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日中首脳会談拒否 温家宝首相、保守派の批判かわす狙い (2/2ページ)
このニュースのトピックス:日中関係
一連の外部環境の悪化を受け、中国国内では、欧米や日本に強硬姿勢で対抗することを求める保守派や軍の影響力が、にわかに大きくなった。軍と党長老の支持を受けた習近平氏は10月、ポスト胡錦濤の地位を確実にすると、早速、北朝鮮との関係を重視する姿勢を打ち出し、国際社会との協調に軸足を置き、北朝鮮に圧力を加える外交路線を取ってきた温首相との違いを鮮明にした。
温首相の対日政策を、「弱腰」と批判する声は高く、10月中旬以降、内陸各地で起きた一連の反日デモは保守派が扇動し容認したとの見方もある。
中国筋によると、保守派が最も反発しているのは、2008年6月に発表された日中間の東シナ海ガス田に関する共同開発の合意だという。「温首相が主導する対日外交の最大の失敗」との批判もあり、保守派の間では「漁船衝突事件を機に、一気にその合意を白紙に戻す」との動きも出ているという。
このため、前原誠司外相が日中外相会談で、温首相の最大のアキレス腱(けん)ともいえる東シナ海に触れたことが、中国の態度をにわかに硬化させた可能性が高い。