←前へ 次へ→ 『一代聖教大意』
(★85n)
一、数息 息を数へて散乱を冶す。
二、不浄 身の不浄を観じて貪欲を治す。
五停心 三、慈悲 慈悲を観じて嫉妬を治す。
四、因縁 十二因縁を観じて愚痴を治す。
五、界方便 亦は念仏と云ふ 地水火風空識の六界を 観じて障道を治す。
一、身 外道は身を浄と云ひ、仏は不浄と説きたまふ。
二、受 外道は三界を楽と云ひ、仏は苦と説きたまふ。
別想念処
三、心 外道は心を常と云ひ、仏は無常と説きたまふ。
四、法 外道は一切衆生に我有りと云ひ、仏は 無我と説きたまふ。
外道は常心楽受我法浄身、仏は苦・不浄・無常・無我と説く。
総想念処 先の苦・不浄・無常・無我を調練して観ずるなり。
法 智慧の火、煩悩の薪を蒸せば煙の立つなり。 故に法と云ふ。
頂法 山の頂に登りて、四方を見るに雲り無きが如 し。世間出世間の因果の道理を委しく知って闇 り無き事に譬へたるなり。始め五停心より此の頂法に 至るまでは、退位と申して悪縁に値へば悪道に堕す。 而れども此の頂法の善根は失せずと習ふなり。
忍法 此の位に入る人は永く悪道に堕ちず。
世第一法 此の位に至るまでは賢人なり。但し今に聖人と成るべ きなり。
平成新編御書 ―85n―