海底に施設が
あるという話、
お聞きになりました?

まさか、そんなところに
研究施設があるなんて…

わたしたちもビックリです。

内部を偵察端末で
調査したところ、

海底施設は地表と違って
完全に実験や開発の為に
造られた場所のようです。

規模は、ほぼプラントと
言ってもいいくらいです。

ただ、ここで大勢が
研究実験を行っていた
と思われるんですが、

偵察端末の調査では
今のところ生存者は
確認されていません…

…でも。

悲観的になっていても
仕方ありませんよね。

カルが正確な座標を
計算してくれたので
それを転送装置に設定しました。

地表への転送装置から
プラントへ行けるように
なっているはずです。

調査の続行、
よろしくお願いします。

やっぱり
少し心配なんです。

また 誰も残って
いないんじゃないかって…

異常フォトン濃度は
下へ行けば行くほど
高くなっているようです。

まだ 何が潜んでいるかも
わかりません…

カルも警告してます。
充分 気をつけてください。

下層部のほうが
施設破壊が進んでる
みたいですね。

海水も流れ込んで
来ていますし…

フロウウェンさん…
本当に無事なんでしょうか?


ガル・ダ・バル海底
プラントエリアより受信…
識別コード確認…

アクセス
ハンター Shess-T

はい!
こちらラボ。

取得したい情報を
選んでください。

キャンセル
了解。
通信を終了します。
解析データ
コードα
施設内で行われていた
研究実験にはそれぞれ
固有コードがついてます。

これには時期的なものも
含まれているみたいですね。

この「コードα」は
だいぶ研究初期の
実験コードのようです。

実験コードレベルαには
技術開発から生体研究まで
様々なものが含まれてて、

「レコン
 レコボクス」

というマシンの
開発記録もあります。

これは施設内の
小型巡回偵察機ですね。

…可愛いフォルム…

あ!

ごめんなさい、また…

えーと。

他には地表にも出現した
捕獲用マシンですが、
海底仕様が存在するようです。

「ゾアタイプ、
 ゼレタイプ」

基本装備は
同じようですけど…

一部「凍結装置」に
変更されてますね。

コードβ
この「コードβ」は
研究段階としては中期の
実験コードのようです。

実験コードレベルβの
データに記録されてて
施設内で確認されたのは…

ドルムオルム、
ドルムダールと呼んでいます。

「変異生命体。
 アルタードビースト。」

コイツは両腕が
長ぁいのが特徴です。

リーチがありそうなので
けっこう厄介かも。

データには
特殊能力を持つまで進化した
タイプも存在するとあります。

動作は遅いようですが
不明な点が多いので
気をつけてくださいね。

コードγ
この「コードγ」は
研究段階としては後期の
実験コードのようです。

実験コードレベルγの
データに記録されていて、

かつ、現在 施設内でも
存在が確認されたものだけで
3種類…

しかも、これは
全てD細胞型亜生命体です。

この施設に出現する
亜生命体は人の手によって
作り出されたものなんですね…

…簡単に説明をします。

まず 一つめ。
デルデプスと呼称します。

人型の形態をとっている
最中の動きは
だいぶ遅いんです。

ただ、コイツは
移動するために
身体を変形させるんですが、

その時の速度は
格段にあがりますから
気をつけてください。

2つめ。こちらは
モルフォスと呼称します。

浮遊している壁といった
かんじの亜生命体ですが、

遠距離からレーザーを
撃ってきます。

偵察端末もこれで何機か
やられちゃいました。

正面甲殻は硬そうですが
レーザー発射口のある裏側は
比較的 脆いみたいです。

そして3つめ。
デルバイツァ。

四足獣型の亜生命体。
大型でかなり凶暴です。

目標を確認すると
突進してきます。

踏み潰されないように
注意してください!

オル・ガ
このプラント内には
他の端末と違ったものが
設置されてますよね?

それが「オル・ガ」端末。

パイオニア1が建設した
研究施設を管理していた
3つの自律型AIの1つで。

実は もう1つのAIが
このカルなんです。

ふふ。

そうです。
すごいんですよ。この子。

正式名称は「カル・ス」

とある経緯でこのラボへ
回収されることになった
パイオニア1のAIです。

ほぼ「オル・ガ」も カルも
同性能と考えてもらって構いません。

ただ…

先ほど解析したデータに
気になる記述があって…

「オル・ガ」の作業記録の最後が、

「オル・ガAIコア
 実験体への埋め込み成功。
 正常稼動を確認。」

という記述で終わっているんです。

メインコアをどこかに
移動したってことでしょうか?

