… … …
やっと会えました!
Shess-Tさん。

わたし エリです。
びっくりしました?

えーとですね…

じつは、あの適合試験。

現地調査パートナーの選出、
という意味もあったんです。

つまり 引き続き
わたしがShess-Tさんの
担当オペレータになります。

どうぞよろしくお願いします。

そうだ!
見てください これ!

「ラボ」最新鋭AIシステム
「カル・ス」のメイン端末!

試験中もいちおうは
操作できたんですが…

彼のほんの一部と
お話ししてるようなものだったんです。

それが、新人だっていうのに
メイン端末に触れるなんて!

これで彼とお話し
し放題なんて!

…素敵です。

… …

… … …

ゴホン!

えーと。

任務の概要はチーフから
お聞きになりましたよね?

無人偵察端末が
採取してきた
データによりますと…

ガル・ダ・バル島には
明らかにパイオニア1の、

つまり我々の文明による
建造物の存在が確認されています。

居住区であったはずの
セントラルドームから
離れた場所にあるにも関わらず、

かなり 大規模なものです。

もちろん パイオニア1が
我々に送ってきていたデータには
そんな記録は ありません。

ラグオルの地下採取場と同様。

なんらかの目的で
秘密裏に建設されたものと
考えてよいと思います。

なお 現地の調査は
「CAL」によって
現在も継続されています。

VRフィールドでも
使用していた通信端末ですね。

そうです!
あのカワイイ子です。

…ゴホン!

えーと。
繰り返しになりますが、

「ガル・ダ・バル島
 現地の調査・報告」

「陸軍副司令官
 ヒースクリフ・フロウウェン
 の捜索・生存確認」

以上の2点が依頼内容です。

ガル・ダ・バルを調査中に
なんらかのデータを手に入れた場合、
現地の「CAL」にアクセスすれば、

そのデータをこちらに転送し、
解析できるようになってます。

…とまあ。

基本的な部分は
だいたいこれくらいかな?

準備ができたら
スロープ下の向かって右、
黄色のゲート奥へどうぞ。

地表への転送装置が
設置されているはずです。

頑張ってくださいね!

準備ができたら
スロープ下の向かって右、
黄色のゲート奥へどうぞ。

地表への転送装置が
設置されているはずです。

カルの推測によれば…

「現在施設へのメインゲートが
 閉じられているのは、」

「島全域にセキュリティモードが
 働いているため、」で。

「この封鎖を解除するには、」

「この管理区から移動可能な
 各エリアに存在するだろう
 セキュリティロック。

これを解除する必要あり。

…とのことです。

でも。

セキュリティモードが
島全域で働いていると仮定すると…

島各地での危険レベルは
かなり高いと想定されます。

気をつけてください。


ガル・ダ・バルより受信
識別コード確認

アクセス
ハンター Shess-T

はい!
こちらラボ。

取得したい情報を
選んでください。

キャンセル
了解。
通信を終了します。
解析データ
えーと。

あれ?
ごめんなさい。

これはまだデータ解析が
済んでないみたいですね。

密林地区
現在までに判明した
モンスターのデータを
説明します。

施設のデータ上には、

「実験コードレベルβ
 被検体:原生生物」

とあったものです。

植物型の変異生命体である
メリルリア。
メリルタス。

この2種は
ガル・ダ・バル各地において
かなりの数で確認されてます。

さらには、

「雌雄が存在し、
 そのうち雄の固体が
 体内に毒素を持つ。」

そうです。
どっちが雄なんでしょう?

