バーナンキFRB議長の初の定例会見は成功、混乱招かず-市場の見方

4月27日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が27日行った初の定例記者会見は、投資家に衝撃や混乱を与えるような失言もなく終了したという意味では、成功だったとエコノミストらは評価している。
この日に終了した米連邦公開市場委員会(FOMC)会合後、バーナンキ議長は46分間に及んだ質疑応答で、経済問題について幅広い観点からコメント。燃料コストの上昇は減速し、6000億ドルの米国債購入プログラムを6月に終了しても市場への影響はほとんどないとの見通しを示した。本題からそれて、チェスのプロだったこともあるハーバード大学のケネス・ロゴフ教授(経済学)とチェスをしたのは「大きな誤りだった」と述べる場面もあった。
FRB議長のメディアへの登場は数十年にわたり、主として講演や議会証言に限られていたが、今回から欧州や日本、英国の中央銀行に追随し、政策委員会後に定例記者会見を開催し始めた。バーナンキ議長が今回の初の会見を失態なく終えたことで、FRBの透明性向上への決意が確認されたようだ。
アトランタ連銀元総裁のウィリアム・フォード氏は「FRBの観点からは、素晴らしく見事な会見だった」と述べ、「へまもなく、博識で賢明だった。バーナンキ氏の素晴らしいPRになった」と語った。
バーナンキ議長(57)はFRBが年に4回の記者会見開催を決めたことについて、情報開示や透明性の向上によるプラス面が「金融市場の不必要な乱高下」を招きかねないリスクに勝るものだとの判断を踏まえたものだと説明した。
議長は会見の機会を利用し、FOMCの声明について詳述したほか、経済予測についても論じた。FOMCの経済予測はこれまでFOMCの3週間後に公表されていたが、今回初めて同時に発表された。
市場はバーナンキ議長の発言や、会見の2時間前に公表されたFOMC声明について、FRBが過去最大の金融刺激策を維持する公算が大きいことを示すシグナルだと受け止め、S&P500種株価指数は約3年ぶりの高値に上昇した。
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更新日時: 2011/04/28 13:42 JST