別の記事を読むと、フランス(サルコジ)が、米国に対して拒否権を行使しないよう求め、「オブザーバー国家」への格上げで妥協を図ろうとしている。この書き方からは、パレスチナの国連での地位をめぐっては、安保理の判断と決議が最優先で、総会は(独立ではなく)非拘束的な脇役の立場でしかないように読め、P5で全てを仕切れるようにも解釈できる。ロシアの動向も複雑で、この問題をめぐるキーのポジションで立ち回っているようにも見受けられる。Voice
of Russiaの二つの記事に注目したいが、9/21の情報では、4者(米・露・EU・国連)の仲介調停の立場を示し、外相のラヴロフが、「パレスチナの国連加盟申請が優先的テーマではない」と言っている。これは、どちらかと言えば米国寄りの姿勢であり、パレスチナに対して加盟申請を急ぐなと牽制するものだ。ところが、同じ9/21のもう一つのVoice
of Russiaの情報では、外務次官のボグダノフが、「パレスチナの国連加盟をロシアは支持する」と言っている。パレスチナ側に立っている。この二つは一見して矛盾する。4者調停とは、主眼はパレスチナの国連加盟の棚上げであり、米国が拒否権を行使して国際社会から孤立するのを避けるための姑息なミッションである。そして、言うまでもなく、P5のもう一つの雄である中国は、一貫してパレスチナの国連加盟を支持している。中国は4者調停の中に入っていない。果たしてロシアは、米欧と組むのか、中国・新興諸国と組むのか。