東京・目黒の夫婦殺傷、福島の６５歳容疑者逮捕　

　東京都目黒区の無職大原道夫さん（８７）夫婦が男に刺され死傷した事件で、警視庁目黒署捜査本部は１０日、殺人と殺人未遂の疑いで、福島県いわき市常磐西郷町忠多、自称無職木村義昭容疑者（６５）を逮捕した。捜査本部は同日、木村容疑者宅を家宅捜索した。

　逮捕容疑では、１月１０日午後４時４０分ごろ、目黒区上目黒の大原さん方玄関で、大原さんの腹などを刃物で多数回刺すなどし、出血性ショックで死亡させたとされる。助けに入った妻瑠璃子さん（８１）にも切り付け、顔を殴るなどの暴行を加え、１０日間のけがを負わせたとされる。

　捜査本部によると、木村容疑者は今月１０日夜、自宅近くの路上で任意同行を求められ、「はい」と応じた。近くの警察署から目黒署に移送された。容疑内容については黙秘している。木村容疑者は仕事を転々としており最近は産業廃棄物運搬の仕事をしていたという。大原さん夫婦との接点は浮かんでおらず捜査本部は金銭目当てだった可能性もあるとみて動機を調べている。

　捜査本部がターミナル駅周辺の防犯カメラの映像を調べ、事件のあった１月１０日の昼前、東京駅八重洲口で木村容疑者に似た男の映像が見つかった。福島県いわき市と結ぶ高速バスを利用したと特定し、予約名簿から木村容疑者が捜査線上に浮かんだ。

　捜査本部によると、木村容疑者は大手百貨店からの宅配を装って大原さん宅を訪問した。事件前の１０日午後１〜４時、東京メトロ日比谷線中目黒駅の隣の恵比寿駅で木村容疑者に似た男の姿が複数回目撃され、カメラにも写っていた。事件直後、現場最寄り駅の中目黒駅に向かう路上や同駅のカメラにも似た男が写っていた。

（中日新聞）