 :創る名無しに見る名無し:2011/09/09(金) 22:47:48.55 ID:aGfGOzjb
>>684
もう今ある134話まで感想していいと思うよ
元々、このスレがずいぶん余ってるから、それを埋めるために振り返ってるんだし
後、そろそろ放送予約来ると思うけど、どうせだから、その禁止エリアも、全話感想後に、ここで相談するのもありかと
まだ少し余りそうだしね

687 :創る名無しに見る名無し:2011/09/09(金) 22:50:56.97 ID:aGfGOzjb
と、まとめるだけで感想言ってなかった

働けとか、もうこいつ対主催だろとか言われてたジョウイが遂に本領発揮したな
本人的には本領発揮の前準備みたいだけど
此処から先の動きが本当に楽しみだ

そういえば、これまで不意打ちとかブリキ大王とかで、生身では戦ってなかったんだよな、セッツァー
余力はバッチリか

オディオはどこまでも人間味が残ってるのが大好きだ

688 :創る名無しに見る名無し:2011/09/10(土) 13:50:40.17 ID:wxEmab2N
んじゃ、お言葉に甘えて最後まで行っちゃおう

131 救われぬ者
救われぬ者(中編)
救われぬ者(後編)
人間が大好きだった壊れた物真似師の唄
人間が大好きだった壊れた物真似師の唄(後編)
Salvere000
全てのキミの魂の詩
(“勇者”とは何か。汝は何者か。ずっと、ずっと、ずっと。立ち塞がり続けたその問に少年は答えを出す。さあ、刮目せよ。彼の答えを。“勇者”の雷を)
132 王国暦1998年の紅蛙
(約束の時、迫る。“勇者”の雷はかの者達に覚悟をもたらした。再会は近い。その果てを、地下の魔物は見届けよう)
133 <ハジマリ>のクロニクル
なまえをよんで
Resistance Line
(“勇者”が自らの答えを出したように。彼女もまた答えを出す。“聖女”でも“英雄”でもなく。ノーブルレッドの友として。彼女は抗い生き続ける)
134 龍の棲家に酒臭い日記(前後編)
(自分で歩く路を決めた男達は、差し出された杯を前に、僅かに自分たちが踏みつぶしてきたものをかえりみ、されど止まることなく前へと進む)


689 :創る名無しに見る名無し:2011/09/10(土) 14:05:38.52 ID:wxEmab2N
これで遂にRPGロワの現存する全ての話を振り返ったことになるのかあ
感慨深いな
この企画ももう3年以上続いてるんだよな
ゆっくりながらも止まることのない順調なペースなのはありがたい限りだ

そして終盤なだけあって、今回は、総決算的な話、多いよね
RPGロワの大きなテーマの一つだった“勇者”とは何か、“英雄”とは何か
その象徴とも言えるユーリル
『勇者』の意味、『英雄』の真実が投下されたのが2年半ほど前だから、メタ的にも長い時を経て紡がれた答えなんだよな
その二年半と前半部分の救えなさっぷりを、問答無用で、理屈抜きでぶちぬく後半の救いっぷりが堪らなかった
ユーリルは本当に、お疲れ様

お疲れ様といえばマリアベルもお疲れ様だった
対主催の中核とさえ言える人格者で、他の面子とも作品を超えてかなり深く関わってきてたからな
その最後が彼女の原典というか、原作からのアナスタシアとの絆に集約されて
原作じゃついぞ再会することがなかったこの二人の結末には満足だった
アナスタシアも登場話からずっと注目されて来て、本人も途中から悩んだりしてたけど
ようやく自分らしい生き方に戻ってこれてこれから、だな

690 :創る名無しに見る名無し:2011/09/10(土) 22:25:58.63 ID:gTF3eKD2
放送予約来たな
エリアについて相談したいみたいだが…

691 :創る名無しに見る名無し:2011/09/11(日) 00:49:07.16 ID:K1lZTeqf
いいんじゃね?
とはいえ今回の分の感想終わってかららしいけど

ユーリル死亡話は、この一撃で救われろ! とか ユーリルがストレイボウに言った言葉とか、心震わせるの多かった
メイメイさんやらラヴォス?やら、オディオ側のことも明るみになってきて終りが見えてきた感だ

692 :創る名無しに見る名無し:2011/09/11(日) 19:52:15.01 ID:bBzzHey7
これでついに全参加者残らず乱戦に突入するわけだ。
カエルとストレイボウ、ジャファルとニノ、セッツァーとゴゴなど、
因縁山盛りの中で、どこから始まるのやら。

そろそろ禁止エリアの話でもする?
でも、ここまできたらもう放送書く書き手さんに任せてしまってもいいと思うが。

693 :創る名無しに見る名無し:2011/09/11(日) 20:05:28.84 ID:M5UKDuIX
ここも盛り上がったからなー
ユーリルが答えを見つけて、
マリアベルからアナスタシアにバトンがつながって、
これまでの救われないもやもやしたものが一気に吹き飛んだよ

禁止エリアは書き手さんが相談したいって言ってるし
書き手さんの意向に従う形でいいんじゃない?
感想の方をいつで撃ちきるか決めないとね

694 :創る名無しに見る名無し:2011/09/11(日) 20:43:22.71 ID:K1lZTeqf
感想は今日中でいいんじゃないかな?
今までもだいたい一日半から2日だったし

695 : ◆iDqvc5TpTI :2011/09/12(月) 15:48:59.54 ID:Oeodgz6o
◆iDqvc5TpTIです
まずは相談の場を設けていただき、ありがとうございます
それでは禁止エリアについての相談と行きましょう

まず、私個人の意見を言わせて頂きます
現状、残る参加者全てが、C7付近に集結しています
具体的には、ジャファル・セッツァー・ピサロの3人同盟がC7北に待機
他の全員がC-7とD-7の境界で戦闘中です
少なくとも、このC-7とD-7は禁止エリアから避けるべきでしょう
私としては、まず、1時間後の禁止エリアは、D-6とE-7を指定するのが、ありではないかと一考します
これにより、参加者たちの南側は禁止エリアに囲まれ、退路は絶たれます
一応、C7からE-7へ逃れると行った斜め移動は可能かもしれませんが、危険は伴います
その斜め移動も、三時間後の禁止エリアに更に3時間後の禁止エリアとして、A-8とB-8を指定してしまえば、参加者たちはほぼ逃げ場がなくなります
メタ的にも、オディオ的にも、参加者同士の殺し合いの決着を、大きく促進する一手となるでしょう
オディオからすれば、遺跡ダンジョンに通じる道を封じて、感応石の破壊を阻止する狙いもあります
5時間後の禁止エリアに遺跡ダンジョンがあるF-7そのものと、あと一つを指定すれば、ほぼ完璧かと

696 : ◆iDqvc5TpTI :2011/09/12(月) 15:57:02.80 ID:Oeodgz6o
ただ、もし、この私の案に沿って、禁止エリアを設置する場合、逃げ場がほぼない以上、決着を急いてしまう、詰め込ませてしまう形になります
A-6からC-6の縦3つ、A-7からD-7の縦4つのエリアで、合計7エリア使える以上、広さ的には問題ないと思いますが
北方向に一時撤退は可能なれど、それ以外の移動はほぼ不可能です
地下を移動できるフィガロ城も、現在地がD-6なので、禁止エリアに含まれてますし
終盤といえど、物語の展開を大きく縛ったり、何らかのエリアに絡んだネタを潰してしまう危険性があります
とはいえ、残る書き手の方々の総意が、カエル達の奇襲からなる大決戦を最終決戦とする方向性なら問題ないのですが

ですので、こうして、ここで、他の方々の意見を聞きたいと思い、発議させて頂きました

697 : ◆iDqvc5TpTI :2011/09/12(月) 16:01:22.46 ID:Oeodgz6o
一応、首輪解除に関しましては、この禁止エリアが採用された場合でも、即座に解除不能にはならないので、希望は残ります
巨大感応石の破壊以外にも、マリアベルorルッカの記憶と魔剣を用いての解除も可能ですし、アキラのサイキックによる干渉という手も示唆されています
また、首輪が解除されているゴゴが、単身、遺跡に乗り込むことも可能です

もちろん、他の方法を試みる書き手さんもいるかもしれませんし、そもそも、首輪解除が不要な優勝エンドや全滅エンドなどに進むのもありです
ですので、首輪に関しましてはひとまず、禁止エリア設定に関して、気にせずとも大丈夫かと

698 : ◆iDqvc5TpTI :2011/09/12(月) 16:02:25.26 ID:Oeodgz6o
少々、長くなりましたが、以上が禁止エリアにつきましての、私個人の意見です
それでは、ご意見、ご指摘、お願いいたします

699 :創る名無しに見る名無し:2011/09/12(月) 16:03:55.60 ID:II64nsGB
意見来たな
宣伝上げ

700 :創る名無しに見る名無し:2011/09/12(月) 21:16:25.32 ID:5BID93Bf
今から他のエリアに移動して話が発散するのは
話が間延びしてしまいそうですし、
決着に向けて加速する方向性は妥当だと思います。

5時間後には遺跡が立ち入り禁止になるというのも、
反主催にとっては制限時間が設定されることになり、面白い仕掛けだと思います。

1つだけ希望を言わせていただくとすれば、
1hまたは3hの禁止区域としてC7を検討していただきたかったです。
一定の時間後にC7に残っている人間は死ぬ、というのは
これまでにない戦術や展開につながるのではないかという期待があります。


私はただ読ませていただいている身ですので
本来あれこれ言うべきではないかもしれませんが、
ご参考になる部分があれば、役立てていただければ幸いです。

701 :創る名無しに見る名無し:2011/09/12(月) 21:28:17.48 ID:Kswnn5gT
もう終盤ですし、おっしゃる通りキャラがほぼ終結しているため、禁止エリアによって話を加速させてよいと思います。
特に異論もなく、iD氏のご意見に賛成です。

702 :創る名無しに見る名無し:2011/09/13(火) 00:13:46.58 ID:SK112O4K
もういっそのこと、A-7からF-7以外をすべて禁止とかでも面白いかもw

703 :創る名無しに見る名無し:2011/09/13(火) 00:41:20.22 ID:IaL0TtOh
>>702
そして不死鳥のごとく復活したロドブレにA-7からF-7へとバニシングバスターをもう一度撃ってもらう
そうすれば後は……解るな?

ってのが思い浮かんだ

704 : ◆iDqvc5TpTI :2011/09/14(水) 04:15:13.67 ID:WodNeD3f
皆様、ご意見ありがとうございます
概ね同意していただけたということで、それなら、禁止エリアによる物語の加速方向で行かせてもらいたいと思います
また、
>>700
氏の意見ですが、同じ事を私も一度は考えました
その時は、先の展開をあまりにも縛りすぎる・急かし過ぎると思い、没にしたのですが
氏の言うように、逆に、物語の幅を広げるというふうにも考えられるのですね

それでは、せっかくのご意見でもありますし、採用させていただいて

1時間目にC-6、C-7
3時間目にD-5、B-8
5時間目にA-8、F-7(遺跡)
というのはいかがでしょうか?

まず1時間目に斜め移動以外の南方面への退路をブロック
更には後1時間でC-7から退避するなり、一時間後にはC-7に押し込んで殺すなりの戦術が解禁されます
次の3時間目の禁止エリアで、斜め移動も不可になり、完全に南退路は絶たれます
北はまだA-8方面が開いていますが、そこまで逃げるのには距離的に時間が足りないでしょうし、あまり心配せずともよろしいかと
そして最後の5時間目で、その北の退路も絶たれ、遺跡も禁止エリアと化します
首輪解除をしていないメンバーにとっては完全な囲いが完成します

どうでしょうか?

705 :創る名無しに見る名無し:2011/09/14(水) 04:16:53.59 ID:WodNeD3f
>>703
そして何故か炎を反射されたウボアーされてしまうロドブレさんが綺麗に想像できてしまいましたw

706 :創る名無しに見る名無し:2011/09/14(水) 07:44:39.04 ID:F7r08Qxa
この方向でいくなら
1時間目にD-6、C-7
3時間目にE-7、A-8
5時間目にB-8、F-7(遺跡) を提案します。

>>704の案だとD6/E6間が空いてこの禁止エリアの目的である参加者の囲い込みがなくなってしまうので。
これだと1時間で北部がほぼ死ぬのでA8B8の禁止エリアを作る意味も減りますが、
それが不味いのであれば最初からC7は空けておいた方がよいとおもいます。

御一考いただければ。

707 : ◆iDqvc5TpTI :2011/09/14(水) 13:54:44.14 ID:WodNeD3f
>>706
ご指摘感謝します
危惧されたとおり、D6/E6間が開いてしまってますが、私の方の間違いでした
正しくは、氏の言うように、1時間目にD-6、C-7のつもりでした
混乱させてしまい申し訳ありません

708 : ◆iDqvc5TpTI :2011/09/14(水) 14:02:30.20 ID:WodNeD3f
と、重ね重ねすみません
>>700
氏の意見を私の方で読み違えておりました
“C-7を禁止エリアにしてみれば?”とのことですが、“D-7を禁止エリアにしてみれば”とばかり思い込んでいました
D-7はともかく、ほぼ全参加者が残っていると言っても過言ではないC-7を禁止エリアにしてしまうのは、残存面子が禁止エリアから逃れるために別方向に散開してしまう危険性があります
そうなれば、せっかくの囲い込みの意味がなくなってしまいかねません

709 : ◆iDqvc5TpTI :2011/09/14(水) 14:13:43.56 ID:WodNeD3f
そこで、
>>706
氏の意見も取り入れた上で、

1時間目にD-6、D-7
3時間目にD-5、A-8
5時間目にB-8、F-7(遺跡)

でどうでしょうか?
これなら、現状セッツァー組み以外がD-7或いはD-7すれすれの位置で戦っている以上、禁止エリアを念頭に入れた戦術や展開にももっていけます
もちろん、禁止エリアを念頭に入れるとせわしなくなるというのなら、スルーして皆で北上させればよいのですし
書き手諸氏の選択に任せられます
そして三時間後には、南方面の斜め移動も封じられ、北もひとまず閉鎖
5時間後に北と遺跡も完全閉鎖されます
いかがでしょうか?

710 :創る名無しに見る名無し:2011/09/14(水) 20:17:33.85 ID:F7r08Qxa
いいんじゃないでしょうか。

711 :創る名無しに見る名無し:2011/09/14(水) 20:17:51.79 ID:YIKWZIPl
個人的には、C7禁止も駆け引きが生まれそうでいいかと思ったのですが、
D7でも十分効果が狙えそうですね。
>>709で提示していただいている案に賛成します。

北に逃れるか、南の遺跡を攻めるか。
残って戦うか、安全をとって早く逃げるのか。
禁止エリアをどう戦術に組み込むのか、あるいは組み込まないのか。
色々な選択の余地が生まれると思います。


全員の首輪解除のためにはメンバーの分断が許されない対主催、
最後の一人になるためには対主催と別サイドに逃れるわけにはいかないマーダー。
戦闘能力では他のマーダーに劣るセッツァーやジョウイの動きも変わってくるでしょうし、
色々と妄想が止まりませんw

712 :創る名無しに見る名無し:2011/09/15(木) 05:35:51.29 ID:9gRcbR8C
あと87KBか……
まだ結構残ってるけど、どうしようか?

