北朝鮮でもデモ散発、国境住民の下着まで検査(下)

 殺された人物は、14年間にわたり清津市の保安署(警察署)に勤務し、摘発された住民を無条件で教化所に送るなど悪名が高かったとされる。今年初めには咸鏡北道延社郡の住民が薪を強制的に回収されたことに腹を立て、山林監督員3人を殺害したという。

 一方、韓国の対北朝鮮支援団体「チョウンボットゥル(良き仲間たち)」は、23日、北朝鮮の軍人が1日に必要な食料の半分も配給されておらず、配給されているのもコメではなくトウモロコシだと伝えた。韓国の安全保障担当部門関係者は「北朝鮮は今月9日の韓国との軍事予備会談決裂以降、非常に静かだ。中東のデモや食糧難などが重なり、ざわつく内部を取り締まるため、対外的な問題に神経を使う余力がないのではないか」と分析した。

「ジャスミン革命」波及の可能性低い

 玄仁沢(ヒョン・インテク)統一部長官は23日、マスコミのインタビューに対し「北朝鮮当局は中東の民主化ブームが体制に悪影響を与えないように努力しているはずだ」と分析した上で「北朝鮮ではインターネットを思い通りには使えず、北朝鮮のメディアも報道しないため、一般住民は(中東のデモを)知ることができない状態だと考えている。当面は(北朝鮮内部への)影響は微々たるものではないかと思う」と述べた。

 脱北詩人の張真晟(チャン・ジンソン)さんも同日、国家人権委員会で開かれた公聴会で「北朝鮮は情報交流が自由ではないため、中東とは異なり、革命が起きる可能性は小さい」との見方を示した。情報当局は北朝鮮で反政府デモが起きたことはないが、食糧難などに触発された住民が騒ぎを起こし、それが予想外の方向に発展する可能性を否定していない。

姜哲煥(カン・チョルファン)記者

アン・ヨンヒョン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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