女が一人の男子生徒をフッたことから、事は始まった。 付き合っている人がいる。だから付き合えない。 どうすることも出来ない、当たり前の理由。 男子生徒は納得し、諦めた。 しかし、なぜかそれをこころよく思わない人間がいた。 フラれた男子生徒に想いを寄せる、女子生徒。 つまり逆恨み。 女は受ける必要のない嫌がらせを受ける羽目になってしまったのである。 にぎやかな、生徒たちの談笑が聞こえる教室の中、 その場にそぐわない、鬱々とした雰囲気の立ち込める一角があった。 男 「……」 女 「……」 眼 「……」 短 「……」 友 「……」 窓際の女の席。 いつものメンバーが難しい顔をして、女を取り囲むように立っている。 机の上には落書きされた教科書が広げられていた。 教科書には、『死ね』『なんでお前が』『学校来るな』等、 幼稚でストレートで、ストレート故に心にグサッとくる言葉がページいっぱいに書かれていた。 友 「こりゃぁ……ひどいね……」 呆れて「ははっ」と笑いながら友がつぶやく。 眼 「まったく……」 短 「なんでこんなことするかな〜……」 理解に苦しむといった顔の眼鏡と短髪。 男 「女はなんにも悪いことしてないのになぁ……」 そう言って女の頭をやさしく撫でる男。 女 「……」 何も言わずにうつむく女。 友 「なぁ、なんとか話つけられないの? 犯人はわかってるんだろ?」 犯人はすぐにわかった。 隣のクラスの、普段は大人しい女子生徒。 友達も少なすぎず多すぎず。大体三人ぐらいでかたまっていることが多いらしい。 移動教室の開始前、たまたま短が教室に忘れ物を取りに戻ったときに、犯行現場を目撃して正体がバレた。 短 「それなんだけどね……」 眼 「一度、私と短で話しつけようと思って、犯人の女子に話しかけてみたんだけど、逃げられちゃったわ」 短 「声かけたらすごいビックリして慌ててた。そのあとこっち睨んで走って逃げちゃった」 眼 「なんか、怖いものでも見るようだったな」 友 「あらまぁ……」 男 「そんなに恨んでるのか?」 眼 「どうだか。犯人の子も、もうワケわかんなくなってんじゃないの? ひっこみがつかないっていうか……」 短 「あと戻りできないっていうか?」 眼 「そう」 友 「罪の意識はあるけど、後戻りできない。ひっこみもつかない。なによりワケがわからなくなってる。こりゃ狂気だな……」 男 「……俺が話つけてこようか?」 友 「それはやめておいたほうがいいんじゃないか?」 眼 「私もそう思う。アンタが出て行ったら、余計相手が惨めな気持ちになって、嫌がらせがエスカレートするかも」 短 「嫉妬か……」 眼 「そうね。恨んでるっていうよりは、物凄い嫉妬って感じね」 友 「女の嫉妬ってのは怖いな……」 眼 「この情熱を片思いの相手にぶつけてくれればいいんだけど」 男 「ったく……どうすりゃいいんだよ……」 男が女の頭を抱える。 全員が大きなため息をついた時、休み時間終了の鐘がなった。 ============================================================================================== 友は考えていた。 なんとかこの状況を打開できないかと。 今回の事に、助言を与えてるくれる人物を自分は知っている。 しかし、その人に話を聞くことは、その人に嫌な過去を思い出させることになる。 それは友にとっても望むところではないのだが、友にはその人に話を聞く以外の考えは浮かばなかった。 友 「ただいま〜」 いつも通りダラダラと靴を脱ぎ、二階の自分の部屋へ向かう。 部屋のドアを開けようとノブに手をかけた時、廊下奥の姉の部屋をチラと見た。 姉の部屋から電子音が聞こえてくる。 友 (居るのか) 友は「ふぅ」と息を吐くと、ドアノブを回して自分の部屋へ入った。 パパッと部屋着に着替え、一階のリビングへ降りテレビをつけると、まもなく姉が降りてきた。 姉 「なんだ。帰ってたんだ」 友 「ん〜」 「よっこらしょっと」といいながら、ドカッとソファーに座り、テレビを見る姉。 必要以上の薄着にくわえタバコという姿の姉。 友はこんな姉に、いつも多少の不快感を覚える。 友 「おい。くわえタバコでうろつくな。あと、ちゃんと服着れ」 姉 「家でどんな格好しようと構わないでしょ。