でも、隠れていたり
見つけても逃げたり、

…すごく 臆病みたいですね。

でも 油断は禁物。

この上位種にあたるものも
密林地区で発見されてます。

メリカロルと呼称しますが、

かなりの巨体なので
地中に根を張っていますけど、

移動しているところも
偵察端末によって確認。
注意してください。

しかもデータには、

「下位種である2種と同様に
 状態異常誘因因子が体内より
 検知される。複数種あり。」

とありますね。

高山地区
現在までに判明した
モンスターのデータを
説明しますね。

施設のデータ上には、

「実験コードレベルα
 被検体:原生生物」

とあったものです。

ちなみに
こちらの偵察端末によって
確認されているのは…

ウル・ギボン。
ゾル・ギボン。
この種は群れで行動します。

複数で囲まれると危険。
もし囲まれたら一点突破で
脱出するのをお薦めします。

この2種は
ガル・ダ・バル各地で
確認されてますが、

群れのリーダー格らしき
固体は高山地区でのみの
確認となっています。

ギボンと同種と思われますが
ギブルスと名づけました。

こちらは、かなりの大型で。

しかも、かなり上空の偵察端末が
破壊されてるくらいですから…

跳躍能力が高く、かつ
かなりの凶暴性を持っている
と推測されてます。

注意してください。

海岸地区
現在までに判明した
モンスターのデータを
説明しますね。

施設のデータ上には、

「実験コードレベルα
 被検体:原生生物」

とあったものです。

「海岸地区において
 変異が確認された大型蜂。」

ラボではこちらを
ギ・グーと呼称しますが、

「小型蜂を
 多数 統率している。」

こちらはギーと呼びます。

女王蜂と兵隊蜂、
みたいなものですね。

ギ・グーは蜂で言えば
針の部分に高いエネルギー反応が
検知されてます。

また、偵察機が接近時に
ギ・グーがネット状バリアを
展開するのを確認してます。

ウカツな攻撃は
危険かもしれません。

中央管理区
えーと。

現在までに判明した
モンスターのデータを
説明します。

施設のデータ上には
「実験コードレベルα
 開発:捕獲用マシン」

とあったものです。

解析データには、

「管理区防衛と試験場監視を
 目的として地表に配置した
 ベリル・スピゲルタイプ」

「この2タイプのAI部分に
 D型因子感染を確認」

「セントラルドーム地下施設と
 同様のウィルス型汚染症例

「D型因子はマシン経路からの侵入も
 可能なことが立証された。」

と、あります。

それと装備として、

「フォトン迷彩
 転移ジェネレータ
 焼却装置」

ですね。

聞きなれないものありますね。
用途は捕獲用とありますけど…

おそらくこの技術の一部は
パイオニア1ラボで
独自に開発されたものかと…

エリア構造
えーと。

解析したデータを見ると…

島は4つのエリアに
区分されてます。

密林地区
高山地区
海岸地区

この3つのエリアには
特に大きな施設などは
見受けられませんねぇ…

試験場か何か
だったのかな…?

この3つのエリアを中心に
島全域を管理しているのが、

その名の通り
中央管理区です。

この島全域の管理自体は
管理区の制御塔で行って
いるようなのですが…

現在 制御塔への
入り口と思われる所は
封鎖されています。

これは、島全域に働く
セキュリティレベルとは
全く関係のないもので、

どちらかと言えば
区画封鎖に近いようですね。

フォトン迷彩
「フォトン迷彩」

…はパイオニア1で
新たに開発されていた
技術のようですね。

全く透明になると
いうわけでは
ないようですが…

レーダーが反応しない
性質を持っているので
ちょっと厄介です。

よおく目を凝らして見れば
周囲の風景との比較で
見分けることもできる。

…らしいです。はい。

この技術を使った
トラップ開発も
行われていたようです。

フィールドを歩く時も
気をつけてくださいね。

セキュリティセンサー
「セキュリティセンサー」

…は 施設各所に
仕掛けられてるようです。

侵入者への警告を
目的として
仕掛けられたもの。

とデータにはありますが、

何があるかも
わかりませんし…

危険をなるべく
避けるのが調査の鉄則!
ですからね。

メッセージログ
えーと。

あれ?

