経済・IT
【日曜経済講座】仙台、異形の現ナマ景気 増税より復興の道筋示せ
■編集委員・田村秀男
「デフレ不況時には、お札を刷ってヘリコプターからばらまけばよい」とは、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長のプリンストン大学の経済学部長時代の言である。確かに、景気というものは「現金なもの」である。
高額商品が売れる
東北のセンター都市、仙台では高級腕時計、宝飾品、ブランド物バッグなどが飛ぶように売れている。欧州製高級車のベンツ、ボルボなど、東北全体の9月の輸入車新規登録台数は1439台で前年同期の2.1倍に上った。多くのお客さんは現金払いである。夜の繁華街も札束を持った、県外からやってきた工事関係者たちでにぎわっている。
被災者やその身内が「癒やし」を求めて高額商品につい惹(ひ)かれる。貯蓄ばかりしてこんな災難に遭うくらいなら、命あるうちに思い切って散財してみよう、と人生観を変えた方々もおられるだろう。
他方では、壊れた家に住み続けている体の不自由なお年寄りもいる。農地も家も津波で流され、仮設住宅で職のあてもなくストレスがたまる日々。被災地全体の言い知れぬ苦難を思えば、何とも複雑な気持ちにさせられるカネの仕業である。
デフレ吹き飛ばす
仙台へのカネの出所は地震保険、義援金などがまず挙げられるが、8月以降は本格化したがれき処理の代金が高額消費へとなだれ込んでいる。
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