713 :創る名無しに見る名無し:2011/09/15(木) 07:04:56.07 ID:bOT+OnKF
キャラ語りとか死者語りはどう?
感想と変わらないかもしれないけど。

714 : ◆iDqvc5TpTI :2011/09/15(木) 12:07:23.90 ID:JUW3lX67
それでは多くの賛成を得られたので、禁止エリアは

1時間目にD-6、D-7
3時間目にD-5、A-8
5時間目にB-8、F-7(遺跡)

で決定させていただきます
ご協力、ご意見、ありがとうございました

尚、スレ容量がまだ結構残っているとのことなので、その一部は、今回の放送の“仮投下”に使用させていただいてもよろしいでしょうか?
内容に問題ないとは思うのですが、オディオの本拠地や地下に埋まっているラヴォス(仮)の正体など、設定しますので


715 :創る名無しに見る名無し:2011/09/15(木) 13:00:49.73 ID:Sywa2lFi
どうぞ。

716 :創る名無しに見る名無し:2011/09/15(木) 13:21:57.13 ID:bOT+OnKF
>>714
いいと思います。楽しみにしてますー。

717 :第五回放送  ◆iDqvc5TpTI :2011/09/19(月) 07:25:18.97 ID:rRFoNWzE
おまたせしました、仮投下します

718 :第五回放送  ◆iDqvc5TpTI :2011/09/19(月) 07:29:34.36 ID:rRFoNWzE
ロマリア空中城。
それはかつてロマリア王ガイデルが居城としていた名前の通りの空に浮かぶ城であった。
愚王の引き起こした"大災害"と呼ばれる世界の崩壊に際してさえ、かの城は天空にて威容を誇り続けた。
噴火によりどれだけ街が焼き払われようとも。
地割れによりどれだけ大地が引き裂かれようとも。
大津波によってどれだけ人の命が呑み込まれようとも。
大空に座すロマリア空中城を揺るがすことはなかった。
自分一人だけ安全な場所にいて、多くの命を弄んだガイデルにはまさしくお似合いの居城だったろう。

そのガイデルはもういない。
一時は世界を掌中に治めかけた身の程知らずの王は、自らが復活させた闇黒の支配者に用済みとされ消し飛ばされた。
そして、闇黒の支配者もまた、勇者アークと聖母ククルの命を賭けた封印により、新たな聖柩へと葬り去られた。
かくて主人を失った空中城は、哀れ、地に堕ち、天より降り注ぐ涙雨により生じた湖底で眠りに着くこととなる……はずだった。

そうはならなかった。
二度にわたり主を失ったはずの天空城は、三度、主を得て新たな姿で蘇った。
ロマリア王、人間の王に続く三人目の主人が冠せし称号は、魔王。
言うまでもない、魔王オディオこそが、今の空中城の主であった。

何もオディオはガイデルのように、城にある聖柩に封印された闇黒の支配者の力を求めていたわけではない。
どころか、新たな聖柩代わりの勇者の剣だけは、元の世界に残して来た。
オディオの手にかかれば封印を解くことは叶わずとも、封印の剣に干渉し呼び寄せることはできただろう。
それを欲深き人間に支給すれば、いつかは封印が解かれることも目に見えていた。
しかしながら、オディオは知っていた。
自らが手をくださずとも、後の世に闇黒の支配者が復活することを。
なればこそ、広くアーク達の後の世に、人間達の愚かさを知らしめるためにも剣は置いてきたほうがいい。
首輪に暗黒の支配者の力を用いはしたが、あれはあくまで敗者の力にて勝者達の命を握ることにこそ意味があったに過ぎないのだ。

オディオが欲したのは単に、空中城そのものだった。
空中城の機能は、殺し合いを運営するにおいてこれ以上なく都合のいいものだった。
現在、この殺し合いに幕を引き得る戦いを見届けんとC-7直上に移動させたように、何処へも空中城は移動できる。
また、空高く聳えるというその性質から、人間達の殺し合いに巻き込まれることも、余波を受けることもほぼ皆無だ。
人間に希望を抱き、反抗を企てる者達に、不用意に発見される可能性も殆ど無い。
フェイクとして、不自然な地下施設を、幾つも用意したのも、全ては空より注意を逸らすためだ。
無論、時として強大な力や、運命の女神の気まぐれにより、空中城が攻撃や視線に晒されることもあるだろう。
だが、そんな僅かな希望さえも、オディオという存在がこの城に君臨する限り起こりようがない。
時空を操る魔王は、空中城の位相をずらし、通常空間とは少しだけずれた世界へと潜伏させているのだ。
ただ、あまりにもずらし過ぎると、感応石による送受信に不備が発生するため、ずらしている位相はほんの僅かだが。
外界からの影響と外界への影響を遮断するにはそれで十分だった。
空中城は文字通り見ることも触れることもできないステルス性を得て生まれ変わったのだ。

719 :第五回放送  ◆iDqvc5TpTI :2011/09/19(月) 07:30:21.75 ID:rRFoNWzE


ああ、けれども。
いかに外からは見ることも触れることもできない城であっても。
その“雷”の輝きから主を護ることは不可能だった。
“破壊”ならぬ“いのり”から、主を護ることは不可能だった。
あらゆる災厄から逃れたいという臆病な願いから生み出された城は。
皮肉にも、天空にあったが故に、主を誰よりも間近に“雷”へと晒してしまった。

“雷”が、オディオを貫く。

所詮それは、イメージにしか過ぎない。
空間をずらしている以上、どれだけオディオが“雷”に貫かれたように見えても、実際は紙一重さえ触れてはいない。
オディオも、空中城も、“雷”に貫かれる前と何一つ変わることなく、そこにあり続けた。
表面上は。表面上、だけは。

「……それが、君の答えか。“勇者”ユーリル」

“雷”は、届いていた。
“雷”そのものは届かざるとも、その輝きは、確かにオディオの瞳に焼き付いていた。

オディオの瞳、昏く淀んでいた瞳に、一瞬だけ、否、一瞬でも確かに、光が宿る。

「“誰か”ではなく、“人”も“魔”も、“誰も”を“救う”。
 “敗者”でも“勝者”でもなく、ただ“救う”者。
 それが君にとっての“勇者”か」

“勇者”の命の答えを、拒むでもなく、羨むでもなく、憎むでもなく。
“魔王”たるはずのオディオが純然と受け入れていた。
懐かしい記憶を呼び起こすその輝きを、美しいとさえ感じていた。

「認めよう、君の出した答えを。君が掲げた“いのり”を」

それはオディオがユーリルに望んでいた答えとは程遠いものであれども。
あるはずのない、受け入れていいはずのない“救い”を、自身の模造にとはいえもたらしたものではあれども。

それでも、それでもオディオは肯定した。
心から、“勇者”ユーリルの在り方も、また一つの在り方だったと肯定した。


何故ならば、何故ならば。


“勇者”ユーリルも今や“敗者”だからだ。
“いのり”を成就させることなく、オディオを救えずに死んでいった“敗者”だからだ。

故にこそ、オディオはユーリルの“いのり”を受け入れた。
敗者の王として、“敗者”の言葉を受け入れた。

敗者はかえりみられなければならない。

720 :第五回放送  ◆iDqvc5TpTI :2011/09/19(月) 07:30:39.85 ID:rRFoNWzE
オディオは思い出す、“勇者”ユーリルの“雷”の輝きを目にし、連想した、二人の人間を。
この殺し合いよりもずっとずっと昔の、オディオがまだオルステッドだった頃に看取った二人の敗者を。

“勇者”ハッシュ。
“僧侶”ウラヌス。
人間の愚かさを十分に知りながらも、それでも、最後まで人間を信じようとした存在。
信じて、信じて、信じて、信じようとして、信じたかったのに、利用され、裏切られ、朽ちた者達。
今でも、彼らのことは覚えている。
強く、強く、この胸に刻んでいる。
殺し合いの始まりを告げた場にて、オディオに攻撃してきたわけでもない“僧侶”クリフトを殺したのも、感傷故ではないとは言い切れない程に。

「あなた達は、正しかった……」

ハッシュ達が痛感したように、人間は余りにも弱い。
信じるものに縋らなければ、人は誰かを護ることはできない。
そして、信じて尚、誰も“救えなかった”ならば。
信じて尚、裏切られたならば。
人はその時、“魔王”となる。
果てしない“憎しみ”のままに、満たされることなく、自分さえ救えぬ者となる。
そのあり方はまさに、ユーリルが説いた、“救う”者たる“勇者”の対たる存在そのものではないか。
そして、ハッシュやウラヌス、ユーリルを肯定したように。

「お前達もまた、間違ってはいなかった……」

最後まで仲間を信じ抜いた“最たる勝者だった”男達のことも。
愛ゆえに誰かを勝者にしようとし手を汚した女達のことも。
人間に幻想を抱き続けた人ならぬ者達のことも。
欲望のままに生き、再び敗れ去った敗者達のことも。

自身が掲げる“いのり”のままに、魔王オディオは全ての“敗者”を肯定する。

お前たちは間違っていなかったのだと。
この世に間違いがあるとすれば、それはお前たち敗者をかえりみない者達――即ち人間なのだと。

さあ、此度も刻みつけよう、お前達、敗者の存在を。
己の勝利に酔いしれ、時には他者の勝利さえ我がものとし、果てしなく欲望を抱いていく人間達に!







721 :第五回放送  ◆iDqvc5TpTI :2011/09/19(月) 07:31:37.38 ID:rRFoNWzE
「……時間だ」

手にした感応石に思念を込める。
小ぶりな感応石は、空中城に安置した巨大感応石に共鳴。
更に遺跡ダンジョン地下71階へと設置された、もう一つの巨大感応石と連動。
島中へと、オディオの声を拡散させていく。

「諸君達の中には、放送どころではない者もいよう。
 既に誰が死に、誰が生き残っているかを正確に認識している者もいよう」

そして島中の全ての者へと声を至らせられるということは、転じて島中の全てを見聞きできるということだ。
こうして放送を手がけている間にも、玉座の間に幾枚も設置された大鏡に、生き残った者達の姿が転写されている。
闇の王が哀れなガイデルに声を届けるために使っていた媒介を模した大鏡が、今はオディオに、参加者たちの声と姿を届けていた。

だからこそ、オディオとて理解している。
この放送の半分以上は、意味を成さないものだということを。

カエル達の襲撃に始まったこの島最後やも知れぬ大戦。
剣を手にし、魔法を唱えながら駆け抜ける者達には、放送どころではない者もいるであろう。
或いはもはや、放送など、聞くまでもなく、此度の死者を把握している者さえもいる。
それでも

「されど心して耳にせよ」

オディオは言う、心して、耳にせよ、と。

「禁止エリアの発表からだ。
 7:00よりD-6、D-7
 9:00よりD-5、A-8 
 11:00よりB-8、F-7
 ここまでだ」

それは彼ら“勝者”達の命を縛る禁止エリアについてのことか。
違う、言うまでもない。
禁止エリアなど、所詮はオディオにとっておまけに過ぎない。
そのようなもので追い詰めずとも、愚かな人間達は己が欲望の為に殺し合ったはずだ。
人間達の遭遇率を高める為だというのなら、初めからもっと小さな島で殺し合いを開催すればよかった。

禁止エリアを設定した真の目的は一つ。
驕れる勝者達に、否が応でも放送を聞かせ、敗者たちの存在を知らしめるためだ。

722 :第五回放送  ◆iDqvc5TpTI :2011/09/19(月) 07:31:54.26 ID:rRFoNWzE
「続いて此度の死者達の名だ。
 アシュレー・ウィンチェスター。
 ユーリル。
 マリアベル・アーミテッィジ。
 ――彼ら三名が新たなる敗者だ」

勝者達は敗者たちの存在を思い知らされることで、人が、己が、欲望のままに他人を殺す存在だと知らしめる。

「彼らの名を聞き、たったの三人だけかと思った者はおらぬだろう。
 その一人一人が、大きな意味を持つ者達であったことを、諸君達は知っていよう。
 それでいい。
 敗者はかえりみられなければならない。
 彼らはお前達の成り得た姿だ。
 そして明日の姿でもあり得る。
 お前達勝者とて、彼ら敗者同様、自らの欲望のままに、感情のままに生きているに過ぎない!
 お前達と彼らとの違いはただ一つ!
 お前達が勝ち、彼らが敗れた、それだけだ!」

同時に、自分が殺した者達を、誰かに殺された者達をかえりみさせる。
それこそが、放送の意味!

「なればこそ、勝者達よ!
 敗者たることを否定せし者達よ!
 勝者たり続けて見せろ。最後の勝者になって見せよ。
 自らの願いこそ、あらゆる敗者達を押しのけてでも叶えるにたるものだと証明してみせよ!」


723 :第五回放送  ◆iDqvc5TpTI :2011/09/19(月) 07:32:59.19 ID:rRFoNWzE
そして真なる勝者たらんとしている者達が感知した2つの存在――“ラヴォス”と“メイメイ”。
彼女達もまた、死者をかえりみる為にオディオが呼び寄せたのだ。

ラヴォス。
この島の遥か地下、背塔螺旋の伸び行く先に、泥のガーディアンの代わりとばかりに星の核に根を下ろさせし存在。
かのものは、正確に言うならば、ラヴォスであってラヴォスでない。
ラヴォスと呼ばれクロノ達と対峙した鉱物生命体は、いずれ時の復讐者に成り得る未来があることから、闇黒の支配者同様、手出し無用と判断。
ならばと自らの力で復讐するには足りないラヴォスの幼体――プチラヴォス、プチラヴォスR達の怨霊を召喚。
クロノ達に敗れ去ったかの者達の憎しみを核に、新たな成体のラヴォスとして束ね、新生させたのだ。
無論、この新たなるラヴォスは、生まれたてが故に、クロノ達が戦った個体に比べて、数段階弱い。
ラヴォスの最大の特徴たる星への寄生及び、生物の遺伝子を収集しての進化を未経験なのだから、仕方がない話だ。
しかし、その欠点すらも、オディオからすれば喜ばしいことだった。
何故ならば、白紙の存在であるが故に、この新たなるラヴォスは、純粋にこの島での殺し合いの記憶のみを刻んだ存在へと進化させられるからだ。
そう、オディオがラヴォスに望んだのは、かの者が持ちし、あらゆる生命を記憶するというその性質。
加えて、魔王ジャキの姉サラを取り込み、夢喰いへと進化することで見せた、負の感情との融合という新たな可能性。
それらに目をつけたオディオは、この殺し合いが始まって以来のありとあらゆる記憶をラヴォスに喰らわせた。
星を喰らわせるでもなく、夢を喰らわせるでもなく、時を喰らわせるでもなく、敗者達の死を喰らわせ続けた。
勝者達が戦えば、戦うほど、彼らの生体データや遺伝子、時間と努力を費やして得た剣技や技、知識や想像力をラヴォスは学んだ。
敗者達が生まれれば生まれるほど、彼らの憎悪や絶望、恨み、悲しみ、怒りに未練や無念といった負の感情をラヴォスは吸収していった。
結果、今や新たなラヴォスは、この殺し合いそのものであり、新たなるオディオと言ってもいい存在へと生まれ変わった。
もしも、オディオを討たんとする者達が現れるなら、その時は、かの者――“死を喰らうもの”が立ち塞がるであろう。
時の復讐者ならぬ、敗者達の復讐者として。

