←前へ  次へ→    『一代聖教大意』
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             一、数息 息を数へて散乱を冶す。
             二、不浄 身の不浄を観じて貪欲を治す。
 五停心 三、慈悲 慈悲を観じて嫉妬を治す。
             四、因縁 十二因縁を観じて愚痴を治す。
             五、界方便 亦は念仏と云ふ 地水火風空識の六界を              観じて障道を治す。
             一、身 外道は身を浄と云ひ、仏は不浄と説きたまふ。
             二、受 外道は三界を楽と云ひ、仏は苦と説きたまふ。
 別想念処  
             三、心 外道は心を常と云ひ、仏は無常と説きたまふ。
             四、法 外道は一切衆生に我有りと云ひ、仏は              無我と説きたまふ。
   外道は常心楽受我法浄身、仏は苦・不浄・無常・無我と説く。
 総想念処          先の苦・不浄・無常・無我を調練して観ずるなり。
  法   智慧の火、煩悩の薪を蒸せば煙の立つなり。            故に法と云ふ。
  頂法         山の頂に登りて、四方を見るに雲り無きが如            し。世間出世間の因果の道理を委しく知って闇            り無き事に譬へたるなり。始め五停心より此の頂法に            至るまでは、退位と申して悪縁に値へば悪道に堕す。            而れども此の頂法の善根は失せずと習ふなり。
  忍法   此の位に入る人は永く悪道に堕ちず。
  世第一法       此の位に至るまでは賢人なり。但し今に聖人と成るべ            きなり。
 
 
平成新編御書 ―85n―