いっつもうるさいねぇアンタは」 友 「いきなり客が来たらどうするんだ」 姉 「今までそんなことなかったでしょ〜? これからもないわよ」 友 「いや、わからんぞ? いきなりオヤジが仕事仲間を連れてきたりとか……」 姉 「だから、今までそんなことなかったんだからこれからもないわよ。もしそんなことがあったら部屋に篭るわよ」 友 「そういう問題でも……」 姉 「アンタ、いちいちうるさいよ? 面倒くさいことばっかりいうんじゃないよ」 ペチン 友 「あいてっ!! 殴るな!!」 姉 「殴ったんじゃない。ぶったの。殴るってのはこういうこと」 ゴツン 友 「いてぇ!! ホントに殴るな!!」 姉 「アンタがわかってないみたいだから教えてやったんじゃない。ありがたく思いな」 「のど渇いた」と、姉が台所へ入ると、友母の怒鳴り声が聞こえてきた。 姉 「あー。はいはい。ごめんごめん」 まるで聞いていないように友母をあしらいながら、姉が台所から出てくる。 再びソファーにドカッと腰掛け、プシュっとビールの缶を開ける。 姉 「はぁ〜あ。まったくうるさい家族だよ…… ングング ぷふぅ〜」 うまそうにビールを飲む姉を見ながら、友は、 「あの頃は、こんなになるとは思わなかったんだけどなぁ」 と、昔の姉を思い出していた。 ================================================================================ 友 「お姉ちゃん。今日も学校行かないの?」 朝のリビング。 朝食を摂りながら、まだ幼いの友は母に尋ねる。 友母 「いいから早く食べちゃいな」 友 「うん……」 急いで朝食を片付け、椅子の下に置いていたランドセルを拾い上げる。 友 「ごちそうさま〜。んじゃ、いってきます!!」 リビングから出るとき、タオルケットを頭の上から被りながらテレビを見ている姉を、友はチラッと見た。 その横顔は生気がなく、顔に乗っているメガネだけが存在を示しているように友は感じた。 姉が学校に行かなくなった理由が、そのころ小学校に上がったばかりの友にはよくわからなかった。 『学校は友達もいっぱいいて楽しいところなのに。なんでお姉ちゃんは行かないんだろう?』 幼い友には、『いじめ』というものが良くわかっていなかった。 中学の頃。姉はいじめに遭っていた。 小学校とは違う面子。小学校からの友達は、運悪く一人も居なかった。 思春期に入るか入らないかという時期。当時の姉の性格は今とは違い、暗くおとなしい性格をしていた。 なかなかクラスに馴染めず、気づけば独りだった。 お昼のときも、移動教室のときも、帰りも、トイレも独り。 たまに話しかけてくれるクラスメイトが居ないわけではなかった。 しかし、性格が災いしてか、うまく喋れず、話しかけてくれるクラスメイトもそのうち居なくなった。 そして、いじめが始まった。 『いじめ』と聞いて浮かぶ嫌がらせの、ほぼ全てをやられた。 靴に画鋲、下駄箱に汚物、ウソのラブレター(もらう側・出す側両方)、トイレに閉じ込められて水をかけられる、 体操服・制服を隠される、下着を取られる、スカートを切られる、必要以上に仲間はずれ etc...... 家に帰っても家族と話すことがなくなり、自室に篭ることが増える。 この頃、ちょうど友も学校が楽しくてしょうがない時期だったのか、 はたまた友にとっても辛い時期だったのか、断片的にしか記憶がない。 姉が学校に行かない日が増える。担任が家に来る。 親が学校に出向く。憤慨し、落胆し、帰ってくる。 いくら幼いとはいえ、友も状況が良くないことはわかっていた。 しかし、友が話しかけると優しく答えてくれる姉が、いじめに遭っているなどとは理解できなかったことは覚えていた。 学校に行かないまま三年生になった姉が、いきなり 姉 「私、学校行く」 と、言い出した。 両親は驚いたが、友は「ああ。行くことにしたのか」と思っただけだった。 友 「お姉ちゃん。自分の部屋で勉強してたみたいだし、学校行っても先生に怒られたりはしないよ」 姉がいじめられていることを理解できないままでいた友は、 お姉ちゃんが学校に行かない状況にすっかり慣れていた。 そのことを学校でからかわれても、「だから?」といってとりあわなかった。 