チェ・スンシル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

チェ・スンシル(崔順實、崔順実、チェスンシル[1] [2])、朝鮮語: 최순실、女性、檀国大学校卒、1956年6月23日 - )は韓国のシャーマン1970年代からの朴槿恵に身内の喪失に取り入って、朴の韓国大統領としての権限を悪用して政商行為をしていたため数々の疑惑や不正が明るみに出て物議をかもした[3]

経歴[編集]

1974年在日朝鮮人文世光によって朴槿恵の母親の陸英修が暗殺された喪失による朴親子の虚をつき、朴槿恵の父親である朴正煕大統領に取り入って利権を貪って財をなし、朴槿恵が1970年代にファーストレディ代行をしていた時代に常に朴親子の側にいた故・チェ・テミン牧師(大韓救国宣教会総裁)の娘(6回結婚した内の5番目の妻の5番目の子)として1979年に朴正煕大統領が大韓民国中央情報部(KCIA)部長の金載圭暗殺されてさらに傷心になっていた朴槿恵と親しくなって40年以上の付き合いがある。[4] (皮肉なことに金載圭の暗殺の動機の1つが「崔太敏の疑惑を進言したのにそれを朴正熙大統領が聞き入れなかった」ことだった)[5]

父・チェ・テミンはソウル仏光洞の壊れそうな狭い部屋で、電話も無く生活していたが[6] 陸英修の暗殺の翌年の1975年、ファーストレディーの代理を務めていた朴槿恵に慰めの手紙を送ったことをきっかけに出会った。同年に大韓救国宣教団を設立し、翌年にセマウム(新しい心)奉仕団に名称を変えた。1975年5月、朴槿恵は大韓民国救国宣教団の名誉総裁に就任する。1970年代末には会員数300万人を擁した全国組織だったが、朴正煕大統領の暗殺後の粛軍クーデターによって誕生した全斗煥政権によって翌1980年に解体された。そして朴槿恵は父親の暗殺後、表舞台からの退場を余儀なくされたが1980年代後半、父のテミンは育英財団顧問、チェ・スンシルは財団付設の幼稚園園長を務めるなど育英財団であるである「陸英財団」を朴槿恵と実質的に共同運営するなどして側に居続けたが不正蓄財を続けるためだったとされる[7] [8][9]

1990年8月、朴槿恵の妹の朴槿令と弟の朴志晩が連名で当時の盧泰愚大統領に宛て、「チェ・テミン牧師に騙され操られている姉を助けて欲しい」との主旨の嘆願書を送った[10] 。さらに同年にチェが朴槿恵財団理事長の側近として財団傘下の子供会館でソウル江南区狎鴎亭洞(アックジョン)で1987年から運営していた子供教育施設に特別な待遇を与えたなどという疑惑が起き、チェらの辞退を求めるデモが起こると、朴槿恵が11月7日に理事長職と陸英修女史記念事業会長を辞任したことがある[11][12] 1998年に朴槿恵が韓国の国会議員に初当選し、政治の表舞台に復帰した時の秘書室長がチェ・スンシルの夫(当時)チョン・ユンフェだったほどだった。朴槿恵はパク候補は2007年の大統領選の党内選挙の検証聴聞会で、チェ・テミンを『心に触れ会って見たくて会った方の1人』、2016年10月25日の緊急記者会見の謝罪の場で「チェ・スンシルさんは、苦難な時に助けてくれた縁」と全幅の信頼を置いていたことを示した[13][14]

2014年の大統領府文書流出事件[15]セウォル号沈没事故産経新聞加藤達也ソウル支局長(当時)を起訴することになる7時間疑惑の朴槿恵の密会報道の疑惑の相手であるチョン・ユンフェの元妻で、2014年2月にチェ・スンシルからチェ・ソウォンに改名し、同年5月に邸宅や娘の親権などを貰ってチョンと離婚した[16][17]。 朴槿恵とは大統領府関係者が「門番3人衆[18] は生皮で、チェ・スンシルは五臓六腑。生皮は抉れるが、五臓六腑は致命的」と語るほどの密接な関係だった[19][20]

2016年10月には同年1月に設立されたKスポーツ財団という朴槿恵の外遊の際にテコンドーの演武を見せたりするために設立された財団と同年10月に設立されたミル財団という韓国料理世界化を目標とする二つの財団に全経連会長のホ・チャンスに集めさせた774億ウォン(約80億円)の寄付金を親子で私的に流用したのではという疑惑を持たれた。ちなみにKスポーツ財団の理事長はチェ・ソウォン(チェ・スンシルの新名 )がお気に入りのスポーツマッサージ・センターの経営者だったが親子はドイツに逃げた[21][22][23]