とはいえ、ラヴォスは特性上、あくまでも、この殺し合いや敗者達のことを自らが進化するためのデータ、餌としか見なさない。
それらを喰らい進化したラヴォスを目にし、オディオ自身や、勝者達が、敗者たちをかえりみることはあっても、自らが敗者をかえりみるわけではない。
ラヴォスが糧とするデータ自体も、ラヴォスが必要とするものだけを選りすぐった偏りの激しいものだ。
これでは真に敗者をかえりみてるとは言いがたい。
そこで、ラヴォスと対になる存在、敗者達の能力や負の感情ではなく、想いや願いをかえりみる存在として、オディオはメイメイを招いた。
かの占い師もまた、マリアベル・アーミティッジ同様、人間に幻想を抱きし人ならざる存在だ。
だがそれ以上に、人間達の心や未来を見抜く力がありながらも、彼女はあくまでも、傍観者として徹する。
たとえその先に待つのが悲劇であっても、メイメイは止めはせず、人々の選択を善悪によらず肯定し、全てを見届けようとする。
そのあり方こそを、オディオはよしとした。
彼女以上に平等に、この殺し合いの行く末を見届けてくれる者はいないだろうと。
敗者の王たるオディオも、この殺し合いを強要した立場である以上、平等性に欠く。
とあるギャンブラー風に言うのなら、オディオはこの殺し合いの元締め、ゲームマスターだ。
皮肉にも、敗者の王は、自らが集めた勝者達に対して圧倒的に、勝利に近い位置にいる。
なればこそ、君臨する王ではなく、オディオをも含めた全ての者達を平等に見届ける存在をこそ、オディオは求めた。
事実、メイメイは、セッツァー達勝者に、敗者をかえりみさせたように、オディオが望んだ以上に、上手くやってくれている。
本人は、何をしているつもりもなく、それどころか、何もできないことを歯がゆく思っているだろうが。
契約で繋がっているオディオは知っている。
一見呑んでは寝てばかりいるメイメイが、その実、自らの力を行使して、この島で起きている全ての出来事を見通していることを。
未来を詠み、今を視る度に、呑む酒の量を増やしていっていることと、その意味を。

724 :第五回放送  ◆iDqvc5TpTI :2011/09/19(月) 07:33:20.32 ID:rRFoNWzE

「その果てに魔王を討たんとしている者達よ。
 確たる望みもなく、数多の願いを踏みつぶし、私へと至らんとする英雄達よ。
 それもまた良かろう。
 我が手により潰えるか、我が前に現れる前に殺し合いの中で力尽きるか。
 どちらにせよ思い知ることとなるのだからな。
 真の勝者は誰だったのかを!」

ならばこれ以上、オディオにとって必要なものはない。
No more Bet,It's a showdownとはよく言ったものだ。
たとえ首輪を解除した者がいようとも。
これから後に更に現れようとも。
オディオはただ待ち続けるだけだ。
人形を侍らせ、復讐者を共とし、傍観者に見届けられる中、全ての答えが彼の眼前に示されるその時を。





※オディオの居城は墜落したロマリア空中城@アークザラッド2をオディオの力により改修したものです。
 現状では、遺跡ダンジョン地下71階にある感応石と連動する巨大感応石を搭載していることや、
 最深部のガイデルのいた場所がOPENINGでの玉座の間に改修されていることが確定しています。
 他にも、幾つかの変更点、追加点があるかもしれません。お任せします。
 現在は、C-7上空に待機しています。
 オディオの空間操作能力で、触れることも触ることも不可能ですが、メイメイさんの店のように強力に隔離されているわけではありません。

※カエルが察知した存在は、クロノ達に敗れたプチラヴォス達を進化・融合させて生み出された新たなるラヴォス“死を喰らうもの”でした。
 本文中にて、クロノ達が戦った個体よりかは劣ると記述しましたが、それは誕生時点でのことです。
 強者達の戦いの記憶と遺伝子を収集し、敗者達の憎悪をはじめとした負の感情を吸収した今、かなりの力を持つと思われます。
 ロザリーが垣間見た心のダンジョンは、“死を喰らうもの”の存在する空間か、なんらかの関係があると思われます。
 姿形能力など、細かい点を含め、後々の書き手の方々にお任せします。
 ただし、“死を喰らうもの”は“時を喰らうもの”@クロノ・クロスとは別個体であり、
 オディオが自らやこの殺し合いに関係しない思念が混ざることを望まなかったころもあり、時間と次元を超越する能力は備えておりません。

※メイメイさん@サモンナイト3はあくまでも、傍観者としてオディオは召喚しました。
 オディオは彼女を自身の戦力としては絶対に扱いません。

725 :第五回放送  ◆iDqvc5TpTI :2011/09/19(月) 07:35:23.04 ID:rRFoNWzE
以上、仮投下終了です
オディオの居城やラヴォスこと、“死を喰らうもの”など、ご指摘・ご判断よろしくお願いします

726 :創る名無しに見る名無し:2011/09/19(月) 12:20:12.62 ID:VTs6f+VU
仮投下おつです。問題ないと思います。
後は個人的な意見ですが、メイメイさんの店にあった日記について一言あればよかったかなあと。

727 :創る名無しに見る名無し:2011/09/19(月) 20:36:25.58 ID:L/zUjc/g
仮投下乙でした!

なるほど、空中城でしたか…
アーク2からはマーダーが出ていない代わりに
ラスダンが提供されたわけですね。
設定として面白いし、主催者の居城として申し分ないと思います。

話全体としても、数々のイレギュラーな要素を説明しつつ、
物語の新しい展開も見せていると思いました。

気になる点があるとしたら、
最後のコメントで、ロザリーが垣間見た風景と
死を喰らうものの関係がほのめかされていますが、
これは本文中で説明されるべき内容かなと思いました。

ロザリーが見た風景が何なのかも作品中では明言されていないことですし、
次回以降の展開や設定を本編の外から制限する形になってしまっているかなと感じます。
この設定自体は暗黙の確定事項のようになっていると思いますので、
いっそ今回の話でラヴォスの所在=心のダンジョン=ロザリーが見た風景
と確定させてもよいと思います。

728 :創る名無しに見る名無し:2011/09/20(火) 08:02:23.37 ID:fRLTGSr0
仮投下乙でした。
おそらく問題はないかと。
放送で読み上げられたマリアベルの名前が間違っていますので、そこだけ指摘させていただきます。

729 :第五回放送  ◆iDqvc5TpTI :2011/09/20(火) 20:16:52.13 ID:O9bxpoLm
様々なご指摘・ご意見、ありがとうございます
マリアベルの名前に関しましては、完全に私の方のミスです
マリアベル・アーミテッィジ→マリアベル・アーミティッジと修正しておきます

また、日記に付きましては、下手に触れると内容を縛りかねないと思い、スルーさせていましたが、
オディオが置いたらしいとされている以上、確かに全く触れないのも不自然ですね
ちょうど、日記を持っていったセッツァーのことに、オディオも数度、触れていますし、
最後の部分を以下のように修正します

>No more Bet,It's a showdownとはよく言ったものだ。
たとえ首輪を解除した者がいようとも。
これから後に更に現れようとも。
オディオはただ待ち続けるだけだ。
人形を侍らせ、復讐者を共とし、傍観者に見届けられる中、全ての答えが彼の眼前に示されるその時を。

>No more Bet,It's a showdownとはよく言ったものだ。
あの日記に目をつけるだけのことはあるということか。
まあいい。
たとえ首輪を解除した者がおり、これから後に更に現れようとも。
あの日記が解錠され、陽の下に綴られし内容が晒されようとも。
オディオはただ待ち続けるだけだ。
人形を侍らせ、復讐者を共とし、傍観者に見届けられる中、全ての答えが彼の眼前に示されるその時を。

尚、ロザリーが見た風景に関しましては、“死を喰らうもの”の設定の都合上、全く触れないのも不自然かなと思い、追記させてもらいました。
ですが、この話を書く段階では、私自身に確固たるビジョンがあったわけではない為、作中で確定させてしまうのは、申し訳なく思います。
そこで、外から制限してしまう形にならないよう、最後の追記部分の方を削除する方向で行きたいと思います
ご容赦ください

では、本投下させていただきます



730 :創る名無しに見る名無し:2011/09/22(木) 00:09:03.99 ID:dXtbBGgy
放送投下されたけど、そういえば、予約解禁の日ってまだ決めてないよな

731 :創る名無しに見る名無し:2011/09/22(木) 17:35:38.12 ID:Cnt2/Lbw
放送内容は問題ないし、終盤だから予約合戦にもならんだろうし、適当に今日の日付変更から解禁でいいんじゃない?

あとこの後のスレ埋めは参戦作品単位でのキャラ語りとかどうだろうか。
数日でチェンジとかで。

732 :創る名無しに見る名無し:2011/09/23(金) 04:48:20.10 ID:SdbEjdcK
んじゃ、土日もあることだし、土曜日になる金曜24時からってことでいいかな?

参戦作品単位ってことは、一人一人追っていくんじゃなくて、作品ごとに追うってことだよね?
いいんじゃないかな
このロワ、うまい具合に均等に活躍しているイメージあるし

733 :創る名無しに見る名無し:2011/09/23(金) 23:30:15.30 ID:B9AlGnRn
特段意見もないようだし、今日の24時解禁ってことでいいんじゃないだろうか。

キャラ語りは参加者名簿の順で

【LIVE A LIVE】 
高原日勝/アキラ(田所晃)/無法松/サンダウン/レイ・クウゴ/ストレイボウ/オディ・オブライト/オディオ

【ファイナルファンタジーVI】 
ティナ・ブランフォード/エドガー・ロニ・フィガロ/マッシュ・レネ・フィガロ/シャドウ/セッツァー・ギャッビアーニ/ゴゴ/ケフカ・パラッツォ

【ドラゴンクエストIV 導かれし者たち】 
ユーリル(主人公)/アリーナ/ミネア/トルネコ/ピサロ/ロザリー/シンシア

【WILD ARMS 2nd IGNITION】 
アシュレー・ウィンチェスター/リルカ・エレニアック/ブラッド・エヴァンス/カノン/マリアベル・アーミティッジ/アナスタシア・ルン・ヴァレリア/トカ/ロードブレイザー

【幻想水滸伝II】 
リオウ(2主)/ジョウイ・アトレイド/ビクトール/ビッキー/ナナミ/ルカ・ブライト

【ファイアーエムブレム 烈火の剣】 
リン(リンディス)/ヘクトル/フロリーナ/ジャファル/ニノ

【アークザラッドU】 
エルク/リーザ/シュウ/トッシュ/ちょこ

【クロノ・トリガー】 
クロノ/ルッカ/カエル/エイラ/魔王/死を喰らうもの

【サモンナイト3】
アティ(女主人公)/アリーゼ/アズリア・レヴィノス/ビジュ/イスラ・レヴィノス

にでもする?
それともオディオを最後にするのにLALを最後にするとか?

734 :創る名無しに見る名無し:2011/09/24(土) 15:11:57.61 ID:2DCq9mSt
容量にもレス数にも余裕あることだし、せっかくだから、ロワのことだけじゃなく、その原作についての思い出も一緒に語り合うのも面白いかもなw
そして順番はその名簿通りでいいんじゃないかな?
オディオは主催者だけど、全ての始まりでもあるし
トップバッターでもそれはそれでお似合いかと

735 :創る名無しに見る名無し:2011/09/25(日) 11:14:48.37 ID:Cup+Kvb6
じゃあまずトップバッターはLALで。

【LIVE A LIVE】 
高原日勝/アキラ(田所晃)/無法松/サンダウン/レイ・クウゴ/ストレイボウ/オディ・オブライト/オディオ

ストレイボウはいい青年になったな。
RPGロワに触れるまで「あの世で俺に詫び続けろ(ry)」の台詞しかしらんかったから、
こんな理知的なキャラだとは思わなかった。

736 :創る名無しに見る名無し:2011/09/25(日) 11:20:16.52 ID:HbhXPZbM
ライブアライブか
やりこみ要素が強いゲームだったから、原作で色々隠し要素探したっけ
やたら強いコイが出てきたときにはびびった
SF編はRPGっぽくないなーってこどものころ思ってたけど、今にして思えばアドベンチャーよりだったんだなあ

レイボウはここまで生き残るとは開催当初思ってなかったw
相方というか友人ポジなカエルが早々に覚悟完了してマーダー化したおかげも大きいだろな

737 :創る名無しに見る名無し:2011/09/25(日) 13:44:54.05 ID:/XBdlpnC
アキラが最近空気な気がするw
が、そうだろ松あたりが温存されてるからまだ期待できるな
ジョウイの心を読んだりとかするのも面白そうだし
ネタがないから殺されるとかそういうことはなさそうだから安心できる
そう、今は雌伏の時なのだ......ッ!

738 :創る名無しに見る名無し:2011/09/25(日) 15:39:59.52 ID:9eUBDmlN
ブリキ大王壊れちゃったからなぁ…

中世編を初めてプレイした時の衝撃は忘れられない
そのままオルステッド選んで最終編やって呆然とした思い出も
ストレイボウはロワでここまでいいキャラになるとは想像もつかなかったw

739 :創る名無しに見る名無し:2011/09/25(日) 18:33:19.08 ID:m6vRwNg/
>>737
「ざけんなよ…
 活躍なんか出来なくてもな…対主催はなれんだよ!
 なあ…そうだろ、松ッ!!」

740 :創る名無しに見る名無し:2011/09/25(日) 19:06:30.75 ID:Cup+Kvb6
>>739
それを、活躍出来ないまま死んじゃった松にいうとは…!w

741 :創る名無しに見る名無し:2011/09/25(日) 20:19:49.99 ID:DzpstImH
LALは脇役にもいいキャラ多いんだよな。
ダース伍長とか心山拳師範とか出てたら面白そうだなって思う。

742 :創る名無しに見る名無し:2011/09/25(日) 20:48:27.31 ID:vz7D8zhf
サンダウンかっこよかったなぁ。
結果は討ち死にだったけど最期の貫けっていうのはかなりしびれた。

743 :創る名無しに見る名無し:2011/09/25(日) 22:44:26.19 ID:fKulhqHK
LAL自体が群像劇だから、一人ひとりをしっかり描くこのロワに合っているんだよね
というか、LALがあったからこそ、そういうロワになったのかもしれないが

744 :創る名無しに見る名無し:2011/09/25(日) 23:28:56.87 ID:HbhXPZbM
>>738
あるあるあるあるw>そのままオディオ主人公に

伍長に珈琲渡してのあの締めはお見事
サンダウンは本当にかっこよかった
君は、間違っていないってビッキーに言うのがすごい重く響いたな

745 :創る名無しに見る名無し:2011/09/26(月) 07:27:24.01 ID:bdZlctUH
>心山拳師範
せつこそれ脇役ちゃう
功夫編の主人公や

