米が発表の野田首相発言、日本政府は否定【ホノルル=中島健太郎】12日の日米首脳会談について、米ホワイトハウスが文書で発表した概要によると、野田首相は環太平洋経済連携協定(TPP)交渉について、すべての物品やサービスが対象となる考えを示した。 米側の発表によると、会談で首相は「TPP交渉への参加を視野に、各国との交渉を始めることを決めた」とオバマ大統領に伝えた。大統領は「両国の貿易障壁を除去することは、日米の関係を深める歴史的な機会になる」と歓迎する意向を明らかにした。 その上で、大統領は「すべてのTPP参加国は、協定の高い水準を満たす準備をする必要がある」と広い分野での貿易自由化を日本に求めた。首相は「貿易自由化交渉のテーブルにはすべての物品、サービスを載せる」と応じた。 大統領は首相に、日本のTPP交渉参加に向け、米議会との交渉開始をカーク通商代表に指示すると明言した。同時に、米国内の農業、サービス業、製造業の関係団体との交渉を始める方針も示した。 ◇ これに関連し、日本政府は12日、「今回の日米首脳会談で、野田首相が『すべての物品およびサービスを貿易自由化交渉のテーブルに載せる』という発言を行ったという事実はない」とのコメントを発表した。 日本側が米側に説明を求めたところ、「日本側がこれまで表明した基本方針や対外説明を踏まえ、米側で解釈したものであり、発言は行われなかった」と確認されたとしている。 (2011年11月13日17時38分 読売新聞)
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