22日午前2時15分ごろ、山口県和木町の三井化学岩国大竹工場でプラントが爆発し、男性作業員1人が死亡、11人が重軽傷を負った。県警によると、爆風で同町や岩国市、隣接する広島県大竹市の工場近隣計410世帯で窓ガラスが割れるなどし、破片などで住民11人がけがをした。同8時5分ごろにも小規模な爆発があった。火は午後5時15分ごろ、ほぼ消えた。
山口県警岩国署によると、死亡したのは同社社員砂川翔太さん(22)=和木町和木=。火災が起きたが、有毒ガスなどは発生していないという。県警は業務上過失致死傷の疑いもあるとみて、工場関係者から事情聴取している。
同署によると、爆発現場付近にいた同社の男性社員(38)が薬品を浴びて大やけどを負ったほか頭蓋骨を骨折。もう1人の男性社員(23)も腕を折る重傷で、他に社員5人と別会社の従業員4人が軽傷を負った。
記者会見した原茂工場長(59)によると、爆発があったのは自動車のタイヤなどに使う接着剤の原料「レゾルシン」を製造するプラント。21日午後11時半ごろ、工場内に蒸気を供給する別のプラントが何らかの原因で停止し、約7割のプラントが緊急停止した。爆発の原因は調査中という。
同社の田中稔一社長(67)も22日夜、現地で記者会見し、「ご遺族や近隣住民、関係者に多大な迷惑を掛けた」と謝罪した。
[時事通信社]