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車は袋小路の入り口に止めあった。 フルb桁紺色のシビックだった。 エンジンは止まっている。ライトは消されていた。中に3人の男が乗っていた。 フロントガラスの先に明かりの点いたマンションの玄関が見えた。 人通り袋小路丹は行ってくる車も、奥から出てくる車もいない。 「戸倉かい。貧乏ゆシテンのは」 リヤーシートの桶川可否悔い声を出した。スーツ姿の通念の男である。 「遅いですね」 運転席の戸倉実稔貧乏揺すりを止めて云うと、車にキイを戻した。時刻は午前1時20分になっていた。 「落ち着けよ、戸倉。ドジ踏むぞ」 助手席の大竹和仁が、戸倉膝を軽く手でたたいた。3人とも口を押さえていた。 戸倉と大竹はまだ若い20台の半ばだろう。 「外から火が見えないようにすればタバコを吸ってもいいぞ、戸倉」 桶川も後ろから肩をたたいていった。 「大丈夫です、上がっちまってるわけがないから」 戸倉が笑いの混じった声で答えた。 「組長はすきだからな。おまけに年だろう。時間がかかるんだよ。そ の上に相手の女が若くて組長に輪をかけたような淫乱だって江から な。簡単には終らねえよ」 桶川の声にも笑いが混じっていた。 「いいじゃねえか、戸倉。すきなだけやらせてやれよ。この世の別れだからよ・組長には」大竹が言った。 「相手の女はいくつなんですか?」 「26とか言ってたな」 「鹿沼ってのは60超してるんでしょう」 「64だろう」 「それで26の女と寝てるんですか。女、も女ですな」 「年じゃねえよ.銭だよ、女なんてのは、銭にさえなればブタとでも寝るぜ。笑っちまうけどな、組長がまたブタ女に目がねえんだ」 「珍しいですね。やくざ者面食いが多いのに」 「家の組長はデブ専なんだよ、戸倉」 大竹が言ってちいさな笑い声をもらした。 |