この実験コードは…
γ119…

生体兵器
解析したデータによれば…

実験は多岐にわたって
行われていたようなんですが、

その一環として
生体兵器開発
という項目がありました。

オスト・ハイル博士の主導で
行われていたこの研究実験…

最終的に成果が見受けられたのは
3つくらいのようなんですが…

実験中のデータが
記録に残ってました。

その実験コードは…

「β630
 β772
 γ119」

このうち 実験コード
β630のデータと、

ガル・ダ・バルの断崖で
Shess-Tさんが
遭遇した巨大生物のデータ…

一致してるんです。

つまり、あの巨大生物も
この施設で行われていた実験で
生み出されたもの…

ということになります。

この他の実験のデータを
見てみると、それぞれ。

「β772は逃走後、
 ダクト内に潜伏。」

「γ119は暴走により
 廃棄場へ投下。」

という記述で
記録のほうは終わっています。

メッセージログ
えーと。

あれ?

現在転送されてきている
メッセージログはありませんよ。

*各メッセージログは下に記載


ガル・ダ・バル海底
プラントエリアより受信…
識別コード確認…

アクセス
ハンター Shess-T

Shess-Tさんですね。
こちらラボ。

はい!
エリです。

ここはガル・ダ・バル島の
海底にあるプラント上層部。

研究自体はここで
行われていたはず。

プラント自体の構造は
大きく「上下2層」に
わかれているようです。

なお、ラグオル地下遺跡と
同様の異常フォトン反応は
このプラント内から検出されてます。

濃度は下層部へ
行けば行くほど
高くなっているようです…

…とりあえず!

何が潜んでいるかも
わかりません。

充分 気をつけてください。

メッセージログ1

…最近 施設内に
異様な空気が流れている…

オストが実験中の被検体が
施設内から逃げ出したらしい。

聞くところによれば
坑道施設へのダクト内に
潜伏したそれは…

動物や植物。
そういった原生の生命体に
例の因子を注入し、

突然変異体を
生み出しているということだ。

島の管理AI群も
何者かの侵入を
受けているようだ。

坑道施設のほうでは
突然変異体の発生はおろか…

管理マシンの暴走すら
最近ではざららしい。

真上に位置している
セントラルドームにまで
被害が及ぶのは時間の問題…

そんな状況にも関わらず、
オストは実験の最終段階に
入るなどと言い出した!

奴はこうも言った。

「逃げ出した被検体や
 プラントのケージ内にいる
 人工生命体群は…

「全てこのための
 試験段階に過ぎなかった。

「全ては予定通りなのだ。」

「この実験が成功すれば
 問題は駆逐されるだろう。」

実験の内容はこうだ。

亜生命体を生み出している
根元そのものを
自らの手で作り出す。

このコアに「人間」を
使用することによって
それをコントロールすると言うのだ。

馬鹿な…!

言ってみれば「アレ」を
模した「生体兵器」を
作り出すようなものだ。

なんという愚かな…

理解もできぬもの、
手にも負えぬものを模倣したところで
なんの結果が得られる…?

オストほどの有能な科学者が
そんな判断も
つかないほどになろうとは…

…いや。

これが天才と称される所以なのか…

はい…
エリです。

実験?

生体兵器?

って、
なんなんですか…?

今までラグオルに
出現してた生物って、

今のラグオルの現状って、

私達の仲間の手で
起こされたことなの?

それとも 全部
古代文明が残した
モノのせい?

