00:11 (NenoHito2525) じゃあちょっとレス形式で 00:12 (NenoHito2525) 【―― 五国連合は敗退し、戦えるダウンズも底をつき。殲滅者は荒野に一人。誰も止めること叶わず】 00:13 (NenoHito2525) 【かつての友であった骸を踏みつぶし、白き破滅の機械はアナグラムを目指す】 00:13 (NenoHito2525) 【正義を為す、目的を忘れた機械は、ただ目指す】 00:15 (NenoHito2525) 「――……殲滅対象、捕捉」その歩みを止め、機械は荒野に立つ人影に視線を投げる 00:15 (NenoHito2525) 【―― 殺す為に】 00:16 (NenoHito2525) 「……ねぇ。あなたは、……そんな事の為に、私を助け出そうとしたの?」か細い人影が、立ち塞がる。 00:16 (NenoHito2525) 「……」機械は無言。中心核に対象を破壊するための力を溜める。 00:17 (NenoHito2525) 「なら、そんな命、要らないわよ」 00:17 (NenoHito2525) 「―― 充填完了、"最危険対象"」いつかの、誰かの声で機械は呟く。 00:18 (NenoHito2525) 「"メルトデバイス"を、破壊するだろ」 00:18 (NenoHito2525) 「デバイス。―― コア・アクセスッ!」泣き叫ぶように、吐き捨てるように、か細い影は言葉を放つ。 00:21 (NenoHito2525) 【周囲から音が消え、黒が拡がる。それは爆発でも破壊の放射でもなく、ただ、空間が、空間にあるありとあらゆるモノが、法則を越えて溶け出していた】 00:22 (NenoHito2525) 【大地も、空気も、音も、存在の一欠片も。コードを越え、ただの無に変える】 00:23 (NenoHito2525) 「なら! こんな命! ―― 欲しくなかったわよッ!」髪を振り乱し、涙を溜め込み、少女は慟哭する。 00:24 (NenoHito2525) 【少女の体は既に人の形を保っていなかった。誰かが押し付けてくれた義足も、誰かが握ってくれた手も、物語を紡いできた指先も、消えてゆく】 00:24 (NenoHito2525) 「もう、あんたに出来る事、これくらいしか、無いわよ……ッ!」少女は駆けだす。全てを終わらせるために。 00:25 (NenoHito2525) 「メルト・――」最後の一言。機械のエネルギーの充填は間に合わない。その一言で全てが消え去る。 00:29 (NenoHito2525) [……消させて、たまるか。] 00:29 (NenoHito2525) 「――――――――――――――――」 00:29 (NenoHito2525) 【それは、瞬きするほどの、ほんの刹那だった】 00:30 (NenoHito2525) 【消えないものがあった。―― 全てを融解させる兵器にも、消せない、ほんの僅かな欠片】 00:30 (NenoHito2525) 【思い出】 00:30 (NenoHito2525) 「――――――――――――――――― あ」 00:31 (NenoHito2525) 【少女の喉に、赤い刃が突き刺さっていた。機械は、充填が間に合わない事を察知し、攻撃を剣に切り替えた】 00:31 (NenoHito2525) [……消させて、たまるか。] 00:31 (NenoHito2525) 「消えろ、メルトデバイス」 00:32 (NenoHito2525) 【声を上げることはできない。的確な攻撃は、もう最後の詠唱すら赦さない】 00:32 (NenoHito2525) (……馬鹿、みたい) 00:33 (NenoHito2525) 【少女は、その刃に手―― だった、形を保っていないモノで、そっと触れる】 00:33 (NenoHito2525) 【機械は即座にその剣を放棄した。一瞬遅れて、空間ごとその剣が黒に融けてゆく】 00:34 (NenoHito2525) 「……オーバードウェポン、一基融解。メルトデバイスの破壊には等価以上と判断」 00:35 (NenoHito2525) 【機械はそれだけ告げると踵を返す。振り返らない。既に少女の形を失った肉塊に、視線すら送らない】 00:35 (NenoHito2525) (……馬鹿、よね) 00:35 (NenoHito2525) 【少女は、消えゆく視界の中で、最後に見た】 00:35 (NenoHito2525) (私も、あなたも) 00:36 (NenoHito2525) 【―― その機械に、燃え盛る異形の瞳を埋め込んだ魔女が、対峙する光景を】 00:36 (NenoHito2525) ―― 了