2011年2月21日2時15分
民主化を求めるデモの呼びかけに応じて集まった若者を、警察官は髪の毛をつかむなどして連行した。直後に警察署前で法治の不備を訴える抗議活動が始まり、さらに男性が連行された=20日午後2時11分、上海市中心部の人民広場周辺、奥寺写す
民主化を求めるデモの呼びかけに応じて集まり、警察署前で法治の不備などを訴える男性。この直前に大学生ら少なくとも3人が連行された=20日午後2時16分、上海市中心部の人民広場周辺、奥寺写す
北京市中心部の繁華街に集まった市民らを排除する警察官。通行人もあわせて千人以上にふくれあがり、現場は騒然となった=峯村健司撮影
【北京=峯村健司、上海=奥寺淳】中国で20日、中東情勢に触発された「中国茉莉花(ジャスミン)革命」と名付けた一斉デモがネット上で呼びかけられたことを受け、当局が厳戒態勢を敷いた。北京や上海などで多数の若者らが集まり、少なくとも6人が警察に連行、拘束された。
集合場所に指定された北京市中心部の繁華街の大通りには、多くの見物客も含めて1千人以上が集まり、通りを埋め尽くした。人だかりに白い花束を投げ込んだ男性ら2人が警察に拘束された。周りには100台近い治安部隊や警察の車両が集結し、20分ほどで解散させられた。
上海では少なくとも4人の大学生らが連行された。うち1人は連行前、「両親には絶対に行くなと言われたが、第一歩を踏み出すために、自分はここに来た。このまま何もしなければ、この国は永遠に変わらない」と話した。
その後、警戒にあたっていた警察官に「何をしている」と聞かれ、肩をつかまれた。一緒に集まっていた若者が「やめろ」などと言って割って入り、現場は混乱に陥った。3人が数十人の警察官たちに囲まれ、髪をつかまれたり、両脇を抱えられたりしながら連行された。その際、1人は口を真一文字に閉じ、両手を挙げて無言の抗議をするようなしぐさをした。
3人が連行された警察署前にも、法治の不備や政府の腐敗などを訴える数十人が集まり、抗議を始めた。年配の男性は「この国には人権も法治も自由に話す権利もない。警察は好き放題、市民を拘束する。これが中国の実態だ」と大声で叫んだ。まもなく、この男性も連行された。