カント曰く義務感は生まれつき【20101007】 » 虚空と君のあいだに虚空と君のあいだに カント曰く義務感は生まれつき【20101007】7th 10 月 2010カント曰く義務感は生まれつき【20101007】 posted in 未分類 | Tags: イルミナティ, カント, キリスト教, ヒューム, 二律背反, 利己主義, 哲学, 啓蒙主義, 懐疑的経験論, 経験論, 義務論 |     すまん、更新さぼった。 遊びに行って腰を悪くして、帰ってきて転がってた。       生まれつきか?経験か? 義務感がどこからくるのかを考える際、「この2つの区分けで考えて」と言った。   この「生まれつき」=「人間も猿も持ってる」と考えると、多少わかりやすいかな? 種の存続や食物連鎖を考える野生動物はいないわけだが、社会に対しての正義感のようなものは、猿もあるわけです。 若いオス猿が群れ(人間の場合は社会全体になる)のために行動して、周囲に影響力を及ぼす→ボス猿になりやすくなる、なんて構図がね。   ただ、「悔しさ」とか「親からの教え」なんて読者からコメントを頂いた事でもわかると思うけど、一般的には「人間は経験のほうが比重が高い」ように思われる。 経験=つまり生まれた後の認識のほうが重要という考え。     で、カントの話。 認識論=経験のところが焦点となる。   カントに限らず、哲学者の「あたまでっかちども」の根底には、「啓蒙主義=他人の指導がなくては自分の理解力を用いえない未熟状態を人類が脱すること」と言うのについての考え方がある。   これはカントも神学から脱すことができなかったように、それ以前の時代から、社会の土台にはキリスト教的な「人間は特別」という考え方に支配されてたわけで。   つまり、啓蒙主義とは、人間が持つ本能や欲望との戦いでもあるわけ。   特にカントなどのこの時代、キリスト的な支配から科学的な土台へと変わる時期でもあり、科学ではチンパンジーと人間が大差ないことでもわかるのと同じように、人間=単なる生物としての問題、「生命の利己主義という原則」などの生物本来の要素、もともとの要素が「啓蒙主義の障害となった」、そういうとこがあるわけ。   哲学の本にこんなこと書いてないけど、大事な見方だと思うよ。   そう考えると、ヒューム、及びカントの懐疑的経験論は、こういうこと。 「大衆は馬鹿」=「人間も猿と同じじゃん」=「啓蒙(理解力のない未熟な状態から脱する事)なんて無理」 「だって生物って利己主義(自分さえよければいい)ジャン!!」って気づいちゃったわけだね。 その最たるものが、カントも含む「懐疑的経験論者=大衆は馬鹿だ」という考え方なわけ。     つまり、今回の、「生まれつき&経験」でいうと、「経験論の限界=懐疑的経験論」で、カントも経験論の限界を認めてしまっている。 ごっそり省略するが、理論理性と実践理性というのがカントの考えにありまして、簡単に言うと「認識の直感力」と「判断の意思=補正する能力」。   理論理性=直感であるわけだが、人間は、ありのままの状態が真理であるのに、生まれた環境やコミュニティなどでもわかるとおり、そういう要素が、事象を歪めてしまう=正しい認識が出来ない、そうカントは考えたわけ。   で、「実践理性=補正する能力」があれば、正しい認識が生まれると考えた。カントはこの補正する意思が働くのは「自律的に 道徳律に従うとき」と規定している。 それが、カントの考える自由の定義にでも出てくる自律という考え方になる。   自律=周りに影響されない、これがわかってれば、外律=周りに影響されると言う意味がわかる=補正能力があるってことでもあるわけね、あのカントの自由という考え方は。     結論から言うと、カントは「義務感を人間は生まれながらに持っている」という考え方。     簡単な説明でも、こうなることと、この考え方の問題点はすぐわかる。   「誰にも影響されてない=外律ではないとこに補正能力がある=正しい認識をする能力がある」としなければならなかった。 他人から与えられる物=経験ではないならどこから来るのか?   つまり言い換えれば、「人間は、生まれながらに理想を追いかける能力がある=正しい事は何かを補正する能力がある」(実践理性)という、説明しか出来なかったわけ。カントは。     実際は、本能(カントの思想では外律の要素=本能で、切り捨てて考えなきゃならないもののひとつ)を人間が捨てられないように、自律での補正能力なんて人間にはないわけで、同様に「生まれながらに社会的理想を追うように人間(生物)はできていない」ということである。   それが以前言った話、結論から言うとカントは、「どこから義務感は生まれてくるのか?」という質問に、答えられなかったって話になるわけね。   つまりカントは間違ってるのを認めつつ、「義務感は生まれながらにあるとしか主張できなかった」わけです。         まとめ。 20年前の日本でなら「人間は猿と一緒=道徳より利己的な生き物」という表現と、「懐疑的経験論=大衆は馬鹿」の思想のつながりを説明しても、今よりも説得力はなかっただろう。 