※4/27、動画の文字おこし記事のリンクを加筆。
現在、最も信頼できる原子力研究者小出裕章氏(画像左))が、推進派の御用学者大橋弘忠氏(画像右)と論戦を戦わせたシンポジウムの動画をまとめた。論戦が行なわれたのは、平成17年12月25日「プルサーマル公開討論会(佐賀県)」。プルサーマル化の是非とプルトニウムの害について、小出氏の話に注目するのはもちろん、推進派の大橋氏の話の運び方にも注目してご覧頂きたい。
いそいで動画を見たいのは山々だが、動画を見る前に、このシンポジウムについて、ざっと知識を得ておくとよい。
玄海原発(玄海原子力発電所)3号機プルサーマル化について
シンポジウムは玄海原子力発電所の建設をめぐるものだ。
『玄海原子力発電所(げんかいげんしりょくはつでんしょ)は佐賀県東松浦郡玄海町にある九州電力の原子力発電所。 3号機を対象にプルサーマル計画を実施している。敷地面積は約87万平方メートル。』
プルトニウムを用いた原発。
『* 建設費: 3993億円
* 2009年11月5日より、プルサーマル試運転。同年12月2日より営業運転を開始。
* MOX燃料費: 18体で139億6400万円』
莫大な費用がかかっている。
『2010年12月9日 - 3号機の1次冷却水のヨウ素濃度がこれまでの平均値の4倍に上昇。燃料棒に穴が生じ放射性物質の漏洩が確認される。同年12月11日より第13回定期検査を前倒して実施し、現在まで3号機検査停止中』
燃料棒からほうさ正物質ヨウ素を漏らす事故を起こした。
※以上玄海原子力発電所 - Wikipediaより引用。
事故を起こしたときの報道は以下のとおり。
『玄海原発プルサーマル停止へ、ヨウ素濃度上昇で
玄海原発プルサーマル停止へ、ヨウ素濃度上昇で : 最新ニュース特集 : 九州発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
佐賀県玄海町の九州電力玄海原子力発電所3号機で1次冷却水の放射性ヨウ素濃度が上昇した問題で、九電は10日、今月下旬から始める予定だった定期検査を約2週間前倒しして手動で原子炉を停止し、11日にも原因調査に入ると発表した。
九電によると、10日のヨウ素濃度は平常時の約4倍に上昇した。運転停止の基準値の約10万分の1で「安全性に影響はない」が、燃料棒に微小な穴が開いて放射性物質が漏れ出た可能性があることから、約4か月間の定検中に全燃料集合体193体を調べる。10日夕から3号機の出力を下げ始めており、11日午前にも停止する。
3号機では昨年11月から、使用済み燃料を再利用する国内初のプルサーマル発電を行っており、193体のうち16体をウラン・プルトニウム混合(MOX)燃料が占める。九電はヨウ素濃度上昇の原因が「MOX燃料かどうかは分からない」としている。(2010年12月11日 読売新聞)』
簡単に時系列に並べると以下の順番。
【1】2006年12月、シンポジウム(このブログで紹介する動画)。
【2】2009年12月、3号機のプルサーマル試運転開始
【3】2010年12月、3号機は、事故(燃料棒からヨウ素漏れ)を起こして停止。
では、背景がわかったところで動画を見てみよう。
動画は4つに分かれている。
途中、推進派の大橋氏がシンポジウムに参加している人に噛み付くシーンまである。また大橋氏はプルトニウムを食べても大丈夫と発言までしている。
小出裕章氏と推進派との直接対話 (平成17年)1(佐賀).mp4
この動画を、大橋氏のプレゼンと小出氏のプレゼンの2つに分けて、それぞれ文字に起こした。参考までに。
大橋弘忠氏(原発推進派)のプルサーマル化取り組みの説明がおそまつすぎる!
小出裕章氏のプルサーマル発電批判がわかりやすすぎる!(文字おこし):ざまあみやがれい!
この動画の文字おこしは以下のエントリーから。
小出裕章氏「技術的に想定できる」プルサーマル発電での水蒸気爆発への警鐘(文字おこし)
この動画を全文文字に起こしました。参考までに。
小出裕章氏と大橋弘忠氏のプルトニウム危険性の見解の違い(文字おこし):ざまあみやがれい!
隠される原子力・核の真実—原子力の専門家が原発に反対するわけ
結局、このシンポジウムの後にプルサーマル化が進められたが、結局2010年12月に事故で停止。東大御用学者の大橋弘忠氏は、何を思うのか。
いかがでしたか。ご意見、ご感想、お叱りなど、なんでもお気軽にコメントにくださいまし。
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