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【2006.02.24 Friday 】 author : スポンサードリンク
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ブッシュのイラク侵攻の隠れたサブターゲットは日本??
極東ブログさんの話

私は、自衛隊の派遣は「イラクが戦闘地域ではない」という内閣の判断に
基づいている、と理解している。だから、問題は、その派遣先が戦闘地域
なのか、ということだ。

同感。

そこでもうひとつ。これに「反転した見方」を追加して、日本とイラクの関係や、日本とアメリカの関係を照らしだしてみたいと素人ながら思いました。

スタートは、ブッシュのイラク侵攻以前に書かれた文章ですが、非常に興味深い内容なのでご紹介します。

阿部政雄さんという、アラブ世界やイスラムをよく知っておられる方が、ブッシュのイラク侵攻前に書かれた文章です。「超大国の覇権主義にノー突き付けるイラク」。長い引用ですみません。

 このイラクと日本とは、湾岸戦争以前には緊密な関係があった。イラクの政権党のバース復興社会主義党は、すでに1974年の党の全国会議の決議の中で「日本は科学技術の発展した重要な国」と述べ、1973年のオイルショック後は一時期日本の技術者や商社マンが1万名も滞在していた。日本はイラクの肥料工場、発電所、ハイウエイ、病院、政府建造物などイラクの国づくりに大きな貢献をした。1975年頃には、イラク一国が日本の世界に輸出したプラントの総額の4分の1を発注したなどその経済協力は過熱ぎみでさえあった。

 中東地域をその縄張りと考える殴米諸国にとっては、こうした日本の進出は脅威であり、日本をこの地域から撤退させたいと考えていたが、「湾岸戦争」をその絶好の機会として、日本を多国籍軍隊に参加させて、中東地域で植民地主義的な支配の経験のなかった日本を『手を汚れた国』にしてしまおうと画策したが、平和憲法のお陰で結局日本は130億ドルの貢献金の提供だけで踏み止まった。

 それが、欧米のメディアの「日本一国平和主義」として非難の大合唱となり、「ショウ・ザ・フラッグ」の世論操作となり、今回のように小泉首相のほうから、のこのことアメリカの「悪の枢軸」攻撃に理解を示し、軍事協力も辞さないと言うような態度を実行するれば、歴史的なこの地域の親日感情は、たちまち砂漠の蜃気楼のように消え去って、日本人に向けられた親愛を込めた視線は、警戒と憎しみの厳しい視線に変わるのを覚悟せねばならない。それがまた、この地域から日本の追い出しと日本を弱体化をねらうアメリカが大きな罠に落ち込むことであろう。このことを日本の小泉首相から申し出て来てくるとは、アメリカは何と日本とは手間がか懸らない国だときっとほくそ笑んでいるに違いない。


これをゆっくり読んだあと、私は以下のようなことを考えました。

●湾岸戦争以前の日本-イラク関係がどのようなものであったか
●湾岸戦争以降、日本とイラクの関係はどう変化したか
●息子の方のブッシュによるイラク侵攻でさらにどう変化しつつあるか
●補足として、今回の人質事件は日本/イラク関係でみるとどういうことが言えるか


という読み方をして仮説を展開していくとどんな考え方が出てくるのでしょうか。


(1)湾岸戦争前、イラクに対して最大の利権を持っていたのは、実は日本であった

(2)イラクによるクエート侵攻がきっかけではあったが、湾岸戦争によって、アメリカは、日本の利権をほぼ完全に叩きつぶした

(3)アメリカは、日本からの投資/借款の担保である国内設備を破壊しただけでなく、逆に、戦費協力で130億ドルふんだくった

(4)息子ブッシュは、小泉首相をうまくのせて、今度は出兵させることで、ほぼ完全に、イラクに対する日本の影響力を殺す形になっている。日本は、「出兵はするがそれは復興のためである」という苦しい逃げ道をたどるしかなく、追い込まれている

