聖徳太子と高句麗の僧【20100921】 » 虚空と君のあいだに虚空と君のあいだに 聖徳太子と高句麗の僧【20100921】21st 9 月 2010聖徳太子と高句麗の僧【20100921】 posted in 陰謀の分析 | Tags: Zeitgeist, アメンホテップ, キリスト教, シナゴーク, タルムード, ニカイア公会議, ユダヤ教, 一神教, 五箇条のご誓文, 仏教, 全羅道, 北朝, 北朝鮮, 南北朝, 南朝, 在日特権, 天皇, 慶尚道, 文字, 新羅, 日本書紀, 旧約聖書, 百済, 聖徳太子, 識字率, 間接統治, 高句麗 | 　 　 　 On 9 月 12th, 2010, のすす さんのコメント: ＞mkmoguraさん 桓武天皇の母親が百済の血を引く家系の出身で あることは確かなのですが、それがどうして 南朝＝百済、北朝＝高句麗という結論に至るのか さっぱり分かりませんな。 漢文を書く人間＝渡来人という考えも短絡的ですね。 古代・中世・近世の日本において、中国の知識人並に 流麗な漢文を書けた日本人は珍しくありませんでした。 あなたはもっと勉強した方がいいと思いますよ。 　 　 さて、更新するネタもないので、ここらのコメにでも答えますかね。 今日は、この日本の識字率に関する話。 まず、こういうコメントに対して「一番最初に言うべきこと」はこんなことから。 　 「何が正しいかは、わからないことも多いが、何が間違ってるかはわかる。」 　 　 ニューエイジ馬鹿どもの経典、Zeitgeistの冒頭にもでて来たセリフだが、 このセリフ自体は間違っていない。 この言葉で説明したくなるような事例は実に多い。 　 　 まず、整理しなきゃならないことは、根拠がどこにあるか？ということ。 この「すすさん」のコメントに 　 ＞古代・中世・近世の日本において、中国の知識人並に ＞流麗な漢文を書けた日本人は珍しくありませんでした。 　 とある。 　 そもそも、古代と近世を一緒にする時点でおかしな話であるし、ここでは根拠もあげられていない。 　 とりあえず、これは天皇制の始まりの頃と言ってもいい7世紀頃では「絶対に間違っている」と断言できる話である。 過去記事であげた根拠と、新しい要素をたして、「なぜ間違ってるか」を説明したいと思う。 「こうであるという根拠」を伝えても伝わらなかったようなので、「これは間違っている」という根拠も書こう。 　 　 まず、以前にもした聖徳太子と高句麗の話。 聖徳太子の仏教の先生は、高句麗の僧「慧慈（623年に来日）」である。 この高句麗の僧侶らが、日本へ文化や技術を伝えた。（紙や墨、硯、絵具、うすの作り方など） 　 日本という国家形成に、最も影響を与えた国は高句麗である。 なのに歴史では一切、この高句麗を無視してるという状態なわけね。 それがなぜか？ってのも南朝崇拝というのの根拠なんだけど。 　 　 そもそも、この頃の話を簡単に説明すると、中国の東部支配の子会社だった高句麗が、業績をあげてく中で親会社（中国）と仲が悪くなってきたという状況。 　 で、中国に対抗するため、日本と仲良くなろうと企画し（570年）、その後1世紀は、日本へ文化協力などしてその礎を築こうとした。 それがこの慧慈、法定、曇徴などの技術者＝僧だったわけ。 これから高句麗の滅びる668年まの、約一世紀が、日本という国家ができる礎になったことは間違いないわけだが。 　 551年には新羅・百済連合軍VS高句麗（漢城を奪われる）→日本を仲介にして高句麗-百済-和の協力体制を模索（570年）→隋や唐に対しても、日本は仲介役の意味もある（遣隋使、後の遣唐使）→うまくいかず（高句麗に攻めてきた）→660年百済がまず滅ぼされる（高句麗＋百済＋日本の連合軍の敗退＝白村江の戦い）→668年高句麗が滅亡。 　 簡単に言うとこんな感じ。 で、高句麗、百済の戦争難民を多く日本が迎え入れる形になったわけ。 こうなるまでには100年の時間があったわけで、新羅は来る理由もないし、高句麗や百済と一緒にするべき話ではない。 　 つまりは、この間、100年間もかけた高句麗と日本がやった外交的な融和だったわけ。 中国に対抗するためのね。 そして、もともとが551年の百済の侵攻（つまり敵側）でもわかるとおり、この政策の中心は間違いなく高句麗なわけ。 　 　 