不正・疑惑・人事介入[編集]

朴大統領とチェ・スンシルは、長年の親しい特別な友人関係だった。チェ・スンシルの娘であるチョン・ユラをめぐる不正疑惑や、チェ・スンシルがかかわった2つの財団の設立に際して大統領府からの不適切な働きかけがあったとする疑惑などが取りざたされている。『朝鮮日報』は、両方の財団とブルーK(チェが設立した会社)、チェの家、チェの常連マッサージセンターと朴大統領の私邸が、半径1.7㎞以内に集中していると指摘している[24]

  • 2013年2月25日の就任式に合わせて発行された大統領就任切手のデザインや朴槿恵大統領の演説文の内容、2014年に朴槿恵大統領がスイスの世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で持っていた紫のクラッチバッグや政治の場での私服や衣装までチェ・スンシルの指示や監督を受けてのものだった[25]

[26] [27][28]

  • 娘のチョン・ユラ (ko:정유라 (승마 선수)(1996年生まれ)は、高校生の時に乗馬選手としてアジア大会に出場し、その出場実績で梨花女子大学校に入学している。しかし、これには実力がないにも関わらず親のコネで出場したという疑惑がもたれている。
    • ユラは過去にSNSで「能力が無ければお前らの両親を恨め。私達の両親をイチイチ不満を言うな。金も実力だ。不満なら種目を変えなきゃ。お前らは他人の悪口を言うのに忙しいから、いくら違うことをしてもそもそも成功できるのか?」と書いていたことが発覚し、不正入学疑惑をさらに炎上させた[29]
    • チェの不登校だった娘であるチョン・ユラに単位を与えた教授は、1年に55億ウォン(約5億円)の政府研究費を受けた[24]
    • 梨花女子大学校では、2016年7月より大学運営への不満に対するデモが発生して加熱[30]、学生のみならず大学教授らもデモに参加する事態に発展していたが、不正入学疑惑はこれをさらに加速させることとなった。10月19日、崔京姫(チェ・ギョンヒ)総長は、チョン・ユラ氏の入学や単位認定に特別な配慮が行われた疑惑によって大学に混乱を招いた責任を取り、辞任した[31][32]
  • ミール財団Kスポーツ財団疑惑について
    • 朴槿恵大統領は両方の財団が「財界主導で設立」されたと述べたが、実際には大企業は拠出させられていた。「青瓦台アン・ジョンボム首席が全経連に声をかけてそのお金を集めた大企業の役員の証言が国会で公開された。バクビョンウォン経済人総連会長はミール財団の募金は一日に数百億ウォン(数十億円)が集めたと明らかにした。大統領府が主導していなくては二日後に財団が設立されるのは不可能なので文化体育観光部は、世宗市の担当者をソウル出張にまで送ってミール設立書類を受け取るようにした。書類も出鱈目なのに全部無事通過させた。チェ・スンシルと文化界の王子というチャ・ウンテクの二人がミール財団・Kスポーツ財団の所有者を装った。ミール財団理事長は、チャが指名した人物だった。Kスポーツ財団理事長は、チェの行きつけのスポーツマッサージセンターのオペレーターだった人物であった。Kスポーツの従業員は、チェが設立した「ブルーK」という別の会社で働いていた。チェがトップである「ビデク」社に80億ウォン(約8億円)を追加融資の要請するなど公益財団であるはずのKスポーツ財団は実際にはチェの私物そのものだった。
  • 朴槿恵の親友であるチェの要請を受け、韓国大統領府が民間航空会社の大韓航空に特定の人物を昇進させるなど民間企業の人事にまで関与していた。最初、大韓航空は昇進要請を受け入れなかったが、大統領府からの度重なる要求が何度もの「栄転人事」が行われた[33]

関連項目[編集]