「お姉ちゃんがそう決めたならそれでいい」そう思っていた。 だから、姉が「学校行く」と言っても、さほど驚かなかった。 姉 「うん。ありがと」 友の言葉に、姉は礼を言い、友の頭をポンポンと叩く。 それすらも友は気にせず、ムシャムシャと朝食を食べていた。 姉 「いってきます」 友 「いってきまーす」 二年ぶりに姉と玄関を出る。 玄関を出るとき、両親が泣いているように見えたが、友は見なかったことにした。 姉が久々に登校した日の夜、担任が家に来た。 担任、両親、姉がリビングで話をしているので、「ややこしそう」と言う理由で友は二階の部屋で大人しくしていた。 寝床でマンガを読みながらゲラゲラ笑っている友の耳に、父親の怒鳴り声が聞こえてきた。 友父 「貴様らはウチの娘と相手の娘を差別するのか!! ウチの娘のときは何もしなかったクセしやがって!!」 友はマンガを読むのをやめ、そっと耳をすませる。 話を聞いてみると、姉が、いじめっこ相手にいじめの報復を行ったらしい。 それに対して担任が注意をしに来たから父親が噴火したようだった。 そして担任は帰っていった。 友は、話が終わったかとリビングに行ってみると、両親と姉が抱き合って泣いていた。 一人蚊帳の外の友は、ろくにテレビも見られないリビングをあとにした。 次の日から姉は変わりはじめる。 メガネをかけなくなり、口調も変わり、よく友を怒鳴り、よく笑った。 その後、何事もなく高校に進学し、大学を出て、社会人になった。 そして、昔とは全然違う、現在の姉が出来上がった。 ================================================================================ 友 「なぁ、ねぇちゃん。どうやってやりかえしたの?」 昔を思い出してボーッとしていた友は、「しまった」と口を押さえそうになった。 姉 「え?」 姉が、険しいような、悲しいような表情で友を見る。時間が止まる。テレビの音が遠くなる。 姉 「……」 友 「あの……」 姉 「……」 友 「あのさ……」 姉は視線を逸らさない。あの頃の友ならなんともなかっただろう。 しかし、あれから成長して、多少なりとも大人になった友には、この状況が辛かった。 自分の言った言葉に反省していた。 友 「その……ごめん……」 必死に搾り出した謝罪はとても情けないものだった。 姉 「ふぅ……」 姉は一息つくと、残りのビールを飲み干して席を立つ。 リビングから去り際に、 姉 「お母さーん。今日、晩御飯いらないわー」 と言い残した。 友は姉を止めなかった。 ソファーから動けなかった。 ================================================================================ その日、いつも寝ているであろう時間になっても姉は帰ってこなかった。 友は、「どこかで暴れているんじゃないだろうか」と心配しながらも、 女への嫌がらせをどうやめさせるか考えながら寝床に入り、目を閉じる。 どこからともなくトントンと音が聞こえる。 友は夢と現実の境をうつらうつらとしながらもドアを開ける。 開けたとたん、酒の匂いが友を襲う。 友 「うっ……酒クセぇ……」 姉 「あ〜ん? 誰のせいだと思ってんだコノヤロウ」 ゴツン 友 「いっ……!!」 寝ぼけてうまく言葉が出ない。 姉 「あ〜……飲んだ飲んだ……」 ふらふらと友の寝床に横になる姉。 友 「あ〜あ〜……自分の部屋で寝ろよ……」 姉 「いいじゃ〜ん。アンタのものは私のものよ。あはは」 姉を起こそうとするが、寝起きで力が入らず、ふざけた姉に抱きつかれ、寝床に倒される。 友 (あーもーめんどくせ。べつにいいや……ねよ……) 睡魔に勝てず、寝ようと思った時、 姉 「……グスッグスッ」 友の背中に抱きついてる姉の泣き声が聞こえてきた。 さすがに友は驚いた。 しかし、今動けば、友が姉の泣き声に気づいていることがバレる。 友の体が、不自然に硬くなる。 そんな緊張からほどなく、姉はスースーと寝息をたてて寝てしまった。 姉の泣き声で、すっかり眠気が覚めてしまった友の頭に、忘れていた記憶が蘇ってきた。 友 (ああ。そうか。昔もこんなことあったな) 忘れていた記憶の断片。 