聖徳太子がやった改革もこの頃の話。 冠位十二階（603年） 十七条憲法（604年頃） 　 で、この頃の識字率がどうであったか？を考えれば、「流麗な漢文を書けた日本人は珍しくありませんでした」というのが「絶対に間違っている」というのがわかる。 そもそも、墨や硯も、伝わったばかりなのにね。 　 　 ここはローマ帝国とユダヤ教で比較するとわかりやすい。 　 アメンホテップ4世＝モーゼというエジプト王家から宗教改革で追い出されたのが、ユダヤ教の起源である。 「教育された貴族の一神教」であり、「一神教＝聖典が必要」でもわかるとおり、ユダヤ教は世界で最も「識字率の高い宗教」である。 　 その識字率の高さから、ローマが国教をキリスト教にした後、ニカイア公会議などでのカノン律法により、「金融業＝ユダヤ教のみ」というルールが作られ、今のユダヤ支配の土台となった。 　 その基盤は、「貴族と教育」、「他神を排除＝聖典を読む必要がある＝旧約聖書の石版の契約」でもわかるとおり、識字という「文字のスキル」だったわけね。 　 モーセの時代＝エジプトのイクナートン革命（紀元前14世紀）だが、旧約聖書が書かれたのはそれ以後のヘブライ語の時代であり、カトリックはその旧約を聖典ともするわけだが、旧約の写本が出来上がるのは、ローマ国教後の話である。 　 だからユダヤ教の厳粛な律法＝タルムードさえも6～7世紀に文書化されたわけで、それまでは口述での伝承であったわけだ。 エルサレム版とバビロニアタルムードね。 　 ユダヤ教徒が優秀というわけではないが、貴族の宗教であり、神殿崩壊後はシナゴークという教育のできそうなコミニティ＝集会所を持ってた「文字を読む必要がある＝一神教」でさえ、6世紀になってその聖典＝原点であるタルムードができたわけだからね。 　 それほど、書物さえ出回ってない大昔では、文字を書ける、読めるという技術を習得するのは難しい事なわけ。 キリスト教が国教家して写本化を進めてく上で、同時にユダヤ教もこうなったということ。 　 　 比較して考えてみればいい。 「百済から仏教が伝わった」ばかりの当時の日本、国教もなかった日本で、「字を書けて、文字が読めた」人が、ゴロゴロいたなんて、時間的な流れからしてもありえないのだ。 　 魏志倭人伝（中国3世紀末）、広開土王碑（高句麗414年）、どれが日本製なのかと・・・。 日本で最古の勅撰の正史である日本書紀は、慧慈が来てから100年後、720年頃と言われている。 　 ※ちなみに、現社会体制＝南朝崇拝では、慧慈などの存在を無視してＴＶや教科書などでは、「仏教が伝わった」には、この『百済から』という枕詞が必ず付けられている。それは何故か？これも根拠。 　 　 聖徳太子の冠位十二階＝官僚制度も間接統治の手法なわけです。 間接統治＝文字が必要＝命令を従わせるため。 　 そう考えると、歴史書さえ作れなかった当時（７世紀、600～頃）の日本では、この冠位制度自体が、高句麗の僧や技術者をうまく活用した国の骨格作りであっただろうと簡単に予想がつくんですが・・・。 　 　 　 今、右翼（アメリカ製、戦後の慶尚道＝新羅と、南朝＝百済で、その右派）が、「中国が攻めてくる～」と騒いでるのは、昔のこの歴史のコンプレックスじゃないのかね？と自分は考える時がある。反共ってだけじゃなく。 　 中国と対抗するために、高句麗と日本が擦り寄って、そこに日本の骨格が出来たわけだからね。 　 　 　 さて、今回の補足というか注意書きみたいなことで、次回に続くとしよう。 　 こういうことを北朝鮮賛美に繋げようとする奴はウンコであり、史実を都合の言いように捻じ曲げる奴もウンコだという話を。 　 　 　 　 　 　 関連記事はこちら 教養と豆【20100922】 南北朝と東国と西国と田布施【20100909】 北朝鮮の本体は日本にあるのか？【20090915】 過去記事テキスト更新【20100714】 和と日本、右翼と犬【20200910】 This entry was posted on 火曜日, 9 月 21st, 2010 at 10:47 PM and is filed under 陰謀の分析. 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