現在転送されてきている
メッセージログはありませんよ。

*各メッセージログは下に記載


ガル・ダ・バルより受信
識別コード確認

アクセス
ハンター Shess-T

Shess-Tさんですね。
こちらラボ。

はい!
エリです。

ここは
ガル・ダ・バル島にある
施設管理区域。

目の前にあるのが
おそらく施設へのメインゲート。

…のはずなのですが。

おかしいですね
閉まってるみたい。

えーと。あ。

カルが推測して
くれるみたいです。

OK。
出ました。

…彼によるとですね。

「このゲートロックは現在、
島全域にセキュリティモードが
働いているため。」

で。

「この封鎖を解くには、」

「この管理区から移動可能な
各エリアに存在するだろう
セキュリティロックスイッチ、」

「これを全て
解除してくる必要がある。」

…とのことです。

でも、

セキュリティモードが
島全域で働いていると仮定すると…

島各地での危険レベルは
かなり高いと想定されます。

気をつけてください。

メッセージログ1

…これを誰が
聞くことになるのかは
わからんが…

この惑星ラグオルの
真実の姿の記録として
これをここに残す。

オレの名はフロウウェン。

パイオニア1陸軍副司令官
ヒースクリフ・
フロウウェンだ。

我々の目的である
惑星ラグオル殖民の進行状況は
悪くはなかった。

コーラル本姓環境の悪化。
新天地の必要性から発令された
このパイオニア計画。

惑星に到着した我々は
生存可能かどうかを調査し
居住環境を築いた…

だが、この選定された惑星が
間違っていたのかもしれぬ。

…いや、

最初から
そう仕組まれていたのだろう。

ラグオル…

この星に眠る「アレ」は
我々の手で扱える範疇を
遙かに超えたものだ。

掘りおこすべきではなかったのだ。

この呪わしき
過去の遺産は…

メッセージログの
転送確認しました。

こちらでの解析も
終了しています。

声紋データの照合も通りました。

このメッセージログは
フロウウェンさん本人が
記録したものです。

これが記録されたのは
私たちパイオニア2が
ラグオル軌道上に到着する前。

つまり、あの爆発の前
ということになります。

逆に言えば 爆発以前に
記録されたものですから、

これだけで
彼が生きているという
証拠にはなりませんよね…

メッセージログ2

…初めて「アレ」に遭遇したのは…

そうだな。

古代船の発掘作業も
かなり進んだころだ。

惑星ラグオルに眠る
超古代文明を発掘し、

その技術を
我々の文明の進歩に云々…

体のいい理由だ。

だが、少なくともオレは…
そのための計画だと信じた。

地表でテラフォームや
セントラルドーム建設などの
殖民作業が進んでいる中、

その地下では
発掘作業が秘密裏に
進められた。

地表の連中は
地下でこんなことが行われているとは
夢にも思っていなかっただろう。

長い時間と労力を費やして
発掘部隊は、遂に古代宇宙船
内部への侵入に成功した。

だが、
喜んだのもつかの間だった。

…「アレ」が現れた。

発掘部隊は全滅。

以後 古代船内に入った人間は
誰一人として戻ってはこなかった。

敵意を持った生命体の存在。
確認できたのはそれだけだ。

時を経ずして
討伐作戦が発令された。

オレは 一生忘れんだろう。

まるで 暗闇の深淵から
這いずりあがってきたようなあの姿。

ひとつの姿を
保てていない、
と言うよりは むしろ…

ひとつひとつの細胞が
死と再生を繰り返して
いるかのようだった。

…撃退には成功した…

が、オレが指揮した
軍の討伐部隊も ほぼ全滅。

そして生き残ったオレは
その代償にこの傷を受けた。

今でも蠢く
この傷は「生きている」

そしてオレの身体を
支配しようと

侵食し始めている…

メッセージログの
転送確認しました。

こちらでの解析も
終了しています。

…気になるのは…

メッセージの中の
古代宇宙船に
出現したっていう「アレ」、

…ですけど。

それって古代宇宙船内に出現した
D細胞型亜生命体群の
ことなんでしょうか?