姉がいじめられて帰ってきたとき、決まって友の部屋に来て、抱きつき寝ていた。 別に、なにか官能的な出来事などはなかった。ただ背中に抱きつかれ眠っただけ。 だが、幼心にその行為を、どこか背徳的な行為と捉えていたのだろう。 友は自然とその記憶を消していた。 友は、昔のことを思い出し、さっきの自分の言葉を反省し、当時の姉の気持ちを考え、 少し泣いて寝た。 ================================================================================ 朝、友が起きると、背中に姉の姿はなく、姉はすでに起きて着替え、リビングでテレビを見ていた。 友が、のそのそと朝食のテーブルについたとき、姉が一言 姉 「ありがとね」 と背中を向けたまま言った。 友も背中を向けたまま「ん〜」と気のない返事を返し、朝食を摂った。 朝食を済ませ、支度を整え、玄関を出る。 「やっぱりねえちゃんに聞くのはやめておこう。自分たちでなんとかしよう」 そう考えながら道を歩く友の後頭部に、姉の拳が襲い掛かった。  ゴツンッ 友 「いってぇ!! なにすんだよ!! いきなり!!」 姉 「昨日のお返し」 友 「はぁ?」 姉 「よくも思い出させてくれたわね。弟君よ」 友 「う……」 何も言い返せない友を見て、ニヤニヤしている姉。 二人はそのまましばらく歩き、お互い別方向になる分かれ道の手前で、姉が話し始めた。 姉 「アンタが誰におせっかい焼こうとしてるかわかんないけどさ、当人同士話し合わなきゃ解決しないよ」 友 「……」 姉 「嫌なら嫌って言わなきゃね」 友 「……うん」 姉 「もちろん暴力はナシ」 友 「それはハナから考えてない」 姉 「そうか」 ゲシッ 友 「いってぇ!! なんでチョップすんだよ!!」 姉 「気分。そんじゃ」 友 「ったく……」 友は頭をさすりながら、姉の背中に向け「あんがとよ!!」と叫んだ。 ================================================================================ 昼休み。 女の席の周りに、いつものメンバーが集まった。 今日の被害は、下駄箱。 中に、カエルが仕込まれていた。 男 「駄目だ。もう我慢できん」 短 「ちょっと、落ち着いてよ」 眼 「そうよ。今日はまだマシな方だったわ」 女 「うん〜。私、カエルなら平気だから〜」 男 「マシとかマシじゃないとかじゃねぇだろ!?」 友 「うん。男の言いたいことは良くわかる。だがな、暴力はイカンぞ?」 眼 「そうね。今の男君はちょっと怖いわ」 女 「うん〜……男君〜……私は大丈夫だからぁ〜……」 友 「ほら、女ちゃんも怯えてるぞ?」 男 「クソッ……」 短 「しかし、どうすればいいやら……」 眼 「そうね……」 友 「うん。それだけどな。女ちゃん。女ちゃん自身が相手に会って話つけてみない?」 女 「えぇ〜……」 短 「ちょっと、何言ってるのよ。相手は話なんて聞かないよ? 私たち睨みつけて逃げたんだよ?」 眼 「いや……それが一番いいかも」 男 「うん。俺もそう思う」 短 「え? 男君いいの? 相手はなにするかわかんないよ?」 友 「でもさ、やっぱこういうのは当人同士の話し合いが必要じゃないか?」 眼 「相手もまさか本人が出てくるとは思ってないと思うし」 男 「そうだな。相手は女がもう怯えきってると思ってるはずだ」 友 「だからさ、どうかな? 女ちゃん。ちゃんと俺たちも着いてくからさ」 女 「……わかった〜……やってみるぅ〜……」 眼 「よし、じゃ、帰りを狙うか」 男 「それしかチャンスはないな」 短 「作戦は?」 作戦は、下校時、犯人である女子生徒のあとをつけていき、一人になったところで話しかける。 いたって単純な作戦。なんのひねりもない真っ向勝負。 ================================================================================ 秋の風が公園の木々をざわつかせる。 日もずいぶんと落ちた、薄闇の公園。 公園の入り口付近、滑り台の降り口。その少し広くなった場所に二つの人影。 少し離れたブランコに四つの人影。 作戦は成功した。 