ダース伍長はいいキャラだったよなぁ
最初はすげー嫌な奴だと思ってたけど最終的にはキューブと二正面作戦やるんだぜ
しかもベヒーモスとサシでバトって生きてたんだぜ

SF編ラストでコーヒー頼まれたシーンでちょっと寄り道して
メインコンピューターだかを覗いてクルー評価を見てしまった時のショックったらなかったぜ…

746 :創る名無しに見る名無し:2011/09/26(月) 19:08:37.72 ID:OV0co/SR
SF編は、子ども心に色々衝撃的だったな
閉鎖空間に潜む見えない犯人に、迫り来るベヒーモスに、SFな黒幕と怖がりまくった覚えが
今にして思えばアドベンチャーゲームっぽい作りだったんだな、SF編って

747 :創る名無しに見る名無し:2011/09/26(月) 21:00:03.69 ID:xCrjnWfG
LALってプレイ時間的なボリュームはあんまり無いんだけど、
ふんだんに仕込まれたネタとバラエティの豊かさですごく楽しめたよな。
思い出補正もあるんだろうけど、今でも一番好きなゲームの一つだわ

あそこまで徹底したオムニバス形式のゲームって
今でもあんまり見ないよな。
設定やゲームシステム的にLALロワができるくらい相性がいい作品だと思う。

748 :創る名無しに見る名無し:2011/09/26(月) 21:36:29.79 ID:81HNPVc6
何度もプレイしたけど、何度やってもSF編は怖かった記憶がある。
疑心暗鬼や暗い雰囲気、ベヒーモスの緊張感はRPGとは思えない出来だったな。

749 :創る名無しに見る名無し:2011/09/26(月) 22:10:42.87 ID:OV0co/SR
何度やっても楽しめるゲームだったよねw>プレイ時間的な〜、何度も〜

そしてLALロワでも主催者はオディオで、見せしめはワタナベか
あのOPは主催者もだけど、見せしめのチョイスもナイス過ぎたよなw
そりゃあLAL参加してるならやっぱりワタナベは出さなきゃだし、役割的にもぴったり過ぎたw

750 :創る名無しに見る名無し:2011/09/27(火) 00:43:00.19 ID:L+7la8o2
強いて言うなら、やられ役が父親じゃなかったのが残念かなw

アキラは弱っちいんだけど、
最後の対決前後のセリフが聞きたくて
いつも最終編の主人公に選んでたよ
このロワでも地味に活躍してて嬉しい

生き残るにせよ、リタイアするにせよ、
松の無念を晴らす熱い展開を見せて欲しいな

751 :創る名無しに見る名無し:2011/09/27(火) 00:49:17.11 ID:Z9e+VQCm
熱いといえば最初から最後まで日勝は熱かったな
脳筋コンビの一角で、後にトリオになったけど
あいつらは清涼剤とも言われただけあって、仲間の死や自身の死の時でさえ悲壮感を超えた前を向いたものだった
ラーニングも存分に活かされてたし


752 :創る名無しに見る名無し:2011/09/27(火) 18:00:22.86 ID:FvWT2msY
ライブアライブは昔から隠れた名作だとは聞いてて興味はあったたけど、実際プレイしたのはこのロワ始まってからだったな
まあ今やったら色々物足りないところもあったけど、キャラに関してはかなりガチだと思う
セリフの一つ一つから凄い拘りというか、製作者の想いを感じた

753 :創る名無しに見る名無し:2011/09/27(火) 20:21:50.94 ID:Z9e+VQCm
ロワに限ったことじゃないけど、こういうクロスオーバー二次創作はそういう手付かずのいい機会になるのももったいなくないよな

754 :創る名無しに見る名無し:2011/09/28(水) 19:41:15.00 ID:71p5vo0B
そろそろ次行くか

【ファイナルファンタジーVI】 
ティナ・ブランフォード/エドガー・ロニ・フィガロ/マッシュ・レネ・フィガロ/シャドウ/セッツァー・ギャッビアーニ/ゴゴ/ケフカ・パラッツォ

生き残りはセッツァーとゴゴか。生存者の中でもかなり重要な、しかも真逆のポジションだな。

755 :創る名無しに見る名無し:2011/09/28(水) 20:24:24.73 ID:jjGBAIOn
だな。流れも止まってたことだし>次

セツゴゴはどちらも”まさか”だったねー
セッツァーは登場話が”まさか”だったし、ゴゴは登場したこと自体と、ここまで掘り下げられて美味しくなったことが”まさか”だ

756 :創る名無しに見る名無し:2011/09/28(水) 21:32:37.02 ID:IXhtOykN
ゴゴ参加は時期的にFFDQロワの影響も大きそうだな
確かあっちで大活躍してる頃だったし

757 :創る名無しに見る名無し:2011/09/28(水) 21:46:23.57 ID:PFgMVskx
FF6は、各キャラの基本設定はハッキリしつつも
多人数にイベントが分散して他作品ほど原作でキャラが掘り下げられてないから
こういう作品では動かしやすそうだよな
6のキャラの話はどれも原作キャラのイメージが崩れず、でも生き生きと描かれてる印象

1作品から3人もマーダーが参加してて、参加者の半数がマーダーだったりするんだけど
未参加のメンツもロック、カイエン、セリス、ガウ、モグ、ウーマロ、ストラゴス、リルム
と、割と対主催にもマーダーにもできそうなキャラが意外と多い
ロック、カイエン、セッツァー、ケフカ、シャドウ、ストラゴス
とかして全員マーダーみたいな妄想もしてみたり

758 :創る名無しに見る名無し:2011/09/29(木) 08:23:26.35 ID:3OCd+w1+
>>757
マーダーなカイエンはちょっと想像できないなぁ。
他のメンツはいけそうだけど。

このロワにリルムが出ていればシャドウのスタンスにも影響を与えただろうなー。
奉仕マーダーになったらジャファルとかぶりそうだがw

759 :創る名無しに見る名無し:2011/09/29(木) 09:04:18.15 ID:TE0gqJFM
こっそりとあとをつけつつ付近の敵対者やマーダーや不審者を闇討ちして回る「ストーキング奉仕マーダー」に

760 :創る名無しに見る名無し:2011/09/29(木) 13:10:56.35 ID:iS6htpD+
>>758
夢魔にとりつかれていた状態から出して、妻子をよみがえらせるために、とか?
いっそのこと、ゴゴ、ウーマロ、ガウ、モグという訳のわからない面子というのはどうだろ!?
……まあ有り得ないだろけどw

ロワ内でもシャドウはちょくちょく置いてきた家族のこと思い出してたよな
それもあってのあの切なくも美しいラストだったんだろけど

761 :創る名無しに見る名無し:2011/09/29(木) 21:19:33.79 ID:YgGjnTk/
楽しいことと派手なことが大好き、自由人ギャンブラーセッツァー!
みたいなイメージだったんだけど、すげーダークなキャラになったよな
このロワを楽しんでるのは、主催者も含めてこいつだけだよな

762 :創る名無しに見る名無し:2011/09/30(金) 08:10:38.46 ID:3NoIPGWf
マッシュたちが繋げた命が、最近の投下で報われる、救われる形になってくれたのは嬉しかったなぁ。
序盤退場のティナにあんな形で出番が回ってきたのには驚いた。
ティナおかあさんの辺りはほんと泣きそうだったわ。

763 :創る名無しに見る名無し:2011/09/30(金) 19:13:02.47 ID:YHtrbCz3
セッツァー登場話はほんと、衝撃的だったよな…
夢を取り戻したからこそ殺し合いに乗っちまうとは…

ティナは登場話退場だったんだけど、シャドウやゴゴに思い出してもらったり魔石拾ってもらったりして
その果てに幻獣召喚やモノマネによるアルテマ四連、アシュレーのメインウェポン化と出番多かったよな
上手いことちょことクロスできたのもあるけど、シャドウおとうさんといい、ティナお母さんといい、FFは家族面でも魅せてくれたよな

764 :創る名無しに見る名無し:2011/09/30(金) 20:18:44.62 ID:77Kbz7Yk
言われてみれば死んだFFキャラはみんな家族絡みのエピソードがあったんだな。

765 :創る名無しに見る名無し:2011/09/30(金) 20:36:06.87 ID:8yRq2cC3
たまにはケフカさんのことも思いだしてあげてください…

まあ、ケフカはケフカで原作からはありえないくらいの強敵にクラスチェンジしたけどな

766 :創る名無しに見る名無し:2011/10/01(土) 01:38:53.38 ID:33DQhnxe
たまにはというか、普通にケフカは印象深かったけどな
シンジラレナーイとかの、原作じゃむかつくばかりだったセリフがああも奥深いものになろうとは……
最後の死に様も、なんだかすごく胸に来た
あれだけうるさく暴れまわってたのに、あの切ないような虚しいような静かな死に方がああも自然とはな

767 :創る名無しに見る名無し:2011/10/01(土) 10:53:56.35 ID:tXR8jFcb
ケフカは魔導実験の失敗で精神が壊れたとか、原作的には同情の余地がある設定もあるけど
そういう所関係なくしっかりとことんまで悪役やらせてくれてたのが好印象だった。

768 :創る名無しに見る名無し:2011/10/02(日) 02:18:38.94 ID:05u6YqR8
シャドウはマーダーなんだけどかっこよかった
支給品だと魔導アーマーくらいかな、思いつくのは
トカに扱われたせいで、本編の怖さは全然なかったけどさw

769 :創る名無しに見る名無し:2011/10/02(日) 02:30:42.50 ID:Gf8V8i0w
「金次第で誰でも殺す暗殺者」と紹介されていながら
本人は相棒を見捨てた記憶や娘を置いて旅立った記憶を今も夢にみたり
「行け!世界を守れ!」とか言ってみたり結構情にあついんだよな>シャドウ
今ロワでも遺憾なく発揮されてて嬉しかった

魔導アーマーって本編ではティナが乗ってる時だけ技増えてたけど
あれは専用機か何かだったのかな

770 :創る名無しに見る名無し:2011/10/02(日) 07:41:52.66 ID:0HBwMuoX
>>769
搭乗者の魔力によって使用できる武装とできない武装があるんじゃね?
他の魔法使いキャラが乗ったらおもしろいことになったかもな。
リルカあたりだと可哀想なことになりそうだがw

771 :創る名無しに見る名無し:2011/10/02(日) 14:24:35.80 ID:Gf8V8i0w
あー成程、搭乗者の魔力スペックと連動してる可能性か
ニノとか魔王とかマリアベルが乗り回したら愉快なことになってたかもw

772 :創る名無しに見る名無し:2011/10/02(日) 16:22:09.75 ID:05u6YqR8
ちょっと見てみたかったかもw>涙目リルカ

さて、そろそろ次かな?

【ドラゴンクエストIV 導かれし者たち】 
ユーリル(主人公)/アリーナ/ミネア/トルネコ/ピサロ/ロザリー/シンシア

とかくユーリルが目立ちに目立ったが、衝撃的な登場話死亡のトルネコや、歩く死亡フラグなミネアさんなど、話題には尽きなかったなw

773 :創る名無しに見る名無し:2011/10/02(日) 17:33:50.20 ID:nSZf9HGq
なんつってもユーリルだよなw
数々の作品のキャラとの出会いと絡めて
原作の無口キャラが裏で何を考えていたのかが語られ、
クロスオーバーかつリレーの二次創作の特色を
余すところ無く発揮したキャラだった。

たいやきデインでちょっと涙ぐんだのは内緒だ。

774 :創る名無しに見る名無し:2011/10/02(日) 23:19:05.26 ID:05u6YqR8
それまではずっと無口なのに、英雄の真実を知らされた後からどんどん口数が増えていくのがオディオとも重なったよな
ユーリルがこれまで無口だったのも、口から弱音とか泣き言を吐きたくなかったからかもな
そうしたら自分の救われなさにも気付いてしまっただろうし

たい焼きはほんと、登場時からは考えられない使われ方だったよな
これはLALで語っとくべきだったかもだけどw
脳筋コンビが持ってて、クロノとトリオになって拳で語り合った後に三人で食べて
そしてただユーリルに笑顔になってほしいからとトリオ死亡話で遺されて
それが最後にはミナデインの光に……

775 :創る名無しに見る名無し:2011/10/03(月) 01:58:01.88 ID:hIiC2msc
OPのクリフトが見せしめとしての登場だったのは上手いと思ったな。
ザラキ神父はロワに出すには使いづらいけどアリーナとかのマーダー化フラグにもなりえたし。
まあ実際にはほとんどそういう意味はなかったけど、最近の放送でオディオがハッシュと重ねていたのが印象的だった。

776 :創る名無しに見る名無し:2011/10/03(月) 19:00:02.11 ID:xv9w05Np
DQの主人公って無口系だから、何故世界を救いに行くのかは行間読むしかないんだよな、本編じゃ
もちろん、子供の頃はそんな事考えずに、俺が世界を救うんだーってノリでゲームプレイしてたけど
でも、DQ4は中々勇者出てこないなと思ってて、いざ出てきたら虐殺で子どもながらにびっくりした
いっそ、ピサロへの復讐という感じでゲームしてたと思う
街の人たちの仇ーって!
だから、ピサロ側が色々明らかになろうとも、リメイク版ですんなり仲間入りした時にはまた驚いたんだけど
このロワのユーリルの心情だと納得だ

777 :創る名無しに見る名無し:2011/10/04(火) 11:23:01.63 ID:Av9pk6UL
ピサロ、今回は珍しく最後までマーダーっぽい
マーダーといえばシンシアは意外と戦績出したな

778 :創る名無しに見る名無し:2011/10/04(火) 22:54:40.55 ID:hpsku2x0
シンシアは最後が悲惨すぎたw
ジャファルとのギスギスしながらもコンビを続けるとこらへんは好きだったな

779 :創る名無しに見る名無し:2011/10/05(水) 00:46:16.40 ID:3JfaLfs6
ジャファルとシンシアは正しく清く正しい(?)マーダーコンビだったなw
マーダー同士が手を組むのは普通はあんな感じになるわそりゃw
ユーリルは話が進むごとにどんどん追い詰められて死亡話でもこれでもかと救われなさが強調されてそれなのに全部を問答無用に貫き通して救われてくれた
あのカタルシスはたまんない
まさかあれほど救われると思わなかった勇者が救われるどころか救いまくって死ぬとは
救われる話だったあれは

780 :創る名無しに見る名無し:2011/10/05(水) 00:48:07.95 ID:NEZJK3Oz
シンシア・ジャファルは馴れ合い一切なし、利害関係のみの協力という
実にマーダーらしいチームだったな
ご都合主義を感じさせない、納得のいく描写が結構好き
シンシアには最期にもうちょっと救いがあって欲しかったけどなw

781 :創る名無しに見る名無し:2011/10/05(水) 08:02:07.52 ID:b31q7DiM
死者スレでのシンシアのネタっぷりには吹いたなw
ソロってここの勇者はそっちじゃねえよw

782 :創る名無しに見る名無し:2011/10/05(水) 21:28:26.57 ID:NEZJK3Oz
DQ4はホイミンやドランといった仲間モンスターシステムの原型、
NPC、AI戦闘と作戦、馬車、一般人の参戦etc、
以後のDQシリーズの基本となるシステムが色々登場してるんだよな