それとも やっぱり…

メッセージログ3

「D型因子」

…この傷を指してオストは言った。

未知の生命体。
その発見に奴は驚喜していた。

そして オレに
こう聞いてきた。

「故郷を失いつつある
 我々の未来のため 君の身体を
 政府に提供する気はないか?」

と。

老い先も短いこの身体が
人々の未来のためになるならば
なにも思い残すことはない。

そう考え、オレは
幾つかの条件と引き換えに
政府の申し出を受けた。

オストはそれを聞くと
喜び勇んで言った。

「君はこれから
 政府公認の実験体となることを
 認めなくてはならない。」

つまり これから
何が起こったとしても
何も言うことはできない。

死んだ人間となれ
ということだ。

「死亡の発表や本星に残してきた
 娘や友人へのメッセージの送信は
 全て政府が済ませる。」

と奴は言った。

提案を受け入れたとは言え
心残りもあった…

この老いぼれを「師」と呼び
こんな未開の地にまで
ついてきてくれた あの利発な娘。

オレの死を知らされた時
あの娘はどう思うだろう…

だが、
そんな感傷もつかの間だった。

オレは死んだことと世間には
発表され、ある場所に移送された。

それが全ての過ちの
始まりだったのかもしれぬ。

今 惑星ラグオルを
覆う現実は 言わば、

オレのこの決断が
生み出してしまったようなものかも
しれないのだ…

メッセージログの
転送確認しました。

こちらでの解析も
終了しています。

これ…
本当なんでしょうか?

本当だとしたら
とんでもないことです。

チーフが秘密裏に調査を行え
と言うのもわかる気がします。

オスト博士は
科学者として
非常に高名な方ですし…

このパイオニア1で
行われていた出来事。

これがパイオニア2の
一般層にまで広がったら…

…大変なことになります。

メッセージログ4

いつの間に
こんな施設を作ったのか…

セントラルドームから
遠く離れたこの島に
オレは移送されてきた。

地上と海底。

島全体が巨大なラボのようなものだ。

さらに パイオニア1ラボの
主だった博士連中が
雁首揃えてオレを待っていた。

オスト博士を初め…
フォトン工学の権威
グレイブ博士夫妻…

これも
計画のうちだった
と言うわけだ。

やがて オレの身体を
研究材料とした
実験が始まった。

詳しい内容についてはわからんが、
その研究は多方面に
渡っていたようであったし、

その研究成果自体も
オストの様子から察するに
悪くはないようだった。

そんな中…

あの古代船から再び
大量の亜生命体が発生した
という話を耳にした。

まだ 死んではいなかったのだ。

今 考えれば…

死、という我々の概念を
あの生命体に適用すること自体が
間違っていたのかもしれん。

だからこそ 古代人たちは
宇宙船ごと この星の奥深くに
「アレ」を封じ込めた…

未知のフォトン…
永遠の生命体…

そう考えると
あの高名な博士連中が
躍起になるのにも納得が行く…

メッセージログの
転送確認しました。

こちらでの解析も
終了しています。

「地上と海底。
 島全体が巨大なラボ。」

とありましたよね?

実は、この言葉って
ラボ独自で行った現地調査とも
符合するところがあるんです。

そしてそれは
カルの推測とも一致している…

今は詳しい説明を
避けますが、

はっきりしたことが
判明し次第
お伝えするつもりです。

ちょっと
待っててくださいね。

やりましたね!

各エリアの
セキュリティロックを
全て外したので、

中央管理区メインゲートの
ロック解除が確認されました。

これで やっと施設内への
侵入が可能になったわけです。

でも!
気を抜いてはダメですよ。

ここから先のほうが
今までより危険なことに
間違いはないんですから!

やりましたね!

あんな大きい怪物を
倒せるなんてすごいです!

…ふう。

モニターで見てて
ドキドキしちゃいました…

ゴホン!

その生物に関する
データ解析は
引き続きラボが行います。

帰還装置から
ご帰還ください!


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