「一期一会 (3)」
チームの紹介も、いよいよ今回で最後です。
製作総指揮の三上部長と、プロデューサーの稲葉くん。
言うまでもなく、このゲーム誕生のキッカケを作ってくれた人たちです。
「好きに作っていいよ」
メンバーを集めて、1年近い時間をもらいました。
三上さんには、ゲームシステムの形が見えるまで、毎度のことながら相当お世話になっています。
最初の法廷パート、その改定案、そのまた改定案‥‥と、最終的に《証拠品をつきつける》という形に到達するまで、実にシンボウ強くつきあっていただきました。
ゲームの“つかみ”という部分に関しては最後までマユが八の字だった三上さんですが、“わかりやすさ”に関しては、なんとか要望にこたえられたと思っています。
そして最後に、稲葉くん。
彼のシゴトは、『逆転裁判』をより多くの人が楽しめるようにすること。
たとえばそれは、キャラクターであったり、物語であったり‥‥。
マニアックな方向に走りがちなシナリオ書きをなだめすかし、時にはナミダを飲んで鉄拳制裁を加えることもあったというウワサです。
彼の最大の功績は、なんといってもこの公式ホームページに体験版を作ったことでしょう。
タイトルが与える“どこかカタいイメージ”を打ち砕く、まさに最高のアイデアだったと思います。
『逆転裁判』は、とても小さなプロジェクトでした。それゆえ、プロデュースにもかなり制限が多かったようです。しかし、それを楽しむかのように、さまざまな広告・宣伝活動を展開するオトコ‥‥それが、稲葉くんです。
さて。チームの結成から解散まで、『逆転裁判』の物語はこれでおしまいです。
コラムの方は‥‥もう少し、つづけたいと思います。
製作中、ぼくのアタマをいつも悩ませつづけた“シナリオ”。
このやっかいなシロモノを中心に、お話ししていくつもりです。
もうしばらく、おつきあいください。