俺は奇数の方が好きなドラクエが多いけど、
やっぱり4はシリーズを語る上では外せない節目のシリーズだな

そんな俺は、ミネアさんが結構活躍してくれて満足です
タロット死とかじゃなくてよかったわw

783 :創る名無しに見る名無し:2011/10/05(水) 21:36:27.19 ID:Ik28V1Dc
ミネアで思い出したが、チビッコハウスに最後にひいたタロットが一枚あるんだよな
ぶっちゃけ完全に忘れてたw

784 :創る名無しに見る名無し:2011/10/06(木) 01:03:27.72 ID:KzexyF+Z
タロット死www
まあああいう暗示的なものはそのまま忘れられてもいいと
もしかしたらもう死んじゃったミネアさん自身の死を暗示するデスとかかもだし
そしてAI戦闘か
上でも言われてるザラキ神父はその象徴だよなーw

785 :創る名無しに見る名無し:2011/10/06(木) 03:19:39.23 ID:7zpneQtn
正直言って、DQが4に決まったのは意外だったな
5か6辺りが通るかと思ってたんだが

786 :創る名無しに見る名無し:2011/10/06(木) 21:14:50.71 ID:3gnV+Xrh
4はラスボスのピサロが人間臭いし、
こういう話には向いてていいと思うよ
他のドラクエにはあんまりマーダーな感じのキャラがいないしね

序盤から出番があったり、やたら人間臭かったり、
ドラクエでは珍しいタイプの敵キャラだよね、ピサロ

787 :創る名無しに見る名無し:2011/10/06(木) 21:41:36.87 ID:1K0TsxxX
そろそろ次行こうか

【WILD ARMS 2nd IGNITION】 
アシュレー・ウィンチェスター/リルカ・エレニアック/ブラッド・エヴァンス/カノン/マリアベル・アーミティッジ/アナスタシア・ルン・ヴァレリア/トカ

書き手全員に愛されてると言っても過言ではない作品だと思うw
メンバー全員見せ場もあるし早期退場者も活躍しまくってるとかすげえよw

788 :創る名無しに見る名無し:2011/10/07(金) 05:21:05.23 ID:ZNRlwIVq
WAはWAロワあればなーって言われるくらいにシリーズ単体としても根強い人気誇っているからな
かく言う俺もここの住人やっている原因の一つはWAが参戦していたからだし

何気に一話退場はいないんだな、WA2w
リルカは二話退場だけどすごく目立ったからな、夜空で
そして夜空でもだけど、流石にWA2なだけあって、変身しまくりだよなw
アシュレーは言わずもがな、リルカやロードブレイザーまでアクセスしてるしw

789 :創る名無しに見る名無し:2011/10/07(金) 21:42:52.79 ID:27aPaiaB
>>788
数年前にWAロワってスレ立てされたんだよな。
人が集まらなくて開催すらできなかったみたいだが。

WAキャラは派手な展開が多いね。
原作通りの熱さが伝わってくるSSが多い。

790 :創る名無しに見る名無し:2011/10/07(金) 22:05:07.20 ID:PZhwzh4Q
うわ懐かしい、そのスレROMってたわw>WAロワ

791 :創る名無しに見る名無し:2011/10/07(金) 22:16:12.79 ID:ZNRlwIVq
シリーズ内投票で2が当選したのは人気的にも妥当ではあるけど、やっぱりLALというかオディオを意識した結果かな?
見事、アナスタシアがユーリルに絡んだり、オディオがアシュレーと邂逅したりしたね

792 :創る名無しに見る名無し:2011/10/07(金) 23:15:11.71 ID:4HjT4JZM
どのキャラクターも再現度が高く、
びっくりドッキリもあって、しかもそれでなお原作のイメージが崩れてなかった。
WA愛を感じずにはいられないな。

ヒーロー、アンチヒーローみたいなのがデカいテーマと
勇者盛りだくさんのRPGロワの相性も良かったと思う

オデッサや黒幕兄妹が参戦していたら…とかも面白そう。
アンテノーラとロザリーとか、ジュデッカVSサンダウンとか、
アーヴィングの暗躍とか見てみたい。

793 :創る名無しに見る名無し:2011/10/08(土) 00:16:58.88 ID:mqC/RvTa
1人省られたティムが可哀想で
いや、殺し合いなんかには呼ばれない方がいいんだけどw

794 :創る名無しに見る名無し:2011/10/08(土) 15:08:21.30 ID:t3zgjoPG
おもらしとか不自然に服を破かれて女装させられる展開しか想像できませんが、何か。

795 :創る名無しに見る名無し:2011/10/08(土) 15:10:37.30 ID:2NDREyYT
加えてトカに投票で負けての省かれというのが更にかわいそうw
いやトカはWA屈指の人気キャラだけどさw

魔導アーマーでのりのりで、でも踏んだり蹴ったりでボコられたけど
首輪解析じゃ大活躍でトッシュにまさかとツッコまれてたなw

796 :創る名無しに見る名無し:2011/10/08(土) 21:08:19.90 ID:fYY8e6AI
リザード星人がオデッサからの唯一の参戦なんだよなw
あのアクの強いキャラが死ぬとことか想像できなかったが、ロワは非情だね。

797 :創る名無しに見る名無し:2011/10/09(日) 05:05:14.51 ID:HMMDlbq1
だからこそ、あの死に方はその手があったかと思った
普通には死なないよな、トカ
オデッサはオデッサで結構いいキャラ多いから出てたら楽しかったかも

798 :創る名無しに見る名無し:2011/10/10(月) 05:10:49.23 ID:n4hllJZp
死んで初めて気づくマリアベルの縁の下の力持ちぷり
人格者だったな

799 :創る名無しに見る名無し:2011/10/10(月) 16:13:59.50 ID:7hqehYjf
支給品関係で今後気になるのはやっぱアーヴィングの日記か。
内容もさることながら、セッツァーがどう使うのかも気になるな。

800 :創る名無しに見る名無し:2011/10/10(月) 21:17:25.38 ID:1BR9guNC
アーヴィングの日記は何が書いてあったのか結局明らかにされてないんだよな
ご想像にお任せします、的な

801 :創る名無しに見る名無し:2011/10/10(月) 23:54:39.35 ID:n4hllJZp
WA2原作的にも謎だからな、中身
無論全く別のことが書かれているかもだが

WA2の他の支給品といえばクレストグラフは主亡き後も絶賛活躍中だよな
アガトラはユーリルに初使用されるまで登場から長く間があったけど、流石にちょくちょく存在感出してた

802 :創る名無しに見る名無し:2011/10/11(火) 00:12:27.89 ID:1+dumtEn
フィガロ城組みことアシュレー組は文句なしに一つのメインストリームだった
英雄問題に対して家族がテーマだったとか言われてたっけ
ユーリルらを中心に神殿まわりに集まった奴らに対し、アシュレー達も別の大きな物語を編んでいた
オリジナル変身もいっぱいやってくれたけど、個人的には蒼き剣の英雄が好きだったな
後、アティ先生から剣を託されるがままじゃなくて、一緒に抜剣したのがよかった

803 :創る名無しに見る名無し:2011/10/11(火) 01:00:22.60 ID:aAfaIZwx
書き手はWA2を愛しつつも、ロワが原作の焼き増しにならないように上手くバランスとってたな

804 :創る名無しに見る名無し:2011/10/11(火) 11:00:14.93 ID:1+dumtEn
支給されるされるとは思ってたけどやっぱり支給されたな、リニアは
あれは原作でも最上位の燃えシーンだったからな

さて、そろそろ次に行くか
【幻想水滸伝II】 
リオウ(2主)/ジョウイ・アトレイド/ビクトール/ビッキー/ナナミ/ルカ・ブライト


805 :創る名無しに見る名無し:2011/10/11(火) 11:05:44.75 ID:1+dumtEn
恐らく投票において、皆が一番キャラ選択迷ったんじゃなかろうかw
参加していない奴らでもふりっくんとかシエラ様とかシュウとか他にも魅力的な奴いたからな
個人的にはリッチモンドさんが好きだった

WA同様幻水2も全員目立ったり見せ場があったな

806 :創る名無しに見る名無し:2011/10/11(火) 23:16:17.83 ID:dLKa1tVu
ルカはこのロワのMVP筆頭候補だな
こいつは自分自身だけじゃなくて、相手も輝かせる物語の華だった

807 :創る名無しに見る名無し:2011/10/12(水) 00:51:18.16 ID:tL5lrgcv
単純にキルスコア最多のマーダーだったことに加えて、暗躍とかせず表立って暴れまわったからな
その上渦潮ワープも使用して文字通り縦横無尽だった>ルカ・ブライト
一体何人の人間と激突したやら
戦いにならなかったユーリルにさえでけえ影落としたし半端じゃなかった

808 :創る名無しに見る名無し:2011/10/12(水) 01:21:19.35 ID:BdLentIk
でもビッキー以外は割と順当な結果だと思うな
メイン3人と、人気高いビクトールに、悪のカリスマルカ様で
ビッキーの代わりにフリックや電撃妖怪オババが入る可能性はあったかもってくらい

809 :創る名無しに見る名無し:2011/10/13(木) 01:30:14.78 ID:vts6MoWe
ビッキーは原作皆勤だったからな
愛着ある人多いだろうし、いっそロワでも皆勤だとなったのかも
幻想水滸外伝じゃギャグ編の中心人物でもあったしw

このロワじゃ本当に良い子だった
登場話、ガンマンコンビ死亡話、自身の死亡話、栞の話で、すっかり白い花ってイメージが付いた

810 :創る名無しに見る名無し:2011/10/13(木) 16:14:59.04 ID:f6XQaon7
ルカはあれだけ好き放題してたのにそれでも自重してたってのが凄いわ
おそらく唯一素の状態で身体能力制限受けてたキャラ

811 :創る名無しに見る名無し:2011/10/13(木) 20:23:38.04 ID:vts6MoWe
原作でも全開ルカ様とは戦えなかったからなー
俺はロワ住人しだしてから幻水2はやったほうだけど、ルカ討伐戦はびびったな
RPG的に一人のボスを数人でタコ殴りってのは普通なんだけど
それをメタなネタじゃなくて、物々しい作戦としてやった上で、しかも6人どころか18人がかりってのが
ここまでしないと倒せないのか!ってイメージを植え付けられるには十分だったわ

812 :創る名無しに見る名無し:2011/10/14(金) 19:32:00.76 ID:PXaaRAkH
ナナミは非戦闘要員ではないんだけど本編でもロワでも感性が一般人で好きだった
初めて連携攻撃時にサボられたときは流石に何やってんだとつっこんだがw

813 :創る名無しに見る名無し:2011/10/14(金) 20:37:03.19 ID:bQjwyREe
ジョウイは、どこか迷いを拭いきれてない自分を
必死に納得させようとしてる感じが上手く描写されてて、
同じステルスでもセッツァーと差別化できてていい

迷いを抱えたままでいる最後のキャラだと思うけど、
どういう答えを出して、どういう結末を迎えるのか、気になる

814 :創る名無しに見る名無し:2011/10/15(土) 16:28:17.15 ID:d597d9xm
前に星辰剣が話題なってたけど、幻水って原作的に余り目立つアイテムはないよね
このロワでも特に支給品関係は目立ってなかったな
そして支給品で思い出したが、原作でチンチロリンには苦戦したやつ多いはず!

815 :創る名無しに見る名無し:2011/10/16(日) 04:13:45.40 ID:OQBDKv9w
では次に

【ファイアーエムブレム 烈火の剣】 
リン(リンディス)/ヘクトル/フロリーナ/ジャファル/ニノ

雨の中の乱戦で一か所に集結したとき、フラグ総決算をやるかと思ったらため込んで次に持ち越した感じだよな
その分、今度出会って爆発したときの衝撃が凄まじいだろうと思う

816 :創る名無しに見る名無し:2011/10/17(月) 00:42:44.76 ID:gkfvuwkL
ニノの「見様見真似と我流で戦う術を身に付けた無学な魔道士」ってのは新鮮に感じたもんだ
FE世界において魔法って学問じゃなくて剣みたいな武器と同じなんだなと実感した思い出

817 :創る名無しに見る名無し:2011/10/17(月) 00:52:44.10 ID:Wo0Fc120
いや、FE世界の魔道もちゃんと体系化された学問の一つなんだ
ニノだけがちょっと特殊な環境で育ってしまったから、それこそ見様見真似と我流で戦わざるを得ないスタイルになってるだけでw
魔道士版知力25みたいなもんだから、クロスさせやすい部分もあるかな
初めてメラ使い出したときはかなりびっくりしたがw

818 :創る名無しに見る名無し:2011/10/17(月) 02:00:36.56 ID:idW41TdW
ニノはとんでもない才能もちなんだけど悪の義母(非人間)が人間を見下してたこともあって、ニノを使えない道具だと判断したんだよな
それでまっとうな教育させなかったという
まあ下手に才能把握されてたら暗殺の道具にされてたかもだし、不幸中の幸いかもだが
現状DQのメラ系統とWAのデュアルキャスト及びクレストグラフでかなりハイブリットだよな
マリアベルとロザリーに会えたのはいろんな意味で大きかった

819 :創る名無しに見る名無し:2011/10/17(月) 13:14:03.59 ID:/j724n3r
いやいやソーニャは全然人間を見下してないぞ
ヴァイダとかも『個人』としては評価してたし
ウルスラも気に入ってたみたいだし
見下していたのは『人形』だよ
ニノはソーニャの教育が合わなかったんでしょ

820 :創る名無しに見る名無し:2011/10/17(月) 14:34:34.36 ID:tRx5pj4A
烈火と言えば何よりも
エリウッドの紙さには泣いたのは俺だけじゃないはず

821 :創る名無しに見る名無し:2011/10/18(火) 00:05:00.07 ID:C58GfpNS
ヘクトルが斧使いのくせにすごい強かったからなー
余計に残念な感じがするんだよなー
しかも3人の中で一人だけハブられてるしw 正統派すぎるのか?


