筋肉の発達に必要な蛋白質の摂取量
「1日に500cの蛋白質を摂れ。」とあったのは、サプリメント会社の圧力によるものです。
あまりにもミエミエなので、逆に好感を持ってしまいます。(笑)
外国のボディビル雑誌は、一般にサプリメントの会社も同時に経営しています。
というより、「サプリメント会社がボディビル雑誌を出版している。」と表現した方が正確です。
「ツインラブ」が「マスキュラー・ディベロップメント」誌を発行して、「ウィダー」が「マッスルアンドフィットネス」誌を発行しているように。
実際の株式の数とかは知りませんが、現実には同じ会社と考えて間違いないでしょう。
日本の雑誌の場合でも、サプリメント代行業者は「広告を載せてくれるお得意先」です。
サプリメントの記事等を業者に書かせるケースも多いようです。
「ボディビルディングのための栄養」で書いたように「栄養の相談をするのに最悪の人たち」に栄養及びダイエットの記事を書かせているわけです。
理由?
ちょっと考えれば、誰でも分かりますね。
商業雑誌なので当然のことです。
雑誌を責めることは出来ません。学問の世界での蛋白質必要量の話をしましょう。
今から20年くらい前は、「運動をしても蛋白質の必要量は増えない。」とされていました。
そして合衆国の推奨所要量は「体重1`当りで0.8c」でした。
マイク・メンツァーは、この推奨所要量を守ってオリンピア・コンテストの直前でも蛋白質の1日の摂取量は僅かに70〜90cでした。(体重は97`前後)
7年前にTarnopolsky博士によって実際に必要な蛋白質の量が計算されました。
摂取された窒素の量と排泄された窒素の量を測り、「窒素出納が正」になる量の蛋白質量を算出したのです。
これによるとエリートのボディビルダーの蛋白質必要量は、維持期で体重1`当りで1.2c、トレーニング強度が高まると最大限で体重1`当り1.62cまで必要量が増えるということです。
そしてウェイトトレーニングと激しい有酸素運動の両方を行うスポーツマン(ラグビーやフットボールの選手)は体重1`当りで1.76cの蛋白質が必要になるようです。
コンテストに備えて有酸素運動を大量に行っているビルダーもこのカテゴリーに入るようです。
何れにしても普通の食事で充分にまかなえる量です。
「1日に500cの蛋白質」とは無茶苦茶な話ですね。(笑)
商業雑誌やサプリメント会社の「うまい話」には気をつけましょう。