Jack Lalanne


持久力の王:ジャック・ラランネ

一般にボディビルダーは、筋力は強くでも持久力に乏しいと考えられています。
確かにウェイトトレーニングだけを実行して、体重を増加させるために腹一杯に食事を詰め込むというような生活をしているボディビルダーもいます。
彼らに持久力等は、カケラもありません。
但し、適切なトレーニングを実行すればボディビル・チャンピオンの肉体とマラソン・ランナーや遠距離スイマーの持久力を兼ね備えることも可能です。
ここに紹介するジャック・ラランネは、その生きた証明です。

1912年に生まれた彼は、15歳になるまで虚弱な身体でした。
Paul C. Bragg 博士という栄養学の大家の講演会へ母親と一緒に出かけたことが、彼の人生を変えました。
砂糖菓子の食べ過ぎと運動不足が自らの不健康を招いていると知った彼は、生活を一変させました。
正しい食生活と運動で数年のうちにスーパーマンとなった彼は、1936
年に最初のトレーニング・ジムを開設したのです。
その後の彼の人生はアメリカン・ドリームの世界そのままです。
テレビでフィットネスの人気番組を持ち、トレーニング・ジムもどんどんと増やしていったのです。
若きジャック・ラランネの勇姿。


その間にボディビルダーとしても活躍していました。
1954年のミスター・アメリカ・コンテストで2位となり、胸の部分賞も獲得しました。
40歳の時です。
「ボディビルダーの身体は、外見だけ。」という心ない言葉に反発した彼は、とんでもないことをやってのけました。
41歳のラランネは、鍛えぬいた体力の証明をするために「アルカトラズからの脱出」で有名なアルカトラズ島からサンフランシスコまでの遠泳を行ったのです。
この海は潮流が激しくて低温で有名です。
だからこそ、囚人の間では、「脱獄不可能な島」と言われてきたのです。
後年、同じ海でトライアスロンが行われて、日本からも一流のトライアスリートが参加しました。
命からがらで岸に辿りついいたものの次のバイクに乗る体力も無く、30分も寒さに震えていたそうです。
こんな恐ろしい海をジャックは、手錠をはめて脚も縛らせた状態で泳ぎきったのです。彼は、一流のトライアスリートを遥かに超える持久力の持ち主だったのです。
ジャックのこの時の写真は、有名な「タイム」誌の表紙を飾りました。
また、28年間も続いた自らのテレビ・ショーでは23分以内で腕立て伏せを1033回も連続で行ったりといったアトラクションを数え切れないほど行いました。
以下に彼記します。

今年で88歳になる彼は、今も元気です。
朝の5:00に起きて、ウェイトトレーニングを1時間、次にランニングを1時間、最後に水泳を1時間の日課は、何十年も続いているそうです。
ウェイトトレーニングは2分割で毎日、実施してセット間の休憩は僅かに10秒です。
ウェストも71aを維持しており、胸囲は約110aだそうです。
ニックネームの「フイットネス界のゴッドファーザー」も納得ですね。

海岸にて水泳の後。




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