俺はさっきからそればっかり考えてる。
先生が俺にさせたいこと。それは一体何なんだろうか……。 俺にできることなんて極限られたものだから、先生だって無茶は言わないと思う。
だから単純に、皆を守れってことなのかとも考えてみた。
命の尊さ、仲間の大切さ、キャプテンという責任の重さを教えようとしてるのかと、そう考えたんだ。
たぶん、それは間違ってないと思う。先生には少なからずそんな意図があったことだろう。
だって先生はこれまでにも俺たちにたくさんのことを教えてくれたんだ。今度もきっとそうに違いないじゃんか。
……でも、果たしてそれだけのためにここまでするだろうか、という疑問も湧いてくる。 いくらなんでも『殺し合い』は大袈裟だ。
仲間の大切さやキャプテンとしての責任の重さは、今更こんなことされなくったって充分承知してる。 ONE FOR ALL ALL FOR ONE
一人はみんなのために、みんなは一人のために。これが俺たちニコガクじゃん。 それは先生だってわかってるはずだ。
だとすると、これが先生の真意にはならないってことなのかな? もっと他に重要な意味があるってことなのかな?
……駄目だ、全然わかんないよ先生。先生は俺にどうしろって言うんだよ!?
叫び声が響き渡る。 「仲間を……殺したのかよ……」 俺の言葉にソイツは何も答えない。 「仲間を裏切るなんて最低だ!」
野球は1人じゃ出来ないんだ。 9人いないと出来ないんだよ。 だから――――――ONE FOR ALL、 ALL FOR
ONE……一人はみんなの為に、みんなは一人の為に戦うんだ。 それがチームってヤツなんだよ。 なのに、なのにコイツ…………!!
ソイツの額に銃口を当てて引き金を引くのに、さっきのような躊躇いは何一つ感じなかった。