822 :創る名無しに見る名無し:2011/10/18(火) 02:52:32.74 ID:Oyk6V5Ym
そうなのかもなー>正統派
それこそヘクトルが型破り的だったから余計にそう感じるんだろけど
まあ登場していたら登場していたで一話退場という形で紙っぷり発揮してたりしてなw

823 :創る名無しに見る名無し:2011/10/19(水) 03:12:34.93 ID:6gglcWrM
フロリーナは生きている間ぱっとしなかったけど死んでからの影響はぼちぼちあったね

824 :創る名無しに見る名無し:2011/10/19(水) 22:27:16.96 ID:AutTFLDX
フロリーナは運よく残りの烈火勢になんらかの関わりがあったからね
正直、フロリーナの死はそれまで動きがほとんどなかった烈火キャラへのカンフル剤になったと思う

825 :創る名無しに見る名無し:2011/10/20(木) 03:23:56.03 ID:tGvzjKEG
参加者自体は上手いこと支援があったり、原作中で関係深い人達ばかりになったな

826 :創る名無しに見る名無し:2011/10/21(金) 22:27:23.81 ID:fXwk9GKR
そろそろ次へいきますか。

5/5【アークザラッドU】 
エルク/リーザ/シュウ/トッシュ/ちょこ

この面子だし当然かもしれないが、マーダーとなった参加者がいなかったな。

827 :創る名無しに見る名無し:2011/10/21(金) 23:19:32.75 ID:qhWD2uIH
アークは本当に反主催なキャラだけが選ばれたな
シュウとトッシュが選ばれて俺得
ゴーゲンも好きだったなー、主力では使ってなかったけど

マーダーつったら、味方でマーダー要素が強そうなのが
シャンテ、グルガ、サニアとかでみんな2だなーと思ったな

828 :創る名無しに見る名無し:2011/10/22(土) 00:44:36.21 ID:OBiwEC9p
シュウもトッシュも大きな見せ場あったよね

テレポートが便利というゲーム的な魅力もあったよな、ゴーゲン
ヂークベックとかサニアとかグルガとか登場出来なかったキャラにも美味しい奴ら多かった
アーク2は本当に名作だよ
後個人的に隠しダンジョンでもないのに普通に物語後半のザコにレベル100超えが出てきて、子どもだった俺は超驚いたw
レベル98まで育てたぞー!→え? 状態w

829 :創る名無しに見る名無し:2011/10/22(土) 08:30:17.11 ID:r6CnSaBU
>>827
マーダーなグルガって大暴れしそうだな。
見た目も相まって怖い。
遭遇したらアリーゼとか泣くぞw
まあ、グルガがアリーゼを手にかけられるとは思えないけど。

830 :創る名無しに見る名無し:2011/10/22(土) 15:09:30.05 ID:OBiwEC9p
エレナだっけ
養女と重ねそうだもんな>アリーゼ
っつうか対主催でもグルガ、怖いんじゃね?w
ふーはーっ!とか言いながら後ろから追ってきて、マーダーが振り下ろした武器を素手で粉砕とか、ビジュなら失神するぞw
最終回はきっとグルガチャージし終わるまでを他の味方が守り切る話に!

831 :創る名無しに見る名無し:2011/10/23(日) 00:10:17.36 ID:q5dYJvRG
グルガ参加してたら間違いなくネタキャラになってただろうな

832 :創る名無しに見る名無し:2011/10/23(日) 02:58:37.77 ID:0EtCTaev
むしろネタにならないぐるがなんてグルガじゃない!
……あれでいてあいつ強いんだよなー、ゲーム的にも
後RPGロワのテーマの一個が英雄だった的に結構本筋に絡めたかも?>ブラキアの英雄

833 :創る名無しに見る名無し:2011/10/23(日) 03:37:32.58 ID:11eVAAL/
素で光属性持ちだからアンデッドも一撃で倒せるんだよな
イーガみたいなフリーズ技も持ってないし

834 :創る名無しに見る名無し:2011/10/23(日) 13:32:25.93 ID:Qn61N8n8
ふんどしの人気に嫉妬。

冗談はともかくとして、残ってるアーク2関連フラグというとちょこと空中城くらいか?
アララトス遺跡があるといえばあるが、あそこはもうラヴォスと感応石が肝になっちゃったし。

835 :創る名無しに見る名無し:2011/10/23(日) 14:56:45.33 ID:0EtCTaev
そもそも残っているアーク生き残りがちょこだけだしね
チートかつ原作の人間関係がいっちゃん参加者の中じゃ薄かったから早死するかと思ってたけど
上手いことアナスタシア、ユーリル、シャドウ、アシュレー、ゴゴと広範囲に絡んだよな
最近ジョウイごしに合流して早速馴染んできてるし


836 :創る名無しに見る名無し:2011/10/23(日) 15:46:16.71 ID:I1HXmFTD
ちょこの「おとうさん」「おかあさん」呼びは反則
シャドウの時もティナの時もブワッときちまったんだぜ

837 :創る名無しに見る名無し:2011/10/23(日) 19:46:30.30 ID:pc0a/tcu
あんまり書いちゃうとアークのキャラ語りじゃなくてFFの方になっちゃいそうだからそんな突っ込まんけど
「おとうさん」も「おかあさん」もたしかに涙腺がヤバかった。
ロワ全体のテーマは勇者や英雄だけどちょこのテーマは家族や絆が全面的に押し出されてる感じだな。

838 :創る名無しに見る名無し:2011/10/23(日) 20:31:10.31 ID:0EtCTaev
城組み方面は確かに家族がメインだったり深く関係していたよな
トッシュ、アシュレー、シャドウ、ティナ
ガーディアンまで兄弟で、ゴゴでさえ家族というものに想いを馳せていたし
ルカ様ですら母や父が人格形成に深く関わっていたりとほんと、上手くかたまったものだ

ちょこは最初マスコット扱いみたいなものだったけど、ですろりイノチ移行弾けた
トッシュは安定して見せ場あったけれど、自分のやることすべてやりきって死んだイメージ
紋次斬り獲得して、ナナミ死亡らへんで嘆いていた誰も助けられないを返上して、擬似的だけど親父との決着もつけてと、まさに燃え尽きた

839 :創る名無しに見る名無し:2011/10/24(月) 00:44:29.39 ID:NNN/Rb2u
トッシュ死亡シーンは想定外の綺麗さだった。
あいつのことだから熱血死か、ジョウイみたいなのに背中から刺されるものだとばかり思っていたけれど。
想定外に静かに、それでいてかっちりはまった死に様だった。
改めて魅力的なキャラだと思ったよ、トッシュのこと。

840 :創る名無しに見る名無し:2011/10/24(月) 10:01:05.12 ID:MKeHYVcF
おまえら主人公とヒロインの事も話題にしてやれよw

841 :創る名無しに見る名無し:2011/10/24(月) 12:51:38.82 ID:r6p1lhM4
え、今からシュウの話しようとしたのだがw
疑い深さと情の厚さを併せ持った深い人物だった
ガンマンコンビはお気に入り
エルクはそれこそサンダウンさんとはいいコンビになれたかもな、サンダウンが変則的シュウポジションで

842 :創る名無しに見る名無し:2011/10/24(月) 17:09:22.57 ID:RembURK2
リーザは早々に死んじゃったのが残念だった
ロリと巨乳属性を併せ持つ素晴らしいヒロインだったのに

843 :創る名無しに見る名無し:2011/10/24(月) 19:13:50.99 ID:NNN/Rb2u
おいおいお前ら、アークザラッドの主人公ヒロインといえばアークとククルだろ!
縁の下の力持ち、回復のエキスパートじゃないか!
このロワに出たら出たで英雄問題に関わったろうなー
あいつら典型的な世界のために我が身を犠牲にだったし
あのエンディングは当時の俺には衝撃的だったぜ……

ロワ参加者にロリコンがいればよかったのか!>リーザ
冗談はともかく、トカをラヴィッシュして欲しかった気もw

844 :創る名無しに見る名無し:2011/10/24(月) 22:12:04.60 ID:LgS3sfRu
サニアは根っからのマーダー気質で相性よさそうだけど出なかったな
ま、出てたらカエルの暗黒面堕ちは見られなかったろうけど…

アークなんかも王道すぎるキャラが逆に面白かったかも
オルステッド的には思い知らせてやりたい相手No1だろ

845 :創る名無しに見る名無し:2011/10/25(火) 00:13:22.60 ID:Q1aXCiVs
ツンデレなのも美味しいけどな、サニアは
騎士とお姫様か……いいな>カエル、サニア
最近セッツァーが占い師なんざクソ食らえつってたりもしたし、意外とカードが武器同士、宿敵になっていたかもしれないな
エルクは本編じゃ無敵だったインヴィシブルが破られたのがクロスオーバーらしくてよかった
あれ、ロマスト付けて連発すると文字通り無敵になっちゃうからな

846 :創る名無しに見る名無し:2011/10/25(火) 06:06:43.02 ID:cY5JIIKn
リーザの巨乳属性は初めて聞いたな
そうだったのか

アークとかゴーゲンは今の参加者にいない感じで面白そうだな
どっちも性能がチートすぎて扱いにくいかもしれんけどw

あと、まだ誰も話題に出していないんで
ポコとイーガとチョンガラとヂークベックも名前だけ出しておきますよ

847 :創る名無しに見る名無し:2011/10/25(火) 13:02:47.38 ID:jaXpT2jK
ヂークトカコンビなんて考えるだけで頭痛…胸あつだ
けどイーガてめえだけはだめだ
たいまこーだーん

848 :創る名無しに見る名無し:2011/10/25(火) 17:53:16.55 ID:f97IXULc
>>846
あの服は巨乳じゃないとずり落ちそう

849 :創る名無しに見る名無し:2011/10/25(火) 20:59:13.45 ID:Q1aXCiVs
そうか、あの服を池ぽちゃさせたリルカあたりにでも支給させとけばry
リーザも人間の良いも悪いも両方見てきた人間だったから、長生きしてもそれなりに美味しかったかもな

850 :創る名無しに見る名無し:2011/10/26(水) 02:42:37.79 ID:E+RjpefC
アーク2は本当に名作だった
ギルド仕事よくあれだけ用意されてたものだよなー


851 :創る名無しに見る名無し:2011/10/26(水) 22:58:14.69 ID:i+VB2ciN
次いくか

【クロノ・トリガー】 
クロノ/ルッカ/カエル/エイラ/魔王/死を喰らうもの

魔王とカエルのタッグは、いわれてみれば納得のコンビだった。
今は11対2だが、がんばってほしいぜ。

852 :創る名無しに見る名無し:2011/10/27(木) 02:36:57.80 ID:lJ1j5K7g
後はクロノとサモナイ3か
1000行くのは難しそうだが、500KBの方でこのスレ落とせるかな

カエル魔王はドリームタッグだよな
何より燃えるし普通に独自の信頼もあって強い
しかしカエルマーダー化フラグが立ったあの話は、本当に予想外だった…

853 :創る名無しに見る名無し:2011/10/28(金) 03:27:11.70 ID:T25E8GFC
クロノはRPG始まった後に買ってやったけど、古さを感じさせない面白さだった
30時間くらいでクリアしたけど、ちょうどいい長さだったかな

854 :創る名無しに見る名無し:2011/10/28(金) 21:47:11.97 ID:r75dqwAX
参加者リストを見て、クロノがマッシュや日勝とPTを組むとは、
しかも、そんな闇鍋PTのエピソードで涙することになるとは、
誰にも予想出来なかっただろう…

それにしても、クロノは原作で喋らないんで、
セリフに関してトカとは別の種類の苦労がにじみ出てたな

855 :創る名無しに見る名無し:2011/10/29(土) 00:22:42.63 ID:2+R1DMjr
ここのクロノは脳筋トリオの中でも特にユーリルへの友情が描かれていたよね
お菓子の使われ方はすごかった

原作無口勢はそれでいてよく書き分けられてた
クロノはしゃべらないまでもドット絵のアクションとか可愛くて感情は豊かなイメージだった


856 :創る名無しに見る名無し:2011/10/29(土) 09:38:39.85 ID:20pF/fYW
まさかしょっぱなから無口組でコンビ組むとは思わなかったわw
最初の話での会話文らしい会話文のなさは凄かったw

ルッカのことを優しいって称した原作キャラ達の葛藤は見てて切なかったなぁ。
銃を手にしたカエルや彼女の夢をみた魔王とか。

857 :創る名無しに見る名無し:2011/10/29(土) 14:37:30.53 ID:2+R1DMjr
そんなカエル魔王組み込みの予約が来たぞ、みんな!

ルッカはそれなりに早い脱落だったんだけど、結構印象に残っているよな

858 :創る名無しに見る名無し:2011/10/29(土) 17:26:00.81 ID:ZjonXA7T
ついに三つ巴の戦いの始まりか!

当時はマールがかわいかったけど、
今見るとルッカの方がかわいく見えるな

859 :創る名無しに見る名無し:2011/10/30(日) 18:44:07.72 ID:y//PQNNc
それはあるかもw>当時は
そういやマールは参加できなかったんだよな…



860 :創る名無しに見る名無し:2011/10/31(月) 07:19:36.97 ID:DvJeWXDi
そういやクロノトリガーのプレイヤーキャラでロワに参加したことないキャラってマールだけだな
ロボは他所のロワに参加してたし。

861 :創る名無しに見る名無し:2011/10/31(月) 19:19:42.06 ID:k3bwjbWp
逆にプレイヤーキャラ以外なら、誰が参加したかもなんだろ
シリアスだとジールやサラ?
でも、テンションの良さやノリ的にはビネガー、ソイソー、マヨネーの三将軍や、ダルトンも楽しそうかもw

862 :創る名無しに見る名無し:2011/10/31(月) 21:03:35.67 ID:8YyehWAI
ダルトンは楽しそうだなw

名前付きで思い出せる限りだと、他には
サイラス、勇者タータ、グランとリオン、ゴンザレス、
アトロポス、ジョニー、ヤクラ、アザーラ、キーノ

完全に非戦闘員だけど
3賢者のハッシュ、ボッシュ、ガッシュなんかもいたか

あんまり面白そうなのはいないな…

863 :創る名無しに見る名無し:2011/11/01(火) 12:23:02.14 ID:0NOUsUuc
よく考えてみればクロノ勢が一番プレイヤーキャラ少ないね
クロノ、カエル、ロボ、魔王、マール、ルッカ、エイラの七人だけだし
アームズも同じく7人だけど、あっちはゲストとはいえアナスタシアとルシエドも使えるじゃん


864 :創る名無しに見る名無し:2011/11/01(火) 13:38:00.35 ID:EPtCtuuR
ヘタレにもリーダーにもなれる振れ幅大きいキーノとか
ロワ参加したら面白いかもしれない

865 :創る名無しに見る名無し:2011/11/02(水) 14:41:36.67 ID:7pvy3cHh
ヤクラ13世がステルスとか煽動とかで立ち回ったら引っ掻き回してくれそうだw

866 :創る名無しに見る名無し:2011/11/02(水) 22:20:01.44 ID:aonoLbIz
シンシアとは違って変装を内側からの仲違い用に使いそうだな、ヤクラw

867 :創る名無しに見る名無し:2011/11/03(木) 16:54:39.65 ID:fQRXfLj9
んじゃ、そろそろラストと行くか


【サモンナイト3】
アティ(女主人公)/アリーゼ/アズリア・レヴィノス/ビジュ/イスラ・レヴィノス

868 :創る名無しに見る名無し:2011/11/03(木) 16:56:32.11 ID:fQRXfLj9
真っ先にラス1になったが案外しぶとく残ったよな
イスラはアティ、アズリア死んだ時に終わったかと思ったけれど、結果的に転機となったな

869 :創る名無しに見る名無し:2011/11/04(金) 15:57:52.96 ID:OH2dvAON
一時期性格改悪されたイスラや膨らませにくい参加時期を見てると、
サモン知らねえし別にどうでもいいからさっさと消そうぜみたいなノリでちょっとさみしかったなぁ。
死んでからが本番だったのもアティだけだし、他のキャラもそれほどキャラを掘り下げられずに
死亡していったのが無念でならなかった。

870 :創る名無しに見る名無し:2011/11/04(金) 18:03:43.37 ID:uLBcTb8o
改悪の人の大暴れの余波や贔屓の当て馬が直撃したのがサモナイだったもん
イスラにしろ死後アティにしろアズリア最後にしろよく建て直したよ

871 :創る名無しに見る名無し:2011/11/04(金) 18:59:51.52 ID:DkIdxi2k
メイメイさん登場の話で触れられたりしてるし、不遇とは思わないがなぁ
ビジュ? ビジュはしょうがないよビジュだもん