あ…

ごめんなさい。
私が混乱しちゃって…

…しっかりしなくちゃ。

はい!大丈夫です。

でも…やっぱり、

今は、フロウウェンさんを
探し出すしかないんだと思います。

無事だといいんですが…

メッセージログ2

…移民船パイオニア2が
惑星ラグオルに接近している…

つまりオレは
政府の連中に欺かれた
ということだ。

オレが実験体になるのと
引き替えに出した条件、

それはコーラル本星政府へ
メッセージを届けること。

パイオニア2による
惑星ラグオルへの
第2次移民の一時中止。

内容が内容だけに
揉み消されたのだろう。

パイオニア2の人々は
何も知らされぬまま
この地に降り立つのか…

軍の内部でも
暗殺があったと聞いた。

おそらくは血に餓えた
あの猟犬連中の仕業だろう。

何が 陸軍副司令官か。

オレが迂闊だったばかりに
部下には可哀想なことを…

…気付くのが遅すぎた。

歯車は元から
狂ってしまっていたのだ。

全ての過ちは
もっと前から
始まっていた。

そう…

このパイオニア計画
そのものから。

しかし…
もはや 手遅れ。

私は 私のままでは
いられなくなるだろう…

…足音が聞こえる。

奴らが私を
捕らえに来た。

侵食されきった
この身体では
抵抗することすら敵わぬ…

はい。
エリです。

メッセージログの
確認と解析済んでます…

こんな…

これじゃあ、
フロウウェンさんはもう…

でも。

だとしたら
送信してきたのは一体
誰なんでしょうか?

 

… …

… … …

もう!

あ。

ごめんなさい。

さっきから
通信端末の調子が悪くて…

ノイズが ひどいんですよ。

カルに状況を
調べてもらってるんですが…

あ、でも。
気にしないでください。

Shess-Tさんには
調査に専念してもらわないと。

はい。
エリです。

現在地は
プラントの下層部に
あたります。

おそらくどこかの
壁が破壊されたのでしょう。

施設内にも海水が
流れこんで
きているみたいですね。

…それと。

侵入次に プラントは
上下2層の構造だと
お伝えしたかと思うんですが、

ごめんなさい。
訂正します。

カルの指摘から
再度 施設構造を調べてみて
別の層を発見したんです。

まだ「下」があります。

この下層部から
かなり深い縦穴が
続いてるんです。

どのように使われていたかも
定かではないんですけど…

まるで、
昔話に出てくる井戸…
みたいな感じです。

 

「…爆発が起こった…」

 

「…深淵から生まれたもの…」

 

「…パイオニア1のクルーたち…」

 

「…取り込まれていくのが見えた…」

 

「…ここから全てが見え…」

 

 

「…私も既に支配され…」

 

「…意思はは常に覗かれてい…」

 

「…探していた…」

 

「…寄り代となるものを…」

 

「…進化を欲していた…」

 

 

「…?…」

 

「…何故…」

 

「…あれだけ残して…」

 

「…違う…」

 

「…あの娘は…」

 

「…あの娘だけは…」

 

「…お願いだ…」

 

「…止め…」

 

 

「…!…」

 

「…否…」

 

「…止められナカッたノダ…」

 

「…全てのもノに…」

 

「…ルため…」

 

 

「…彼女ハ…」

 

「…彼女ヲ…」

 

「…選ンダノダ…」

 

 

 

エリです!

さっきのメッセージ
聞きましたか!?

さっきの…
ログではないんです…

過去の記録じゃ
ないんです…!

これはラボが最初に
受信したものと同じ…

 

…うです。

これはたった今!
リアルタイムで 発信されて
きたもので…

…そらく同じものを
こちらでも受信しま…

…反応は…

 

…Shess-Tさ…

…下から…

… …

… … …

良かった!Shess-Tさん、
無事だったんですね。

急に通信が
切れてしまったので
心配しました。

カルにも
聞いてみたんですけど…

通信障害の原因は
何者かの妨害波のようです。

それに…

さっきのメッセージって
ログではないんです。

過去の記録じゃ
ないんですよ。

これは ラボが最初に
受信したものと同じ…

リアルタイムで
発信されてきたものなんです。

しかもその座標は
プラント下層部のさらに下。

下層部から続いている
かなり深い縦穴。

そこから発信されてるんです…

プラント内のデータを
調べたところ この縦穴は

「エレベータ溝」

となっているんです。

そのさらに下、
井戸の底のような場所には…

「実験体廃棄場」

という名前が
つけられています。

この感じ…
うまく伝えられないんです…

けど、その…

…気をつけてください。

 

「…我ガ身ハ…」

 

「…無力ニシテ…」

 

「…全テヲ持ツ…」

 

「…存在ト成リ果ツ…」

 

「…タダ今ハ…」

 

「…深キ淵ニテ…」

 

「…我ヲ滅ボス…」

 

「…赤キ捕ラワレ子ノ…」

 

「…救イ手ヲ…」

 

「…待ツ…」

 

「…コノ深キ…」

 

「…地ノ底デ…」

 

「…待ツ…」

 

 

「…ワガ名ハ…」

 

「…スクリフ…」

 

「…フロウ…」

 


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