-----021 【ケンジ君あたしのことスキだって聞いたんだけど・・・」】 『え、あ・・・うん』 【いつも一緒に公園で遊んでる子のこと、あたし知ってるんだよ」】 『ああ、マコトのこと?』 【へえ、マコトちゃんって言うんだ、可愛い彼女ね。からかうのもいい加減にしてよ!】 『え?あ、ちょっと!』 『ってなことがあってさーマジ意味わかんねーよ、嫌われたみたいだしもう泣きてーよ』 「そう・・・だね・・・」 -----022 「昨日さ、オレ映画見に……」 『マコトーーー!!!』 「な……なんだよ?」 『オレ昨日とーちゃんと映画見に行ったんだけどさ! そこですげーかわいい子見たんだよ!!』 「……ふーん」 『すぐそこの○○劇場だぜ!? 絶対この近くすんでるよ!!』 「………」 『でっかいぬいぐるみ買っててさー。おつり全部床にぶちまけちゃってめちゃくちゃ慌ててたんだよ!  くそー、あん時いっしょに拾えばなぁ』 「え?」 『なぁマコト知らないか!? ってわかるわけねーよなぁ。名前も知らないし  また偶然見かけねぇかなぁ』 『ちっくしょ!! 今日は暴れてやる!!』 「……以外と見かけてるかも……しれないよ」 -----023 『よっしゃマコトー、バッタービビってるよー!』 「まかしとけー!このまま完封してやるぜ〜!」 『・・・おい、ケンジ』 『なんだよ。試合中だぞ?』 『マコトの足の付け根らへん、なんか赤くね?』 『ほんとだ。なんか怪我でもしたんかな?』 監督『ピッチャー交代!』 「え?俺まだ投げられるよ!」 『いいから、今日は帰りなさい。お母さんに連絡しておくから・・・おめでとうマコトちゃん。』 ・・・ 『結局負けちまったなー』 『ああ。エースのマコトが突然帰っちまったからなー』 そして翌日スカートで現れるマコト。 -----024 俺的第一部最終回:卒業式数日後 『久しぶりに空き地にでも行くか・・・もう遊ぶこともないだろうし』 (にしてもマコトの奴いきなり姿見せなくなったな・・・) 『ん?誰かいるのか?』 中学校の制服姿のマコト 「ひさしぶり・・・だね」 『お前・・・もしかしてマコトか?』 「うん・・・いきなり姿消しちゃってごめんね・・・でも女の子だって隠し通すのもうムリだと思ったから・・・」 『それでもっ・・・!心配しただろ、病気になったんじゃないかとか俺のこと嫌いになったんじゃないかとか!」 「安心して・・・ケンジのこと嫌いになるわけなんかないよ・・・」 『そっか・・・じゃあ久しぶりに遊んでいくか!』 「うん!」 -----025  キャッチボール中 『ぐお!!』 「ケンジ?」 『ぐはっ……ボールがキンタマ直撃……』 「え? あ、うそ、どうしよう!!(オロオロ)」 『うぅ……マコト、ちっと叩いてくれよ』 「う、うん。わかった!」 『いでぇ!! ばか、キンタマ叩いてどうすんだよ!!! 殺す気か!?』 「え、え?」 『腰に決まってんだろ!!』 「え……あ、そう……だよね」 『ったく、マジ泣きするところだったじゃねぇか』 「……ごめん」 『………』 「………」 『……まぁ、いいよ。今回だけは許す。ほら続き!』 「うん。ありがと、ケンジ!」 「(……変な感触だったなぁ)」 -----026 公園にて 『…ちょっとトイレ行ってくる』 と言って公園のトイレを指差すマコト 『あ、俺も』 『オレも〜』 『…………』 -----027 『そういうば今日ってひな祭りだったな。』 「そ、そうだったっけ?」 『母ちゃんから聞いたんだけど、雛人形って早く片づけないと嫁に行けなくなるんだって。まぁ、俺たちには関係ないけどな』 「ごめん、今日はもう帰る」 -----028 「あっ。雨降ってきた」 『だな、でも小雨じゃん。別に大丈夫だろ』 「大丈夫じゃないよ!早く雨宿りしよっ!」 『なっ、何ムキになってんだよ。分かったよ・・・』 「ほらほらっ、はやくはやく」 『はいはい・・・。ん?どうした?急にうずくまって』 「ゴメン・・・。先、行ってて」 『何言ってんだよ。ほら、行くぞ』 「ダメ!引っ張らないで!」 -----029 「発表会で女の役当たっちまったよ」 『僕もだよ・・・』 「スカートってスースーして気持ち悪りぃな。どれどれ、マコトのスカート姿は・・・」 『・・・・・・』 「(か、可愛い・・)」 -----030 「マコト、最近背伸びたな〜。俺より高けーじゃん」 『えへへ。でも、すぐにケンジの背が伸びて、僕を追い越すんだって。お母さんが言ってた』 「はぁ?なんだよそれ。意味分かんねー」 『・・・ケンジの背が僕を追い越しても・・・ずっと一緒に遊べてたらいいね・・・』 「何言ってんだよ。当たり前だろ!そうだ。公園まで競争しようぜ!」 『うん!』