一ヶ月に筋肉を28.6キロも増やした男。
驚くべき実験が1973年にコロラド州立大学でありました。
20年前、僕はカリフォルニアのグレンデールという小さな町にいました。
そして小さな町の小さなジムでトレーニング仲間のブルックスが教えてくれたことが20年後の僕にホームページを作らせたのです。
トレーニング後に彼は「ヘイ、お前は人間が一ヶ月で筋肉を増やせた最高記録を知っているか?」と聞いてくるのです。
以下が彼の話です。
題して(コロラド・エクスペリメント)です。1973年の4月30日から5月28日の28日間に渡ってある実験がありました。
当時、開発されたばかりのノーチラスマシーンというトレーニング器具の優位性を証明する為に行われました。
被験者はケイシー・ビアターという若者です。
2年前のミスターアメリカで優勝したボディビルダーでしたが、数ヶ月前の仕事中の事故が原因で4ヶ月の入院生活を終えたばかりでした。
身長5フィート8インチ(約173p)で4月30日の体重は166.87ポンド(約75.6`)。
体脂肪率は13.8l。
実験最終日の5月28日の体重は何と212.15ポンド(約96.1`)。
体脂肪率は驚くべき2.47l。
一日に4500i〜5000iの食事を摂っていたにもかかわらず、彼は8.1`の体脂肪を減らすことに成功したのです。
同時に筋肉を28.6`も増やすという信じがたい記録を残したのです。
トレーニングは2日に1回の割合でノーチラスマシンを使用して行われ、14回の平均時間は僅か33.6分でした。
トレーニングはすべてビデオに記録されて食事は完全管理でステロイドの使用は禁止されての結果です。
サプリメントのプロティンすら実験の精度を高める為に使用しませんでした。
この実験の成果でノーチラスマシンは飛ぶように売れ、現在のスポーツクラブで見られるようにいろいろなウェイトトレーニングのマシンが開発されていきました。
20年前は極端に言えばバーベルとダンベルしか無かったのです。
さてケイシーは何故、高カロリーの食事にもかかわらず体脂肪を減らすことができたのでしょうか?
そうです、ウェイトトレーニングで筋肉が成長する時にはものすごいカロリーが使われます。
ちょうど成長期の子供が身体の割にいくら食べても太らないように。
又、増えた筋肉は代謝を飛躍的に高めるのです。
燃費の悪い自動車のようなものです。
また、筋肉を増やすのには長時間のトレーニングはマイナスになることもこの実験ではっきりしたのです。以上が(コロラドエクスペリメント)の概略です。
なお、責任者はエリオット・プリーズという世界有数のスポーツ生理学者でした。