872 :創る名無しに見る名無し:2011/11/04(金) 19:57:50.34 ID:Bth0chMC
むしろ善にせよ悪にせよビジュに覚醒を求める方が難しい
それがビジュクオリティ。

873 :創る名無しに見る名無し:2011/11/04(金) 21:12:21.28 ID:MXwitGhT
原作知らない作品の1つだからなー
でも、イスラは今風の悩みを抱えた少年系主人公で
原作だとどんなだろう?って興味を持つきっかけになったけどな

原作知らないかもしれないけど、アズリアの最期もよかったと思うし
死後ながら、アティも活躍してたと思う。

ビジュはどっちかっていうと、愛されてるんだなーって思ったんだけど、
その解釈で合ってるみたいだなw

874 :創る名無しに見る名無し:2011/11/04(金) 22:32:11.71 ID:6xtQ5Y9n
ビジュ?
まあがんばれ

の流れはすごい一体感感じたなー、登場話w
そりゃみんな小者小者してくれることに期待して投票したよねってw

875 :創る名無しに見る名無し:2011/11/04(金) 22:48:11.95 ID:DkIdxi2k
確かビジュも捕虜になって拷問されたおかげであんな性格になったんだよな
こう書くとケフカと似たような境遇なのに何故こうも差がつくのかw

876 :創る名無しに見る名無し:2011/11/05(土) 08:43:55.85 ID:tAiczA6p
拷問と魔導注入実験の副作用だから性質がけっこう違う気もw
まあビジュはビジュだししかたないよね

877 :創る名無しに見る名無し:2011/11/05(土) 14:07:56.78 ID:kMDgw5jY
ケフカは完膚なきまでに精神破壊された結果っぽいのに対して、ビジュはもとの人格は残った上での恐怖やトラウマからああなった感じだからな
しかしよりによって第一戦の相手がちょこじゃなあ
そりゃほうほうの体だわw

878 :創る名無しに見る名無し:2011/11/06(日) 00:27:47.96 ID:VC/aJvS8
ルカ様のメインウェポンの一つとして大暴れしたスヴェルグだけど、実際究極召喚獣って、初めて使った時は演出・強さ共に段違いでびびった
とりあえず全員でこれうってりゃよくね?状態だ

879 :創る名無しに見る名無し:2011/11/07(月) 04:15:26.37 ID:zDYNjqrF
召喚獣は移動力強化とかが役に立ったな、SRPGらしく

880 :創る名無しに見る名無し:2011/11/07(月) 04:15:50.01 ID:zDYNjqrF
あ、原作じゃねw
このロワじゃ出なかったけど

881 :創る名無しに見る名無し:2011/11/07(月) 21:33:08.31 ID:kcZemdTi
キルスレスもまたカエルを汚染し続けてるし、どうなることやら。


これで全作品いったか。後は新作の残り2話交えて、
スレが埋まるまで終盤に突入したRPGロワに思いを馳せるってことでいいんじゃないだろうか。

ってなわけで新作2話。

135 第五回放送
  (雷の生まれた空に浮かぶ城より魔王は眇める。自らが閉ざした舞台に生まれる、最後の戦いを)

136 世界最期の陽
  (太陽のような少女が黒き雷に呑まれるとき、朝日と共に、最後の戦いは幕を開けた)

882 :創る名無しに見る名無し:2011/11/08(火) 00:01:27.95 ID:pAR8M7q0
その痛いポエムは何とかならんのか…

883 :創る名無しに見る名無し:2011/11/08(火) 00:16:55.70 ID:F0xEc6D7
今までみんな思ってても突っ込まなかったところなのにw>痛いポエム

884 :創る名無しに見る名無し:2011/11/08(火) 01:16:04.76 ID:nzMRAICy
一行あらすじがあると積み重ねてきた感じがあっていいよ、うん

885 :創る名無しに見る名無し:2011/11/08(火) 03:58:25.74 ID:LZsI08j5
む? 俺も何度かRPGロワ振り返りの時に書いたけど、あれって、わざわざWIKIまで見に行かなくとも、一目で大体内容思い出せる様のあらすじ代わりだろ?
あるいは煽り文


886 :創る名無しに見る名無し:2011/11/08(火) 12:53:03.49 ID:M1op3c4j
まさかセッツァーが激昂するとは

887 :創る名無しに見る名無し:2011/11/09(水) 07:36:51.77 ID:HfmqvRES
あらすじなのは分かってて、それがポエム調で書かれてるのが痛いよって指摘だろ

まあ俺も普通でいいじゃんとは思うが、
あらすじをつけた事自体はよかったと思うよ。
最初の頃の話はタイトルだけじゃ中身が思い出せないしね

888 :創る名無しに見る名無し:2011/11/09(水) 08:20:26.82 ID:KFAwl+Ui
物語としては盛り上がってるけど…首輪や感応石の設定は何が何だか分からない
勝手に設定つけすぎて持て余してないか?

889 :創る名無しに見る名無し:2011/11/09(水) 08:31:23.01 ID:aY68lvpf
書き手視点はわからんけど読み手としてはそこまで複雑すぎる印象はなかったけどそうなのかな?

890 :創る名無しに見る名無し:2011/11/09(水) 08:52:07.16 ID:sQwWsiO7
首輪……全部感応石でいいんじゃねBYトカ
感応石……死を喰らうもの直通

と考えればむしろすごく分かりやすい気がするんだが

891 :創る名無しに見る名無し:2011/11/09(水) 09:37:20.63 ID:Qtn3BCP2
トカと言えば剣にパラソルくっつけただけのなんちゃって銃剣が活躍しまくりなのが面白いな
ルカ戦では援護くらいだったのに、ロードブレイザーさんを倒す決め手になったかと思えばピサロが魔封剣を使ったり
これもリレーの妙か

892 :創る名無しに見る名無し:2011/11/10(木) 04:01:09.57 ID:LOKRAADl
世界最期の陽は衝撃的だったな……
もともとここのピサロは対主催じゃない珍しいピサロだったんだけど
それを差し引いても憎しみ以外でマーダーとして戦うようになったピサロは新しくて好きで
今回のニノへの誠意はもとを辿ればロザリーへの愛から来てるんだけど
それでも、ニノがこの戦いを唯一ジャファルとは関係ない戦いだといったように
ピサロもまたロザリーへの愛でも、ロザリーを殺した奴への憎しみでもなく、ニノへの敬意と感謝と誠意だけで戦いきったのがすごかった

893 :創る名無しに見る名無し:2011/11/10(木) 20:45:08.55 ID:K84L+0we
衝撃的か?
ここまでは、おおよそ前回の話でセッツァーが話してた計画の通り進んでるじゃん
見所はこれからどうなるかでしょ

やっぱり鍵はジャファルの動きかな
最近のジャファルはなんかセッツァーのことまるっきり信用しちゃってるから
案外このままセッツァーが糸を引いていたことに気づかない、とかもありそうで
どうなるか読めない

セッツァーとしては、ジャファルとピサロの共倒れは最初から狙ってただろうしな

894 :創る名無しに見る名無し:2011/11/10(木) 23:05:43.63 ID:LOKRAADl
いや、展開云々よりも、ピサロの在り様が衝撃的だったって話だw

895 :創る名無しに見る名無し:2011/11/11(金) 18:59:39.45 ID:5NDCU0CB
世界最後のは題名が洒落てると思ったな
題名といえば題名縛りの人にはいつも予約した時から楽しみにさせてもらってるけど

896 :創る名無しに見る名無し:2011/11/12(土) 15:32:25.15 ID:zxv0PsYE
題名縛りか…生存者の中でまだ使ってないのは

ニノ、ジャファル、カエル、魔王、ピサロ、イスラ、ちょこ
後はオディオくらいか?

死んでくとどんどんつらくなるなw 無理矢理題名縛りしろって話じゃないけどさ。

897 :創る名無しに見る名無し:2011/11/12(土) 16:15:59.95 ID:P2/W3zXo
どのルートにしろ最終回あの人が書いたら、タイトルに入りそうだな、オディオはw
いや俺も、最後まで続けろって話しじゃないけどねw

898 :創る名無しに見る名無し:2011/11/13(日) 15:05:33.37 ID:ZmcOzK86
セッツァー=ギャッビアーニ@FF6
Class:ギャンブラー→座礁船同盟の盟主→???
Status(C〜Sの4段階):
AT(物理攻撃)→B  DF(物理防御)→B
MAT(魔法攻撃)→B MDF(魔法防御)→B
TEC(技術)→A   LUC(幸運)→S(+)
移動力:B
攻撃スタイル:カード×投 or 槍×突
コマンド:たたかう・魔法・話術・召喚術・スロット(?)

装備:武器1:デスイリュージョン
   武器2:つらぬきの槍、フレイムトライデント
   防具:なし
   アクセサリ1:日記のようなもの
   アクセサリ2:アシュレーの心臓
   アクセサリ3:小さな花の栞

支援(戦闘前)会話:ジャファル・ピサロ・ヘクトル・ゴゴ

備考:場の流れを見切って動く凄腕ギャンブラー。
   ステータスは平均的だが、ちいさな花を合わせた幸運S+が脅威。
   とはいえ、いざ戦闘においては火力不足も事実。未使用のスロットが鍵か。

ピサロ@DQ4
Class:魔族の王→恋人→???
Status(C〜Sの4段階):
AT(物理攻撃)→A  DF(物理防御)→A
MAT(魔法攻撃)→A MDF(魔法防御)→A
TEC(技術)→B   LUC(幸運)→C
移動力:B

攻撃スタイル:剣×斬 or 銃剣×射
コマンド:たたかう・魔法・魔導・魔封剣

装備:武器1 バヨネット
   武器2 ヨシユキ or ヴァイオレイター
   防具  なし
   アクセサリ1:メイメイさんの支給品
   アクセサリ2:小さな花の栞
   アクセサリ3:クレストグラフ

支援(戦闘前)会話:ジャファル・セッツァー・ニノ

備考:愛を取り戻し一回り大きくなった魔族の王。
   全体的に高いステータスに加え、バヨネット入手で遠近両面で戦闘力が向上している。
   回復も完備とオールラウンダーの強敵。だが、こいつを倒せばデータタブレットを入手できる。

899 :創る名無しに見る名無し:2011/11/13(日) 15:08:15.36 ID:ZmcOzK86
いきなり↑の変なのを書き込んですいません。埋めがてらに生存者の攻略本的なステータスを作ってみました。
私見はいりまくりなのですが、お眼汚しになったらすいません。

ジャファル@FE烈火の剣
Class:元黒い牙→死神→???
Status(C〜Sの4段階):
AT(物理攻撃)→A  DF(物理防御)→B
MAT(魔法攻撃)→C MDF(魔法防御)→B
TEC(技術)→S   LUC(幸運)→B
移動力:S

攻撃スタイル:短剣×二刀流
コマンド:たたかう・瞬殺

装備:武器1:影縫い&アサシンダガー
   武器2:聖なるナイフ&毒蛾のナイフ
   防具:黒装束
   アクセサリ1:メイメイさんの支給品
   アクセサリ2:潜水ヘルメット
   アクセサリ3:バイオレットレーサー

支援(戦闘前)会話:ピサロ・セッツァー・ヘクトル・ニノ

備考:ニノのために全てを賭ける暗殺者。アクセサリ強化の機動力と
   各種ナイフの持つステータス異常付加が強み。だが何より怖いのはやはり瞬殺。
   アサシンダガーはもちろん、もしマーニ・カティまで使えるようになれば脅威そのもの。
   救いは本人の幸運が並なところか。


魔王@クロノトリガー
Class:魔王→サラの弟→???
Status(C〜Sの4段階):
AT(物理攻撃)→B  DF(物理防御)→B
MAT(魔法攻撃)→S MDF(魔法防御)→S
TEC(技術)→B   LUC(幸運)→C
移動力:B

攻撃スタイル:鍵×殴 鎌×斬
コマンド:たたかう・魔法・魔鍵

装備:武器:魔鍵ランドルフ
   防具:なし
   アクセサリ1:不明支給品(0〜1)
   アクセサリ2:サラのお守り

支援(戦闘前)会話:カエル・ピサロ・ジョウイ

備考:時空に消えた姉を取り戻すため、かつてのライバルと組んだ魔王。
   ブラックホールは使えないが、各種魔法とバリアチェンジで魔法戦ではトップクラスの力。
   ランドルフの解析が進み、降魔儀式まで可能になれば手がつけられなくなるだろう。

900 :創る名無しに見る名無し:2011/11/13(日) 15:08:59.73 ID:ZmcOzK86
ニノ@FE烈火の剣
Class:魔道士→異界の複合魔道士→???
Status(C〜Sの4段階):
AT(物理攻撃)→C  DF(物理防御)→C
MAT(魔法攻撃)→A MDF(魔法防御)→A
TEC(技術)→B   LUC(幸運)→B
移動力:B

攻撃スタイル:魔道書×魔
コマンド:たたかう・魔法

装備:武器:クレストグラフ
   防具:なし
   アクセサリ1:フォルブレイズ
   アクセサリ2:導きの指輪

支援(戦闘前)会話:ジャファル・ヘクトル・ピサロ・ストレイボウ

備考:幾たびの苦難を凹みながらも前に進む少女。
   ステータスはお世辞にも高いとはいえないが、ラーニングした様々な世界の魔法が使える技巧者向け性能。
   現段階ではFE/DQ/WA2/LAL。そして手元の魔道書と、まさに大器晩成のユニット。
   その大器が壊れてしまうかどうか、今迫っている最大級の壁を越えられるかが勝負だ。

ヘクトル@FE烈火の剣
Class:オスティア候→グレートロード→???
Status(C〜Sの4段階):
AT(物理攻撃)→S  DF(物理防御)→A+
MAT(魔法攻撃)→C MDF(魔法防御)→B
TEC(技術)→B   LUC(幸運)→B
移動力:B

攻撃スタイル:斧×斬 剣×斬
コマンド:たたかう

装備:武器:アルマーズ
   防具:なし
   アクセサリ:ビー玉

支援(戦闘前)会話:ジャファル・ニノ・イスラ

備考:闇を受け入れられる理想の国を目指す領主。
   主人公を担ったこともあるとおり、性能は抜群。前線に強気に出せるユニット。
   装備は貧弱だが、アルマーズがそれを補って余りある。ただし、アルマーズは曰くつきの武器であるが。


901 :創る名無しに見る名無し:2011/11/13(日) 15:09:30.57 ID:ZmcOzK86
ゴゴ@FF6
Class:ものまね士→副船長→救い、救われた人→???(暴走時:偽りの憎悪)
Status(C〜Sの4段階):
AT(物理攻撃)→B  DF(物理防御)→B
MAT(魔法攻撃)→B MDF(魔法防御)→B
TEC(技術)→B   LUC(幸運)→A
移動力:B

攻撃スタイル:ものまね×ものまね
コマンド:ものまね

装備:武器:ブライオン
   防具:なし
   アクセサリ1:ジャンプシューズ
   アクセサリ2:アガートラーム

支援(戦闘前)会話:セッツァー・ちょこ

備考:その内的宇宙に世界を持つ優しい物真似師。
   様々な世界と触れることで様々な物真似を習得した、ニノ以上の玄人向けユニット。
   オディオ値を制御しながら、上手く使っていこう。(注・そんな値ありません)