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ http://www.zenshin-s.org/zenshin-s/sokuhou/cat81/
  2. ^ 朴槿惠(박근혜)총재 大學生(대학생)제전서 致辭(치사) "協同(협동)으로 새마음 뿌리를"
  3. ^ http://www.npr.org/sections/thetwo-way/2016/10/29/499864915/swirling-scandal-involving-shamanistic-cult-threatens-s-korean-president
  4. ^ http://i.huffpost.com/gen/2341416/thumbs/o-12412-570.jpg?6
  5. ^ http://www.huffingtonpost.jp/2016/10/25/who-is-choi-sun-shil_n_12644096.html
  6. ^ http://www.ohmynews.com/nws_web/view/at_pg.aspx?CNTN_CD=A0001792998
  7. ^ http://ironna.jp/article/659
  8. ^ http://japanese.joins.com/article/135/222135.html
  9. ^ http://www.ohmynews.com/nws_web/view/at_pg.aspx?CNTN_CD=A0001792998
  10. ^ http://ironna.jp/article/659
  11. ^ http://japan.hani.co.kr/arti/politics/18955.html
  12. ^ http://www.ohmynews.com/nws_web/view/at_pg.aspx?CNTN_CD=A0001792998
  13. ^ http://www.sankei.com/world/news/161025/wor1610250044-n1.html
  14. ^ http://shindonga.donga.com/docs/magazine/shin/2012/09/18/201209180500008/201209180500008_2.html
  15. ^ http://japanese.joins.com/article/589/193589.html?servcode=200&sectcode=200
  16. ^ ボロボロ韓国 朴槿恵大統領 噂の男と密会疑惑で日本に八ツ当たり! FRIDAYデジタル 2014.08.25
  17. ^ “조응천 "최순실, 우병우 청와대 입성에도 영향" 주장”. 아시아경제. (2016年9月21日). http://m.asiae.co.kr/view.htm?no=2016092021195553578 2016年10月24日閲覧。 
  18. ^ 李在晩(イ・ジェマン)総務秘書官、チョン・ホソン第1付属秘書官、アン・ボングン第2付属秘書官。1998年に朴槿恵大統領が国会議員初当選から側近として仕えてきた。
  19. ^ http://japan.hani.co.kr/arti/politics/25486.html
  20. ^ http://www.huffingtonpost.jp/2015/01/12/who-is-jeong-yunhoe-_n_6454154.html
  21. ^ http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/10/21/2016102101141.html
  22. ^ http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/10/21/2016102101134.html
  23. ^ http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/10/22/2016102200418.html
  24. ^ a b (韓国語)朝鮮日報. (2016年10月20日). http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2016/10/20/2016102003622.html+2016年10月24日閲覧。 
  25. ^ http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/10/25/2016102500792.html
  26. ^ http://archive.is/tSQyD
  27. ^ http://archive.is/7zvVb
  28. ^ http://japanese.joins.com/article/092/176092.html
  29. ^ チェ・スンシルの娘、過去にSNSで発言「お前らの両親を恨め…金も実力」”. もっと!コリア (2016年9月21日). 2016年10月24日閲覧。
  30. ^ “[コラム]「外部勢力」のいない星州郡と梨花女子大” (日本語). ハンギョレ新聞. (2016年8月10日). http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/24852.html 2016年10月24日閲覧。 
  31. ^ “이화여대 교수들 130년만에 ‘총장 사퇴’ 시위 나선다” (韓国語). daily UNN. (2016年10月19日). http://m.unn.net/news/articleView.html?idxno=164820 2016年10月24日閲覧。 
  32. ^ “「影の実力者」の娘に裏口入学疑惑、梨花女子大学総長が辞任” (日本語). 朝鮮日報. (2016年10月20日). http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/10/20/2016102000982.html 2016年10月24日閲覧。 
  33. ^ “[단독 최순실 한마디에…청와대, 대한항공 인사까지 개입”] (韓国語). ハンギョレ新聞. (2016年10月22日). http://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/766801.html?_fr=mt1 2016年10月24日閲覧。 
  34. ^ http://www.huffingtonpost.jp/2016/10/25/who-is-choi-sun-shil_n_12644096.html
  35. ^ http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/10/26/2016102601301.html
  36. ^ http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/610797/
  37. ^ http://www.recordchina.co.jp/a117995.html
  38. ^ http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/10/26/2016102601301.html
  39. ^ http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/610797/
  40. ^ http://www.recordchina.co.jp/a117995.html
  41. ^ http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/10/26/2016102601301.html
  42. ^ http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/610797/
  43. ^ http://www.recordchina.co.jp/a117995.html
  44. ^ http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/610797/
  45. ^ http://www.wsj.com/articles/korean-prosecutors-indict-japanese-journalist-on-defamation-charge-1412826990
  46. ^ http://japanese.joins.com/article/109/222109.html
  47. ^ http://www.wsj.com/articles/korean-prosecutors-indict-japanese-journalist-on-defamation-charge-1412826990
  48. ^ http://japanese.joins.com/article/109/222109.html
  49. ^ http://www.focus-asia.com/socioeconomy/photonews/427717/
  50. ^ http://www.excite.co.jp/News/world_g/20161027/Harbor_business_114595.html
  51. ^ http://japan.hani.co.kr/arti/economy/25503.html
  52. ^ http://japan.hani.co.kr/arti/economy/25503.html