認識力の低さからくる弊害も意識しづらかったわけで。   ただ、今ならわかるはず。 彼らじゃなくても、啓蒙思想、今どうすべきか?を考えてしまう時代になり、今の政治でもわかる大衆は馬鹿=認識論の限界という話も、ある意味痛感してるはずだから。 党の名前が自民党ではなくなっただけの民主党政権による、自民時代と変わらない固執した利権、小沢の追い落としのような露骨過ぎる話、政権交代のなかで、民主の何を評価すべきだったのか?、今の何を評価できるのか?すべて大衆の認識力不足=懐疑的経験論である。 政治の話を他人にして、「この人には話しても無駄だな」という経験をした人もいるだろう。 その、あきらめの気持ちが懐疑的経験論である。   大事な事は、「生まれつき」がどの程度にしろ、「大衆が正しい認識を持てる」なら、この批判的な懐疑的経験論にはならないわけね。 なのに、カントも含めて、帰結はそっちになってしまいました。現在、実感もこもってるみたいな状況ですってことね。   そして、「大衆は馬鹿」=民主主義のように全員に「正しい認識力」を求めるのは無謀=選ばれた人だけ=選民思想、これも懐疑的経験論から生まれたわけ。     で、カントはこう考えて、こういうわけで、間違った「生まれつき」と主張するしかなかったよ、というのを説明した。   なら、自分で、「どうやったら正しい認識力を多くの人に持ってもらうか」を考えるしかないわけである。 それが、その義務感がどこから来たか?という話だったわけです。 で、やっと次回、自分の「予想」、それを話そう。 そういうわけでカントでダメなら、カンの世界の話です。         おまけ カントが書いた純粋理性批判のプロレゴメーナ「序説」には、なんとかして説明しようとしたカントの矛盾しまくった話が載っている。 神という世界で一番の干渉要素を理念と認め、それなのに自律という非干渉が必要な自由という以前説明した部分や、実践理性でも自律が最低条件とした、矛盾しまくった話もそのひとつである。 今回のカントの認識における論理とともに、神の存在証明という馬鹿話。 神は懐疑的経験論からの選民思想のための馬鹿を騙す外律者のためのツールであって、カントにとってはたいした意味のない話とかもね。 あと、直感+総合的判断とかで、何とか説明しようとする話とかね。   カントはロマンチストというのは間違いない。 自律=人間が欲望を切り捨てるとか、生まれながらに理想を追うなんて、相当のロマンチストでなければいえない論理であり、それらが矛盾を作ってしまうわけである。 で、自分で二律背反(アンチノミー)として、カントはそれも説明してるんだから、笑える話である。 彼は理性のみで説明するから二律背反すると主張したが、どう考えても違うのはわかるだろう。 生物の利己主義、欲望や本能のこと、義務感や道徳観の欠落、こうやって一瞬でわかってしまうのは、現代のほうが歪んでるからかな?なんて思ってしまうわけで・・・・。           ♪ くるりとユーミン:シャツを洗えば 最近で、知名度のなさそうな良い曲         関連記事はこちら カント哲学と事務のおばちゃんの哲学【20101004】 イルミナティ哲学の探訪【20091215】 哲学による理性(副島編)【20091216】 義務感はどこからくるか(序文)【20101005】 カント哲学とユダヤの正義【20101003】 This entry was posted on 木曜日, 10 月 7th, 2010 at 5:34 PM and is filed under 未分類. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. You can leave a response, or trackback from your own site. TrackBack URL : 現在、この記事には2つコメントがあります “カント曰く義務感は生まれつき【20101007】” 1 On 10 月 8th, 2010, アイパッチ さんのコメント: どうも、アイパッチです。 義務感ていうのは僕は気づきだと思いますね。 まあ愚か者は経験から学ぶで色々経験してきた末の 認識ですが。 シャツを洗えばは有線で聞きました 最後のタンバリンが実に爽やかで僕も好きです。 posted on 10 月 8th, 2010 at 12:30 PM 2 On 10 月 20th, 2010, gin さんのコメント: 「死海文書」がネットで公開されるんですね ↓ イスラエル考古学庁(IAA)と米検索大手グーグルが19日、共同プロジェクトの計画を発表した。IAAのドルフマン長官は、このプロジェクトが聖書を研究しユダヤ教と原始キリスト教を理解するうえで画期的な役割を果たすことになると述べ、「だれもがクリック1つでこの宝にアクセスできるようになる」と強調した。 