カエル@クロノトリガー
Class:勇者の友→護国の鬼→限定伐剣者→???
Status(C〜Sの4段階):
AT(物理攻撃)→A  DF(物理防御)→B+
MAT(魔法攻撃)→A MDF(魔法防御)→B
TEC(技術)→A   LUC(幸運)→B
移動力:A

攻撃スタイル:剣×斬
コマンド:たたかう・魔法・ディテクター(首輪探知)

装備:武器:紅の暴君
   防具:なし
   アクセサリ:なし
   スキル:真紅の鼓動(自動回復)

支援(戦闘前)会話:魔王・ストレイボウ・ニノ・イスラ

備考:エイラの死によって消えるガルディア王国の運命を変えようと奔走する騎士。
   カエルの運動能力、水系魔法、剣技とバランスのいい、隙のないユニットだ。
   救いは装備が紅の暴君一本のみなところか。ただ、それが強力なのが問題である。



902 :創る名無しに見る名無し:2011/11/13(日) 15:10:14.71 ID:ZmcOzK86
アナスタシア・ルン・ヴァレリア@WA2
Class:堕ちた剣の聖女→マリアベルの親友→???
Status(C〜Sの4段階):
AT(物理攻撃)→C  DF(物理防御)→C
MAT(魔法攻撃)→B MDF(魔法防御)→B
TEC(技術)→C   LUC(幸運)→B
移動力:B

攻撃スタイル:聖剣×特殊
コマンド:たたかう コンバイン(ルシエド)

装備:武器1:44マグナム、昭和ヒヨコッコ砲
   武器2:にじ、アリシアのナイフ、ソウルイーター
   防具 なし
   アクセサリ1:ゲートホルダー
   アクセサリ2:いかりのリング
   アクセサリ3:ルッカの鞄

支援(戦闘前)会話:ちょこ・イスラ・ジョウイ・アキラ・カエル

備考:マリアベルの声で本来のわたしらしさを取り戻した剣の聖女。昭和ヒヨコッコ砲以下装備も実に充実している。
   だが、鎌でカエルに立ち向かった結果のとおり、ろくに剣を持ったことのない彼女の基本ステータスは低い。
   彼女を英雄たらしめる力はステータスには反映されないからである。
   アガートラームの無い今、その力をいかにして発揮するかが彼女の第一歩か。


ちょこ@アークザラッド2
Class:ふつーのちびっこ→魔王の娘→???
Status(C〜Sの4段階):
AT(物理攻撃)→A+  DF(物理防御)→A
MAT(魔法攻撃)→S  MDF(魔法防御)→A
TEC(技術)→B   LUC(幸運)→A
移動力:A

攻撃スタイル:靴×蹴
コマンド:たたかう あそぶ(各種特技)かくせい

装備:武器:なし
   防具:なし
   アクセサリ1:不明支給品(0〜1)
   アクセサリ2:海水浴セット

支援(戦闘前)会話:アナスタシア・ゴゴ・セッツァー・ジョウイ・カエル

備考:家族をなによりも大切に思う最強のちびっ子。装備は貧弱だが、様々な出会いと別れによって、
   遊ぶとは違う「戦う」ことを理解した彼女に装備の良し悪しなど関係ない。
   いまだ残る「かくせい」コマンドが発動してからが戦闘面での本番だろう。


903 :創る名無しに見る名無し:2011/11/13(日) 15:10:48.67 ID:ZmcOzK86
ジョウイ・アトレイド@幻水2
Class:ハイランド国王→獅子身中の虫→???
Status(C〜Sの4段階):
AT(物理攻撃)→B+  DF(物理防御)→B
MAT(魔法攻撃)→B+ MDF(魔法防御)→B
TEC(技術)→B+   LUC(幸運)→B
移動力:B

攻撃スタイル:棍×打 鎌×斬
コマンド:たたかう 紋章 うらぎる

装備:武器 絶望の鎌
   防具 なし
   アクセサリ1:キラーピアス
   アクセサリ2:賢者の石
   アクセサリ3:不明支給品(0〜1)

支援(戦闘前)会話:ちょこ・イスラ・アナスタシア・ストレイボウ

備考:理想の国を作るため、策謀という名の怠慢を続ける青年。
   ステータスは並だが、両手の盾と刃の紋章による紋章術が便利。
   うらぎるは1回しか使えない特殊コマンドなので、使いどころを見極めて。


イスラ・レヴィノス@サモンナイト3
Class:元反逆の徒→再出発した青年→???
Status(C〜Sの4段階):
AT(物理攻撃)→B+ DF(物理防御)→B
MAT(魔法攻撃)→A MDF(魔法防御)→B+
TEC(技術)→A   LUC(幸運)→B
移動力:A

攻撃スタイル:剣×斬 銃×射
コマンド:たたかう 召喚

装備:武器1 天空の剣(開放)、魔界の剣
   武器2 ドーリーショット
   防具 なし
   アクセサリ1:不明支給品(0〜1)
   アクセサリ2:ミラクルシューズ

支援(戦闘前)会話:ジョウイ・ヘクトル・アナスタシア

備考:新たな人生を歩み始めた青年。
   元の世界での諜報スキル、戦闘スキルそしてミラクルシューズによる各種補助とかなりの高性能ユニット。
   サモナイト石がないため、召喚術は使えないがキルスレスを手に入れて再契約できれば更なる強化も期待できる。



904 :創る名無しに見る名無し:2011/11/13(日) 15:12:08.65 ID:ZmcOzK86
アキラ@LAL
Class:前途多難のサイキッカー→ヒーロー志望→???
Status(C〜Sの4段階):
AT(物理攻撃)→C+ DF(物理防御)→C+
MAT(魔法攻撃)→B  MDF(魔法防御)→B
TEC(技術)→C+   LUC(幸運)→B
移動力:B
 
攻撃スタイル:拳×殴 槍×突
コマンド:たたかう 超能力 読心 テレポート

装備:武器:デーモンスピア 
   防具:なし
   アクセサリ1:パワーマフラー
   アクセサリ2:激怒の腕輪
   アクセサリ3:ドッペル君

支援(戦闘前)会話:アナスタシア・セッツァー・ジャファル

備考:松の代わりとしてだけでなく、松の、そして誰かのヒーローになろうと決心したサイキッカー。
   ステータスはアナスタシアに次いで低く、武装面もブリキ大王の破損を始め不足が目立つ。
   だが各種超能力は、使い方次第で戦況に大きな影響を与えうる可能性を秘めている。
   思わぬイベントの発生やアイテムの入手に繋がり得るユニットである。

オディオ@LAL
Class:憎悪の魔王→???
Status(C〜Sの4段階):
AT(物理攻撃)→S DF(物理防御)→S
MAT(魔法攻撃)→S  MDF(魔法防御)→S
TEC(技術)→S   LUC(幸運)→C
移動力:A
 
攻撃スタイル:剣×特殊
コマンド:憎悪

装備:武器:???
   防具:???
   アクセサリ:???

支援(戦闘前)会話:全参加者

備考:魔王たれと望まれて、あまねく世界を憎む魔王。
   様々な世界から人間を集めてロワを開催するだけあって、その能力は折り紙つき。
   空中城にて待つこの王を倒す方法があるのか、そもそもどうすればいいのか、それはまだ誰にも分からない。

905 :創る名無しに見る名無し:2011/11/13(日) 15:14:07.50 ID:ZmcOzK86
以上です。このスレが落ちるのはそう遠くないでしょうが、RPGロワの更なる発展を祈願して。

906 :創る名無しに見る名無し:2011/11/13(日) 15:44:17.22 ID:7oJeWz/m
統一ステシか!
何だか攻略本読んでるみたいで楽しかったですw
しかしジョウイ、獅子身中の虫が、四面楚歌に見えてならないw

907 :創る名無しに見る名無し:2011/11/13(日) 15:52:43.40 ID:zVVATTqB
攻略本を見てにやにやできるRPGが好きな俺にはたまらんなw

908 :創る名無しに見る名無し:2011/11/13(日) 20:41:08.00 ID:gGlhAEfv
こういうデータの備考欄読むのって楽しいよね
オディオ値ワロタw
誰が何を持ってるか追っかけるのって実は結構大変だし、
手間隙かかってると思います。良い物をありがとございます

909 :創る名無しに見る名無し:2011/11/13(日) 22:08:28.49 ID:x0FKqNTk
RPGっぽくていいなぁ。
何気にジャファルの装備にナイフ充実してるんだね。
しかしジョウイのコマンドに笑った。うらぎるってw

910 :創る名無しに見る名無し:2011/11/13(日) 22:32:25.05 ID:7oJeWz/m
笑ったといえば安心のトリプル魔王の幸運度の低さw


911 :創る名無しに見る名無し:2011/11/14(月) 07:36:07.87 ID:7WHwkjCG
すいません、普通にストレイボウ忘れていました。

ストレイボウ@LAL
Class:魔法使い→原初の罪人→???
Status(C〜Sの4段階):
AT(物理攻撃)→C+  DF(物理防御)→B
MAT(魔法攻撃)→A+ MDF(魔法防御)→A
TEC(技術)→B+   LUC(幸運)→A
移動力:B
攻撃スタイル:杖×殴
コマンド:たたかう・魔法

装備:武器:なし
   防具:なし
   アクセサリ1:勇者バッジ
   アクセサリ2:記憶石

支援(戦闘前)会話:カエル・ニノ・オディオ

備考:全ての始まりの引き金を引いてしまった魔法使い。
   本人が卑下しているとはいえ、闘技大会準優勝かつ魔王山でのラッキーラッシュからくるステータスは高い。
   やはり弱点は装備の貧弱さとその後ろ向きな精神。打開の道は勇者バッジが握っているかもしれない。

メイメイ、ラヴォス除けばこれで全部だと思います。
いろいろすいません。特にストレイボウ。

912 :創る名無しに見る名無し:2011/11/14(月) 19:01:11.45 ID:huve5UQj
やっべええ、全然気付かなかったw>冷房
そりゃまあこんだけの人数のステシなら、作る方も見る方も、気付かなくても仕方ないかと
追加お疲れ様です

しかし冷房、言われてみれば、能力はともかく装備貧弱だな……

913 :創る名無しに見る名無し:2011/11/14(月) 20:48:15.82 ID:3Iyb4Ba/
そういえばゴゴにブライオン取られちゃってたな

914 :創る名無しに見る名無し:2011/11/15(火) 04:11:32.57 ID:1eRIZei7
ゴゴ「俺、今の戦いが終わったら、ストレイボウにブライオン返そうと思うんだ……」

915 :創る名無しに見る名無し:2011/11/15(火) 20:39:34.68 ID:XTQAg5oT
暗殺者の人キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

916 :創る名無しに見る名無し:2011/11/16(水) 04:19:26.11 ID:DFlhlxBm
このスレもついにあと少しで埋まるか…

917 :創る名無しに見る名無し:2011/11/16(水) 21:08:45.19 ID:BfCMszKy
ロマンシングストーンとかスリースターズとかソウルオブサマサとか、原作でチート級のアクセサリって出そうで出てないものだな
魔剣聖剣など武器類はガシガシ出てるのに

918 :創る名無しに見る名無し:2011/11/16(水) 23:43:52.22 ID:w/cBAWOq
当たり前だ
その中で有りなのはソウルオブサマサだけ
ロワで消費が極めて小さくなるのは問題
それを認めると最強技『気兼ね無く』連発できてしまう
半分くらいなら有りかな

919 :創る名無しに見る名無し:2011/11/17(木) 20:01:45.90 ID:kFfPvVf0
スキル同様、アクセサリーだってチート性能なものは弱体化するでしょ
そんなに目くじらたてるほどのもんでもないと思うけど

ただまあ、ゲームと違ってこういう場合は
威力と範囲が魔法の方が圧倒的に上だから
あんま魔法を強化する要素を出し過ぎると
バランス取りにくくはなるかもね

920 :創る名無しに見る名無し:2011/11/17(木) 22:31:01.69 ID:5ilte4kP
物語に絡みそうに無いものをわざわざ弱体化させるぐらいなら最初から下位互換を出せばいいんじゃない?
>>917の例なら女神の祈りとかシルバーピアスとか

921 :創る名無しに見る名無し:2011/11/17(木) 22:53:06.26 ID:9Ub/A9oZ
ロマ石は四つ集めないと効果発生しない仕様なら面白かったかも

922 :創る名無しに見る名無し:2011/11/17(木) 22:54:14.45 ID:5ilte4kP
あーその仕様なら面白かったかもね

923 :創る名無しに見る名無し:2011/11/17(木) 23:24:43.13 ID:Hq0xfTSI
スリースターズは幻水みたいな魔法システム(回数制)とはうまく噛み合わないからなあ
金の髪飾りならまだしもクロスオーバー的に難しそうって面もある

かといって武器の形をとっていてもチート過ぎるとアウトな訳で(例:星辰剣)

924 :創る名無しに見る名無し:2011/11/17(木) 23:40:49.73 ID:kFfPvVf0
単に消耗を抑えるアイテムってことなら
何でも通りそうだけど、別にそこまでして出す旨みもないか

ロマ石を集めさせるのは確かに面白かったかも

925 :創る名無しに見る名無し:2011/11/20(日) 11:39:20.82 ID:NPvNb9qC
そういやまだ参加者が全滅した作品ってないんだな。

926 :創る名無しに見る名無し:2011/11/20(日) 19:56:51.41 ID:DEsLrT0y
やっぱり最後の一個は食べにくい心理が働くんだろう
ただ、各作品とも残りそうなキャラが順当に生き残ってる印象だな


927 :創る名無しに見る名無し:2011/11/21(月) 13:18:56.10 ID:dfEbnX6U
あと、参戦作品が多いわけでもないうちだと、
1つの作品が脱落すると、わりかしやれる展開が狭まりそうだからな

928 :創る名無しに見る名無し:2011/11/22(火) 20:43:59.66 ID:fLSau79n
だがそれもここまできたらいつ落ちるやら

929 :創る名無しに見る名無し:2011/11/22(火) 23:54:02.95 ID:L+4ymu9z
そんな中でもFEは残ってるな

930 :創る名無しに見る名無し:2011/11/23(水) 16:03:11.06 ID:3t3GNKCO
一気に落ちる可能性も無きにしもあらずだが

931 :創る名無しに見る名無し:2011/11/24(木) 10:49:43.91 ID:NXErxARh
そしてこのスレも落ちるか

932 :創る名無しに見る名無し:2011/11/30(水) 01:25:36.74 ID:nuHc/LD6
ついに全部まとめての予約だ。
終盤なんだな。

933 :創る名無しに見る名無し:2011/11/30(水) 02:36:11.63 ID:6aHb1agJ
こういうの終盤って気がするよなああ!>全員予約
燃えてきたあああ!

934 :創る名無しに見る名無し:2011/12/05(月) 02:54:14.47 ID:3BH0yzzj
埋め


935 :創る名無しに見る名無し:2011/12/07(水) 09:06:40.27 ID:9u4Z53BH
わざわざ全滅作品作る必要もないわな。そっちが目的ってわけでもないし。
各作品1人ずつ残って生還とかもありだと思う。
完全に異世界のキャラ同士で生き残るのも、なんか真の絆を築けた感じで映えるしね。

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