女 「……」 犯 「……」 男 「……」 眼 「……」 短 「……」 友 「……」 互いに相手の出方を待つ。 日も落ち、公園の外灯が頼りなく辺りを照らす。 先に口を開いたのは女だった。 女 「なんで……私に嫌なことするの?」 犯人の女子生徒が口を開く。 犯 「なんでアンタなのよ……」 反応するものは誰も居ない。 女子生徒は話を続ける。 犯 「なんでアンタなのって言ってるのよ……私はずっとあの人のこと好きだったのに……    アンタにあって私に無いものってなに? なんで私じゃないの? 私はずっとずっと……    毎日毎日あの人を見てるだけで楽しかった……あの人の声が聞こえればドキドキした……    私はずっとずっとあの人を見てたのに、あの人が見てるのはアンタだったなんて……    悔しかった……アンタなんてこの世に居なければいいと思った……    アンタさえ居なくなればあの人は私を見てくれると思った……    だから、だから……グスッグスッ」 また風が吹いて木を騒がせた。 あっけない終わりだった。 女子生徒の泣き声が公園に響く。 遠くからどこかの家の夕飯の匂いが流れてくる。 なぜか、誰も女子生徒を責めなかった。 ================================================================================ 男 「よかったな」 女 「うん……」 男 「これで明日から安心だな」 女 「あの子……だいじょうぶかな〜……」 男 「大丈夫だろ。今回のことで、女への嫉妬はなくなっただろ」 女 「うん〜……まだ……相手の男の子の事スキなのかな〜……スキでいてほしいな〜……」 男 「なんでだ?」 女 「スキって気持ちはね〜とっても気持ちいいんだよ〜。とってもとっても気持ちよくてね〜    お酒みたいに酔っ払っちゃうの〜。でね〜あの子は多分、酔っ払ってただけだと思うのね〜    だから〜酔いが醒めてちゃんとしたら、もっとスキって気持ちとうまく付き合えると思うんだ〜    その時はね〜ちゃんと相手の男の子に、ちゃんとスキって言える気がするんだ〜」 男 「そっか」 女 「うん〜」 男 「なんか、ずいぶんと詳しいんだな? 俺と付き合う前は恋多き乙女だったのか?w」 女 「恋多くはないけど〜。経験者だも〜ん」 男 「へぇ〜相手は?」 女 「気になる〜?w」 男 「そりゃ……まぁねぇ……」 女 「えへへ〜♪ 男君に嫉妬されちゃった〜♪」 男 「ちょ、くっつく前に誰なのか教えてくれ」 女 「ん〜。ヒミツ〜♪」 男 「くそ〜」 女 「〜♪」 ================================================================================ 短 「解決してよかったね!!」 眼 「そうね。これでまた平和な日常に戻れるわ」 友 「つっかれたなぁ〜」 眼 「アンタなにかやった?」 友 「じゃ、そっちは何かやったのかい?」 短 「まぁ、私たちもなにもやってないけどさw」 友 「まぁ、一番疲れてるのは女ちゃんだろうな〜」 眼 「そうね……あの子、こういうこととは無縁そうだから……私も毎日憂鬱だったわ……」 短 「私も慣れてなくて、毎日ブルーだったなー……」 友 「ん〜……まぁ、慣れたくもないけどな〜」 眼 「あら? 経験者?」 友 「ん? あーいや、だってそうだろ?」 短 「だよね〜。この先また、こういう目には遭いたくないなー」 眼 「明日はわが身かと思うとゾッとするわよね……」 短 「ちょっとー。そういうこと言わないでよぉー……」 友 「お前は力で解決しちゃうだr  ズバンッ!! 眼 (やられたくて言ってる様にしか見えないw) ================================================================================ 次の日。 女子生徒が女にちゃんと謝罪をしにきた。 女子生徒が「お茶請けにどうぞ」と持ってきた自家製のおはぎを見て女は有頂天になり、 それをつまみ食いした友は、短のパンチによって昼に食べた焼きそばパンを再び味わう事になった。 そして日常が戻ってきた。 ※おわり ※言い訳はしません。ごめんなさい。