(5)背景にユダヤ人脈があるとも言われているネオコンが、一連の戦争を利用して、石油のない国「日本」と産油国との関係性破壊をもくろんでいると仮定してみていくと、今回の人質事件は、日本とイラクの、底辺レベルでの関係性破壊をすすめていくよい材料である

(6)日本の不利益を無視した、アメリカ最優先の視点を想定すると、事件は長引けば長引くほどよいことで、結果的に、日本-イラクの戦後復興における関係性確立の障害になり、今後の日本のエネルギー外交の足を根っこの部分でひっぱり、北朝鮮人質問題とあいまって、日本の、アメリカに対する依存体質をより一層深めるものである。


うーん、自分でもなかなか反論できない論法だったりする。なんか、田中宇さんみたいになってきたです(笑

だれか反論してください。

追伸 こういう論法でいくと、国内政治的には現政権は勝ち(負けではない)なんだが、外交/国家利益ということになると、負け、もしくは、かなり微妙なことになっている、のかな?
【2004.04.14 Wednesday 11:19】 author : katz
| - | comments(4) | trackbacks(2) |
この記事に関するコメント
そら、純ちゃんに聞くのが、一番いいね。その後、小泉首相の訪朝(5.22)外交交渉成果が表の明瞭度を欠く事が気になる
| みなみともひろ | 2004/05/28 6:11 PM |
ヒトを暴力的に拉致したあと、そのヒトを返すときにはお金や物資がもらえる、ということを、外交的に伝えたという意味で、小泉首相は画期的な方であると思います。戦前も含めて歴代の首相にはいないし、世界的にもこういう画期的な方は、私は知らないです。
| miyakoda | 2004/05/29 2:04 PM |
このブログで,「ブッシュのイラク侵攻の隠れたサブターゲットは日本??」というだいと取り上げて頂いて,心から感謝しています。随分遅まきで申し訳ありません。

 小生の主張は,現地でイラク建設に携わった方々には,言わなくても全くその通りだと認めて頂く人が圧倒的とおもいますが,(小生もイラクには1983,4年と現地の技術専門学校関連の仕事をする小さな企業の雇われ所長とて(10人程度)のバクダード所長として汗を流しました。あの頃は,日本の企業もイラクの技術者も生き生きとしており、バグダードが日に日に変貌を遂げていくのを目撃するイラク国民も本当に日本人の働きぶりを賞讃していました。
 
 バグダードが中東で有数な近代都市として変貌したのも日本の力が大きく貢献したと思っています。

 小生が日本に打ち合わせに帰り,またバクダード国際空港で税関の前で60人ほどの最後尾に並んでいると,係官が飛んきて、「日本の方ですか」「中国人ですか」と聞k、「日本人です」と言うと,いきなり最前列につれて行き,入国手続きまでしてくれるというほど日本人大歓迎でした。今は帰らぬ夢に終らせたく無いものです。

書きたりませんが,当面の仕事もあり,又お邪魔します。

小生もblogをはじめました。

「アラブのかける虹の橋」(http://wwww.blog.goo.ne..jp/crescent1928) です。

まずはお礼まで。

今後ともに宜しくお願いします。

阿部政雄拝

トラックバックの仕方も始めてなので、次の機会にいたします。
| 阿部政雄 | 2005/04/06 6:08 AM |
阿部様、こんにちは。ご本人からのコメント、恐縮です。どうもありがとうございました。

アメリカの国防がらみのシンクタンクなどのレポートを見ていますと、第二次世界大戦後、アメリカはいろいろな国と戦争をしていますが、日本に関する限り、1945年の占領後、現在に至るまで、これほどまでに少ない投資額なのに高効率でアメリカの国益に合致した動きをしている国は他にはないことに愕然としてしまいます。

過剰適応、というか。

今後ともよろしくお願い申し上げます。
| miyakoda | 2005/04/07 8:46 AM |
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