「かしまし娘の身体測定」 作:緑恐竜子(みどりきょう りゅうこ) ※この話はフィクションです。2次創作です。実際のにおくま本編、及びきむきじんさんとは何の関係ありません。たぶん← 南「な、なんで、どうしてなの」 その日。 正確にはお昼過ぎ。 身体測定の場にて、納城南は何故か憤慨していた。 西「…なにが?」 友人の突然の言葉に首をかしげる仁志西院歌。 南「…どうすれば、そんななの」 脱ぎかけの服を両手で捲りながら怪訝な顔になっていく。 西「…?」 さっぱり要領を得ない南に見かねた来部麗朱がふわりと助け船を出した。 麗「南さん…主語。主語は大切です」 南「ん?主語は此処よ。見れば分かるわ麗朱。この存在感。…むしろ揉んでみ?」 完全に目が据わっていた。 短い眉を上下させ、厭らしい目つきで標的の西院歌を見つめている。 麗「め、目が逝かれてます南さん、…それに私触れられませんよ」 よく見るとその目線は西院歌の胸の膨らみ、2点に注がれている。 デジャヴ。 麗朱はその下卑た表情にどこか見覚えがあった。 だがしかし、そのバージョンの彼女と南は今のところ1度も接触したことはないはずだ。 南「そうだったわ。では凝視、凝視よ」 手を湧き湧きさせる南。 似すぎである。 いや、無意識にあの魔女の影響を受けているのか。 麗「……うぇ」 だとしたら怖すぎた。 麗「……里さんの影響力、恐るべし…です」 はい注目ー、と南が西院歌に向かって手招きをする。 南「ちょっとぉ〜おいでませ〜西院歌ちゃんよぉ〜」 西「…!?」 そのただならぬ気配をその敏感な器官で感知した西院歌であったが、時すでに遅し。 南が素早い手つきで先制を取った! もみっ 西「…ひゃっ!ちょっ!!」 突然のことに動転した西院歌は南に介入を許してしまう。 下卑た表情を露ほども隠さず、するすると西院歌の胸部に手を回していく南。 麗「…な!?」 この女、なんと手慣れている! 南「ふ、ははうはー♪見よ!この驚きのでかさ。北斗のやつは幸せ者だわー」 西「〜〜〜っ!!?」 南「んっふふふふ、その熟れた人妻を我がモノのように揉みしだく南ちゃん…、ふふぅ♪ Cかな?…いやこれはDの…プラプラの…上等ものねー♪うへ、へへ」 耳まで真っ赤にして必死の照れ隠しと抵抗を続ける西院歌。 対し、お宝鑑定ならぬカップ鑑定ABC♪を始める南、改め変態。 麗「に、仁志さんが汚されていく…」 それを見て、そういえば…と麗朱は思い当たった。 西「〜〜〜んっ…や ぅ〜〜〜〜」 地底人は総じて刺激というものに弱いらしい。つまり肌も敏感なわけだ。 そういう感覚とは無縁の麗朱だったが、意味は分かる。 麗「……」 胸を揉まれている西院歌は声を出すのが恥ずかしいのか、必死に声を潜めている。 だがその必死さに反比例するかのように、悩ましげに憂う体躯。 このままだと西院歌は確実に… 麗「だっ、だだーーーー!!!へへ変態!セクシャルです!ハラショォォーー!!」 その妄想を打ち消すように、髪を全力フル回転させながら、興奮気味に雄たけびを上げる麗朱。 南「馬鹿ねぇ、麗朱。別に嫌がってないわよ。ねー、西院歌?」 もみもみもみもみ。 今度は翼で口元を押さえつけ、声が出ない状況へ追いやる。 西「〜〜〜〜〜〜〜っ!!」 そしてその洗濯板のような胸で西院歌の背中にひっついた南は、その赤い耳を食むように唇を寄せた。 傍から見ると、まるで其処だけ百合の花がぶわりと咲いたような、非常に危ない光景である。 麗「ハラショォォ…」 傍観者麗朱はただ、賞賛の言葉を浮かべていた。 ちなみに彼女はその言葉の意味をまったく分かっていない。 ----ガララララッ そんな時、教室の戸が開いた。 麗朱が見渡すとそこには同じクラスの女子はもういない。 