との事ですが、この時期に死海文書ネット公開って、誰のどういう意図なのかまっこうもぐらさん、解説お願いします! posted on 10 月 20th, 2010 at 10:43 PM コメントをどうぞ(メアドは公開されません) Name (required) Mail (will not be published) (required) Website まっこうモグラという陰謀論者のブログ 10 月 2010SMTWTFS « Sep Nov » 12 3456789 10111213141516 17181920212223 24252627282930 31 最近の投稿 轍(わだち)【20101126】 すまんね【20101101】 紙コップの中の義務感【20101008】 カント曰く義務感は生まれつき【20101007】 義務感はどこからくるか(序文)【20101005】 カント哲学と事務のおばちゃんの哲学【20101004】 カント哲学とユダヤの正義【20101003】 とあるアニメの陰謀目録【20100930】 悲しいけど状況証拠が一番頼りになる【20100929】 欲望と川、法と宗教【20100928】 たばこ値上げと利権構造 その2【20100927】 たばこ値上げと利権構造 その1【20100926】 やっちゃいけない報道【20100925】 特捜ロックと予想される脅し【20100924】 特捜ロックとでっち上げ検事【20100923】 カテゴリー 2ちゃんねる ガイドライン ロスJ対ロック 俺作成のネタ帳 改変コピペ 書籍紹介 未分類 経済ネタ 良レス 陰謀の分析 アーカイブ 2010 年 11 月 2010 年 10 月 2010 年 9 月 2010 年 8 月 2010 年 7 月 2010 年 6 月 2010 年 5 月 2010 年 4 月 2010 年 3 月 2010 年 2 月 2010 年 1 月 2009 年 12 月 2009 年 11 月 2009 年 10 月 2009 年 9 月 2009 年 8 月 2009 年 7 月 2009 年 6 月 2009 年 5 月 2009 年 4 月 2009 年 3 月 2009 年 2 月 2009 年 1 月 2008 年 12 月 2008 年 11 月 2008 年 10 月 2008 年 9 月 2008 年 8 月 2008 年 7 月 2008 年 6 月 2008 年 5 月 2008 年 4 月 2008 年 3 月 2008 年 2 月 2008 年 1 月 最近のコメント mkmogura(管理人) on 轍(わだち)【20101126】 ひろ on 轍(わだち)【20101126】 monosepia on 轍(わだち)【20101126】 monosepia on 轍(わだち)【20101126】 しろねこ on 轍(わだち)【20101126】 スロウ忍ブログ on 轍(わだち)【20101126】 偽モグラー on 轍(わだち)【20101126】 偽モグラー on 轍(わだち)【20101126】 偽モグラー on 轍(わだち)【20101126】 fenglong on 轍(わだち)【20101126】 通りすがり on 轍(わだち)【20101126】 通りすがり on 轍(わだち)【20101126】 なぜ? on 轍(わだち)【20101126】 はこれさん on 轍(わだち)【20101126】 pon on 轍(わだち)【20101126】 タグ イルミナティ エジプト学派 カトリック キリスト教 グラントリアン ゴールドマンサックス スコティッシュライト スピリチュアル ドル崩壊 ニューエイジ フリーメーソン プロテスタント ユダヤ教 ロスチャイルド ロスJとロック ロックフェラー 中国 中央銀行 中曽根 信用創造 共産主義 創価学会 勝共連合 南朝 右翼 在日特権 天皇 小沢 小泉 工作員 慶尚道 明治維新 民主党 生長の家 経済ネタ 統一教会 自民党 財務省 通貨発行権 郵政民営化 鳩山 麻生 2ちゃんねる 911自作自演 CIA 管理者に連絡! まっこうモグラに連絡をする際は  下記メアドにお問い合わせ下さい。 inu跡mkmogura.com サイト左上、「最初にお読み下さい」を必ず読んだ後にお願いします。 リンク、記事の転載などの条件についてそちらに記載しております。 最近記事まとめ撃ちで、レスポンス悪いです。コメしてくれれば4~5日後ぐらいに答えます。 ブログテキスト版 コメントで質問する時は、ここのブログ過去記事で関連する語を検索してからだと助かります。 過去ログ一気読みようテキスト。検索に使ってね。 20101126までの過去記事ZIP « go back up to content »© 2011 虚空と君のあいだに is proudly powered by Golf ClubEntries (RSS) and Comments (RSS). まっこうモグラのブログ : 最初にお読みください » blog » 2010 » 10 » カント曰く義務感は生まれつき【20101007】Homeプロフィールあーかいぶ一覧まとめ記事途中