北朝鮮でもデモ散発、国境住民の下着まで検査(上)

 北朝鮮に外部の情報をもたらす経路とされる平安北道を中心に、散発的にデモが起きているもようだ。今月14日ごろ、平安北道の定州市、竜川郡一帯で住民数十人が夜陰に乗じ「電気とコメをよこせ」と要求する騒動を起こしたのに続き、18日には平安北道新義州市での市場の取り締まりで、住民数百人が当局と衝突したことが23日分かった。

新義州は最初の関門

 新義州は外部の情報や物資が北朝鮮に入る最初の関門だ。北朝鮮に詳しい消息筋は、新義州では中国のテレビを見ることができ、脱北者と家族が携帯電話で話すこともできる。中東のデモのニュースも住民の大半が知っているはずだ」と指摘した。北朝鮮当局が新義州で市場での取り締まりを強化したことをめぐっては、中東の独裁政権を倒したデモの情報が市場経由で全国に広まることを防ぐための措置ではないかとの見方がある。

 北朝鮮当局は最近、中国側の遼寧省丹東市と新義州の間を往来する住民のボディーチェックを徹底して行っているという。中東のデモの動画が入ったUSBメモリーやDVDが流入したり、北朝鮮で起きたデモの写真や住民生活を撮影した動画などが流出したりすることを防ぐため、下着まで細かく検査しているという。新義州の消息筋は「住民の不満は依然高まっている状況だ」と指摘した。

清津では元保安署長殺害

 米自由アジア放送(RFA)は同日、今月初めに咸鏡北道清津市で元保安署長(警察署長に相当)が殺害されるなど、公権力に抵抗する事態が各地で発生していると報じた。RFAは清津市住民の話として、清津市水南区域の元保安署長が、暗い時間帯に自転車で帰宅中、何者かが投げた石に当たり死亡したとし、何らかの報復とみられると伝えた。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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