後輩たちの順番になったのだろう。 後輩A「ん?南お姉さまですか??」 その中の地底人の女の子が、匂いで南を感じ取ったのか声をかけてきた。 その位置では南の姿までは確認できていないだろう。 後輩B「え!南お姉さまがいるの!?」 次いで空人の女の子がその鮮明な視力で状況を捉える。 後輩C「どこですのっ!姉さまはっ」 後輩D「…南さま?」 後輩E「ちょ、ちょっと止まらないでっ みえないようーー」 どかどかどか 次々に女の子たちが南を求めて入ってきた。 そして−− 後輩B「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 いたいけな乙女の絶叫が響いた。 南「へ? えええええ!?」 西「???」 それに続き状況を把握した他の女の子が悲鳴を上げたり、卒倒している。 そのほとんどが南ファンクラブの会員である。 というか、後輩クラスの半分がそうだというのだから、ある意味すごい。 後輩D「お、お姉さまはっ…ひっく、好きな女の子はいらっしゃらないって言ってたのにぃぃぃ」 南「や、えぇ!?ちょっと落ち着いて、ね?」 後輩C「う、なのに…このような可愛らしい方ともうそんな、ねんごろな関係にぃぃぃぃ」 ぼたぼたと真珠のような涙を流す後輩たち。 南「ち、ちがう!これはほんの出来心で!! …ね、西院歌!?」 翼絡めをほどいてやり、西院歌に助けを求める。 西「………」 西院歌は少しだけ考えて、 西「…南に無理やりテゴメにされました」 ほぼ棒読みで言い放った。 南「う、裏切りものぉぉぉぉおおおおお!!」 叫ぶな否や、その脇に出来た隙ありの好機。 西院歌はそれを感じ損なわない。 西「せいっ!」 どすっ 南「ぐっ…は…?」 西院歌ちゃんの正拳突き。 痛い。 麗「仁志さん!早くこっちへ!!」 西「うん、麗朱」 そそくさと麗朱のもとへ逃げていく西院歌。 南に残されたのは、前方の空白と、 南ファンクラブ一同「南おねえさま―――」 甘ったるい声を発する、後方の後輩たちであった。 南ファンクラブ一同「私たちもそのぺったんこな胸で抱いてーーーーー!!!!!」 南「きゃあああああああああああ!!!」 正拳突きのダメージも相俟って、身動きが取れない。 南が女の子たちに羽交い締めにされ見えなくなっていく。 麗「…南さんの様な方ががこういう経験を活かされていくと、とんでもない魔女が出来上がるのかもしれません。」 西「そうね。胸、ないけど」 南「やっ…ちょっ そこは…馬鹿!羽根いじっちゃやだぁぁ!!らめぇぇぇぇぇええ!」 今度は急所をいじられているらしい。 南に言わせると、手羽先部分というのは触れられると心地良いらしいのだが、とても恥ずかしい、らしい。 空人の感覚は分からない2人だったが、意味は分かる。 西「手羽先を制する者は…空人を制す…?」 麗「何故疑問形?」 西「貴女を独占したい、開拓したいの意。使用例は…嗚呼、手羽先食べたい…」 麗「…カバさん泣いちゃいますねぇ」 麗朱と西院歌はもう一度振り返り、 麗・西「合掌」 女の子達の体躯で盛り上がってる墓場に手を合わせた。 :あとがき: この作品は、ライターに寄贈した文章の加筆修正版になります。 かしまし娘たちの会話って、本編中に皆無なんですよ。 きむきじん氏も、3人の会話が想像できん的な事をメッセでおっしゃっていたんです。 …んで、3人娘の可愛いくてキャピキャピした日常会話が見てみたくて制作したわけです。…他でもない私が。 これが可愛い日常会話か。ヴァカメ。南に緑恐竜憑いてんだろ。…という非難中傷哀れみバッチコイ。 あー、文才が欠片も感じられないのは仕様です。ライター、修正してください←